この素晴らしい世界たちに魔法陣を!   作:スマラカタ

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お読みいただきありがとうございます!
今回以降、ラヴェンツァ関連で、『ペルソナ5』原作本来の時系列と比較した際、かなり違和感のある部分があると思いますが、この物語内では敢えてそうしております。予めご了承ください。
それでは、本編開始です。


第8章 この真なる更生を願う者との手合わせに祝福を!

 俺は、この群青色に染まった不思議な客室で出逢った少女のラヴェに、この部屋のことについて尋ねることにした。

 

「……で、ラヴェ。この部屋は、そもそもどんな場所なんだ? 俺の推測だと、夢の中だと考えているんだが……」

 

 俺がそう言うと、彼女は少し考えた後にこう言った。

 

「……かなり近い答えですね。正確には、夢と現実、精神と物質の狭間にある場所……その名も『ベルベットルーム』と言います。」

「べ、ベルベットルーム?」

 

 ず、随分と変わった名前の部屋だな。それに、夢と現実、精神と物質の狭間にある場所? よくわからんが、こういうのは、そのまま受け入れた方が良さそうだな。

 俺がそう思っていると、俺の考えを察したラヴェが軽く補足の説明をしてくれた。

 

「……もう少し分かりやすく言いますと、『集合的無意識』や『阿頼耶識』などと呼ばれる『心の海』の世界にある部屋ですね。」

「あぁ、そういうことか。今の説明でなんとなく理解できたぞ。つまり、ここは、俺や他の人たちの無意識にある世界ってことだな?」

 

 俺がそう言うと、彼女は強く頷きながら言った。

 

「その通りです。そして、この場所は、何らかの形で『契約』を果たされた方のみが訪れる場所なのです。」

「うん? ……け、『契約』?」

 

 俺は、ラヴェのその言葉に違和感を覚えたので、彼女にそれを尋ねた。すると、彼女は、俺の目を真っすぐ見つめながら言った。

 

「……まだお気づきではないかもしれませんが、貴方は先日『契約』により、新たな力を手に入れているのですよ。」

「……!? はぁ!? え、あ、新たな力!?」

 

 あ、新たな力だって!? でも、この前の除霊で『ターンアンデット』を覚えた時に冒険者カードを確認したけど、そんな力はなかったはずだが……

 俺がそう思っていると、ラヴェが頷きながら言った。

 

「えぇ、それはそうでしょう。なぜならこの力は、貴方の奥底で先日目覚めた力であり、まだ表面化したわけではないのですから。」

「表面化……? いや、それが本当だとして、その力って一体……」

 

 俺がラヴェに尋ねると、彼女は一瞬目を閉じて何かを考えてから、俺に言った。

 

「……その問いに対してお答えする前に、貴方に少し頼みたいことがございます。」

「え、頼み?」

「はい。……私と少し手合わせしていただけませんか?」

 

 て、手合わせ!? え、どういうこと!?

 俺が内心困惑していると、彼女は説明を続けた。

 

「……まず今回、貴方が目覚められた力は、貴方が想定している以上に特別かつ強大なもの。……故に、その力の使い方を誤れば、貴方やお仲間の方はもちろん、他の世界にも影響を及ぼしかねないのです。」

「……そ、そんなとんでもない力に、俺は目覚めたのか!?」

「えぇ、その通りです。……ですので、完全にその力に目覚められる前に、貴方のことを見極める必要があるのです。その力を正しく使い、この険しい旅路を乗り越えようとする『覚悟』があるかどうかを。」

「なるほど、それで手合わせか。」

「えぇ、私と全力で戦ってもらうことが、貴方の本音や実力を知るには手っ取り早いですので。」

 

 おいおい、バトル漫画じゃあるまいし……。

 そう考えた後、俺は彼女に尋ねた。

 

「あ、ちょっと待ってくれ。今回、俺、武器とかないんだけど……」

「そこはご心配なく。武器や回復のための道具は貸し出しますので。」

 

 武器や道具は貸し出してくれるのか。まぁ、それなら……

 

「ちなみに、今回の勝利条件は、私に一撃でも攻撃を当てること。これに致しましょう。」

「え、倒すじゃなくて?」

「えぇ、私自身も本調子ではありませんし、今の貴方の実力と本音を見極めるのであれば、今回はそれで充分なのです。」

 

 ……この言葉から察した。彼女は本気を出さずとも、俺を倒せてしまうのだと。

 俺がそう考えていると、彼女は俺の目をじっと見つめながら言った。

 

「……以上のことを踏まえ、私と手合わせいただけますか?」

「まぁ、いいけどよ。……下手に断っても、なんか嫌な予感するし。」

「ありがとうございます。では、剣と弓、それから回復用の道具をお渡しましょう。」

 

 彼女はそう言って、俺に剣、弓と矢筒、色々な道具が詰まった鞄を手渡してきた。

 

「あの、ちょっと。俺、弓が使えるなんて一言も言ってないんだが……」

「以前、キースという名前の方から、確か『狙撃』というスキルを習得されていたようでしたので……」

「なぜそれを知ってるんだ!? アクアたちにはまだ言ってなかったのに!」

 

 ……そう。実は、先日の引っ越しの片付けの時、俺たちとは別のパーティーであるダスト、リーン、キース、テイラーにも少しだけ手伝ってもらっていたのだが、その時に、アーチャーをしているキースから『弓』、『狙撃』、『千里眼』という三種類の便利なスキルをこっそり教えてもらったのだ。

 まず、これらのスキルがどういうものかだが、『弓』は、言わずもがな『弓』を扱えるようになるためのスキルで、『狙撃』は、弓などの飛び道具の飛距離を伸ばし、運が強ければ強いほど命中率が上がるというスキルだ。そして、『千里眼』は、双眼鏡なしでもかなり遠くのものが見えるようになったり、暗闇の中でも明るい場所のように視えるようになるスキルだ。

 ……で、これらのスキルは、『千里眼』は索敵やダンジョンの探索などに、『弓』や『狙撃』は、うちのメンバーにできる者が少ない安定した遠距離攻撃ができるという戦闘において重要なスキルなのだ。だから、今度クエストに行ってお披露目するまで、内緒にしようと思っていたのだが……

 俺がそう思っていると、彼女は申し訳なさそうに言った。

 

「……大変申し訳ございません。貴方がこの場所に来てすぐ、貴方が危険でないか判断するため、勝手ながら記憶を確認させていただいたのです。」

「な、なぜ、そんなことを?」

「実は、先日“『ベルベットルーム』を襲撃する者”が現れまして。そのため、念入りに警戒する必要がありまして……」

「そ、そうだったのか。……それなら、まぁ、仕方ないか。」

 

 どうやら、悪気があったわけではなさそうだ。……襲撃云々については、ちょっと気になるけど。

 そんなことを考えていると、ラヴェが咳払いしながら言った。

 

「……ともかく、その話は一旦置いておきましょう。それよりも、今は見極めの方が先です。さぁ、武具や道具はあちらにございますので、準備をしてきてください。」

「そ、そうだったな。ちょっと待っててくれ。」

 

 そんなわけで、俺は、武具の手入れと道具の準備を行った後、ラヴェに話しかけた。

 

「待たせたな。いつでも大丈夫だ。」

「……準備は整ったようですね。それでは、参ります!」

 

彼女はそう言うと、背筋が凍るほどのオーラを出してきた。

 

「手加減は無用。全力でかかってきてください。……それでは、始めましょう!」

 

 彼女はそう言って、どこからともなく、群青色の分厚い本を取り出してきた。

 

「先手はお譲りします。さぁ、いつでもどうぞ?」

「……それじゃあ、遠慮なく!」

 

 俺はそう言って、ラヴェに向かって剣を振るった。しかし、彼女は華麗な身のこなしでその攻撃を躱した。

 

「は、速っ!」

「……では、こちらのターンですね。参ります、『ペルソナ』!」

 

 彼女はそう叫ぶと、『緑色の馬のような魔物』を呼び出すと、いきなり点滅する光

を放ってきた。

 俺はそれを見て、すぐに袖で光を隠して、その攻撃を回避した。

 

「あら、『混乱』されませんでしたか。」

「いきなり『混乱』させようとしてきたのか! 速いし、マジで厄介な相手だな!」

 

 俺がそんなことを言いながら、ひたすら攻撃を試みたが、ラヴェは余裕の表情を浮かべながら躱し続けた。

 

「……闇雲に攻撃しても当たりませんよ。さて、次はこれにしましょう。『ペルソナ』!」

 

 彼女はそう言って、『赤い馬に乗った黒騎士』を呼び出すと、俺の足元をめがけて、数多の火柱で攻撃してきた。しかし、俺が強運だったおかげか、それらを全て避けきることに成功した。

 

「あ、危なっ!」

「あら、避けられましたか。……ですが、次はどうでしょう? 『ペルソナ』!」

 

 彼女はそう言って、次は『犬のような魔物』を呼び出し、俺を狙うように激しい雷が降り注いだ。だが、これも強運のおかげもあり、なんとか全て避けきった。

 

「よっと!」

「これも避けきるとは! ならば、これはいかがでしょう! 『ペルソナ』!」

 

 彼女がそう叫ぶと、今度は『虎のような魔物』を呼び出し、俺の真下からたくさんの氷柱が飛び出してきた。これでも、俺の強運のおかげで、全ての攻撃を躱すことに成功した。

 そんな様子に、流石のラヴェも困惑を隠せなかったのか、俺にこう言ってきた。

 

「なんと、これも避けますか! 運も実力のうちとよく言いますが、これほどの『強運』の持ち主だとは!」

「そりゃどうも! くらえ!」

 

 俺は、ラヴェの一瞬の隙をつき、『ウィンドブレス』と『クリエイト・アース』を使い、彼女の視界を一時的に奪うことに成功した。

 

「……くっ、目潰しとは。ならば、こちらも! 『ペルソナ』!」

 

 彼女はそう言うと、再び『犬のような魔物』を呼び出し、眩い光で視界を眩ませようとしてきた。だが、それは、一瞬目をつぶることで回避した。

 

「おっと、目くらましか! だが、避ければどうってこともない!」

「そう来ましたか! こうなれば、次の一手を……!」

 

 彼女が次の行動をする刹那、俺はこの機を逃さないよう、彼女に狙いを定めながら言った。

 

「させるか! 『狙撃』!」

 

 俺はそう言って弓を引くと、その矢はラヴェの脛に直撃し、彼女は苦しそうな顔をして動きを止めた。

 

「……くっ、私を転ばせるとは。」

「さて、これで一撃与えたわけだがどうする? まだ続けるか?」

 

 俺が剣を構えながらそう言うと、彼女は俺を見ながら言った。

 

「……いえ、勝利条件は満たしていますし、ここまでですね。お見事です。」

 

 ……この手合わせに無事勝つことができたようだ。やれやれ、本当に大変だった。ここまで、全力で挑んだのは久しぶりかもしれないな。

 俺がそんなことを考えていると、彼女が自身の怪我を治しながら話しかけてきた。

 

「……まずは、今回の手合わせ、対戦ありがとうございました。」

「お、おう。こちらこそありがとな。……で、ラヴェから見て、俺はどうだったんだ?」

 

 俺がそう尋ねると、彼女は微笑みながらこう言った。

 

「……そうですね。この戦いを通し、貴方を見極めた結果ですが、『素晴らしい』と言ったところでしょうか。」

「『素晴らしい』……か。」

「えぇ、貴方になら、これらを託しても良いでしょう。」

 

 彼女はそう言って、俺に群青色の鍵と何かの模様の描かれた一枚の紙を手渡してきた。

 

「こ、これは……?」

「まず、その鍵は、この『ベルベットルーム』の鍵になります。後ほど、現実世界に設置する予定の『青い扉』から行き来が可能になります。そして、そちらの紙は、貴方が目覚めた力に大いに関係する品。……『魔法陣』と言えば伝わりますか?」

「……!?」

 

 俺はその言葉を聞いた時、あまりの衝撃に言葉が出なかった。その理由は単純だ。あの品がムスビの探している『魔法陣』だと言うのだから。

 

「ちょ、待って! え、これが『魔法陣』なの!? というか、話から察するに、俺が目覚めた力って……!」

「えぇ、貴方は『魔法陣』を扱うことができるようになったのです。」

「ま、『魔法陣』を!?」

「その通りです。そして、先程お渡ししたその『魔法陣』は、『我々の世界』の力が込められているものになります。今はまだ使うことはできませんが、いずれ使えるようになるはずです。」

 

 な、なんてことだ! それ、確か『あらゆる世界』の力が込められたやつで、その力を俺が借りられるようになったってことだろ? ……今、納得した。だって、この力の使い方を間違えれば、全ての世界を破壊しかねないものだからな。そりゃ、ラヴェが事前に見極めるなんて言いだすわけだ。

 俺がそんなことを考えていると、突然外から船の汽笛が聞こえてきた。

 すると、それを聞いたラヴェが俺にこう言った。

 

「……そろそろ、時間のようですね。」

「え、ちょ、時間って! 俺、まだまだ聞きたいことが山積みなんだが!」

「お気持ちはわかりますが、これ以上の滞在は、現実世界の貴方に影響を及ぼしかねませんので……」

「そ、そうか。」

「まぁ、今後貴方の手助けをする予定ではありますので、その時にまたお会いしましょう。……では、ごきげんよう。」

 

 彼女がそう言うと同時、俺の意識は再び遠くなっていった。

 

 それから、俺が再び目を覚めすと、先程までいた『ベルベットルーム』ではなく、眠る前にいたウィズ魔道具店の事務所の部屋にいた。

 俺が伸びをしようと上体を起こすと、横で起きるのを待っていたであろうめぐみんが声をかけてくれた。

 

「おはようございます、カズマ。……随分魘されていたようですけど、具合は大丈夫ですか?」

「具合? ……いや、それなら全く問題なさそうだけど。」

 

 俺がそう言うと、彼女はほっとした表情を浮かべながら言った。

 

「それなら良かったです。先程も言いましたが、貴方が眠っている少しの間、なぜか魘されていたようでしたので……」

「魘されて……あぁ、なんか心配かけたみたいだな。いや、体調は問題ないな。ただ、無意識の世界で、ちょっとした激闘をしてきただけで……」

 

 俺がそう言うと、めぐみんは困惑したような表情をしながら聞き返してきた。

 

「え、激闘ですか……? あの、ちょっと意味が分からないのですが。」

「まぁ、だろうな。俺もあれを説明なしで理解できると思ってないから大丈夫だ。」

 

 めぐみんにそう言った後、俺は辺りを見回した後、彼女に尋ねた。

 

「そういや、めぐみん。ニケたちはどうした? この部屋にいないみたいだが……」

「あぁ、ニケたちは魔道具店の方で待っていますね。ロリーサは、夜の仕事で先に帰りましたけど。」

「……夜の仕事?」

 

 俺がそう言うと、彼女はハッとした表情をした後、俺に説明してくれた。

 

「あぁ、そういえば説明してなかったですね。ロリーサは、昼は冒険者として活動する傍ら、夜はサキュバスサービスといって、男性冒険者に彼らが希望する性なる夢を見せるという……有り体に言えば、いかがわしい店で働いているのです。」

「へぇ、この世界にも夜の店ってあったのか。」

「えぇ、ロリーサ曰く『男性冒険者の皆様から大変好評でして……』とのことらしいです。無論、ギルド非公認なので他言無用が原則なんですけどね。」

 

 ……そ、そんなに人気なのか。今度、俺もこっそり利用してみようかな。

 俺が内心そんなことを考えていると、俺の考えを読んだのか、彼女が小声でこう言ってきた。

 

「……そうそう、一つ言い忘れていました。サキュバスサービスの利用の件ですが、貴方がその施設を利用することは、私は別に文句を言う予定はありません。カズマもすでに成人ですし、私がそのことに文句を言う権利はありませんので。ただ、もし行く際は、クエストや爆裂散歩の兼ね合いなどもあるので、出かける時に一声かけてくださると嬉しいです。内容が内容だけに言いづらいとは思うのですが……」

「あ、そういうことか。その辺、先に言ってくれるのは助かる。ちゃんと声をかけていくよ。」

「ありがとうございます。……では、そろそろ日も暮れてきましたし。ニケたちに色々共有しながら屋敷に戻るとしましょうか。」

「そうだな。そろそろ、ダクネスも屋敷に帰ってきてる頃かもしれないもんな。」

 

 ……というわけで、俺たちは、今回のことを共有しながら家路につくことにした。めぐみんたちは、今回話した『ベルベットルーム』内での出来事にかなり驚いていたが、服のポケットに入っていた群青色の鍵を見せることで、全て本当のことだと理解してくれた。

 それから、今回の共有を話し終えてから屋敷に帰ると、ダクネスが嬉しそうな顔でテーブルにカニや高級酒を並べていた。

俺たちは少し不思議に思って理由を聞くと、どうやら実家から引っ越し祝いとして『霜降り赤ガニ』と呼ばれる高級なカニとたくさんの高級酒を頂いたのだとか。

俺たちもせっかくなので、そのカニをいただいた。口に広がる甘さと旨味が絶品であり、あっという間になくなってしまった。

そして、カニを食べ終えた後、俺たちはダクネスやアクアに、今回の出来事を簡略化した状態で共有し、その日は眠ることにした。

 

 そして、翌朝……

 俺とニケは、ダクネスと一緒に庭とアンナの墓掃除をすることになった。男二人に体力自慢のダクネスというメンバーだったため、作業自体は比較的早く終わった。

 

「「……ふぅ。ダクネス、こんな感じで大丈夫か?」」

「あぁ、かなり綺麗になったな。助かった。……しかし、昨日は本当に驚いたぞ。私やアクアの与り知らぬところで、そんな妙なことに巻き込まれていたとは。まぁ、めぐみんから詳しい事情は聞いたから、今回はお咎めなしにさせてもらうが……」

「すまんな、ダクネス。ややこしいことになっちまって。」

「事情を理解してくれて助かるよ。」

 

 俺たちがそう言うと、彼女はため息交じりにこう言った。

 

「……まぁ、今回は気にしてないから大丈夫だ。……しかし、今回もそうだが、ここ最近妙なことばかり続くな。ニケたちやムスビの来訪もそうだが、先日カズマが見た『夢』に然り、今回のカズマの『魔法陣』を扱うための力の覚醒に、『ベルベットルーム』の一件……。何か嫌なことが起きる前兆のような気がしてならないな。」

「まぁ、確かに……。」

「そうなんだよな。まぁ、何事もなければ……って言いたいところだけど、多分近いうちにあるよな。ここ最近の流れ的に。」

 

 俺たちがそんな風にため息をついていると、突然けたたましいサイレンの音とともに、緊迫感溢れるアナウンスが聞こえてきた。

 

『デストロイヤー警報! デストロイヤー警報! 機動要塞デストロイヤーが現在この街に接近中です! 住民の皆様は直ちに避難を……!』

 

 ……ほら、言わんこっちゃない! デストロイヤーってのがよくわからんが、アナウンスの雰囲気から察するに、相当危険なものなのは間違いないだろう。

 俺がそう考えていると、ダクネスが真剣な表情で俺たちに言った。

 

「カズマ、ニケ。……皆に、戦闘の準備をしてくるよう至急伝えてくれ。準備が出来次第、冒険者ギルドに直行するぞ! 冒険者には街を護る責務があるからな!」

「「わ、わかった!」」

 

 こうして、俺たちは、慌てふためくめぐみんたちに先程のことを伝えた後、猛ダッシュで冒険者ギルドへと向かうこととなった。

 そして、この時はまだ知らなかったが、俺たちはそのデストロイヤーの中で、ある少女との出逢いを果たすことになるのだが、それはもう少し先の話である。




お読みいただきありがとうございます。今回の話はいかがだったでしょうか。
カズマも『魔法陣』の力を使えるようにしてみました。カズマがあの力をどう使いこなすか、今後の活躍をお楽しみください。
そして、前書きにも書きましたが、『ペルソナ5』をプレイされたことがある方であれば、ラヴェが発した言葉に違和感を覚えたかもしれませんが、これは敢えてです。ですので、これにより、『あっちの世界』にどう影響を与えることになるかも今後楽しみにしてくださると嬉しいです。
さて、次回から機動要塞デストロイヤー戦になりますが、果たして、彼らの運命は如何に……!
感想や意見、質問などはいつでもお待ちしております。それでは、また次の話でお会いできる時をお待ちしております。

今更ではございますが、本作品をお読みいただいた上で、「この部分を良くすればもっと読みたくなるのにな」と感じられた点がございましたら、以下の選択肢のうち、どれか一つをお選びください。なお、感想欄での細かな回答は、規約により禁止されておりますので、大変恐れ入りますがご遠慮くださいますようお願いいたします。

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