さて、今回の物語は、ついにデストロイヤー戦に突入します。果たして、カズマ一行の運命は……!
それでは、ここから本編開始です。
俺たちが冒険者ギルドに到着すると、ギルド内はいつもと違い、ただならぬ緊迫感と絶望感に満ちていた。
そんな様子に呆然としつつ、辺りを見渡していると、俺たちに気づいたダストが小声で声をかけてきた。
「お、カズマたち。お前たちなら来るって信じてたぜ。」
「まぁ、そりゃあ、こんな非常事態だからな。それに、これを放って逃げると、アンナが滅茶苦茶悲しむだろうからさ。」
俺がそう言うと、ダストはどこか納得した様子でこう言った。
「あぁ、カズマんとこの幽霊大家か。……そりゃそうか。せっかくこの間、カズマたちが越して来たばかりだってのに、今度は、デストロイヤーのせいで屋敷ごとぱあになったら、理不尽極まりないもんな。」
「そういうことだ。……で、今どんな流れになってるんだ?」
俺がそう尋ねると、彼は眉間にしわを寄せながら色々説明してくれた。
「いや、それがな。正直、かなりよくねえ状況なんだ。……この世界の情勢にほぼ詳しくねえニケたちにも解るように説明すると、さっき放送でもあった『機動要塞デストロイヤー』っていう暴走した古代兵器が、この街に接近してるんだ。」
「「「こ、古代兵器?」」」
俺たちがそう言うと、俺を見て少し驚いたような表情で言った。
「え、カズマも知らなかったのか? ……って、今はそんなことはどうでもいいな。とにかく、その『機動要塞デストロイヤー』ってのがとんでもなくヤバくてな。どのぐらいヤバいかっていうと、そいつが通った後は、まず草すら残らねえほど全部破壊していくし、そもそもそれを作った国は、真っ先に滅ぼされたし、街に住んでいる一般人に比べると、色々性質やパワーが頑強なアクシズ教徒や紅魔族の連中でも、街の再建に一か月以上もかかるレベルの被害を出すんだ。」
何そのヤバい兵器! 文字通り、とんでもねえじゃねえか!
俺たちがその情報に唖然としていると、彼は更に説明を続けた。
「……で、これだけで終わらないのが『機動要塞デストロイヤー』だ。あれには、超強力な魔法結界が張ってあるから、まずどんな魔法も……それこそ、爆裂魔法すら効かねえだろ。さらに、過去に大きな落とし穴を作って埋めようとしたんだが、それもその俊敏な機動力で回避しちまった。その上、物理的に乗り込もうとしても、そもそも速すぎて無理だし、上から乗りこもうとしてもすぐに撃ち落とされちまうんだ。」
「「……どうしようもねえじゃねえか!」」
彼の話を聞き、俺たちは思わずこう言ってしまった。
はっきり言って、無理ゲーである。それこそ、その結界を壊せないと……
俺がそう思っていると、ニケがアクアにあることを尋ねた。
「なぁ、アクア。少し聞きたいことがあるんだけどさ。」
「こんな時にどうしたの?」
「……単純な疑問なんだけどさ。アクアって、この間の悪霊騒ぎの時、墓地にどんな霊でも逃げ出すレベルの超強力な結界を張って、その上、自力で解除できてただろ?」
「そうね。それがどうかしたの?」
「いや、それだけ凄い力があるなら、その超強力な結界も破れたりしないか……なんて思ったんだけど……」
ニケがそう言うと、アクアは少し考えた後にこう言った。
「その結界の強度にも依るわね。その結界の強度が『魔王城』の結界より低いのなら、基本的に破れるはずなんだけど……」
彼女がそう言うと、その話を聞いたルナがかなり驚いた顔をしながら聞き返してきた。
「あの、すみません! アクアさん、デストロイヤーの結界を破れるんですか!?」
「……えーと、その結界がどのぐらいの強度かがわからないから、なんとも言えないわね。せめて、その強度が分かればいいんだけど……」
アクアが気まずそうな顔でそう言うと、ダクネスがムスビを抱えながら、こちらに来た。
「……それならば、ムスビに頼ろう。ムスビ、今すぐ『機動要塞デストロイヤー』の結界の強度を調べてくれ。」
「……そう言われると思って、ニケがアクアに質問した時点で調べてあるぞ。結論から言えば、アクアなら破れるぞ。無論、今出せるだけの全力を出してもらう必要はあるが……」
ムスビがそう言うと、ルナはアクアの肩をがっしりと掴みながら言った。
「……そういうことであるなら! アクアさん、どうかお願いします! この街のために貴女の力を貸していただけませんか!? 今の我々には、アクアさんだけが頼りなんです!」
彼女がそう言うと、アクアは困惑した様子を見せながらも、この頼みを了承した。
「ちょ、ルナ!? あの、ちゃ、ちゃんと引き受けるから! だ、だから、一旦離してちょうだい!」
「あぁ、大変失礼いたしました! とにかく、まずはありがとうございます! 結界はこれでなんとかなりました。後は、あれに大打撃を与えられる攻撃があれば……!」
ルナがそう言うと、俺の隣にいたダストがため息をつきながら言った。
「おいおい、ルナ。一つ忘れちゃいないか? ……それなら、この街にはめぐみんっていう適任がいるだろ。」
彼がそう言うと、ルナや町の冒険者たちはハッとした顔で言った。
「そうでした! めぐみんさんは爆裂魔法持ちでしたよね!」
「そういや、この街の最高火力はあの爆裂娘か!」
「……ジャイアントトードに普段やられてばかりだったから忘れかけてたけど、そうだよな! よく考えなくても、この街じゃ爆裂魔法が最大火力なんだもんな!」
街の人がそんな声を上げる中、俺はめぐみんに尋ねた。
「……ちなみになんだが、お前の感覚的に、その爆裂魔法で『機動要塞デストロイヤー』を仕留めることはできるのか?」
「……我が爆裂魔法でもデストロイヤーを一撃で破壊するのはおそらく難しいですね。良くて足止めが関の山かと。でも、それをするとなら、もう後一人、上級魔法レベルの魔法が使える使い手がいれば、安心できるのですが……」
俺はそれを聞き、すぐにククリにも尋ねた。
「なぁ、ククリ。お前の『グルグル』の中に爆裂魔法並に強力そうなものってあるか?」
「ば、爆裂魔法並みの? ……一応、『ベームベーム召喚』っていう凄く強力な『グルグル』があるんだけど、実は今使えなくなっちゃってて……」
「『ベームベーム召喚』? 何だそれは?」
俺がそう尋ねると、ニケがククリの代わりに説明してくれた。
「……簡単に説明すると、『ベームベーム』という名前の魔神を召喚する効果の『グルグル』なんだけど、そいつを呼び出すと、その周りの敵全体に大量の雷で大ダメージを与えてくれるんだけど、ククリの静止がないと、敵味方関係なく攻撃しちゃう厄介なものなんだよ。」
「「な、なるほど……。なんて物騒な……。」」
……もし有っても、今回の作戦には使えないな。
範囲もそうだが、何より敵味方関係なく攻撃というのはデメリットがあまりに大きすぎる。
「そうだ、『魔法陣』の力はどうなんだ? もしかしたら、案外『可能性』があったりして……」
俺がそう言うと、ムスビが少し考えた後にこう言った。
「……それなんだが、実はあるにはある。」
「え、あるの!?」
俺が驚きながらそう言うと、彼は眉間にしわを寄せながらこう言った。
「だが、それには、めぐみんのサポートが現時点では欠かせないと断言する。」
「うん? ……めぐみんのサポートが必須ってどういうことだ?」
「……実は、先日覚醒させた『魔法陣』の力のうち、ククリが発動できるもので『“爆裂魔法”を発動できる』というものがあってな。」
「「「はい!?」」」
俺たちはその言葉を聞き、思わず素で驚いてしまった。まさか、ククリも爆裂魔法が使えるようになっているとは!
そんなことを考えていると、ムスビが険しい顔をしながら説明を続けた。
「……無論、本来ならば、これは非常に喜ばしい状況なのだ。……なのだが、これを練習や予備知識もなしに、その上、ククリ単独で撃たせるとなると、ワレとしてはあまり強く推奨できんのだ。初見の魔法のため、もしも暴発してしまった時のリスクもあるし、何よりククリ自身の精神的負担も考えるとな。」
「「「あぁ、確かに……。」」」
ムスビの言葉を聞き、この場にいた全員がその意見に納得した。めぐみんのように、爆裂魔法に対して相当な知識を持ち合わせて撃つのであれば、それは心配いらない。なぜなら、それを十分に扱いこなすだけの実力があるからだ。
……しかし、ククリの場合は話が別だ。彼女の場合は、そういった予備知識や爆裂魔法を放った経験がない状態であるため、爆裂魔法が撃てるメリットよりも、もし暴発してしまった際のリスクの方が上回ってしまうのだ。
「……となると、今回の作戦ではあまり使えないな。」
「今回の場合は、さっきも言ってたけど、めぐみんも爆裂魔法を撃つからな。リスク云々を考えると、今のククリに任せるのは難しそうだな。本当に申し訳ないけど。」
「……だとしたら、他にそういった適任が必要になるが、この街にそんなことのできる人はいるのかという問題になるわけなのだが……」
ダクネスがそう言った途端、ギルド全体の空気が重くなってしまった。そりゃそうである。……一応、現状だとめぐみんとククリに頼るしかないのだが、これはあくまで最終手段とすべきなのだ。だから、せめて後一人、例えば上級魔法などに慣れた人がいれば……
俺たちがそんなことを考えていると、突然ギルド入り口の扉が開き、少し慌てた様子のウィズがこちらにやってきた。
「すみません、遅くなりました! ウィズ魔道具店店主のウィズです! 私もアークウィザードとして冒険者資格を持っているので、微力ながら手伝いに参りました!」
彼女がそう言うと、ギルドに居た冒険者たちはすぐに歓声を上げた。
「ウィズさんだ!」
「そうだった! この人、元々凄腕アークウィザードなんだった!」
「これでなんとかなるかもしれない!」
彼らがそう言う中、その渦中にいたウィズは、この状況にかなり困惑していた。
「え、えぇ? い、一体何がどうなっているんですか?」
「あ、ウィズ! ちょうどいいところに! 突然ですまないけど、ちょっと頼みたいことがあるんだ。実は……」
俺たちは、ウィズにここまでの状況とこれから行おうとしている作戦について、簡潔に伝えた。
「……なるほど、事情や作戦は全て把握できました。そういうことであれば、私も爆裂魔法を使えますので、全力で助力させていただきますね!」
「マジか! いや、本当に助かるよ!」
「いえいえ、日頃この街のお世話にもなっていますから……」
そんなわけで、俺たちは今回の作戦について、もう一度確認することにした。
「では、改めて作戦を確認いたします! まず、アクアさんが『機動要塞デストロイヤー』の結界を破壊した後、めぐみんさんとウィズさんが爆裂魔法を使って動きを止め、その後、万が一に備えて、デストロイヤー内に潜入し、完全に機能を停止させる。……以上の手順となりますがよろしいでしょうか!」
ルナがそう言うと、俺たち全員が一斉に頷いた。それを見た彼女は勢いよくこう言った。
「……では、皆さん! これより、緊急クエスト開始です!」
こうして、『機動要塞デストロイヤー』の襲撃から街を護るための戦いが始まったのだった。
そんなわけで、俺たちはさっそく、万が一に備えて、街の人たちと即席のバリケードや罠の設置、アクアやめぐみん、ウィズといった今回の主力たちと、今回の作戦の最終確認を行った。
その後、彼女たちから作戦前の休憩時間をもらい、バリケードの最前列で全く動こうとしない険しい顔をしたダクネスに、俺とニケは声をかけに行くことにした。
「……ダクネス。まだここにいたのか。」
「めぐみんやククリたちが心配してたぞ。……そこは危ないし、一旦戻ってきたらどうだ?」
俺たちがそう言うと、彼女は少し目を瞑った後にこう言った。
「……確かに、本来ならばそうすべきなのだろう。しかし、この私には、聖騎士である以上に、この街を、いや、この地に住む人々を必ず護る責務があるのだ。……例え、私一人だけであろうとな。」
……どうやら、相当覚悟してこの場にいるようだ。先程、彼女は『この地に住む人々を必ず護る』と力強く宣言したのだから。
「で、でも、それなら、この街の冒険者だって同じはずだろ? その気持ちはとても気高いものだけど、そんな一人で背負いこもうとしなくても……」
「そうだぜ。俺たちだっているんだからさ……」
俺たちがそう言うと、彼女はどこか儚げな笑みを浮かべながら言った。
「……お前たちは優しいのだな。そうだな、二人には色々話しておくべきだな。」
「「……?」」
「……まず、私の本当の名は“ダクネス”ではなく、“ダスティネス・フォード・ララティーナ”というのだ。」
「だ、ダスティネス?」
「うん? その名前、どっかで聞いたことがあるような……」
俺がそう言うと、彼女は少し考えた後にこう言った。
「カズマの思い当たりは、おそらくこの街に居を構える貴族の『ダスティネス家』のことだろう?」
「……まさにそれだよ! ……って、え、まさか!?」
「あぁ、私はそこの一人娘なのだ。」
「「な、なんだって!?」」
……つまり、ダクネスは、名門貴族のお嬢様ってことかよ! どうりで、あの大家がダクネスのサインを見て驚くわけだ。俺も、もしあの立場ならきっと驚くに違いない。
「……お前がこの場から離れないのはあれか。お前がドМの変態だとか、聖騎士としてとかだけでなく、貴族としての強い誇りと責任感からってことか。」
「あぁ、そうだ。領民の暮らしを守ることは、私の義務であり誇りだ。……ワガママで頑固な仲間は嫌いか?」
彼女のその問いに対し、俺たちはすぐにこう言った。
「いや、そういうのは嫌いじゃないな。」
「あぁ、そういうワガママならお前らしくて悪くないし、全力で協力してやるさ。」
俺たちがそう言うと、彼女は微笑みながら言った。
「……感謝する。お前たちには迷惑をかけるな。」
「アクアのやらかしや今回の大騒動なんかに比べりゃ、全然マシだから気にすんな。……んじゃ、一旦戻るけど、危なくなったら必ず戻って来いよ。命あっての物種だからさ。」
「あぁ、わかった。」
それから、俺たちはそれぞれの持ち場に戻り、巨大な『機動要塞デストロイヤー』が遠目から目視できるようになった頃、俺はアクアに結界を壊すよう指示を飛ばした。
「アクア! 任せたぞ!」
「了解よ! 『セイクリッド・ブレイクスペル』!」
彼女がそう言って魔法を発動させると、金色に輝く魔法陣から放たれた光が、『機動要塞デストロイヤー』の強力なバリアを打ち破った。
その様子を見た後、俺はウィズとめぐみんに指示を出した。
「ウィズ! めぐみん! 頼んだ!」
俺がそう言うと、彼女たちは力強く頷きながら言った。
「任されました! 我が爆裂魔法で全てなんとかしてみせましょう!」
「えぇ、この街の人々を護るためにも!」
そう宣言した後、彼女たちは同時に爆裂魔法の詠唱を始めた。
「「黒より黒く闇より暗き漆黒に、我が真紅の金光を望みたもう。覚醒の時来たれり無謬の境界に堕ちし理無暁の歪みと成りて、現出せよ! エクスプロ―ジョン!」」
彼女たちの手からその魔法が放たれると、二つの魔法は一つに合わさり、『機動要塞デストロイヤー』の脚を全て粉砕し、ダクネスからほんの少し離れたところまで、地面を勢いよく滑りながら本体が転がってきていた。
「……ふう、なんとかなったな。ダクネスも無事みたいだ。」
俺がすぐに『千里眼』で確認してからそう言うと、その言葉を聞いた彼女たちは、魔力切れと安心感からか、ふらっと倒れようとしていた。
俺とアクアは、慌てて彼女たちに駆け寄り、倒れる直前で背中を支えた。
「ウィズ、お疲れ様! 本当にありがとね!」
「めぐみんもよくやったな! とりあえず、ご苦労さん!」
俺たちがそう言うと、彼女たちは満足げな笑みを浮かべながら言った。
「それなら良かったです。皆さんのお役に立てたのなら何よりです。」
「私もですね。皆のおかげで緊張が解けたのか、今日の爆裂はウィズと互角レベルまで行けましたので、私としても大満足です。」
「……それなら良かったよ。さてと、今は一旦休んで……」
俺がそう言いかけたその時だった。
『……被害甚大につき、自爆機能を作動します。乗組員は直ちに避難してください。繰り返します、乗組員は……』
「「「ま、マジか!!」」
おいおい、これで終わりじゃないんかい! こりゃ、なんとかしなきゃ不味そうだな!
俺がそんなことを考えていると、ニケが望遠鏡で『機動要塞デストロイヤー』の方を見ながら慌てて言った。
「か、カズマ! 大変だ! ダクネスがなんか興奮しながら、あの中に突入していったぞ!」
「え、は、なんだって!?」
……おいおい、こんな時に! さっきも危なくなったら戻れと言っておいたのに! しかも、興奮しながらということは、あの変態騎士、いつものドМ思考が暴走して突っ走りやがったな!
俺は一瞬そう思った後、すぐにその場にいる全員に指示を飛ばした。
「……とりあえず、めぐみんとククリは爆裂魔法が必要になった時に備えて待機! そして、ニケ、アクア、ムスビは俺と同行してくれ!」
「え、ちょ、私も行くの!?」
「いざという時に必要なんだよ! 頼む、一緒に来てくれ!」
俺がそう言うと、アクアは一瞬戸惑った後、覚悟を決めたような表情で言った。
「……しょうがないわね! そこまで頼られたら行くしかないじゃない!」
「サンキュー、アクア! それで、ウィズは……」
「あ、私はまだ動けます!」
「じゃあ、ウィズも一緒に来てくれ! ダクネスを急いで追いかけるぞ!」
そんなわけで、俺たちは、大急ぎで『機動要塞デストロイヤー』に乗り込むことになった。
それから、『機動要塞デストロイヤー』の内部に潜入してダクネスに合流した後、俺たちは、街の冒険者たちと最深部に向かいながら、彼女に説教することにした。
「……で、ダクネス。危なくなったら逃げろと、俺は事前に言ってたはずなんだけど。」
「……本当に申し訳ない。作戦前にも言ったが、領民より騎士が逃げるのは、やはり納得がいかなかったのだ。それに、街を吹き飛ばされるほどの爆弾に、我が身を晒していると思うと、湧き上がる興奮がつい抑えられなくてな……」
「そんなことだろうと思ったよ。……全く、前半の言葉はともかく、後半で台無しじゃねえか! この変態!」
俺がそう言うと、彼女は顔を赤らめながら言った。
「……さ、流石、カズマ! こんな時でも容赦がないのだな!」
「いや、褒めてねえから!」
俺とダクネスがそんなことを話していると、ニケが困惑した顔でアクアに尋ねていた。
「なぁ、アクア。……ダクネスって、アレが素なのか? いや、カズマからドМの変態だと聞いてはいたけども……」
「あ、そっか。ニケは初めて見るんだったわね。ダクネスは、時々あんな感じに暴走する時があるのよ。まぁ、普段は真面目だから、素はあんな感じなんだって覚えてくれれば大丈夫よ。」
「そ、そうか……」
さらっと、アクアがダクネスのフォローを上手くやってるな。まぁ、ニケは多少驚いていたようだが……
俺たちがそんな話をしていると、やっと最深部の扉の前に到着した。街の冒険者たちがその頑丈な扉を強引に壊すと、そこには驚くべき光景が広がっていた。
「なっ!? た、大変だ! 部屋の中に、生身の女の子が倒れているぞ!」
「しかも、その隣には、白骨化した遺体もあるぞ! どうなってるんだ、こりゃ……!」
その部屋の中には、椅子に腰かけていた白骨化した遺体と、その目の前に、黄色いジャージと赤いリボンを身に纏った“茶髪”の少女が倒れていたのだ。
そんな様子を見て、アクアが彼女に回復魔法を急いでかけた。そして、しばらくすると、その“茶髪”の少女は、目を覚ましてすぐにアクアの方を見ながら言った。
「……う……ううん。……あれ? ……『すみれ』?」
「……あら、寝ぼけてるのかしら? ……おはよう、無事に目を覚ましてくれて良かったわ。」
アクアがそう言うと、茶髪の少女がかなり驚いた後、辺りを見渡してからこう言った。
「え、あれ!? ……ここ、病院じゃない!? というより、ここは一体どこなんですか!?」
「ちょ、貴女、落ち着いて! 何があったのかわからないけど、一旦深呼吸して落ち着いて!」
彼女がそう言うと、その“茶髪”の少女は深呼吸した後に謝ってきた。
「す、すみません……! 少し取り乱してしまいました! 突然の状況に困惑してしまいまして……」
「いや、それはいいんだけど……えーと、貴女、何者かしら? その服装から察するに、『日本』の出身の子よね?」
アクアがそう言うと、その“茶髪”の少女が首を傾げつつも自分の名前を名乗った。
「『日本』……? え、えぇ、そうですけど。……って、すみません。名乗るのが遅れていました! 私は……私の名前は『芳澤かすみ』と申します。」
こうして、俺たちは、『機動要塞デストロイヤー』の最深部で、謎の少女である『芳澤かすみ』。……この物語において、結構重要なことなので、もう一度言わせてもらうが、俺たちは『芳澤かすみ』に出逢った。なぜ、わざわざ彼女の名前を復唱したのかについてだが、このことについては、これよりかなりの先の話でわかるのだが、それは別の機会に話すとしよう。
ここまで読んでいただきありがとうございます。いかがだったでしょうか。
今回の話を最後まで読んでくださった方は、少し驚いたかもしれませんが、今回新たに『ペルソナ5ザ・ロイヤル』より『芳澤かすみ』が登場しました。
……本物語内でも触れましたが、彼女は“『芳澤かすみ』”です。彼女のことを知っているならば、かなりややこしい状況になっているのですが、彼女は『芳澤かすみ』です。
彼女の物語については、もう少し先の物語内でしっかり触れる予定ですので、今後楽しみにしてくださると嬉しいです。
感想や意見、質問などはいつでもお待ちしております。それでは、また次の話でお会いできる時をお待ちしております。
今更ではございますが、本作品をお読みいただいた上で、「この部分を良くすればもっと読みたくなるのにな」と感じられた点がございましたら、以下の選択肢のうち、どれか一つをお選びください。なお、感想欄での細かな回答は、規約により禁止されておりますので、大変恐れ入りますがご遠慮くださいますようお願いいたします。
-
物語そのものの展開の方向性
-
話そのもののテンポ
-
登場キャラの扱いや再現度
-
クロスオーバー同士のバランス
-
物語そのものの読みやすさ
-
投稿時間
-
作品の雰囲気、ジャンルのバランス
-
キャラ同士の関係性の深さ、掛け合いなど
-
話の引きについて