今回はまた新たに新ゲストがこの回から登場いたします!
それでは、ここから本編開始です。
それから、一時間後。俺は、ダクネスへの説教を終え、叱られてしょぼくれているアホなお嬢様とともに、応接間に戻ることにした。
「……ただまー。今、戻ったぞ。……って、なんか凄い元気そうだな、あいつら。」
俺がそう言って、応接間の扉を開くと、そこには、思ってた以上に、何かしらの会話が盛り上がっているめぐみんたちとタキシード姿の青年の姿があった。
「……なるほど、そんなことが。」
「いや、そうなんだよ! 本当、災難続きなんだぜ? さっきはこの屋敷のお嬢様に怒鳴られるし、この前は“あっち”で魔獣に噛みつかれまくるしさ……」
「ま、魔獣!? な、なんかとんでもない人生送ってんだな……。」
ニケが少しドン引きしながらそう言っていると、めぐみんが俺とダクネスに気づいて声をかけてくれた。
「……! あ、カズマ。おかえりなさい。……その様子をみるに、だいぶ堪えたみたいですね、ダクネスが。」
「まぁな。……で、めぐみん。あの後、どうなってたんだ? なんか今さっき、魔獣がどうとか、すっごい物騒な内容が聞こえたんだが。」
俺がそう尋ねると、彼女はタキシードの青年を一瞥してからこう言った。
「……あぁ、そうでした。まず、そこの彼から事情は粗方聞き終えました。……で、その上で言いますが、ダクネスが、先程そこの彼に怒鳴ってしまったのは、ダクネスの勘違いが7割とはいえ、ある種仕方ないと言えてしまうのです。そこの彼がどうしても引き下がらなかったせいでもありまして……」
「え?」
どういうことだ? だって、そこのタキシードの青年は、何も悪いことしてないように見えたんだが……
俺がそんなことを思っていると、めぐみんは少しため息をつきながらも説明をするために、側にいた青年に話しかけに行った。
「……ちょっといいですか?」
「……お、ようやく俺の出番か?」
「えぇ、ここからは貴方の出番ですよ。あぁ、カズマに紹介しますね。この遣いの青年の名前は“ナツキ・スバル”。この街に住む貴族であるバルターという人の遣いをしていて、その上で、どこか別の世界から迷い込んだ方のようです。」
めぐみんがそんな妙すぎる紹介をすると、“ナツキ・スバル”と紹介された青年は、先程泣いていた姿とは裏腹に、元気よく自己紹介を始めた。
「……ってなわけで、改めて名乗らせてもらうぜ。俺の名は菜月昴! 無知蒙昧にして天下不滅の無一文! そして、今はバルターさんに拾われて、アレクセイ家で働かせてもらってる身だ! よろしくなっ!」
「お、おう。……ん? 無知蒙昧?」
彼がそう言うのを聞いて、俺とダクネスはポカンとしてしまった。……というのも、俺は『無知蒙昧』という言葉そのものに聞き覚えがないし、そもそも天下不滅の無一文って、それ堂々と言っていいものだろうか。まぁ、本人が良いなら良いのだが。
俺がそう思ってると、かすみがどこか苦笑いしながら、俺に声をかけてきた。
「あ、カズマさん。えっと、ですね。……知らなそうなので一応補足しますが、無知蒙昧というのは、その、あまりいい意味ではなくてですね。意味としては、ほとんど何も知らない無知である……ということです。」
「……お、おう。なるほど、解説サンキューな。」
俺がかすみに対して、どこか気まずさを感じつつ感謝した後、ふと、『知識』といえばで思い出した奴がいたので、彼女に追加で尋ねることにした。
「あ、そうだ。かすみ。ちょっと聞きたいんだけど。」
「あ、はい。……どうしましたか?」
「そういや、ムスビはどうしたんだ? アクアもだけど、あいつらのこと、俺たちが帰ってきてから見てねえ気がするんだが。」
俺がそう言うと、かすみは辺りを見渡した後、ハッとした様子で言った。
「……あ、そう言われてみれば! そういえば、帰ってきてから見てませんよね。どこに行ったんでしょうか。」
かすみがそんなことを言うと、ニケとめぐみんが話を聞いてたのか、すぐに頷きながら話に入ってきた。
「……あ、本当だ! こういう時、アクアはともかく、ムスビなら文字通り飛んできそうだもんな。あいつ、八咫烏だし。」
「えぇ、それもそうですね。特にスバルは異世界人ですし、すぐにでも飛んできてもおかしくないはずなのですが……」
俺たちは、アクアたちがいないことを話し合っていると、スバルとゆんゆんが不安そうな顔をしながら手を上げてきた。
「……あ、えっと、ちょっといいか?」
「あ、私もちょっといいですか?」
「うん? 二人ともどうした?」
「あー、えっと、ムスビとアクアって誰のことなんだ?」
「そ、そうですね。わ、私も少し気になってました。アクアさんの方はともかく、ムスビさん?と言う方については、噂では凄く賢い鳥さんと聞いてたんですけど、まだ実際に見たことがなくて……」
あ、そういや、そうだった。……ゆんゆんにもそういや、ムスビのことはまだ話してないんだった。でも、説明が面倒なんだよな……。特に、ムスビのことが。
俺はどこに行ったかわからない二人の行方を頭の片隅に置きつつ、スバルとゆんゆんにこれまでのことを今一度聞かせることにしようとした、ちょうどその時だった。
「し、失礼いたします!」
突然、セナさんがノックをした後、勢いよく応接間の扉を開けてきた。そんな緊迫した様子をみるに、只事ではなさそ……まさか、アクアとかがまたやらかしたのか!?
俺がそんな心配をしていると、ダクネスがセナさんに用件を尋ねた。
「ど、どうしたのだ。そんな急に……もしや、アルダープ絡みか!?」
「あ、ダスティネス卿! い、いえ、違うんです! キールダンジョンに見慣れない女性が、我々がダスティネス邸に来た日の前後の深夜に侵入していたそうでして!」
え、深夜のダンジョンに謎の女性? 何その怖い話! 怪談じゃあるまいし……
俺がそう思っていると、めぐみんがセナさんに聞き返した。
「え、待ってください。私たちが聞き込みをした時はそんな話は聞けなかったのですが……本当にそんなことが?」
「はい。ルナさん曰くカズマさんたちがギルドから去ってから一時間ほど後に正式に出された情報のようでして。どうやら、皆さんすれ違っていたみたいですね。」
……マジか。もう少し念には念を入れて、聞き込みをやっておくべきだったか。今度やる時は気をつけておくか。
俺がそんなことを考えていると、話を聞いていたかすみが真剣な表情で考えた後、ぽつりと呟いた。
「……? 今、話を聞いてて思ったのですが。その方、まだキールダンジョンから出てない可能性あるんですよね? 見かけない人が出たなら、ギルドの方々で調査とかに行けば解決するのでは?」
あ、言われてみればそれもそうだ。それを聞いたダクネスもすかさず頷きながら言った。
「あぁ、それもそうだ。……キールダンジョンは、アンデッドや悪魔、ダンジョンもどきが出やすいとはいえ、初心者冒険者でもある程度なら行けるダンジョンのはずだ。それなのに、なぜ我々に?」
彼女が尋ねると、セナは報告書に目を通した後、どこか困ったような顔で話しだした。
「……それがですね。ここ最近。キールダンジョンの内部に新たな通路が発見されたそうでして。」
「え、そうだったんですか?」
「えぇ、それで、その調査をギルドが出そうとしたその矢先。昨晩冒険者ギルドなどがようやく調査して発覚したのですが、アクセルの街中の霊やアンデッドの類が、かなり気配を隠しながら、キールダンジョンに夜な夜な集まっていたのが目撃されていたんです。」
百鬼夜行かよ!! ……って、あ! セナさんの目的って!
俺は彼女の意図を察して、すぐにこう返すことにした。
「セナさん。悪いけど、アクアとムスビは今留守なんだ。ちょうどどこ行ってたんだろうって話してたところでな。」
「あ、そうだったんですか! てっきり、こちらにいらっしゃるものだと……」
セナさんはそう言うと、どこか困ったような顔をしながら、どうしたものかと呟いていた。
これ、あれだな。俺たちも出向いた方が良さそうなやつだが、でも、今スバルとダクネスが揉めてるから今行けな……あ、待てよ! いっそのこと、こうしてみるか!
俺は妙なことを閃いた後、スバルにあることを尋ねることにした。
「あ、スバル。ちょっといいか。」
「お、おう。急にどうしたんだ?」
「今の話聞いてたと思うんだけど、スバルも同行してもらえないか?」
俺がそう言うと、彼は結構驚いたのか、目を見開きながらこう返してきた。
「え、俺も!? いや、それはいいんだが……でも、俺、バルターさんの遣いで来てただけだし……。一応、理由を教えてくれないか?」
「あぁ。まず、俺たちはまだスバルのことを詳しく知らない。……そこのアホなお嬢様も含めてだ。だから、人となりが改めて知りたい。それともう一つ。一緒に行動してもらってからの方が、アホなお嬢様も冷静に何の要件だったか確認しやすくなると思ったからなんだが……駄目か?」
俺がそう正直に確認を取ると、スバルはダクネスの方を一瞬だけ見た後、ため息をつきながら言った。
「……正直、あのお嬢様にまた怒鳴られるとかはごめんなんだが。でも、まぁ、カズマさん……だったか? あんたらには、さっき助けてもらった恩があるし。それに、どっちにせよ。今回の見合いの件に関してはやってもらわないと、なんかすっごいバルターさんが困るっぽいし……今回は同行させてもらうよ。」
「……? お、おう。助かる。」
うん? 見合いをやってもらわないと困る? ……なんか、スバル側にも事情がありそうだな。今は敢えて聞かないが。
そんなことを考えた後、俺は皆に準備をするよう指示した。
「……というわけで、皆。これから、キールダンジョンに向かうから準備してくれ! なんか妙なもめ事がありそうだからな!」
「あ、はい! 了解です!」
「わ、分かった!」
めぐみんとニケがそう返事を返してくれた後、俺はセナさんにこう言った。
「……というわけですので。セナさん。キールダンジョンまでの案内をお願いしてもいいですか?」
「あ、はい! ありがとうございます! では、皆さん! よろしくお願いいたします!」
こうして、セナの先導の元、俺たちはキールダンジョンへと向かうこととなったのだった。
皆様、最後までお読みいただきありがとうございます。
いかがだったでしょうか。
はい。今回から、『Re:ゼロから始める異世界生活』よりナツキ・スバルが登場いたしました。前話でも妙な感じの登場をしてましたが、いかがだったでしょうか。
ちなみに、この物語のスバルの時系列は、原作で言えば、第二章と第三章のちょうど合間。第三章が始まるちょうど直前あたりの想定だったりします。……果たして、彼がカズマたちと会うことでどうなるか、その辺も楽しみにしてくださると嬉しいです!
では、また次の話もよろしくお願いします!
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物語そのものの読みやすさ
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投稿時間
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作品の雰囲気、ジャンルのバランス
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キャラ同士の関係性の深さ、掛け合いなど
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話の引きについて