この素晴らしい世界たちに魔法陣を!   作:スマラカタ

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皆様、どうも。スマラカタです。
さっそく、ちょっと前回の1話を分割してみました。これで少し読みやすくなっていると嬉しいです。
現時点で漢字ではなく、数字の章は、今後分割される予定のため敢えて区別してあります。ご了承ください。
それでは、ここから本編開始です。


第二章 この異世界の勇者とグルグル使いとの出逢いに祝福を!

 それから、数分後。俺とめぐみんがしばらく様子を見ていると、突然金髪の少年が目を覚ました。どうやら、無事だったようだ。

 

「……! あれ、ここは……?」

「お、やっと起きたみたいだな。元気そうで安心したよ。」

「突然こちらにうつ伏せで倒れた状態でやってきたので不安でしたが、どうやら大丈夫そうですね。」

 

 俺やめぐみんがそう言うと、彼はポカンとした顔をしながら、俺たちに尋ねた。

 

「……え、うつ伏せで? えーと、あの、ちょっと聞きたいんだけど、ここは……」

「ここは『アクセル』の街にある『ウィズ魔道具店』っていう小さな魔道具店だな。」

 

 俺がそう言うと、金髪の少年が鞄から地図を出して確認した後、首を傾げながら言った。

 

「アクセルに、ウィズ魔道具店? 聞いたことがない場所だな。そこ、どこにあるんだ?」

「その地図には絶対にありませんよ。あなたからしたら、ここは異世界なんですから。」

 

 めぐみんがそう言うと、金髪の少年は、数秒固まった後、彼はかなり驚きながら、俺とめぐみんにこう言った。

 

「……はぁ!? い、異世界!? ここ、違う世界なの!?」

「あ、あぁ。突然魔法陣からお前らが現れてさ……。俺たちもびっくりしたんだぜ?」

「あれは、衝撃的でしたねぇ……」

 

 俺たちがそんなことを話していると、金髪の少年が事情を察したのか、すぐにお礼を言ってきた。

 

「……そうか、オレたちを助けてくれてたのか。本当に助かったよ。知らない土地でどうしようもなかったかもしれないし。」

 

 そうだよな、俺も逆の立場だったらそんなことを考えてただろうし……。

 俺がそんなことを考えていると、金髪の少年が自己紹介をしてくれた。

 

「あ、そういや、まだ名前を名乗ってなかったよな! オレの名前はニケ! 元々いた世界では、『勇者』をしているんだ。」

「ゆ、勇者!? 勇者って、魔王を倒したりする……」

「まぁ、その勇者だな。実際、俺とそこで寝ているククリは、オレたちの世界にいた魔王を封印したし……」

 

 それは凄いな! 多分、俺より二人とも年下な気がするし……

 俺がそのことに驚いていると、ニケの隣で寝ていたククリと呼ばれていた少女も目を覚ました。

 

「……ふわぁ。あれ、ここは……? ……勇者様! 無事だったのね!」

「ククリ! やっと、目を覚ましたんだな! 無事だったんだな!」

 

 やれやれ、二人とも無事みたいで良かった。まぁ、うちのパーティーには、女神のアクアがいるから、怪我とかその辺の心配は、そこまでなかったけど……。俺がそんなことを考えていると、彼女が辺りを見渡した後、ニケに尋ねた。

 

「……えーと、勇者様。ここはどこで、あの人たちは誰なの? 助けてもらったのは、なんとなくわかるんだけど……」

 

 ククリがそう言うと、ニケが彼女に色々と説明していた。

 

「えーとな、ここは異世界にある『アクセル』っていう街にある『ウィズ魔道具店』っていう魔道具のお店らしいんだ。で、この人たちは……。えーと、名前が……」

 

 あ、不味い! そういや、俺たち、まだ自己紹介してないんだった!

 

「そういや、名乗るのが遅れてたよな! 俺の名前は、佐藤和真! このアクセルの街で冒険者をしていて、四人パーティーのリーダーをやってるんだ。二人ともよろしくな。で、こっちが、うちのパーティーのアークウィザードの……」

「我が名はめぐみん! 紅魔族随一の魔法の使い手にして、爆裂魔法を操る者! 二人ともよろしくお願いしますね。」

 

 俺たちの自己紹介を終えると、ニケとククリがポカンとした顔でめぐみんに尋ねた。

 

「こ、紅魔族……?」

「ば、爆裂魔法……? その魔法って、どんな魔法なの?」

「……我々、紅魔族は、紅い瞳と独特な名前、そして、生まれつき高い知力と魔力を兼ね備えた種族なんです。で、爆裂魔法は、この世界随一の破壊力を持つ最強の魔法です。ただ、あまりに強力なため、基本的には一日に一発しか撃てませんが……」

 

 めぐみんがそう言うと、ニケとククリは興味津々な表情で彼女に言った。

 

「へぇ……! そんな凄い魔法がこの世界にあるのか!」

「めぐみんって、とっても凄い魔法使いなのね!」

 

 彼らがそう言うと、めぐみんは少し恥ずかしそうにしながら言った。

 

「……。す、素直にそう言われると、結構照れますね……。」

「いつもは、そんな風に褒められることもないからなぁ……。まぁ、めぐみんの爆裂魔法が凄いのは事実だけど……」

「ちょ、カズマ!? 追い打ちは止してもらえませんか!? 褒めてくれるのは結構嬉しいのですが、さすがに恥ずかしいですから! あ、それよりも、ククリ……でしたか? あなたは一体……」

 

 めぐみんがそう言うと、ククリが俺たちに自己紹介をしてくれた。

 

「あ、そういえば、まだ名前を言ってなかったよね! 二人とも初めまして! あたしはククリ! 『グルグル』っていう魔法を使える魔法使いをしていて、元々いた世界では、勇者様と一緒に魔王をなんとかするために旅をしているの!」

「ほう、勇者と魔法使いの二人旅か。なんだか、ちょっと大変そうだな。」

「それもそうですけど、その『グルグル』というのは、どういう魔法なのですか? 普通の魔法ではなさそうですが……」

「あ、そっか! ここ、異世界だから『グルグル』はないのか! えーと、確か……」

 

 ニケがそう言うと、ククリが鞄から何かが書かれた紙を見ながら教えてくれた。

 

「えーとね、『グルグル』はハートの魔法とも呼ばれているもので、ミグミグ族だけが使える『使い手の心』を表す魔法陣で召喚する魔法……なの。」

「使い手の心……ですか?」

「それって、例えば、皆を護りたいと思えば、滅茶苦茶大きな盾が出てくるみたいな……」

「まぁ、ざっくりといえば……。」

「ただ、この魔法、結構不安定だから、時々失敗することがあるみたいなんだよ。ここ最近は、そんなこともあまりないけど……」

 

 あぁ、一応デメリットはあるのか。まぁ、それを差し引いても結構凄そうだが。

 俺たちがそんなやり取りをしていると、魔道具店のドアが開き、パンや服などを買ってきたアクアたちが帰ってきた。

 

「ただまー! ……あ、二人とも目を覚ましたのね!」

「おかえり、三人とも。あぁ、ついさっきな。今自己紹介してたところだったんだ。あぁ、ニケとククリに紹介するよ。あの三人がアクア、ダクネス、ウィズだ。」

 

 俺がそう言うと、アクア、ダクネス、ウィズがそれぞれ自己紹介をしていた。

 

「二人とも初めまして! 私はアクア! アークプリーストをしているわ! 特技は回復魔法と宴会芸よ! よろしくね! で、こっちの女騎士が……」

「私の名はダクネス。クルセイダーを生業としている者だ。壁になるのは大得意だ。よろしく頼む。そして、そこにいるのが……」

「お二人とも初めましてですね。私は、このウィズ魔道具店の店主兼アークウィザードをしておりますリッチーのウィズと申します。」

 

 アクアたちがそう言うと、ニケとククリも彼女たちに自己紹介をしていた。

 それぞれの自己紹介を終えた後、俺たちは、あの妙な本についても色々説明することにした。

 

「えーと、つまり、この本は、あたしたちのいた世界やこの世界とも違う世界にいた『厄災』っていう凄いものをずっと封じ込めていた『魔法陣』の本で……」

「で、ページがほとんどなくなっているのは、その『厄災』が“自力”で復活したからって……」

「……うん、そういうことよ。」

「そして、アクアの推測だと、その『厄災』をなんとかするため、その本が自らの意思でカズマやニケたちに助けを求めて、そのために、ニケたちをこの世界にわざわざ飛ばした……と。」

「多分そんな気がするわ。大抵こういう場合って、カズマみたいに貧弱な子じゃなくて、もっと逞しくてチート能力全開な、それこそ、おとぎ話の『英雄』みたいなのを選ぶはずなのに、わざわざカズマやニケたちを選ぶってことは、それなりの理由があると思うの。」

「おい、アクア。俺が貧弱で悪かったな!」

「ごめん! 悪気はそんなになかったの!」

 

 ちょっとは、悪気あるんかい! まぁ、事実だからこの際いいけど。

 俺がそんなことを考えていると、めぐみんが咳払いをしながら言った。

 

「……とにかく、このままにしておくのは不味いですよ。厄災の件もそうですが、ニケたちはどうするんですか? 彼ら、元の世界に帰れそうにない上に、現状一文無しじゃないですか。」

「あ、そっか! オレたちの世界のお金は、この世界じゃ使えないのか!」

「……どうしよう、勇者様! 雪も降っているから、ちょっと野宿は難しいよね……」

「馬小屋に泊まる……っていう手段もあるにはあるんだが、さすがに、異世界に来たばかりの二人にそれさせるのもあれだしな。馬小屋の中、結構寒い上に、臭いし……」

 

 こういう場合は仕方ない。俺の微々たる金で二人分の宿代を出すか……。

 そんなことを考えていると、ウィズが突然何かを思い出したかのように手を叩きながらこんなことを言ってきた。

 

「あ、それなら、皆さんにちょうどいい話がありまして……」

「あぁ、あの話か。」

「「「「あの話?」」」」

 

 ウィズの言葉を聞き、俺はどこか妙なトラブルに巻き込まれそうな予感がしつつも、彼女の話を聞くことにした。




最後までお読みいただきありがとうございます。
皆様、いかがだったでしょうか。
以前の一話が約6000字前後だったのですが、少しお話を分けてみました。これで多少は読みやすくなっていると嬉しいです。
感想、質問など気軽に送ってくださると嬉しいです。

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