この素晴らしい世界たちに魔法陣を!   作:スマラカタ

4 / 16
今回もお読みいただきありがとうございます。
さっそく、昨日から3名のお気に入り登録と、評価が投稿されてたみたいで驚きました。本当にありがとうございます。正直、まだまだ改善すべき点などが多数ございますが、今回いただきました評価を参考に、これからも頑張っていこうと思います。
それでは、ここから本編開始です。

※元々の第二章を二話に分割いたしました。明日以降も現状の第5章を分割していきますので、お待ちいただけると嬉しいです。


第四章 この幽霊屋敷との出逢いに祝福を!

 俺たちは、ダクネスの案内のもと、例の幽霊屋敷へと向かっていた。

 

「あったぞ。確か、この屋敷のはずだ。」

「おぉ、デケぇな! これが幽霊屋敷なのか!?」

「あぁ、俺が想像していたよりも豪華な屋敷だな。もっとぼろい屋敷だと思ってたが。」

 

 目の前にある屋敷は、当初の予想と違って、庭の芝が揃っているし、壁などにツタやヒビが一つもない。正直言われるまで、初見じゃ悪霊の住処とわからないぐらいだった。

 まぁ、ちょっと期待と違ったが……これはこれで悪くないな。ぼろいよりはマシだしな。

 俺がそんなことを考えていると、ダクネスが怪訝な顔で俺に話しかけてきた。

 

「……カズマ、お前はどんな想像をしていたのだ? 元々、ここは貴族の別荘だったのだぞ。」

 

 ダクネスがそう言うと、めぐみんがウィズに不安そうな顔で尋ねていた。

 

「……ちなみにですが、本当にこの屋敷に悪霊がいるんですよね?」

「……えぇ、そうですね。まぁ、悪霊以外にも元からいたみたいですけど。」

 

 え、元からいた? ちょ、それは聞いてないんだけど。

 事情を知らない俺たち四人が首をかしげていると、アクアが色々教えてくれた。

 

「えーとね、大家さんによると、この屋敷には“アンナ”っていう貴族とメイドとの隠し子の幽霊がいるらしくてね。話によれば、彼女も悪霊の件で困っているそうなのよ。……っと、噂をすれば来てくれたみたいね。」

「え、ほ、本当にいるの!?」

 

 ククリが驚きながらそう言うと、突然屋敷のドアが開き、そこから宙に浮いたやけに現代的な桜色の懐中時計が現れた。

 

「か、懐中時計が浮いている……だと!?」

 

 おいおい、マジか! ホラー展開待ったなしじゃねえか!

 俺たちがそのことに困惑していると、アクアとウィズが懐中時計の方に近づいていた。

 

「あら? どうしたの、それ。……え? それで貴女を照らせばいいの?」

「……あ、私やアクア様ではなく、視えてない人たちが……ですね。使い方は……なるほど。あ、皆さん、ちょっとこの時計なんですが……」

「大体聞いてたぞ。」

「要は、オレたちみたいに、そこにいるはずのアンナが視えてない奴がその時計で照らせばいいんだな?」

「えぇ、そういうことです! さっそくですが、こちらを……」

「よし、わかった。」

 

 俺は、ウィズから不思議な懐中時計を受け取ると、彼女からあの懐中時計の使い方を教えてもらい、アクアやウィズのいた辺りを照らしてみた。すると、突然フランス人形が着ているような可愛らしいドレスを纏った少女が目の前に現れた。

 

 それから、俺たちがその衝撃から落ち着いた後、突然視えるようになったアンナから改めて事情を聞くことにした。その結果、どうやら彼女もここ最近の悪霊騒ぎに困っていたらしい。まぁ、幽霊が悪霊に困るというのはちょっと気になる所ではあるが。

 

「えーと、つまり、この騒ぎはお前じゃなくて他のことが原因だってことか?」

「うん、そういうことよ。わたし、驚かせたりするようなイタズラはするけど、そんな一般の人に迷惑をかけるような大掛かりなことはしないもの。実際、わたしもあの悪霊のせいで迷惑してるし。」

「……つまり、貴女も被害者だったわけですね。」

 

 ……でも、ちょっと待て。幽霊屋敷の件が悪霊と関係ないなら、なんで悪霊があの屋敷にいるんだ? アンナが関係ないなら誰が犯人なんだ?

 そんなことを考えていた俺をよそに、ニケとめぐみんがアンナから思わぬ話を聞きだしていた。

 

「……となると、これは屋敷の悪霊をちまちま退治するよりも、元になった原因をなんとかした方が良さそうですね。」

「それもそうだな。なぁ、アンナ。ここ最近変わったこととか、悪霊が何か言ってたりとかしてなかったか? 最近起き始めたことらしいからさ。」

「そうね……。あ、そういえば、共同墓地の方から来ていた悪霊が愚痴ってたのを思い出したわ。確か、つい先日、あの墓地に物凄く強力な聖なる結界が張られてたらしくてね。」

「「え、物凄く強力な結界?」」

「そうなの。なんでも、その悪霊が言うには、触れるだけですぐに消えちゃうぐらい危険な結界みたいよ。で、その悪霊たちは、あの結界から大急ぎでここに避難してきたらしくて……」

 

 ……ちょっと待った。その結界って、まさか!

 事件の真相に気づいた俺は、すぐにこの事件の元凶に向かって、ドスの聞いた声で話しかけた。

 

「おい、アクア。お前、何でこうなったかを知ってるな?」

「……!?」

「え、これ、アクアが犯人なの!?」

「ど、どういうこと!? なんで、アクアさんが犯人だと思ったの!?」

 

 二人がかなり驚いた表情で尋ねてきたので、俺は彼らに先日行った共同墓地での出来事を、自分の推測を交えつつ、今回の事件の概要を話すことにした。

 

「……というわけなんだよ。」

「なるほど。つまり、アクアは本職ではないウィズさんの代わりにアークプリーストとして、共同墓地の悪霊の浄化を頼まれていて。」

「で、カズマさんの推測だと、アクアさんが何かしらの理由で、その墓地にかなり強力な結界を張っちゃったから、そこにいた霊たちが逃げ場をなくして、悪霊騒ぎを起こしていた……って感じになるのね?」

 

 ニケとククリがそう言った後、俺は強く頷きながら言った。

 

「あぁ、俺の推測だとな。多分、結界張った理由も『いちいち除霊に行くのが面倒だったから』ってのがオチだろうな。」

 

 俺がそう言って、アクアの方をじっと見ると、その空気に耐え切れなかったのか、彼女は物凄く気まずそうな顔でこう言った。

 

「……あの、えと、ほ、本当にすみませんでした! そうです! 全部、カズマの推測通りなの!」

「おいおい、マジかよ! カズマ、スゲぇ!」

「凄い! カズマさん、名探偵みたい!」

 

 名探偵みたいか。あの二人になら、そう褒められるのも案外悪くないな。アクアとかに言われたら何か釈然としないけど。

 俺がそんなことを考えていると、ダクネスが俺に言った。

 

「まぁ、原因がわかったのなら、早急に対処しよう。大家さんもアンナも困っているみたいだからな。」

「それもそうだな。」

 

 俺はダクネスにそう言った後、アクアとウィズの方を見て、あることを要求することにした。

 

「とりあえず、大家さんにまず謝ってから、街の屋敷の浄化に行くんだが……アクア、ウィズ。どっちかでいいんだが、『ターンアンデット』を教えてくれないか?」

「え、『ターンアンデット』……ですか?」

「ちょ、待って! なんで、いきなりそんな話になるのよ!」

 

 かなり焦ったアクアを横目に、俺はウィズにその理由を話した。

 

「あぁ、浄化自体はアクアやウィズだけでも行けるけどさ。それだと、ちょっと大変だろ? まぁ、どっちも凄腕みたいだから、時間はかからんかもだけど。」

「確かにそうですね。」

「で、でも、それだと、私のアイデンティティが……」

「一応、先に言っておくが、冒険者のスキルは『本来の使い手より威力が下がる』んだぞ? そして、さらに、お前は凄腕アークプリーストだ。リッチーやデュラハンみたいな相手の除霊や瀕死レベルの怪我の回復、それに蘇生まで出来るだろ。どこに奪われる要素があんだよ。」

 

 俺がそう言うと、アクアは渋々納得したのか、冒険者カードを俺に見せてきた。

 

「……仕方ないわね。今回だけだからね。とりあえず、覚えるにはアンデットに当てなきゃだから、夜まで待ってくれない? ウィズやアンナに軽く当てて……は、流石に駄目っぽいし。」

「当たり前だ。」

「アクア。それは、流石にちょっと……」

 

そんなやりとりを終えた後、大急ぎで大家さんのところに行き、事情を説明して謝罪した。

 

「本当にすみませんでした!」

「うちのアクアが本当にすみませんでした!」

「あぁ、お二人とも顔をあげてください! 一応、一つお尋ねしますが、屋敷の浄化はしていただけるんですよね?」

「えぇ! もちろんです! アンナ本人から頼まれましたし、今回の一件は、俺たちの責任でもあるので! それに、実際、アクアなら多分ほとんどの悪霊を祓えるはずですし……」

 

俺がそう言うと、大家さんは安心したのか、ほっと一息ついて言った。

 

「あぁ、それなら全然大丈夫ですよ。正直な話、あの屋敷、アンナが住み着いていることもあって、中々買い手がいなくてですね。ほら、事情を知った以上、無害なアンナを強引に祓うわけにはいかないじゃないですか。」

「あぁ、確かに……」

「無害ってわかってるのに、住み慣れた屋敷から強引に追い出すのは、なんか違うもんな。」

「えぇ、まぁ、そういうことですので、とりあえず、まずはあの屋敷の悪霊を祓っていただけますか? アンナからも色々聞いてると思いますが、彼女もかなり困っているみたいなので……」

「まぁ、そういうことなら……」

 

そんなわけで、俺たちは、大家さんと一緒に共同墓地に向かい、アクアの結界をきっちり消した後、あの幽霊屋敷に戻り、除霊の準備をすることにした。




今回もお読みいただきありがとうございます。
改めてですが、今回も最後までお読みいただきありがとうございます。感想や質問なども募集しておりますので、いつでもお待ちしております。
それでは、また次の話までお待ち下さい。

今更ではございますが、本作品をお読みいただいた上で、「この部分を良くすればもっと読みたくなるのにな」と感じられた点がございましたら、以下の選択肢のうち、どれか一つをお選びください。なお、感想欄での細かな回答は、規約により禁止されておりますので、大変恐れ入りますがご遠慮くださいますようお願いいたします。

  • 物語そのものの展開の方向性
  • 話そのもののテンポ
  • 登場キャラの扱いや再現度
  • クロスオーバー同士のバランス
  • 物語そのものの読みやすさ
  • 投稿時間
  • 作品の雰囲気、ジャンルのバランス
  • キャラ同士の関係性の深さ、掛け合いなど
  • 話の引きについて
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。