オーバーロードによく似た世界で(本編完結)   作:ペンギン勇者

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 あれからリアルの本体は休ませてアバターだけで作業することになったギルメンと家族、しかし、順調に行くはずもなくトラブルが続く。


第03話現状確認

 

「まずはナザリックが今どこにあるかだな」

「それが終ったらアイテムの仕様変更やこの世界について調べないといけませんね」

 

 モモンガが呟きそれにミストバーンが答える。

 

(確か原作ではセバスとソリュシャンを斥候に出していたはず)

「ここはNPCに辺りを探らせてはどうです、ソリュシャンを索敵にしてセバスを護衛に回すのが良いと思うんですが」

「う~ん、確かにそれがベターですね、その二人を呼びましょう」

 

 そして暫くしてモモンガの前に揃う二人。

 

「すまないがお前たちに今のナザリックがどういう状況なのか索敵してきてくれないか」

「分かりました」

「提案があるのですが宜しいでしょうか」

(ここでセバスが意見?、原作だと――いやここはオーバーロードによく似た世界だ全部原作通りとは限らない、というかこの世界だと元からAIで喋ってたからモモンガさんが全然違和感なく命令出来てるな)

「分かった、言ってくれ」

 

 ミストバーンが原作に無い動きに驚いている間にモモンガが返事をする。

 

「守護者統括のアルベド様から第一階層にいるアンデットにより周辺が夜で森に囲まれていることがすでに分かっています。ですのでアウラ様の協力があればより詳しく索敵出来ると思われます」

「確かにそうだな、アウラの扱うモンスターなら視覚に頼らずとも探れるか、だがドラゴンのような大型で空を飛ぶようなものは目立つから控えるように言ってくれ」

「は、分かりました」

 

 モモンガにそう言われた後アウラの元に向かう二人。

 

「モモンガさん気が付きました?多分セバスは、いやナザリックに所属するNPCは自我を持ってるかもしれません」

「自分もそう思います、ユグドラシル時代は意見をするとしても受動的だったしこういった自発的な発言は無かった」

「となると彼らにも魂が宿ってるかもしれませんね、ユグドラシル時代みたいに運用すると拙い事になるかも」

「と言うと?」

 

ここでモモンガが真っ先に思いついたのが捨て駒扱いやゾンビ戦法だが現実はもっと憂鬱である。

 

「経験を積ませてない状態で複雑な指示を与えると分からない部分は自己判断で終らせてしまう場合があるのでマニュアルが必要になるかもしれないという事です」

 

 それを聞きモモンガは辟易する。正直リアルでもめんどくさい事をこの世界でもやりたくないのだ。

 

「ああそうだ、これで周囲の索敵は問題ないとして自分達も種族と職業の確認、装備とアイテムの確認をしませんか」

「そうなると闘技場のある第六階層に行った方が良いですね、あそこなら戦闘呪文やスキルも試せますし」

 

 しかし、この後二人は頭を抱えることになる、誰かさんの権力と財力を使った悪乗りのつけを支払わさせる形になるとも知らずに、

 

 

 

 

 二人は頭を抱えていた、比喩ではなく本当に頭を抱えていた。

 

「確かにゲームの仕様から大分変ってますからね、なのでコラボ企画で入った呪文やスキルの階位がそれ相当の威力に見合わない事はあると思います」

「ですけど第十位階の魔法の時間停止がファイナルファンタジーコラボの時にでた第七位階のストップの下位互換になってるなんて悲しすぎる!!」

 

 ミストバーンがフォローしようとしたが思った以上にモモンガのダメージがデカかったようだ。他にも結果的にコラボスキルや呪文を使った方が燃費も威力が高い傾向にあることが分かった。ついでにゲームの仕様だったスキルや呪文のクールタイムも無くなっている、燃費と負荷はかかるが連発しようと思えば連発出来る仕様になっている。

 

「にしてもコラボした時に入ってきたアイテムや呪文はやっぱり性能が高いですね」

「運営側の視点で言うとコラボした方が儲けがありますからコラボ先の呪文やアイテムがユグドラシルアイテムの下位互換とかモチベーションが下がるでしょ、なので運営にそうならない様に指示しました」

 

 サラッと爆弾発言をするミストバーン。

 

「今何と?まるでミストバーンさんが運営側のような発言でしたが」

「……いやこれはその非常に深い訳が」

 

 モモンガの圧に萎縮するミストバーン。

 

「非常に不愉快なの言い間違いじゃないですか!?一体どういった経緯でそうなったのか詳しく教えてくれませんかねえ」

 

 魔王ボイスで威圧するモモンガ、その言葉には嘘言ったら許さないと言う意味が込められている。

 

「そうですね、最初のきっかけはガチャで大爆死してしまい追い課金しようとした時に大株主になった方が早いと思ってしまった事ですね」

「それで課金する代わりにスポンサーになったわけですか!という事はユグドラシルが一周年の時から続いた週一コラボも?」

「はい、無駄にお金と権力はあったので遊んでみました」

「この大馬鹿野郎!!いくら何でも限度があるだろ、せめて月一にしろ!!」

 

 ここでモモンガがブちぎれている理由を説明するとせっかく苦労して組んだビルドが週明けにはもう古いビルドになってる可能性があり、常に最新の情報を追っていないと周りに置いて行かれたためだ、エンジョイ勢ならともかくガチ勢のモモンガから見たら神経質になるのも分かるというものである。

 

「でもこうなったらアップデートの心配はありませんからビルドの組み直しには最適ですね」

「ええ、そうですね、でもその前に一つ言わせてください」

「はい、何でしょう」

「コラボの回数をもっと抑えることは出来なかったんですか!?おかげで名前だけ違うのに効果が同じような物が沢山溢れてるんですがねえ」

「すいません、まさかここまで続くとは思わなくて―

 

 

 

 

 一方その頃のセバスとソリュシャンは、

 

「ねえ、貴方達NPCよね、何処の所属か教えてくれる?」

「無礼だぞクレマンティーヌ。すまない、こっちは妹のクレマンティーヌ、俺は兄のクワイエッセだ」

 

 二人の現地住民と遭遇していた。

 

(そんなプレアデスの私でさえレベル50前後なのにこの人間達は―

 

 驚くソリュシャンをかばいセバスが後ろに避難させる。

 

「そんなに驚かなくても大丈夫よ、確認の為であってあなた達を倒そうとは思ってないわ」

「出来ればそちらが使えているマスターと連絡したいんだが、通話手段ならこっちで用意するが」

「いえ大丈夫ですこちら側で繋ぎますので」

 

 セバスがそう答えると急いでモモンガに連絡がいく。

 

「ん、セバスから」

『少し早いな、何かあったのかセバス』

『大変申し上げくいのですが、現住人と遭遇し所属を聞かれている状態です』

『!!ッ、それは本当か、相手は何人でレベルはいくつか分かるか?』

『相手は二人でともにレベル100です』

『!!!!』

 

 余りの衝撃に頭を押さえるモモンガ、そしてその様子を見て何かを察するミストバーン。

 

(これはやばそうだ、セバスの応援に行った方がいいな)

 

 スキルの直感で本能的に感じたミストバーンは考えるよりも先に―

 

「モモンガさん、ちょっとセバスのヘルプ行ってきますね」

「あ!、ちょっと」

 

 と返事を聞かずに転移でセバスの近くに移動した。

 

「ミストバーン様ッ!!」

「あ、これはその―」

 

 いきなりの転移に驚く従者と警戒する相手、この男配慮というものがまるでない。

 

「失礼、部下が困っていたもので、私が直属の上司という訳ではありませんがそれなりの地位にいる者と捉えて貰えれば結構です」

「なら単刀直入に聞くわ、貴方プレイヤー?」

 

 その言葉に驚くミストバーンと部下と通信で聞いてるモモンガ。しかし、ミストバーンは考える様子もなく

 

「ええ、そうですが何か」

『なに素直に答えてんだてめえ!!』

 

とモモンガから怒声が個別ボイスチャットで届く。

 

『別にこのくらい問題ないでしょう』

『大いにあるわ!!少しは考えて行動しろ』

 

 ここでミストバーンを擁護するなら彼はチートと様々な能力を元から使えるし、今は憑依してるとはいえゲームで使っていたアバターだ。ついでにプレイ環境も相手にリアルマネーを支払ってPKの回数を稼いだり、運営のスポンサーになり未実装のアイテムを実装させたりと非常に良くない遊び方をしているクソ野郎である。

 

「じゃあそっちの所属も教えてくれない?私の予想だと転移してきた拠点を見るとアインズ・ウール・ゴウンが一番可能性が高いんだと思うんだけど違う?」

 

 その言葉に固まるモモンガと部下の二人。

 

「大正解、その通りでございます」

 

 ミストバーン、お前は少し黙った方が良い。

 

「あ、うちら二人は法国の漆黒聖典ね」クレマンティーヌが気安く答える。

「いや~驚きですね、転移後の世界で現地住民がうちのギルドを知ってるなんて嬉しい」

(それにしても驚きですね、この二人が一緒だなんて、確か原作だと不仲だったはずなのに)

「その前に聞きたいんだがそのおちゃらけた態度、お前は本当にあのアインズ・ウール・ゴウンのミストバーンで間違いないか」

 

 クワイエッセが確認のためにそう尋ねると

 

「ええ、その通りですよ」

「ならば世界にこれを広めたのもお前か」

 

そう言われてクワイエッセはグロッグ17をふところから取り出す。

 

「あ、それですか、それは私がミリタリーコラボしたかったのでユグドラシルに実装させたものですね」

 

 そうミストバーンが告げた瞬間に二人の兄妹から向けられる視線が厳しくなる、まるで厄介者を見るような目線だ。

 

「じゃあこれを実装したのも」

 

 今度はクレマンティーヌが無限の背負い袋から黒龍の厚鱗を取り出す、もう嫌な予感しかしない。

 

「あ~それを実装したのも私ですね、モンハンコラボで多数の強力なモンスターを実装しました」

 

 二人の視線が更に厳しくなりついにクレマンティーヌが一歩前に出る。

 

「貴方のせいで世界が滅茶苦茶よ、責任取りなさいよ!!」

 

 クレマンティーヌの目尻には涙が浮かんでいた。

 

(そう言われてもこうなるって知っていたら私もここまではしませんでしたよ、でも実際に自分のせいで人が困っていると悲しいな、というかクレマンティーヌってこんなキャラだったか?)

 

 その気持ちをリアルの鈴木サトルにも分けてやって欲しい。ちなみに何故彼らがミストバーンの名前を知ってるかと言うと法国が六大神(プレイヤー)が建国した国である事、そしてミストバーンの悪名はユグドラシル中に広まっていたため六大神が知っていた事が原因である。

 

「と言われましてもね」

 

 そう言ってるとモモンガが転移してくる。

 

「話は聞かせてもらいましたが酷いことになってるな、こんな事にはなるとは思わなかったが何か力になれることはあるか」

 

「モモンガさんいいんですか?こいつらと協力して」

「誰のせいでこうなったと思ってるんですか!!でも情報は必要ですし取りあえずこの二人と協力してこの世界の情報を集めるのが先決でしょう」

 

 二人でもめていると先にクレマンティーヌが口を開く。

 

「貴方様は……スルシャーナ様……ではないわよね、という事はスルシャーナ様と同じオーバーロードの種族という事かしら、私はクレマンティーヌ、でこっちが私のお兄ちゃんのクワイエッセ」

(今こいつお兄ちゃんって言った、やっぱり不仲じゃない。これは原作知識を信じると痛い目見るかもしれませんね)

「申し遅れたな、私はアインズ・ウール・ゴウンの長、モモンガだ」

「そう貴方が―

 

 そう言いかけた時、

 

 ソリュシャンとセバスがモモンガの前に出てくる、ミストバーンの時は何もなかったことを考えるとNPCにも好感度という物はあるようだ。

 

「お前たち下がっていていいぞ」

 

 その言葉に不承不承といった感じでモモンガの後ろに下がる二人。

 

「すまないな、話の途中で」

「いいわ、こっちもそれどころじゃなくなりそうだし」

「それはどういう意味か聞いても」

 

 クレマンティーヌの言葉にミストバーンが尋ねる。

 

「あいつらがもうすぐ来るわ。竜王国の勢力よ」

(え、竜王国って言うとあのビーストマンに滅ぼされかけてる弱小勢力―

 

ここでミストバーンはクレマンティーヌが出した黒龍の厚鱗を思い出す。

 

(確か竜王国のトップのドラウティロンは竜王の血を8分の1引いているだけの人間に過ぎなかったはず、でもこの様子だと……これは聞いてみた方が良い見たいですね)

「ちなみに竜王国とはどの様な勢力なんでしょうか」

「この世界では知らぬ勢力は存在しないドラゴンや竜王達を束ねる強大な国、プレイヤーの監視も行っている」

「プ、プレイヤーの監視とは一体どのような事か聞いても」

 

 クワイエッセの発言にミストバーンが尋ねる。

 

「今見られてるような高高度からの遠距離監視が主だな」

「何、もう竜王国の者達が来ているのか!」

「落ち着いてくださいモモンガさん、まだ射程圏内にはという訳ではないんでしょう」

「そう言う問題じゃないでしょう、情報が筒抜けという事が問題です」

「私達としては敵意があるプレイヤーかどうか確かめるために来ただけだから。そろそろ法国に帰った方が良いかもね、お兄ちゃん」

「そうだな、ではこれをスマホと言う遠くの相手とも意思疎通出来るアイテムだ、これを受け取って欲しい」

「あ、それは私が実装した―

「もうお前は何も喋るな!!」

 

 モモンガの叱責にしょげるミストバーン。

 

「分かった責任をもって預からせてもらう」

「では頼んだモモンガ様。くれぐれも竜王国を刺激しない様に、あいつらにとって相手がカンストプレイヤーだとしても消すのは容易だ」

「……肝に銘じておこう」

 

 そう言い転移で何処かに移動するクワイエッセとクレマンティーヌ。

 

 ドラゴンがいる方向を見てミストバーンが肩眉を上げる。

 

「やっぱり魔法対策ですかね、ドラゴンのポテンシャルに物を言わせて遠くから視力でアナログ的監視なんて逆に対抗手段が少ない」

「俺もそう思います、ミストバーンさんも部下と一緒にナザリックに転移してくれませんか、ずっと見られてると言うのは気分が悪い」

「その前に一つ聞いてください、監視に来ているドラゴンのレベルは80から90と言ったところですね、これが斥候なのだから笑えませんね」

「それは本当ですか」

「はい、今は監視されてるのでナザリックに転移してから詳しい事をお話ししますね」

「分かった」

 

 二人がそう言うとセバスとソリュシャンと一緒にナザリックに転移するのだった。

 

――そして

 

「これが一部の判明したデータです」

 

 そう言うとミストバーンはタブレットのようなものをモモンガに渡す

 

「これは、あのドラゴン達のデータ…………なっ!!自然現象を操る能力の中に地震を含むだって!!」

「ナザリックって耐震工事してましたっけ」

「分からないです、でも地震が来てほしくないのは確かですね」

 




 
 この世界線ではクレマンティーヌとクワイエッセの仲はいいです。理由はミストバーンが運営に金と権力に物を言わせてユグドラシルを弄ったバタフライエフェクトもありますが、本作はオーバーロードによく似た世界線なので原作とは違った設定になっております(原型あるかな)

 後ミストバーンの所業をリアルに例えるとイー〇ンマス〇が悪乗りしてMMOで遊んでる感じです。
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