オーバーロードによく似た世界で(本編完結) 作:ペンギン勇者
クレマンティーヌとクワイエッセの接触後に竜王国に監視されてると告げられるモモンガさん達。監視の目をかいくぐるためにナザリックに帰還して今後の行動方針を話し合う。
モモンガ達が帰還した後にギルメンと家族が心配して集まってきた、そして現状を説明する。
【ナザリック作戦会議室】
「……まず大前提として、我々は竜王国の勢力とは正面から戦わない、今わな。接触した彼らの言葉を信じるならドラゴン達を刺激すれば、最悪ナザリックが地図から消える」
モモンガの一言にざわつく一同。
「外で監視してるドラゴンが結構強いんですよ、多分皆さんが全力を出せば倒せますが、
その間に本戦力みたいなのが出張ってきて数と質で圧倒されるというのが一番まずい流れだな」
「おいおい冗談だろミストバーン、相手の情報が足りないとはいえこっちはギルメンが全員揃ってるんだろ、そんなにあいつらは強いのか」
武御雷の疑問は最もである、実際あの場にいなかったのだから実感のしようがない。
「感知スキルも一応は持ってますがあれはかなり厄介ですよ。強くて硬くて痛い、そんなドラゴンが斥候役に二匹、んでもってそいつらが飛んできた方向に軽く数千は同じ強さの奴がいましたね」
「うえっ、そんなの勝ち目ないじゃないですか」
「しかも悪いことに同じ強さの奴が数千と言うだけでそれ未満の奴は数万、それ以上の出会いたくないようなドラゴンは数百を確認しました。多分あそこに竜王国があるんでしょう」
ペペロンチーノがそれを聞くと机に突っ伏す
「まじでこれからどうするんだ、八方ふさがりだな」
「ペペロンチーノさんまだ希望はありますよ、モモンガさんクワイエッセと連絡取れますか」
モモンガは頷くと、すぐにスマホでクワイエッセへコンタクトを試みた。数秒のラグのあと、彼の冷静な声が響く。
『モモンガ様、ご無事で何よりです。状況の報告を』
『こちら、ミストバーンを通じて竜王国付近の情報を得た。……簡単に言えば相手は“桁違い”だ』
『そうです、竜王国とはこの世界の調停者でありこの世界の頂点、ですが必ずしも敵対する必要はございません』
『そうなのか』
『はい、彼らが必要以上に警戒しているのはワールドアイテムによる世界の理の書き換え、それと自分達を素材にする為の狩りでございます』
聞いてみればごもっともな意見だ、誰も相手の都合がいいような世界にされたくないし自分達の皮や骨で武具なんて作られたらたまったものではないだろう。
『前例はあるのか?』
モモンガの問いかけに、クワイエッセはわずかに間を置いて答えた。
『あります。かつて、"八欲王"と呼ばれるプレイヤー集団がこの世界に来訪し、強大なワールドアイテムによって理を自分達が有利になるように書き換え、支配を試みました。またその時に竜王国勢力のドラゴンを狩っています。その結果、彼らは竜王国と全面戦争に突入し――全滅しました。』
『……!』重苦しい沈黙がモモンガを支配する。
『この事例以来、竜王国は異界から来た存在に対して非常に敏感になっています。特にワールドアイテムに関しては、存在するだけで“脅威”と見なされる可能性が高い。モモンガ様……今のナザリックは、それに"該当する"のです』
『……つまり、こちらに敵意がなくとも、存在そのものが警戒される……そういうことか』
『その通りでございます。ただし、"直接的な侵害"がなければ即座に攻撃されることはありません。こちらから挑発しない限り、あちらも慎重に様子を見るはずです』
『ありがとうございます、何とか希望が見えてきました、また困ったことがあったら掛けていいですか?』
緊張が解けたのか素の喋りに戻ってるモモンガさん。
『モモンガ様?』
『///、すまん、今のは忘れてくれ』
通信を切ったあと、モモンガはふぅと大きく息を吐いた。一同の視線が集中している。
すぐに気を取り直し、モモンガは真剣な表情で皆に向き直った。
「電話の内容を聞く限りだと相手にも言い分があるから話し合いがベターですね」
「でも誰が行くんだ、俺は外交なんて無理だぜ」
ミストバーンの言葉に武御雷が返す。
「守護者達はまだ経験が浅いし、外交が得意なのってプニット萌えさんと私ぐらいですね」
一気に不安になる一同。
「貴方の場合場をかき回すから余計にこんがらがるんですよ」
「それはその方が面白いからしょうがないでしょう」
「言い切ったぞこいつ、やっぱり萌えさん一人だけで……は無理ですよね」
「ですね、自分としても後前衛職二人、後衛職二人と自分を含めたパーティーでフォーメーションを組めるようにしてから出ないと」
萌えが真面目な顔で指を折りながら提案する。
「まず、パーティー構成の基本方針ですが――」
彼は壁に設置されたホワイトボードに簡単な図を描き始めた。中央に「プニット萌え」、その周囲に「前衛×2」「後衛×2」の円陣。
「前衛職は、交渉がこじれた時に護衛できる人材、
後衛職は、回復か補助魔法が使えるタイプを推したいですね。
万が一に備えて、戦闘への即応性を確保します。」
「交渉のはずがガチの戦場想定になってるんだけど……」
机に突っ伏しているペペロンチーノがぼそっと漏らすが、誰も否定しなかった。
それほど相手が厄介だということだ。
「……では、具体的に誰を選出するかですが」モモンガが皆を見回す。
「前衛は、武御雷さん、タッチさん。この二人でどうだろう?」
「了解だ、俺にできることならやってやる!」
「任せてくれ、やり遂げて見せる。」
武御雷とタッチが即答する。
「後衛は……アウラとマーレ、君たちを推薦したい。」
「はいっ!」
「が、頑張ります……!」
姉弟の元気な返事が返る。
二人とも弓と補助魔法に長け、守りに回れば心強い。
「これで、プニット萌えさんを中心に、前後バランスの取れた布陣が組めるな。
万が一の時も、迅速な防御行動が取れるはずだ」
ミストバーンが図を見ながらうなずくが、
「これって回復入ってませんけどダメージ=交渉決裂だから元から抜いてる感じですか」
「はい、ミストバーンさん、その通りです。このパーティーは"交渉が決裂したら即時離脱"を前提にしています。」
ホワイトボードにさらなる矢印を書き加えながら、プニット萌えは説明を続けた。
「つまり、長期戦をするつもりはありません。交渉が壊れた時点で撤退、全員無傷で帰還するのが最優先目標です。そのため回復職はあえて外しました。回復のために立ち止まるリスクを避けたいんですよ。」
「なるほどな、下手に粘ったら潰されるもんな……」
武御雷が腕を組み、しみじみとうなずく。
「じゃあ、フォーメーションの動きは?」
ペペロンチーノが顔を上げて質問すると、プニット萌えは手早く次の図を描いた。
「通常時は私を中心に円陣を組みます。万が一、敵意を感じたら――」
バババッと線を引き、全員がプニット萌えを守るように展開する形を示す。
「この『逆V字陣形』を取ってください。前衛が敵を抑え、後衛が妨害と支援、私は即時転移の準備に専念します。タイムリミットは最大で十秒。それ以上粘ると撤退すら難しくなるでしょう。」
「十秒……シビアだな」
タッチがぼそりとつぶやく。
「でも、それなら逆に言えば、十秒間だけ命懸けで守りきればいいんですね」
マーレが、小さな手をぎゅっと握った。
「その通りです。無理に戦おうとせず、とにかく生き残ることが目的です」
プニット萌えの言葉に、皆、厳粛にうなずく。
そしてモモンガが、改めて一同に向き直った。
「……皆、覚悟はいいか? 交渉とはいえ、最悪の事態も想定して動く。だが、それでも我々はナザリックを――
そう言いかけたその時強力な魔力反応が近づいて来る。
「ち、増援か」
「ちょっと外の様子見てきますね」
そう言って転移で強力な魔力反応がある所に何時ものノリで転移してしまうミストバーン、色々と台無しである。
「あのアホタレ!!お前が行ったら意味が無いだろうが!!」
モモンガの咆哮がナザリック作戦会議室に木霊した。
◇
【ナザリック・外周警戒区域】
「いやー、流石にノリで来るべきじゃなかったかも」
軽口を叩きながらも、ミストバーンは転移直後に警戒態勢に入っていた。目の前には、巨大な漆黒のドラゴンと鋼色のドラゴンが家臣の様に悠然と佇んでいる。その気配だけで、周囲の魔力が凍りつくようだ。
(……これは、冗談抜きでヤバいやつだな)
だが、ミストバーンは引かない。引いた瞬間に、こちらが"格下"と見なされる──彼は本能でそれを理解していた。
「そこの異界の者よ」
ドラゴンが人語を話した。その声は雷鳴のように大地を震わせる。
「貴様らがこの地に害意を持たぬことを願う。我らは監視する者、闘う意志なしと示せ」
「了解了解。こっちも好き好んでドラゴンとケンカする趣味はないんでね」
飄々と応じるミストバーン。しかし、心の奥ではギリギリの緊張が走っていた。
(このドラゴン一匹ですら俺が全力でやっと互角……いや、下手したら押されるか?そんでもってやっぱりいたか、うまく隠蔽してるけど俺のチートスキルまでは無効かできない
みたいだな、いやあえてこれぐらいに抑えてるって表現した方が良いのか、まあ自分が竜王国側だったら同じことするし頼むから見ているだけにしてくれないかな)
周囲には、まだ何体か、同じ規模の気配がある。もし敵意を見せれば、瞬時に袋叩きにされるだろう。
「……異界の者、名を名乗れ」
「ミストバーン。ナザリック地下大墳墓所属のプレイヤーだ。ギルド名義で来ている」
「ナザリック……ふむ」
ドラゴンはしばし考え込む仕草を見せた後、巨大な翼を一振りして風を巻き起こす。
「貴様らの行動、しばし注視する。我らは必要以上に争わぬ。されど、害意あらば即座に討つ。それを肝に銘じよ」
「肝に銘じますとも」
ミストバーンは深く一礼した。頭を上げたときには、すでに漆黒のドラゴンは高空へと舞い上がり、夜空の中へと消えていた。
(……ふう、マジで死ぬかと思った)
すぐに転移魔法を発動し、ナザリックへ帰還する。
◇
【ナザリック作戦会議室】
バンッ!
転移と同時に、ミストバーンが扉を乱暴に開けて飛び込んできた。
「戻りましたァァァァ!!」
「バカかお前はあああああああッ!!」
怒声とともにモモンガが立ち上がり、杖を振り上げる。今にも殴りかかりそうな勢いだ。
「いやー、でもちゃんと話し合ってきましたよ、交渉成功、ゼロダメージ!」
「問題はそういうことじゃないんだよ!!お前の行動が想定外すぎるんだよ!!」
モモンガの顔には変化はないが人間だったら間違いなく額には青筋が浮かびあがっていただろう、後ろではペペロンチーノが椅子ごとひっくり返って笑っている。
「で、結果は?」
タッチが冷静に尋ねると、ミストバーンは親指を立ててドヤ顔で答えた。
「とりあえず、ナザリックに対して即攻撃の意思はないそうです。ただし、"害意があれば即討滅"だそうで。あと、しばらくは監視されるっぽいですね、今も遠くで見てますよ」
「……まぁ、最悪のシナリオは避けられたか」
モモンガは深く椅子にもたれかかり、溜息をつく。
「でもこれからは絶対、勝手に動くなよ、マジで!」
「はーい」
絶対反省してない返事に、モモンガは再び頭を抱えた。
「……さて、そういうわけで、正式な交渉ルートの確保が急務だ。プニット萌えさん、パーティーの準備は?」
「予定通り、すぐ出られるよう調整します」
「ならすぐにでも彼らと連絡を取り合った方が良い、早い方がこちらも早く動けますからね」
「誰のせいでこうなったと思ってるんだ!!」
「本当に何しに行ったんですか、あなたの場合何も考えずに行動するから余計たちが悪いんですよ」
タッチとモモンガの叱責がミストバーンに向けられるが
「正直に言うと嫌な予感がしたからですよ、強大な魔力が近づいてきた時にもっと大きな魔力の結晶みたいな奴がいる気がして偵察がてら見てきました」
「で、誰か来てたんです、話しの感じだと法国の使者と言う感じではなさそうですが」
「俺の直感だとドラウティロンがもうすぐそこまで来てます」
「なに!!」
一同に緊張が走る。
「ちょっとフットワーク軽すぎませんか、何でいきなり竜王国の女王がこっちに来てるんですか」
「これは俺の感ですが多分自分の配下がどう動くのか直接見たかったんじゃありませんか、もしくは私達に興味があってまずドラゴン達がどうゆう反応かを見てから接触するつもりなのかも」
焦ったペペロンチーノにミストバーンが答える。
「でもこれはある意味チャンスですよ、女王と直接話せるなら話は早い」
『おおそうかプニット萌えどの、儂と直接話してくれるか』
頭の中に聞きなれない凛とした女性の声が響く。
『すまんがお前たちの頭の中を少しのぞかせて貰った、悪いやからじゃなさそうじゃな、うちとの国交なら結んでもらって結構、正し条件付きじゃがな。良かったら地上で話し合わんか、念話では多数の意見をまとめるには疲れるでの、では待っとるぞ』
何とも言えない空気が場を支配する。
「多分俺が接触する前から聞かれていたと考えた方が良いですね」
「計画が戦略が通用しない(泣)」
「落ち込まないで下さいよ萌えさんこれから交渉ですよ」
「もうこうなったらやけくそです、少しでも相手の情報を引き出してやります」
「自棄になっちゃダメー!!、女王がへそ曲げたら最悪ナザリックが消えるから」
自棄になった萌えをモモンガがフォローする。
「女王の機嫌が変らないうちに早いとこ転移で交渉してきた方が良いですね」
「分かってますよミストバーンさん、では皆さん行ってまいります」
そう言うと萌え達は転移でナザリックの外に転移した。
◇
萌え達が転移した先には凛とした筋肉質の端麗なポニーテイルの女性が仁王立ちしていた。
「お、異業種のギルドとは聞いておったがエルフもおるのか、なら儂もナザリックに入れるかの」
「女王陛下、恐縮ですが現在ナザリックは新規加入メンバーは保留中でして」
「冗談じゃ気にするでない」
「でじゃ、実は竜王国で困っていることがあってな、交渉の内容と言うのが王国から流れてくるライラの粉についてじゃ」
ギルメン全員と書きましたがネームドのギルメンが全員出るかは怪しいです。足りない人数は版権先から持ってくる予定。
何故竜王国がここまで強くなったのか→コラボ先に強いドラゴンが多かったから。
ここでのドラウディロンの姿はヒロアカの志村菜奈によく似ています。