オーバーロードによく似た世界で(本編完結) 作:ペンギン勇者
いきなりの女王登場に驚くナザリックのメンバー、しかし以外にもドラウディロンは助けを求めてきた
「ライラの粉ですか、それは具体的にどうゆう物でしょうか」
プニット萌えが一歩前に出て、慎重に問いかけると──
「麻薬じゃよ、しかも依存性は高い癖に副作用は低めという厄介な代物じゃ、竜王国では厳しく管理しておるんじゃが、密売されとるらしくてな。ドラゴンの方は効果はないんじゃが国民の健康被害が深刻での、このままでは産業に影響が出てくるからそろそろ手を打ちたかった所なんじゃ」
女王は腕を組み、苦々しそうに顔をしかめた。
その言葉を聞き一気に頭が痛くなるプニット萌え、リアルの外交問題でも隣国からの麻薬輸出入は大問題だ。
「ここでも麻薬ですか、辟易しますね」
そう言葉を漏らすのはタッチ、リアルの警察官の彼も麻薬問題に色々と振り回された過去を持つ。
「じゃが、これを取り締まるにはうちの者ではどうにもならん、ドラゴンは小回りはきかんしデカいから隠れるのも不向き、高高度から監視して見つけても近ずく頃にはうまい具合に隠れおるし、捕まえても下っ端で根っこを抑えられん、かと言って人間を使おうにも何処に八本指の手下が紛れ込んどるかわからん」
「女王陛下、その八本指と言うのは何のことでしょうか」
「王国の腐敗貴族と癒着しとる裏社会を支配する犯罪組織じゃよ」
萌えの疑問にドラウディロンが答える。
プニット萌えたちは顔を見合わせた。聞き捨てならない単語が飛び出してきたからだ。
「裏社会……犯罪組織……?」
タッチが呟く。彼の現実世界での知識がざわめく。しかも、話に出た『八本指』──どう考えても危険な香りしかしない。
「なるほど、つまりその"八本指"がライラの粉の密売ルートを握っていると?」
「そのとおりじゃ。しかもその八本指の背後には腐敗貴族がおるせいで捕らえられんし捕らえたとしてもすぐに八本指関係は釈放されとる」
ドラウディロンは眉をひそめる。
その様子は、ナザリックの面々に一層の緊張感をもたらした。
「……やれやれ、厄介ごとの臭いしかしませんね」
萌えが頭を抱える。
「つまり女王陛下、我々に協力して欲しいという事でしょうか?」
「うむ。具体的には──情報収集と、必要であれば密売ルートの破壊じゃ」
女王ははっきりと告げた。
「もちろん、見返りも用意しとるぞ」
「見返り……?」
プニット萌えたちが思わず身を乗り出す。
「竜王国とナザリックの正式な国交締結。更にワールドアイテムの使用許可、ドラゴンの監視を止める」
「女王陛下!!いくらなんでもそれは、八欲王の惨劇をお忘れですか!!」
「黙れ、それならお前たちがライラの粉の販売ルートを潰せばいいだけの事ではないか、しかもそれが出来ずに被害が国民に広がるばかり、ここでナザリックの力を借りねば深刻な被害を受けるぞ」
その言葉に何も言い返せないドラゴン達。
『萌えさんこれは大チャンスですよ!!絶対に受けましょうよ!!』
短距離通信でいきなり割り込んでくるミストバーン。
『ちょっと貴方は黙ってて下さい、話しが美味しすぎる絶対何かあるんですから首を突っ込まないで下さい』
「ふむ、何かあるかそう考えるのも無理はないな」
ドラウディロンは萌えの考えを読み取るとにやりと笑う。
「別にデメリットは無いぞ、だがあるとすれば儂が直々に交渉したんじゃ、反故に用にするならば儂自身がけじめをつける」
そう言うとドラウディロンの身体から魔力が溢れだし、体が変形しドラゴンの特徴を持つ竜人へと姿を変える。
「さっきの姿はおぬしらで言うとレベル120、今は150じゃ」
ナザリックの面々は一斉に息を呑んだ。レベル150──そんなもの、ゲーム時代のユグドラシルプレイヤーでは到達できない領域だ。それだけの力を持つ存在が、約束を反故にするならナザリックを潰すと言ってきたのだ。
「ちょっとそれは見過ごせませんね」
「ミストバーンさん」
「すいません、心配になってきちゃいました」
お前が出てくる方が心配になる事に気が付いているのだろうか。
「言っておきますが何時ものおふざけは無しですよ、今回はガチで逝きます」
「逝ったら駄目だろー!!」
ミストバーンのボケに武御雷が突っ込む。
「ほう!レベル300か、貴様普通のプレイヤーではないな」
(なんじゃこいつ頭の中が読めん、それにレベルが300じゃがまだ何か隠しとるな、ならばこちらも本気でいかねば拙いな)
(こんな時のためのレイドボスになるためのアカウント、普通のプレイヤーは持てないけど株主権限でレイドボスになれて良かった持ってて良かった)
「どうです、これでもまだナザリックを潰そうと――
そうミストバーンが言いかけた時女王から膨大な魔力があふれ出す、そして優に300mは越える黒焦げた筋肉質のドラゴンに変身した。
(!!!!!ッゴジラアース級じゃねえか!!なんてもんに変身しやがった、これじゃあナザリックが秒で消される)
「あんた達いい加減にしなさい!!」
そこに一人の女性の声が響き渡る、ナザリック最強の存在の登場である。
『母さん、何してんの危ないよ』
モモンガの抗議も虚しくドラウディロンの目の前に立ちはだかるブルマ。
「あのね、いくら何でも皆が怖がってるでしょう自我を持ちたてのNPCの子とか憔悴しきってるわよ、早く戻りなさい」
「ほう、貴様もレベルが高いな、だがレベル100程度では儂に傷ひとつ付けられんぞ」
「私にはこれがある」
ブルマがそう言うと次元の裂け目から巨大な女性型ロボット(アーケイディア)が登場する。
それに乗り込むブルマ、しかしそれでも大きさは22m前後、ドラウディロンの一割にも満たない。
「少し大きくなったようじゃがもう終わりか、なら次は――
「いいえ、まだよ。私はレイドボス権限を行使するわ」
「そう言うとさっきと同じ機体が99機、次元の裂け目から出てきた」
「合体」
そうブルマが言うと100機の機体は一カ所に集まり合体、巨大なアーケイディアに変身する
(そういやブルマさんも俺と同じように株主になったんだっけ、ユグドラシル後期の方に入ったから追いつくように課金しまくったってモモンガさん言ってたけど、
俺と同じレイドボスやってたのをモモンガさんが愚痴ってたがまさかここまでとは)
「ほう儂と同じ大きさでレベル500か」
「これで互角よ」
「笑わせる!!」
轟音と共に、ドラウディロン──黒竜形態──が咆哮した。その風圧だけで地面が抉れ、ナザリックの面々は咄嗟に魔法障壁を展開して身を守る。
「──行くぞッ!!」
ブルマが操る超巨大アーケイディアは、ずしん、と大地を揺らしながら前進した。
右腕を構え──ズドォォォォォォンッ!!
鉄拳一閃。レベル500の超質量の拳が、ドラウディロンの頬を撃ち抜く!!
が──
「むぅん!!」
受け止められた。そのままドラウディロンはアーケイディアを片手で受け止め、無理やり引き剥がす。
「巨大化した分動きが緩慢になっておるが、おぬし中々やるな!!」
叫びながらも、女王はどこか楽しげだった。まるで滅多にない本気の戦いに、心の底から血が沸き立っているような。
「けど! まだ終わらないッ!!」
ブルマ機の背部巨大な光輪から無数の光条(レーザーキャノン)が射出される。無数のビームが、ドラウディロンに殺到する!!
「ふはははは! その程度──!」
ビームは確かに直撃した。だが、ドラウディロンの鱗はほとんど傷ついていなかった。
「──くっそ硬い!」
「当然じゃろう!!」
再び咆哮。ドラウディロンは尾を振り回し、ブルマ機をぶち飛ばす。
「いったあああああ!!」
『母さんーーッ!!』
モモンガの絶叫。
ドゴォン!!
ブルマ機は数百メートル先まで吹き飛ばされ、地面に巨大なクレーターを作った。
『萌えさん!! そろそろマジでヤバくないっすか!?』
「ヤバいのは最初から分かってますけどこの状況じゃどこに逃げても同じです!!」
短距離通信が悲鳴と怒号で飛び交う。
だがブルマは諦めなかった。
クレーターからゆっくりと立ち上がり、全身のエネルギーを最大出力に高める。
「なら……こっちもとっておきの切り札よ!!」
アーケイディアの巨大な光輪が輝き、全身から光があふれた。
「これが……テッセラクト・カタストロフ」
天空をも貫く、超巨大レーザー砲。その威力、かつてユグドラシルでさえ運営が使用禁止を検討したという"ぶっ壊れ"兵器。
「なにぃッ!?」
ドラウディロンの表情に、初めて焦りが浮かぶ。
「ぶっ放す!!」
ブルマがトリガーを引く。
放たれた光の奔流が、大気を、雲を、空すらも貫いてドラウディロンに直撃した。
大地が揺れた。
大気が悲鳴を上げた。
超巨大な爆発が、地平線まで広がった。
世界が悲鳴を上げ次元が軋む。
「……やったか!?」
武御雷が息を呑む。
煙の向こう、巨大な影がぐらりと揺れ、
──立っていた。
だが、その姿は先程とは違った。
全身の鱗が焦げ、翼は半壊、身体もズタズタ。
──ドラウディロンは、明らかにダメージを負っていた。
「……ふぅ。参った」
女王は大きな身体をしずめながら、変身を解き、再び人型に戻った。
「降参じゃ。確かに、これならば対等の立場での交渉の価値はある」
「──はぁ、はぁ……」
ブルマもまた、エネルギー切れ寸前で、ようやくロボットから降りた。
ナザリックの一同は──心底ほっとした顔をしていた。
「じゃ、じゃあ……」プニット萌えが声を震わせながら言った。
「正式に、ナザリックと竜王国の──同盟締結、ということで……よろしいでしょうか?」
「もちろんじゃ」
女王は、晴れやかな笑顔で答えた。
かくして、ナザリックと竜王国は──血と汗と課金によって、真なる信頼を得たのであった。
交渉かと思ったらまさかの最強対決。
オリ主人公がチート気味だったけどそれより上を出すことでバランス調整、結果壮大なキャットファイトが完成しました。
02話でも書きましたがブルマはユグドラシル時代のアバターはスーパーロボット大戦Vのネンバリンナです。