ガルディア王国には裁判所がない。被疑者は治安当局に捕まってしまうと当局の判断で裁かれる。そこに弁護士のような介入はあるものの、日本のように三権分立はされておらず、当局に権力が集中し過ぎる構造になっている。
クロノ達が過去に介入して、正式に裁判所が作られたものの、王家主導の元で作られた裁判所であった為、その裁定には王家の判断が強く作用していた。
王族マールが行方不明となった経緯に関してクロノを誘拐犯に仕立て上げて問題を大きくするメリットとは何だろう?
誘拐事案となれば王家のセキュリティに不備があること(国力の弱さ)を認めた事にもなり、他国に侵略の口実を与える可能性もあるのに。
(※それがパレポリの侵略だったとしてもクロノらはラヴォスすらも倒しているのに、パリポレの侵略に負けるなんてありうるだろうか?)
単純にいえば、姫がどこの馬の骨か判らぬ男(クロノ)との交際が発覚することで名誉が棄損される事を王家は恐れていた。クロノを誘拐犯、テロリスト扱いすることで交際関係をうやむやにしようとする王家について、ルッカは深く絶望していた。
「だから未だにEUへの加盟が認められないのよ!」
貴族主義で保守的文化、民主主義とはかけ離れた政治体制を敷くガルディアは先進国から大いに取り残されている。とはいえ、その遅れた文明によって外国からの観光客は多くあり、ガルディアの経済を潤わせている。とはいえ近年ではスマホ等の携帯端末も普及し、国民はオンラインから世界の情勢を知りつつある。ガルディア国民も如何に国際社会から遅れているのか気付きつつあるものの、主要産業の豊かさ(銀行、鉱物資源、観光)によって、国内の景気は良くもあり、国民の不満は政治へはまだ向けられていない。
その為、クロノの死刑がたった3日後に行われるとしても国民は意義を唱えない。まるでタリバン政権のような独裁が成立する国、それがガルディアである。
ルッカはクロノを連れてガルディアから亡命するべく、隣国のサンマリノのブローカーに救援を求めた。
サンマリノはガルディアと同じく観光資源により発展したが、共和政治であり、比較的自由が保障されている。海外からの富裕層の滞在者も多く、国際的な人権団体とのコネクションも多くある。クロノを脱獄させた後、ヘリで国境を越え、サンマリノに匿って貰う計画であるが、王宮刑務所の最上階にて龍戦車が待ち構え、ヘリの不時着を阻止していた。クロノ達はドラゴン戦車の破壊に成功したものの、ヘリはガルディア軍からの撃墜を恐れて去っていった。