「すいませーん、マヌーラ先生!いますかー」
「ん?あれ誰か来た。」
「この声…お兄ちゃん?」
キョロンちゃんを抱きしめてクルクルしてたら扉の方から声がした。
「グスタ君?はいはーい、今いくよー」
「おー、いた、よかった。ギルドからの納品依頼できたんっす。はいこれ依頼書。ハンコお願いしやーす。」
「あー、はいはい、いつもありがとう。うんうんどれも状態いいねー。流石グスタ君。」
「いやーまあ伊達にマヌーラ先生に色々ケチ付けられてないっすよ」
「はははは、いやそのケチが錬金術的には結構大事なんだよ、ところで…あの子誰?」
キョロンちゃんと同じく6年前から親交のあるキョロンちゃんのお兄ちゃん、ショーグスタ=レイ君。みんなからはグスタって呼ばれてる。
そのグスタ君と一緒に店に入ってきて入り口前でこっちをガン見してくるおっかない雰囲気の美人さんが気になってしゃーないんですけど。
「ああ、そうだった。紹介するっす、彼女はヤンカ=ルデール。俺と同じ銀等4級の冒険者で、この度、パーティを組むことにしたっす。」
「ヤンカです。よろしく…」
「「ええええええええ!」」
「2年間ずーっとソロでやってきて、銀等4級までパーティ童貞のままやってきたグスタ君が!?」
「なんか避けられてるし、気楽だからソロで頑張るわって言ってたコミュ障お兄ちゃんが!?」
「二人ともひでえな!というかマヌーラ先生の関係者ってことで避けられてた所もあるんすからね!俺!」
あっ、そうだったんだ。この超完璧天才美少女錬金術師の関係者だから嫉妬でもされちゃったのかな?それはちょっと可哀想なことしたかも。
「あっ!ごめんなさい。私、ショーグスタ=レイの妹のキョロン=レイです。兄がいつもお世話になっております。」
「あー、キョロンちゃんの師匠のマヌーラ=ルナティックです。錬金術師です。巷では、[
「マヌーラ=ルナティック…先生、一つ聞いてもいい。」
「ん?何かな」
「ショーちゃん、ショーグスタのことどう思ってる?」
え!そういう感じ!グスタ君に気があるから私の事ガン見してたのかー。いやーモテるねーグスタ君も。まあ笑顔可愛い系の美少年だしなあ。グスタ君。
「うーん、基本的には良きビジネスパートナーって感じかなあ。まあ顔はカッコイイし、もし私が行き遅れたら結婚してもらおうと思ってはいたけど。」
「えっ!そんなこと思ってたんすか!すいません気持ちはうれしいんですけど、俺にはちょっと重すぎるんで、ごめんなさい。」
「は?ショーちゃんは私の。ふざけたこと言わないで。」
え、噓でしょ、ノータイムで断られたんだけど。我、美少女ぞ?6年来の仲じゃん。そんな好感度低いの?ちょっとショック。あとヤンカちゃんの圧つっよ…怖…
「お兄ちゃんのくせに、マヌーラ先生の事振るなんて生意気!大丈夫ですよ先生。私がずーっと傍にいますから。心配しないでください。」
「あーうん、別に結婚はあんまりする気もないから大丈夫。ノータイムで断られたのはちょっと堪えたけど。それにこんな美人のお手付きなら手なんか出さないよ。
というかパーティメンバーって紹介じゃなかったっけ?もう付き合ってそうな感じだけど。」
「そうですね。お兄ちゃんへの好意を隠してない感じですし、これで付き合ってないとかいうなら女性に恥を掻かせる愚兄に説教しなくちゃいけないんですけど。どうなんですか?」
「あー、付き合ってるよ、付き合っているっす。ただ…」
「私が、ショーちゃんの優しさに付け込んでる…ショーちゃんとは5日前に出会った。」
「西の森で収穫依頼をこなしてる時に、レッサーバジリスクの毒にやられて死にかけていた。そんな時に光り輝く金髪を風に揺らしてやってきて、倒れている私に優しく声をかけてくれて、意識朦朧としていた私は天使がやってきたと思った。そこで気を失った。次に目を覚ましたら、口づけをされてた、目の前にイケメンの顔一杯で、聞けば一刻を争うから『天使の口づけ』*1で治療してたと言うの。好き♡しかも一刻を争うとは言えいきなり口づけして申し訳ないと謝り倒すし、配慮の鬼。好き♡好き♡大好き♡そこから診療所で1日身体の検査して異常なしってわかってから、翌日すぐにショーちゃんを探した。すぐには見つからなくて、もう一日かかった。昨日ついにみつけてショーちゃんに好きですと告白した。戸惑いながらも嫌になったらいつでもいってくれと受け付けてくれたショーちゃん♡ホント好き♡」
「えーとつまり、5日前に人命救助した女の子に一目惚れされて、爆速で距離詰められて戸惑ってるってこと?」
「まあ、そうっすね、ついでに言うと命を助けた恩義を感じてるだけなんじゃないかと思うと中々踏み出せなくて…」
「真面目だなグスタ君は、美人の命助けたら運よく彼女になってもうたわ、ぐへへ、ラッキー位に思っておきなよ。」
「そんなこと考えるのマヌーラ先生位っすよ…」
は、今私ディスられた?というか男だったら私の考えのほうが普通じゃないか?
「ヤンカさんに『天使の口づけ』使ったの?お兄ちゃん。なら責任取らないと。」
「いや、人命救助の為に仕方なく…てか俺はいいけど、これで責任取ったらヤンカが可哀想じゃね?」
「全然可哀想じゃないよ、ショーちゃん♡ちゃんと責任取るべきだよ。」
「あー、よし、腹くくるっす。これからもよろしくヤンカ!」
「うん♡」
ちょっと愛が重いかもしれないけど、まあ愛なんてなんぼ重くてもいいですからね。よかったねー、グスタ君、ヤンカちゃん。