異世界で最強魔法使いしてる転生者が、転移してきた前世の女友達にぶっ殺されるまで 作:ヌワァン・ヤジュブチパ
✕月α日
修行きっつ。毎日毎日MP切れるまで最大出力の【強化】使って走り込みした後は、ポーションでMP回復して近くの湖に火炎放射。もっかいMPが切れたらコンちゃんと組み手。死霊術師なのになんでステゴロも強いんだよ。しかもなまじMPが多い分、消費しきるまでも長い。
今やエナドリ感覚で飲んでいるポーションを飲み干し、火炎放射のために湖に向かう。道中で魔獣が襲って来たが、全部BBQにした。後で持って帰ろう。この種類は意外と美味い。
あと【等価交換】をした後、スキルがバグった。【炎】と【強化】以外の魔法適性が、ランクはそのままで全部【炎】と【強化】に置き換わっていたのだ。
具体的にはこう。
【特典スキル】
《魔法適性A+【炎】》《魔法適性A【炎】》《魔法適性B+【炎】》《魔法適性B【炎】》
《魔法適性B-【炎】》《魔法適性B+【強化】》《魔法適性B-【強化】》《魔法適性A+【強化】》
《魔法適性A+【強化】》《成長促進EX【転生者】》
【ノーマルスキル】
《魔術の素養 LV4》《武術の素養 LV4》《サバイバー LV4》《獣特攻 LV5》
コンちゃんも初めて見る現象らしい。コンちゃんの推測だと、魔法適性を追加するのではなく、減らすというイカれた選択をしたのは記録にある限り俺が初めてで、それ故バグが発生。魂にくっついたアクセの『数』を減らすのではなく『種類』を減らす方向に舵を切り、その結果他の適性が全部このに種類に書き換えられた。ということらしい。
一つ思った。この世界の理、意外とポンコツだな。
✕月ζ日
きついことはきついが、効果は確かに出ている。レベルも40まで上がったし、4ケタあったMP総量が今は5ケタに増えている。HP、魔力出力、攻撃力、素早さも4ケタに到達した。《魔力操作》のスキルも《魔術の素養》に、《体術》も《武術の素養》に進化した。ただ、防御関連の数値は未だに2ケタ。紙装甲すぎる。
あまりにも伸びないのでコンちゃんに聞いてみたところ、人間の防御力は皆そんなもんらしい。だから鎧で補強するんだと。そしてこの話をして思い出したと言わんばかりに、中世の貴族が着てそうなデザインの服を引っ張り出してきた。俺にくれるらしい。貴族が着てそうとはいったが、主張しすぎない色合いで俺の好みだったし、サイズもピッタリだった。
着替えた後にステータスを見てみろと言われたので言われたとおりに見てみると、防御力が4ケタまで増えていた。布の硬度じゃないだろ。それと、【補助効果】とやらで魔力効率と操作性が上がっていると書かれていた。試しに小さい火球を作ってみると、確かに前より楽に作れた。木造の建物内でやるなとコンちゃんからゲンコツを頂いた。畳とかが焦げていたため、土下座でなんとか許してもらった。
□月◯日
ライオンは、強い子を育てるために千尋の谷に我が子を突き落とすという。確か、厳しい愛情の現れだったり、試練を与えて成長を促すことを表す逸話だったはずだ。
それを真に受けたのか知らんが、服をもらった後、更に三年間修行してLV70になった俺を外に連れ出したコンちゃんは、あろうことか火龍の巣に俺を蹴り落としてそのまま帰っていった。ちなみに龍はこの世界の最強種である。コンちゃんは俺くらいのレベルのときにガンメタ張って光龍ぶっ殺したらしいけど。
コンちゃんが去った後の断崖の上に向けて抗議の声を上げていたが、この声で龍が起きたらしく、唸り声というにはなんかデカ過ぎる声と共に睨まれ、一瞬動きが止まった。と思ったら、尻尾の一撃で壁に叩きつけられていた。咄嗟に【強化】を使っていなければ、恐らくミンチになっていただろう。
そこからはもう死に物狂いで戦った。ブレスを無理矢理火炎放射で押し返したり、【強化】を掛けまくって殴り合いしたり。途中から何故か炎魔法と【強化】を同時発動できるようになったので、腕に炎を纏って殴り合いしたり。それでも死にかけたけど、なんか青い炎出せるようになって形勢逆転したり。
最終的に残った全MPを込めた巨大火球で決着がつき、爆炎が晴れたときには俺の眼の前の龍は死体になっていた。ついでに戦闘の余波で龍の巣の窪みがめっちゃ広がった。
この死体どうしようと思い、とりあえず牛で言うヒレっぽいところを切り出して焼いて食っていると、ムッキムキのおっさんを連れてコンちゃんが迎えに来た。帰ったと思ったら遠くから見ていたらしい。おっさんはどうやらコンちゃんが懇意にしている職人らしく、俺の服を作ったのもこの人だとか。
道具を持ったおっさんは、龍の鱗を剥いだり眼をくり抜いたり、骨を取り出したりといろいろ作業を始めた。バラした死体はコンちゃんのアンデッドがどっかに運んでいった。
青い炎について聞いてみたところ、【複合魔法】を同一属性でやったせいじゃないかと言われた。補助魔法である【強化】以外には一つしか属性魔法を使わない俺には意味がないと思って教えていなかったらしいが、複数属性の魔法をかけ合わせて威力を上げたりできるらしい。【光】と【闇】の複合を見せてもらったが、なんか黒いビームが出ていた。
試しにこれまでできなかった右手と左手それぞれでの魔法同時発動をした後、手を合わせてみたら青い炎になった。
あと、【炎】と【強化】を同時発動できたのは《魔術の素養》が《魔術の真髄》に進化したかららしく、今は2つ同時しか使えないが、レベルが上がる度増えていくとのこと。
本来は龍を倒してその龍の素材から武器を作って与えたら免許皆伝にするつもりだったそうだが、複合魔法練習の修行のため、もう少し修行が伸びるらしい。ちくしょう。
△月◯日
武器が届いた。槍だ。穂の根本と石突の部分に眼のような宝石がはめ込まれていた。おっさん曰くガチであの龍の眼らしく、ちょっとちびりそうになった。龍の骨やら血やら鱗やらを使っているらしく、龍を倒した本人かこの武器を持った人間を倒した本人にしか扱えないとのこと。
魔法の杖的な機能もあるらしいので、槍で突いてそのまま穂先から最大火力発射という即死コンボもできそうだ。
◯月✕日
武器をもらって更に1年後、正式に免許皆伝を言い渡されたので、旅に出ることにした。
今の俺はガチれば山が吹き飛ぶ火球を200発くらい同時に放てる。多分あの龍も普通に倒せるだろう。槍もガチモードコンちゃんに勝てるくらいにはなった。【強化】を発動して本気で振るうと飛ぶ斬撃が出る。龍の槍鬼強え。
旅立ちの直前に、コンちゃんが俺を鍛えた理由のうち、語っていない部分があると言って呼び止めてきた。コンちゃん曰く、この世界の代表的組織の”ギルド”と”協会”のうち、魔術師が多く属する”協会”は中々ヤバい組織らしく、魔力量だけ多くて実力がないとモルモットまっしぐらだったそう。マジかよ。
そんなこんなでコンちゃん………いや、師匠に別れを告げて、俺は強い魔物がいるという北に向けて歩き出した。
※龍のブレスは防御しても一瞬で消し炭になるレベルの火力があります。普通の対処法は回避一択で、押し返すとか論外です。
あと、普通はLV70まで行くには20年くらい修行が必要です。成長チート、ずるい。
師匠
めっちゃ強い。光龍はでかいアンデッド大量に出して押さえつけた状態で光と闇が混ざり合い最強に見えるビームを至近距離でぶっ放して倒した。
おっさん
腕前は比喩抜きで世界一レベル。
主人公
本名は火野 明(ヒノ アキラ)。脳筋。
次回からついに女友達ちゃんがやって来ます。