神さま、バカ   作:よしたそ

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豊川祥子薄命概念が好きなんですけど絵も小説もほとんど無くて困ってたんですけど小説だったらいける!ということで書いてみました。初投稿で駄文です、それでも良ければよろしくお願いします。


第一話

「ッ…」

まただ、最近よくふらつく。

「さきちゃん!?大丈夫!?」

「ええ…大丈夫ですわ、ありがとう初華」

「ちょっとサキコ〜大丈夫なの〜?最近よくふらついてるけどちゃんと寝てる〜?」

「睡眠の方は問題ありませんわ、貧血気味なだけです」

「一度病院に行かれた方が良いのでは?貧血を軽く見ない方が良いかと」

「祥…一緒に行こうか…?」

「子供じゃないんだから大丈夫ですわ、今度の休みに行ってまいります、さぁ練習を再開致しますわよ、半年後のマスカレードに向けて気合いを入れますわよ!」

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「さきちゃんごめんね?ホントは着いて行けたら良かったんだけどsumimiの仕事と被っちゃって…」

「だから私は子供じゃないですわ、それに小さい頃から世話になってる病院なの、何かあっても大丈夫ですわ」

「何かって…何かあったらやだよ…」

「何もありませんわ!ほら早く行かないと遅れますわよ!」

「うん…気をつけてね」

「初音もよお仕事頑張って」

初音には大丈夫と言ったがここ数日で更に立ちくらみが酷くなった、先日までは一日に二回程だったが最近は一日に何度もふらっとくる。

「ッ…」

ああ、まただ

「…誰かに着いてきてもらうべきだったかしら…」

ふらつきながら何とか病院に付き受付を済ませ待合室で待機する。

「豊川さーん、豊川祥子さーん!」

案外すぐ呼ばれた。

「久しぶりだねぇ、大きくなったねぇ、祥子ちゃん」

「ご無沙汰しておりますわ」

「最近テレビでよく見るよ、頑張っているんだねぇ」

「ありがとうございます」

「ま、世間話はこれくらいにして今日はどうしたの?」

「実はここ二週間ほど立ちくらみがあって」

「うんうん」

「ここ数日だんだん酷くなって一日に何回も立ちくらみをするんですの

それに…」

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「…そうか」

ある程度話終えるとお医者様が真剣な顔つきになってそう呟いた。

「〇〇さん、瑞穂さんのカルテ持ってきて」

「瑞穂って…母のですの…?」

こちらです、と看護婦さんがお医者様にカルテを渡したらカルテを見ながら私に振り返る。

「祥子ちゃん、落ち着いて聞いてくれるかい?祥子ちゃんは瑞穂さんと同じ病気だ」

「え?」

お母様と同じ…病?

「遺伝性の珍しい病気だ、祥子ちゃんには兆候がずっとなかったから大丈夫だと思ってたんだが…まさか今更になって…」

普段は陽気に話をするお医者様の見たことの無い表情、そこで私は察してしまった。

「…私も…母と同じく…長くは…生きられないの…ですね」

お医者様は黙って頷いた。

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「祥子ちゃん、二つ選択肢がある、入院してひたすら延命治療をするか今まで通りの生活を送るか、定治さんやお友達と相談して決めなさい」

そうお医者様は言った。

「…なーんか実感が湧かないですわね」

今すぐ死んでしまう可能性があるというのに我ながら呑気なものだ。

そうだろう、だって急に死ぬとか言われても困る。先日まで普通に暮らしていたのに、急に地獄に叩き落とされた。

「ひとまずは皆さんには内緒ですわね」

混乱させるだろうし初音は取り乱して後を追うなんて言い出す可能性もある。

「…はぁ」

疲れましたわ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━「ただいま!さきちゃん大丈夫だった?」

「おかえりなさい初音、ええやはり貧血でした」

初音は勘がいいから少しでも違う雰囲気を出したら問い詰められる、気をつけなければ…

「帰りに寄った薬局でプリンを買いましたの、一緒に食べません?」

「!!食べる!手洗ってくるね!」

そう言って初音は急いで洗面所へ向かった。

「急がなくてもプリンは逃げませんわ…」

私は苦笑いでそう呟いた。

「うん!美味しい!ありがとう!さきちゃん!」

「どこにでも売ってるプリンですわよ?そんなに喜ぶことでも」

「さきちゃんが買ってきてくれたんだから何でも嬉しいよ!」

私はまた苦笑いをする。そして美味しそうに嬉しそうにプリンを食べる初音を見つめる。

(この笑顔あと何回見れるのでしょうか)

それは他のムジカのメンバーも同じだ、あと何回彼女らに会えるのだろう彼女らの演奏を聞けるのだろう、いつ終わるのかは分からない、でも終わりは必ずやってくる。

「さきちゃん…??どうしたの…??」

「ううんなんでもないですわ」

「じゃあなんで泣いてるの?」

「え…?」

頬を伝う暖かい感触、本当だ私泣いている。

「…目にゴミが入ってしまいましたわ、初音ティッシュを取ってくださる?」

「…うん、はい」

勿論ゴミが入ったなんて嘘だ、私はできるだけ初音と目を合わさないようにする、目が合うと全てを話してしまうような気がして。

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「明日も練習ですしもう寝ましょう」

「うん…」

「?初音?どうかいたしましたか?」

「…さきちゃん本当にただの貧血だったんだよね?」

やはり初音は勘がいい、私が挙動不審なだけかもですが。

「嘘をつく必要があって?信じられないなら診断書をご覧になります?」

初音の目を見てあえて強気で行く。

「…ううんいいよ、ごめんね変な事聞いて、おやすみさきちゃん」

「ええ、おやすみなさい初音」

…ごめんなさい。

 

続く

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