神さま、バカ   作:よしたそ

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第二話です、ちょっとういさきかな?駄文ですがそれでも良ければよろしくお願いします。


第二話

翌日、私は気合いに満ちていた。

せめて半年後のライブまでは生きてみせる。そして私が、オブリビオニスがいなくてもやって行けるように完璧なバンドにしてみせる。

「海鈴!少しズレてますわ!」

「すみません、修正します」

「にゃむ!遅れていますわ!」

「はーい、ごめんなさーい」

「睦!入りが遅い!」

「うん…ごめん…」

「初華!声が上擦ってますわ!」

「ごめんさきちゃん…」

「はぁ…20分程休憩にしますわ」

こんなんじゃダメだ、完璧なバンドには程遠い。

一人一人の演奏は素晴らしい、素晴らしいからこそどんなに細かなミスでも目立つ、ミスを無くしていかなくては、Ave Mujicaの楽曲の殆どはキーボードを主体にしている、それが抜けても違和感のないレベルまで仕上げなくては。でもいつまでもキーボード抜きにしてはいられないだろう私がまだ動けるうちに後任を探さなくては、技術だけではダメだ声から容姿に至るまで完璧な人を…。

「━━きちゃん、さきちゃん!」

「!初華…どうされました?」

「20分たったよ」

「ああ…もう…ごめんなさいボーッとしてましたわ」

「朝から思ってましたが祥子さん今日は少しおかしいですね」

「思った〜変に力が入ってるというか焦ってるというか」

「そんなことありませんわ、ほら早く再開…」

「祥?」

「あっ…あ…」

なん…ですの…今までの立ちくらみと違う…ッ…

「痛ッ…ッ…たっ…」

「ちょっとサキコ!大丈夫!?」

「祥!」

「さきちゃん!」

「頭痛ですか?吐き気はありますか?」

「はぁ…はっ…はぁ…(痛い…頭が…割れ…る…)」

(でもまだ…倒れる…訳に…は…)バタッ

「さきちゃん!!!」

「おでこが熱いです、発熱してる可能性があります、若葉さん保冷剤もしくは冷えピタはありますか?」

「探してくる…!」

「祐天寺さん経口飲料水を買ってきてください」

「おっけー!」

「さきちゃん!さきちゃん!」

「三角さんは声をかけ続けて下さい、私は横になれる場所の用意をします」

「さきちゃん…」

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「……ううっ…私は…」

「!さきちゃん!」

「よかった…」

「手のかかる神様ったいね!せわしとったよ!」

「目覚めましたか何よりです」

「どれだけ…寝ていましたの」

「四時間程眠っておりました、その間ずっと苦しそうでした、あと一時間同じ状態なら救急車を呼ぼうという話をしていました」

「そんなにも…ごめんなさい…ご迷惑をおかけしました」

「迷惑じゃないよ!でもさきちゃん…」

「貧血じゃない…よね…」

「…」

「貧血じゃ説明がつきません、先日病院に行ったのですよね?結果はどうだったんですか?」

本気で心配をしてくれている、私は人生を預かるなどと言っておきながら全てを捨てて逃げたというのにそんな私を心配してくれるなんて…

でも…これだけは…まだ言えない。

「嘘をついてごめんなさい、偏頭痛でした、薬を服用しているため普段は大丈夫ですが薬が切れると痛み出すんです、あと寝不足ですわ、曲をどうしても完成させたくて」

「寝不足〜??この前睡眠は不足してないって言ってたよね〜?」

「はい…ごめんなさい…」

「健康に…よくない…」

「偏頭痛も睡眠不足によるストレスということですか、気をつけて下さい」

「本当に迷惑をおかけました…」

「ま、なんか重い病気とかじゃないならいいんだけどね、じゃサキコも起きたしアタシは帰るね〜」

「私も帰宅します、お疲れ様でした、お大事にしてください」

「初華…祥をよろしくね…祥…ちゃんと寝て…」

「ごめんなさい…ありがとう…睦」

「私達も帰りましょう、初華」

「…」

「初音?」

「うん…帰ろう、さきちゃん」

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私が思っているより時間は残っていないのかもしれない、やれることは全てやっておかなくては。

…今夜も眠れなさそうだ。でも初音は二時間ほど前に寝室へ行った、つまり徹夜がバレることは無い。

「さきちゃん…起きてるよね…?」

バレてしまった。寝たフリで誤魔化そうと思ったが分かってしまうだろう。

「…起きてますわ」

私は観念して返事をする。

「さきちゃん、昼間あんなことになったんだから早く寝なってみんな言ってたよね…?」

「…たった今目が覚めましたの、御手洗に行きたくて」

「…パソコンの光漏れてるよ」

ダメだこりゃ。

「…ええそうですわ、二時間ほど前からずっと作業をしていました、徹夜もするつもりでした」

「…さきちゃん」

声色で分かる、これはかなり怒っている。

「…今すぐ寝て」

「……分かりましたわ」

今は引こう、初音が寝たのを見計らって作業を再開すればいい。

ギシッギシッ

ん?この音は…

「…信用出来ない、今日は一緒に寝る」

…打つ手なしですわね。

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…眠ったでしょうか?

あれから一時間、時刻は午前三時を回りました、初音も疲れているだろうし今日は昼から雑誌のインタビューだから起きることはないでしょう。

「…さて」

私は画面の明るさを最低値にして作業を再開する。

…つもりだったのだが。

「さきちゃん」

「…初音」

背後から初音の呼ぶ声、私は振り返ることが出来なかった。

「…なんで」

「え?」

「すんっ…ぐすっ…なんで…言うこと聞いてくれないの…?」

マジか、泣かれてしまった、流石に予想外、これを無視して作業をするほど私の心は凍っていない。

「ご、ごめんなさい!初音!寝ます!寝ますから泣かないでくださいまし!」

「さきちゃんの…バカぁ…ぅぅぅぅ…」

「本当に寝ますから!今日は何もしません!神に誓いますから!」

自分が神になると言ったのに神に誓うとはこれ如何に。

結局初音をなだめていたら朝になってしまった、初音を見送る際

「…今日は学校休んで寝て」

と目を真っ赤にして言われてしまったので、言う通りに休んで眠ることにした。

…本当は作業する気だったがやはり私は人間みたいだ布団の魔力には勝てなかった。

 

続く

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