貴方のことが好きすぎるゼンゼロ女子だなんてそんな 作:究極進化さむらい(2歳)
星見雅。
対ホロウ特別行動部第六課と呼ばれる組織の課長…?らしく、貴方の通う学校のクラスで大人気の人物である。
大きな耳を持った狐のシリオンで、歴代最年少の虚狩り?…と言うものらしい。
聞くところによると、とっても強くてカッコいい、クールなどと評価を受けている。
しかし、これらは全部貴方が知人やsnsにて聞いた話だ。
真偽はどうか分からないし、寧ろこんな情報は全て嘘だと思っている。
そう、貴方はこんな情報を微塵も信じることができなかった。
その理由とは…………
「〇〇、帰りを待っていたぞ。」
そんな凄い人物が勝手に他人の家に入る訳が無いからだ。
星見雅、何故か彼女は貴方の家で貴方の帰りを待っていた。
………当然、合鍵など渡した覚えは無いし家に招いたことなどもない。
"何でいるの?"
「私と〇〇は婚約者なのだ。夫の帰りを待っているのは妻の役目であろう?」
雅はまるで当たり前だと言わんばかりの表情で困惑している。
婚約者じゃないし、付き合ってすらいない。
そもそも貴方はまだ高校生である。
先程まで一緒にいた友人からも雅の話をたくさん聞かされたし、彼女の世間からの評価はあなたの知るものとは真逆であった。
会うたびに付きまとってくるし、将来は六課に入れなどと勧誘してくる。
何度か家に連れ込まれそうにもなり、それとは逆に貴方の家で同居しようと提案してきた事も。
その様な経験から貴方は雅を凄い人ではなく、ヤバい変質者として認識していたのだ。
「さぁ。帰還の抱擁を致すとしよう」
困惑している貴方を気にせず雅は両腕を横に広げ、早くハグしろと言わんばかりの眼差しを向けて来た。
貴方は雅から距離を取り、今一度何故家にいるのかを問いただす。
…………ついでにハグの真意も。
「む?先程も言ったが婚約者だからだ。……何故抱擁を?……愛し合う2人が抱きしめ合うのは必然だろう、早く私のもとに来い」
なぜか誇らしげにそう語る雅に、貴方は絶望しながら頭を抱える。
雅は中々ハグをしてこない貴方に、何故か拗ね出した。
「何故早く抱擁を交わさない……早くしろ〇〇……!」
そんな風に怒られても困る。
この人怖いと思いながら、貴方はどう切り抜けるかを考え両腕を広げて扉を背にする。
雅はそんな貴方を見て、何かを閃いたような表情を浮かべた。
「そうか。〇〇は抱きしめられる方が好みなのだな、勘違いをして済まなかった」
何を謝ってんだ。
雅は貴方の背中に両腕を回し、体を密着させてきた。
貴方はそんな雅から必死に離れようと身を捩らせるが、雅は頑なに離そうとせず、益々力を強めてくる。
「暴れるな〇〇、痛いではないか」
"離してください。"
「何故だ?〇〇は私に抱きしめられるのが好きなのだろう?」
貴方は雅の胸の中で何度も否定の言葉を放つが、雅は勘違いを直さず、貴方を抱擁する力を一層強めた。
「ほら、私は〇〇を抱きしめられて幸せだ。〇〇も満足してほしい」
雅は貴方の耳元で囁く。
雅の吐息が耳元にかかり、思わずゾワッとする。
「さぁ、寝室で腰を鍛える修行を……む、連絡が……少し寂しいが仕方ない。また明日会おう」
雅は貴方から離れると、少し残念そうな表情を浮かべながらドアノブに手をかける。
貴方はそんな雅を止めることなく見送った。
◆◆◆
次の日もその次の日も、貴方は雅に付きまとわれた。
◆◆◆
「おはよう〇〇」
「ただいまだ、〇〇」
「愛してるぞ、〇〇」
「ごはんは食べたか、〇〇」
「明日も早いのか、〇〇」
「風呂に入ったか、〇〇」
「好きだぞ、〇〇」
来る日も来る日も貴方の目線には雅が写っている。
気づいたら隣にいて、帰宅したらだいたい家にいる。
何かいつの間にか合鍵も作られていた。
偶に残業で遅れたと言い、貴方が雅を迎えると言うこともあったが、何故家主である貴方が帰りを待っているのかは何度も疑問に思った。
一緒に風呂に入ろうと誘われたこともあったし、一緒に寝ている。
それでも、貴方は自分の貞操だけは守り抜いてきた。
………しかし、それも今日までなのかもしれない。
「〇〇、2週間前に出来なかった腰を鍛える修行だ。」
"たすけて"
「大丈夫だ〇〇、私が付いている」
"たちけて"
何が大丈夫なのか分からない。
「私は初めてだ。〇〇も初めてなら嬉しい」
"いたくしないでください"
「……お互い穏やかに終わらせよう。」
貴方は後日、友人に狐は狼に変わることがあると語った。
一番書きたかった奴が書けました。
そして今度こそ本当にネタが無くなった。
リクエストマジでありがとうございます。
もっと皆のネタたくさんだして♡
もしかすると聞かれるかもなので、主人公についてなのですが。
特定の人物ではなく読者様のご想像にお任せいたします。
スタレの時みたく話の繋がりも多分無いです。
一応男性である、と言うことは全話共通。
いつも見てくださっている読者様に感謝を。
それでは。
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