転生したら織田信広だったので信長(妹)をコマそうと思う。   作:鴉の子

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こっちは息抜きで書いてるので続くかは……未定!
魔王信長ってえっちですよね。



一話:「身に覚えのない好感度って怖いね!」

 転生したら織田信長の兄(異母)でした。

 

 どうも、織田信広です、誰だよ。

 

 齢15歳、元服のタイミングで突然前世の記憶を思い出した俺は困惑する。なんか織田家とかいう超でかい尾張の武家の長男に産まれてしまったという事にいまいち馴染めなかった理由が元服のタイミングで判明するのはやめてほしい。

 

 前世はただの一般学生だったので割愛する。というかあんまり覚えてない、一般的知識は覚えてるけど。

 

「え──────っヤダ────ッ!!!」

 

 私室、誰もいないのを確認してから叫ぶ。

 本当にまずい、このままでは可愛い()にぶち殺されてしまう。

 そう、妹である。この世界の織田信長はロングヘアの超可愛い女の子だった。Fateじゃん、Fateですね。じゃあ神秘とかあるじゃん、さらに生存率が下がったな。

 

「え〜どうしよう」

 

 設定面とかいまいち覚えていないが、多分そんなに魔術的な話とかは無かったはずだ。なんか江戸以前は怪異とか沢山いたらしいけど、まぁその辺は肌感覚でわかるし、あとそんな強くないので問題ない。

 

「吉法師には別に嫌われてないし、仲良くやればいいかぁ?」

 

 まぁ数年後には信勝立てて揉めるんだけど、まぁそうなったら皆殺しにすればいいや。

 

 そう、いくら馴染めないとはいえ15年も生きていれば身につく戦国マインド。ムカつくやつはぶち殺した方がいい、何故なら大体そういうやつは殺しにかかってくるから。悲しすぎる世界だ、思いやりとかないのか。

 

 そう、言い忘れていたがなんかフィジカルだけは恵まれている。うちの母は側室なのだが、どうも吉法師の母、土田御前の一族の分家に名を連ねていたらしい。なんか身長180くらいあり、なんかたまに手から炎とか出していたが普通の母親である。

 

 竈に指パッチンで火付けてたけど普通である。

 

 とはいえその恵まれた巨体を受け継ぎ、俺も超背がでかい。かの為朝程じゃないけれども、上背は180はあるだろう。

 

 これだけのフィジカルを貰っておきながら同世代に負けたら恥である、必死に鍛えた結果長巻を片手で振り回せるくらいにはなった。まぁ片手で振る意味もあんまりないのだが。

 

 弓も6人張りだ、為朝公と違ってビームは出せないが、グッと力を入れて射ると炎エンチャができる。なんでだ? 

 

 それだけの力があれば初陣もサクサク、戦国ってちょろいぜと言ってやろうと思うが流石にそうもいかないのが世の常だ。

 

 おそらく初陣は安祥城の城攻め、城攻めって面倒なのである。表の兵士全員皆殺しにしたって仕方がない、城の中に入って城主の首を取らなきゃいかんのだ。それにこの時代の兵士って雑兵は弱いが武将って基本的にめちゃくちゃ強い。年がら年中人殺しと国取りのことばっか考えて刀と槍振ってる馬鹿どもだから。負けないけど超怪我する、やだ。

 

 しかしてフィジカルばかり鍛えていたこの俺、軍略なんもわからん。というか勉強しても右から左である、何故なら「いや、突っ込んで殺した方が早いじゃん」となるから。

 

 兵士の強さの基準がよくわからないのも辛い、大体自分くらいだと思うと何も作戦が思いつかないのだ。堀と塀くらいジャンプで超えて欲しい。

 

 なので、こういう時はいつも吉法師の部屋に行く。数年前に初めて会ってから、妙にウマがあうから、暇な時は最近ずっと一緒にいる。

 

「おーい、吉法師」

 

「おーう! 兄上、どうしたんじゃ?」

 

「今度城攻め行くんだけどなんも思いつかんからなんか考えて」

 

「わしがやっていいのか!?」

 

「おう、首取ったらお前のおかげだって言っておくわ」

 

「まことに〜? 兄上結構適当なこと言うじゃろ」

 

「ほんとほんと、妹に嘘つかない」

 

 きゃっきゃっと慕ってくれる妹は本当に可愛い。いや母親似で怜悧な顔つきと、可愛らしい笑顔のギャップが恐ろしく可愛いのだ。たまに顔怖いけど。

 

「ほれ地図、好きに書き込んでいいぞ。写しだから」

 

「ほうほう、この感じじゃと……」

 

 それにしても可愛い、普通にそういう目で見れるくらいに。

 いや、別にシスコンではない、ロリコンでもない2歳差だし。この時代の異母兄弟なんてほぼ血が繋がっているだけの他人であることの方が多い。

 俺もちゃんと会ったのはここ数年なのだ、なので、普通にめちゃくちゃ可愛い。そしてとんでもなく賢い、なるほど天下を取る器だとよくわかるし、天下取ったら面白そうな女である。

 

 ちなみに信勝は何故か俺に石を投げてくる、「姉上への視線が邪」とのことらしい。それだったらあいつもそうだと思う。まぁ、割と仲はいい。

 

 でもな〜あれが担ぎ上げられて死んじゃうのも可哀想だよな〜とも思ってしまう。見知った年下がむざむざ殺されるのは困る。

 

「……うん?」

 

 そもそも吉法師が跡取りになるって言われてんのに揉めたのは後ろ盾があんまりいなかったからで……じゃあ武勲上げまくってちょっと偉くなって生涯の味方宣言してやれば謀反とか起こらんのでは? (浅知恵)

 となれば……

 

「なぁなぁ吉法師」

 

「なんじゃ? 兄上」

 

「俺、将来多分お前の部下になると思うんだけど」

 

「そうじゃな、兄上側室の子じゃし。なんじゃ? 嫌か? やるか? 謀反?」

 

「はっきり言うねお前……謀反はしません。それはともかく、俺お前のこと好きだからさ」

 

「はえ?」

 

 戦も人間関係も直球勝負が肝心とガン○ムも言っている。

 

「お前、多分家督継いだら嫁さん取ると思うけど。その前に俺と付き合おうぜ、内緒で」

 

「──────ばばばばばばっかじゃの兄上!? 正気か?」

 

「うん、お前賢いし可愛いし。あと強い」

 

「いや兄上の方が強いじゃろ」

 

「それはそう」

 

「頷かれても腹立つんじゃが」

 

「事実だもーん」

 

 ぐえっ、鳩尾を殴られた。パンチが重くて熱い、物理的に。こういうところは血が繋がっている感じがする。

 

「……本気か?」

 

「本気よ本気、俺も嫁さん貰う前に言っておこうって」

 

 元服すれば政略結婚間違いなしである。納得はしているが、折角だしアオハルも満喫したいし素直に好きなやつに告白するくらいはしたい。

 

「ワシら会って4年くらいじゃぞ」

 

「恋に落ちるのは3日で十分だぜ!」

 

「妹じゃが」

 

「バレなきゃいいだろ、イザナギとイザナミだってほとんど兄妹だし」

 

「……それもそうじゃな!」

 

 納得したようである、流石俺の500倍は賢いやつだ。

 

「じゃあ、誓ってもらうぞ兄上」

 

「ん?」

 

「これから生涯、誰と結婚しようが、誰を好きになっても構わんが。わしが一番じゃからな!」

 

「えっ」

 

「誓わんのか? 殺すぞ?」

 

「誓う〜」

 

 えっ怖、全然断られると思ってたのに。いつこんな好感度稼いだの? なんか目真っ赤なんだけど、泣いてるよ? いやあとなんか比喩じゃなく目が真っ赤に光ってるし髪も赤いんだけど、わぁ、不思議。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 織田信広という男は、怪物であった。

 

 身長、およそ一間。拳で岩を割り、飛び上がれば木を飛び越し、太刀を振れば大樹を裂く。

 

 為朝公の再来と言われ、齢13歳で、太刀を片手に熊を殺し、物怪を切り殺し、盗賊の首を数珠に繋いでいるような生き物であった。

 

 だが、底抜けに明るく、身内に優しく。人柄は温厚そのものという、なるほど戦乱の世ではない武家の見本のような男でもあった。

 

 家督を継げぬ長男、己が火種そのものであることを知ってか知らずか、父と家臣たちと交流を深め、学問にも苦手ながら励み、野心すら見せない。

 

 故にこそ、恐れられた。

 

 それほどの力があれば、誰であれわずかに湧く野心が見えぬというのは、つまり操る手段がわからぬということ。それが本心であれ、巧妙な演技であれ、なるほど扱い辛い男だったのだ。

 

 織田信長、吉法師との出会いは、そういった噂を“感じ取った”彼女が自分から会いに行ったのが始まりであった。

 

 吉法師は周囲の言葉を理解しない。正確に言えば、聞く価値のない言葉は耳に入らない。顔が見えれば御の字、という、隔絶した人間であった。

 

 そうして、廊下を歩き、襖を開け。視界に入れた男の姿は端的に言って、愉快としか言いようがないものだった。

 

「お、吉法師! 初めて会ったけどお前が俺の“妹”か〜! 美人だし可愛いな!」

 

 吉法師が女であるのは秘中の秘、身近な人間では信勝しか知らぬことであった。だが、目の前の男は、おそらく知らぬままに感じ取ったのだろう。野生の勘か、あるいは無意識に入る情報からか。

 

「……かわっ」

 

 そして、固まる。なんとこの男お世辞など言っていない、彼女にはわかることだった。あらゆる褒め言葉は、聞く意味のない雑音と同じだった。信勝のそれはたまに聞こえることもあったが、狂信にも近いアレはどうにも苦手であった。

 

 故に、素直な褒め言葉に面食らった。

 

「可愛い!?」

 

「おう、かわいい」

 

「なんじゃお前……」

 

「可愛い女の子は素直に褒めた方がいいだろ、誰も損しない」

 

「うわっ、浮気者じゃ」

 

「まだ結婚もしてませんけどぉ!?」

 

 打てば響く男じゃなこいつ。というのが最初の感想だった。確かに結構アホだが、言われることは素直に学ぶし、彼女のことを極端に持ち上げることもなければ、極端に敵視することもない。

 

 この家と、世界を取り巻くしがらみにまるで興味がない男だった。

 

 だから、彼女はよく会うようになった。

 

「最近街じゃとこういうお菓子が流行っててのう」

 

「ほうほう、ちょっと待ってろ。そういう焼き菓子はこの前作った梅干しの身を酒で甘く煮たやつが……」

 

 くだらない話をよくするようになった。街で流行ったことを話せば、町娘みたいに笑うことができた。

 

「みるがいいこの軍略! わしじゃったらこの戦い……」

 

「おお〜すげぇなお前。でもそれ多分兵が大変だと思うぞ、強いけど。俺ならやれるがな!」

 

「そこはほれ、気合いじゃよ気合い。こう、逃げたら殺すとか」

 

「余計無理じゃ!」

 

 歴史書の戦いを駒にして並べれば、子供の戯言とも扱わず、さりとて嫡男の言葉だからといって過剰に褒めることもない。まぁ、アホの兄上なので教えてやるくらいの気持ちになれるのも楽しかった。

 

「わしな〜天下取りたいんじゃよな天下」

 

「お前が天下取ったら面白そうだな〜! 手伝うぜ」

 

 屈託もなく笑って、冗談混じりに言った夢を「面白そう」と褒めてくれた。そうだった、別に、褒められたいから言う夢でも、大言壮語でもなかったのだ。

 

 ただ、その方が面白そうだと思った気持ちと同じ気持ちになってくれた。

 

 だからまぁ、この気持ちはよくわからないけれど。

 

 胸に、焔が宿った気がした。

 

 

 

 そうして、ある日。

 

「俺お前のこと好きだからさ」

 

 焔が、燃え広がる音が聞こえた。

 心臓から流れる血が熱く、全身が痛い。

 

「俺と付き合おうぜ、内緒で」

 

 世界が爆ぜた、視界が紅く染まる。笑って肩を叩く兄の手首を思い切り掴んだ。

 

 視界の端で、炎が揺れている。

 途中、心臓の音がうるさ過ぎて何を言ったか、覚えていないが。

 

「これから生涯、誰と結婚しようが、誰を好きになっても構わんが。わしが一番じゃからな」

 

 この誓いだけは覚えている。




こんなにチョロくないだろと言う気持ちとあの人身内認定するときの好感度の上がり方怖いよな……の天秤。
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