転生したら織田信広だったので信長(妹)をコマそうと思う。 作:鴉の子
ついに出ました藤吉郎、またの名をカップルの間に挟まるサル。
こいつの頭の良さとか怖さの表現難しすぎないか?
どうもどうも、織田信広です。お家の騒動を解決した後、お母様(と言えと強要された)に妹の関係を詰められ顔面がパンパンになったりしましたが元気です。
本日は色々話を通すために清洲城、新たに妹に小姓がつきました、木下藤吉郎だそうです、秀吉じゃん。
「「うわっ」」
初対面で分かった、こいつ仲良くなれそうだけど第一印象は若干嫌い。多分あいつも同じこと思ってそう。
「こほん、失礼をば……」
「微塵も思ってなさそうだからいいぞー」
「おお! ならば隠す必要ないですな!」
「おい妹よ!! こいつぶち殺していいか!?」
「ダメじゃ、面白い奴なんじゃから」
「チッ」
ヤダヤダ、圧倒的に俺よりめちゃくちゃ頭いいのはともかく。吉法師とおんなじバケモンだなこれ、しかも若干タイプ違うの。どちらかというと俺寄りだ、人格と挙動がプログラムじみて分離されてる方。
「おいサル」
「いきなりあだ名とは中々距離感の近い方ですな!」
「な〜におべっか使ってんだボケ、今『あ、それがしと同じ感じの人間! 厄介!』とか思ってたろ」
「うわっ、ナチュラルに思考を読むのやめてくださらんか?」
「言いながら頭ん中で何個思考回してんだキモイぞ」
小姓が城持ちに叩く口じゃないが面白いので別に良い。というかなんだこいつ、頭の中にスパコンでも入ってんのか、考えてることが多いし早すぎて見てるだけで気持ち悪くなってくるぞ。
……いや例えじゃないなこいつ、頭の中、デコの向こうになんか入ってんな。なんか、太陽の光みたいなの。
「あ〜? ん〜〜〜〜〜?」
ああ、大具足とかと同じか。昔、見たことがある。遠い海の向こうから流れ着いた神秘の破片、あれは雷電の光だったが、これは太陽の匂いと光が視える。
アポロン? だっけ? 知らんけど。まぁどうでもいいことだ。
元々化け物だったところにダメ押しで、か。その辺りはまぁ俺たちと変わりはない。
「兄上がマジで嫌そうな顔しとるの面白〜〜〜」
手を叩いて笑っている妹の頬を突き、ため息をつく。いやこいつ絶対有能だもんなぁ、別に、先のことをわかっているからというわけじゃなくて見ればわかる。
「よし、サル」
「はい」
「俺と妹の間には子供がいて、お互いに好き。だから次草履を懐に入れてたらしばく」
「………………なるほど!!」
おお、脳破壊されてから現実を認識するのに2秒(脳内時間でおよそ一ヶ月)かかった匂いがするな。かなり架空の記憶があったけど大丈夫かお前。
「…………嫁の面倒は見てやるから……」
流石にキモすぎてドン引きしてしまったが、可哀想なので探してやろう……浅野の旦那の娘とかいいかもしれない。こいついつか偉くなるのは間違いないだろうし。
「おお……寝取られた相手に哀れまれているでござる……」
「寝てから言え」
ゲラゲラ笑ってる妹からの追撃で更にダメージは加速した。
「まぁでも出世と可愛い奥さん貰えるならばっちこいでござるよ!」
「お前それでいいのか……?」
身分違いとはいえ、俺のゴリ押しならなんとかなるだろ。
あっ、はい、家老の座をもぎ取りました。どうやって?
そう、それは、林秀貞をボコボコにした後に諸々の処理をして、お詫びの菓子持っていった時のこと。
なぜかその時一緒にいた……というか待ち構えていた平手のじっ様がなんか……
『信長様の面倒を見てくれるのはあなただけです。というか、お父上ですら大変だったのにあの方の家老までしたら孫と過ごす前に死にます』
とか必死の形相で頼んできたから……まぁ代わりにあのじっ様俺にありったけの教養ブートキャンプ仕掛けてきたんだけど。戦場よりきついわ!
城の仕事もそこそこに朝から晩まで和歌と京の文化と貴族のしきたり、作法、あと最近流行り始めた茶道まで仕込まれた、死ぬかと思ったが1週間で覚えた。
俺が家老の座とっていいの? に関しては家督絶対にいらないです、宣言はしたのでなんとかなるだろうよ!
ちなみに吉法師も色気出したら殺していいぞと宣言してたので立場的にはプラマイ0なんじゃないかな! ガハハ。
ちなみにまだ立場だけなので外交諸々は全部みんながやっています、そらそうよ、信頼構築のやり直しとか引き継ぎとか大変だからね。
「よし、サル、俺に殺されるまでは仲良くしようじゃないか」
「それがしが登り詰めるまでは仲良くさせていただきたいでござるな!」
「うわはははは! 隠し事できん奴らの会話面白! 是非もないよね!」
どうせいつかこいつ、うちの妹を殺しにかかるだろうし、まぁその時までは仲良くしよう、いい奴だし。
「妹よ、奉行周りの仕事うちで回していい?」
「おう、よいぞ。ガンガン仕事回してやれ」
さっさとこの男は出世させてしまおう、多分その方が後々楽なのは間違いないため。墨俣城とか。
よし、藤吉郎くん! 君が謀反するまではズッ友だぞ!
──────なるほど、怪物と称されるだけはある御仁だ。
信長様という存在を知って尚、仕える気にもなろうかという才。
何処までも見通す、
信長様は、それがしの意思全てを汲むが、この方は違う。
こちらの全てを見ている。なるほど、夜摩と称される理由がよくわかる。己の生全てを見通してきた黄泉の王、それは、酷く恐ろしい。
闇夜に浮かぶ月のような輝きが、笑みと共に向けられること。それは、自分という生命を解体されるに等しいことだ。理解できずとも、恐怖する。
そして、理解できるそれがしや信長様にとってそれは救いでもあり……
なんとも、
というかなんでござるかあの人、普通わかっててもズケズケと人の頭の中に入るとかどうかしてるでござる!!!
というかマジで怖い、普通にそれがしが薄っすら信長様を越えられたらいいなとか思ってるのもバレとるし。いや、その辺は信長様もわかってそうでござるが。普通一瞥しただけでわからんでしょう。
本当に怖い、それがし頭の回転は人一倍と自負していますが、あの人グーで頭を粉砕できるタイプの人なので対面では勝てないでござる。
────まぁ、やりようはあるが。
何もかもが見えているからこそ、見えていないものが多すぎる。高く睥睨するもの故に、あまりに隙が大きい。ある意味では、信長様以上に。
いずれ、それは大きな破綻へと繋がる可能性もある。細い筋道だが、それを狙えばあの二方を同時に相手取ることも不可能ではないだろう。
……とはいえ、しばらくは味方してくれるには違いない。少なくとも、気持ちのいい御仁ではあるし、仲良くさせていただきたいでござるな!
出世したら絶対一回は酷い目に遭わせたいでござるよ! 具体的には敵軍に情報流して囮にしたりとか!
木下藤吉郎という男は、確かに怪物であったが、情の深い男である。そして、その情を、己の夢のために全て切り捨てる男である。
それは、彼の仕える兄妹と同じであった。
それを深く理解していたが故に、越えようとした。それは憧れであり、彼らそのものが夢であった。
己の先をいく存在を越えようとする。ありふれた願いではあるが、それを握るのがあまりにも眩しい輝きであったが故に、世界は炎に包まれる。
……まぁ、それ自体は、波乱に満ちた世界にはそれなりにありふれたことではあるが。
その先、どんな変化があろうと、歪なまま栄光に走り抜けた道を日輪は過たずに進むことができるだろう。だが、彼らに一つ誤算があるとすれば……。
夢を見て、横に並んで、笑い合う者を、友ということをまだ知らないことだった。
要するに。
まともに同じ目線で喧嘩する友達というのを、この3人、まるで知らないのである。
その結果どうなるかは……まだ、わからない。
はい、頭に太陽と知恵の神であるアポロンの機神の破片が刺さったんじゃねーの?というお話。
実際のところはともかく、あのモコモコ畜生のムーブとも後年のムーブ似てるよねというところから。
以下、おまけのサーヴァント織田信広くんのステ。
【バーサーカー:織田信広】
筋力:A+
敏捷:C-
耐久:B
魔力:B-
幸運:B+
宝具:B
スキル
狂化:E
便宜上、狂化として扱われる精神構造。後述の夜摩の瞳スキルにより殆ど発揮されない。
単独行動:B
マスター無しでも三日程度の活動が可能。
軍略:E
微塵も役にも立たない軍略。最低限武将としての勉強はしているが全くもって本人が生かそうとしないためEランク。多少、素人にはアドバイスはできる。
夜摩の瞳:EX
天性の才能による危険予知。浄瞳にも似た黄金の瞳から得たあらゆる周辺状況の無意識把握と、人間への観察眼から繰り出される未来予知と読心にも似た超絶的な感覚。
本来なら高僧や、一部の裁定者が保有するスキルだが、戦う者として“悪用”を繰り返すことにより別のスキルへと変質した。
直感、人間観察、心眼(偽)、
灼熱:A+
まつろわぬ鬼の混血、その力。超自然的な炎は、神話の英霊すらも害する程の熱量と神秘を内包する。
波瀾のカリスマ:C-
変な人間を惹きつけては騒動を引き起こすカリスマ変種。妹と同質であり、さすが兄妹と言える。
・人物
信広の変な情動の推移は結構システマチック、例えるなら普段走らせている人格プログラムと並行して、超高度なセンサーが取り込む外界からの情報に解析プログラムを走らせている。
常に外界から入るデータを全部解析して完全に分解、常にフィードバックを走らせているためたまに頭痛で苦しむ。あんまり人間っぽくない。
極めて厳密に相手の情報を把握して、裁定して噛み砕き、飲み込んでから、人間みたいな挙動に戻るというのを高速で繰り返している。
最も近しいのは項羽だが、CPUが人間の脳みそなのであれほどの処理能力がない。
故に、実際のところ本質的には裁定者。だが、妹への恋でぶっ壊れているのでバーサーカー。