転生したら織田信広だったので信長(妹)をコマそうと思う。   作:鴉の子

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(評価が赤色になっている上にお気に入りがえらい勢いで増えてひっくり返っている作者)
ありがとうございます…………!!!
息抜きで書いてるのでどこまで続くかわかりませんが、こごで評価いただけたので頑張っていきます。


【挿絵表示】


パッと書いたイメージ図です、大体黄金瞳のノッブ。


二話:バーっと行って、ドン!これが勝利の方程式よ。

 

 

 どうも、織田信広です。妹に告白したら大変なことになりました。

 

 最近はほぼずっと一緒に寝てるし四六時中一緒にいます。えっちなこともしました、信勝が俺のことを視線だけで殺せそうで怖いです。

 助けて欲しい。

 

 でも人生めちゃくちゃ楽しいのでトータルでよかったかもしれない。もうほんと可愛い、毎朝ほっぺ触るともちもちしてて幸福度が高い。

 

 さて、それはともかく。なんと浮かれていたら、気がついたら初陣である。

 

 初陣というものはこう、ソワソワするものである。親父殿の用意した甲冑、ガタイに合わせた大鎧を身に纏い、ガキの頃から世話をした馬に乗っているだけで玩具を貰った子供のような気分になってしまう。

 

 え? 死の恐怖? 無いよ? 一回やると慣れるもんだね! 親父殿に怒られる方が怖いわ! 

 

 あのおっさん怖いもんマジ、まず顔が怖い。髭生えてる背のでっかいロン毛が猛禽類みたいな眼してるんだもん。なんか瞳もなんか真っ青で怖いし……。浄眼って言うらしい、なんかすごそう。ちなみに俺の両瞳は黄金色、珍しいよね。

 

 あ、でも優しいんだよな、『家督いる?』って言ってくれたし。『いらね〜、吉法師が立てば織田は天下を取れるし』って言ったら爆笑してたけど。

 

 

 

 閑話休題。

 

 兎にも角にも初陣である。俺は吉法師に仕込まれた秘策、名付けて『信広キャノンボール(勝手に命名)』にて安祥城を攻める。

 

 ざっくり言うと俺が馬に乗って長巻振り回しながら突撃する。初陣なのに長男が突っ込むの? いいんだよ別に嫡男じゃないし。

 

 これにて守備隊をボコボコにし、敵軍がびっくりしている間に、デカい声で名乗りを上げる。俺の声なら全軍に聞こえるだろう。

 

 そして敵軍が俺を狙っている間に味方に城に突っ込んでもらう、簡単! 

 

 吉法師は「逆掎角の計」とか言ってたけど、俺って呂布なの? 

 

 ふざけた作戦かと思うが案外そうでも無い。沼地と森に囲まれた城に攻め込むのは意外と面倒だ。戦力的には余裕があるので強めに一当てしてビビらせて趨勢を決してしまえというのは割と納得がいく話である。

 

 それに、指揮官が先陣を切るのは危険っちゃ危険だが、指示のスピードが早くなるし、士気も上がるのがこの時代の戦争である。

 

 どこかの騎馬民族の王者もそんなこと言ってた。知らんけど。

 

 お、法螺貝、城攻めの機運である。

 突っ込めーッ! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 黒ずくめの、一見すれば影のような男が、戦場に佇んでいた。

 

 長い黒髪が風に揺れる。巨大な黒馬に乗り、大鎧までもが漆で黒く染められている。

 

 紅の糸で編まれた長巻の柄と、影の中で爛々と輝く星のような、男の黄金瞳(おうごんどう)が一際目立っている。

 

 織田信広、尾張の虎の長男にして、怪物と恐れられた男であった。

 

 供回りの兵がおずおずと様子を窺っている。そもそもの話、武家の、しかも一国の大名の子の初陣とは儀式である。供回りに武将を引き連れ、勝ち戦を経験させる。

 

 だが、織田信広という男は『嫡男では無い長男』であった。故に、この戦が勝つかどうかは五分五分と言っていいところだ。おそらくは、父、織田信秀により見定められているとも取れる采配であった。

 

 そして、そんな本来ならば前線に出るはずもない、高台の陣で戦の趨勢を見守るだけの若者が、獣のような笑みを浮かべて眼前の城を見つめていた。

 

 齢十にして、狼と戯れ、熊を殺したとすらされる怪物が戦場で笑んでいる。供回りからすれば恐ろしいとしか言いようがなかった。

 

 城攻めの合図、法螺貝が鳴る。信広が、長巻を肩に担いだ。

 

「おい、お前ら。騎兵は全員ついて来い」

 

「は、はい? しかし、初陣ですよ? 何を……」

 

「は? わかるだろ? 城代の松平長家をぶち殺しに行くんだよ。そのためにやってんだろう?」

 

 全員が息を呑む。まさか、この人は戦場に飛び込む気なのか? 

 

「何を唖然としてんの、簡単な話でしょうが。じゃあ俺行くから、手柄欲しけりゃついて来いよ」

 

 そう言い放つと、黒馬が駆ける。坂を下り、城門眼前、既に歩兵たちが乱戦を繰り広げる平野に向かって、怪物が放たれた。

 

「──────音にこそ聞け、近くば寄って来い! 我が名、織田信広! てめぇら手柄が欲しかったら俺の首と心臓狙って射かけてみろ!」

 

 些か古臭い名乗り口上が、まるで雷鳴が響いたかのような音で戦場に響く。数瞬、敵味方共に、唖然とした後。

 

「た、大将首だ!! 狙え! 狙え!」

 

 突然の手柄首、敵兵は俄かに浮き足立ち、信広の元へと集まっていく。

 

「ようし釣れた! 流石、吉法師!」

 

 嬉々とした表情で、馬上で長巻を振るう。馬の疾駆による勢いを乗せた一振りにて、3人の雑兵が鎧ごと切断された。

 

「うわはははは! まずみっつぅ! 景気がいいな!」

 

 刃に着いた血と、人の脂が()()()()()。それは、織田信広の持つ異能であった。遠い未来では“灼熱”とも称されるそれを、彼は遺憾無く発揮する。

 

 一つ、刃が振るわれるたびに命が三つ失われた。すれ違い様に兵士の喉首を掴み取り、握り潰し、死体を投げつければさらに二人死んだ。

 飛び散った返り血が燃え上がり、触れた兵士が燃え尽きた。

 

「大将首はここだぞぉ! もっとこい!」

 

 そして、彼は鬼神の如き戦いに、兵士が恐れ、慄いたのを察する。明らかにこちらへ向かう勢いが減ずる。

 

「────お、チャンスタイム到来」

 

 ボソリ、と他人に聞かれないよう呟いてから、旗を掲げる。

 

「敵は臆してんぞ! かかれ、かかれ! 首一個ごとにてめぇらの給金が増えんだ、今が好機だぞぉ!」

 

 なんとも俗っぽいがわかりやすい号令に、織田軍の総勢は勢い付く。元より兵力では拮抗気味だった戦いはこれにより瞬く間に趨勢が傾き、そして、味方兵士により開かれた城門を越えた信広により城代の松平長家の首級が挙げられ、決着となった。

 

 

 

 

 

 んで、『信広キャノンボール作戦』大成功。

 目の前には急拵えだが用意された陣と正座する、城代。

 

「おう、切腹な」

 

「……よいのか」

 

「最後まで戦った奴に恥かかせる程馬鹿じゃねぇ」

 

「……そうか」

 

 確かに、戦いの中で死ぬのも名誉だ。

 だが、この時代、最後まで戦った総大将が腹を切るのも、彼らの最後の尊厳を守るための戦いである。

 

 お家に恥をかかせなければ、後に続くものはある。なんともまぁ、寒い時代が故の生存戦略だった。

 俺は、こういうのがどうにも大嫌いだが、これが最善なのは頭でわかる。

 

 ────ああ本当に、つまんねぇ時代だ。

 

 陣を整え、腹を斬る目の前の男を頬杖をついて眺めて。心の底からそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

『吉法師へ、お前の軍略が大成功で城を分捕りました。今度から俺が城主になるそうです、親父って太っ腹。まぁでも城は任せられるし明日には戻るんでいつも通り一緒に寝ような。 追伸、お土産に城にあった簪をあげます』

 

「お、勝っとる。さすがじゃのう」

 

 ニコニコとした顔で初陣の勝利報告を聞くのは吉法師。先日秘密の恋仲になった彼女は、自身の兄にして恋人の勝利報告を聞いて大いに喜ぶ。

 

「しっかしマジであれで勝つとはのう。マジで呂布じゃな、呂布。いいわーマジいいわー裏切らない呂布」

 

「ん? この場合わしって貂蝉? 流石じゃのわし、顔も良すぎる」

 

 きゃーと黄色い声をあげて、帰ってきてからのことを考える。

 あの人のことだから、きっとめちゃくちゃに褒めてくれるだろうし、甘やかしてくれるだろう。でもどちらかと言うと今は折角戦に行って帰ってきた男を甘やかしたい気分もある。実に悩ましい。

 

「よし、こう……あれじゃな。戦帰りの男ってむふふな感じになることも多いって聞くし、準備しとくか」

 

 あながち間違いでもないが、織田信広という男は戦でも普通に平然としているのである。それはそれとして欲望に正直な男であるため、間違いではない。

 

 ぶっちゃけ、美少女と美少年が好きなのだが、兄だけあって自分顔負けの顔である。母が違うため、瞳の色や、目つきは少し違うけれど。

 

「ん、ふふふははは。で、あるか」

 

 手紙に添えられていた簪、椿の花が象られた可愛らしいもの。おおよそ、自分に似合うようなものとは思わないが、あの男が似合うと思ってくれたのだろうことを嬉しいと思っている自分がいる。

 

「……ちょっとくらい、着物も女物用意してもバレんじゃろ。多分」

 

 うむ、帰ってきてひっくり返るのが楽しみじゃな。

 

 うわはは! 

 

 

 

 なお、用意された着物は黒染めの布地に真っ赤な花が描かれたド派手なものだったので、家中では「うつけがまた奇行に走った」と特に話題にはならなかった。

 

 信広はびっくりしすぎて倒れた。




うーん!!歴史詳しくないので調べ物が……多い!!
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