戦死した人斬り剣豪によるTS放浪記   作:剣豪

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第四話

 門番の一人が、喉を裂けんばかりに咆哮した。それは長年の任務で培われた、獲物を追い詰めた獣にも似た歓喜の響き。街の入口全体がその声に震えたかのようだった。周囲の喧騒は、押し潰されるように潮が引くように静まり返る。街へ入ろうとする人々や、門の周辺にいた者たちの視線が一斉に集まった。

 

 門番たち、その腕に掴まれようとするカリナ、そして傍らに立つシオリへ。 Curiosityと困惑、そしてただならぬ事態へのざわめきにも似た緊張が、空気に満ちていく。

 

 カリナの顔から血の気が失せ、青白くなった。伸びてくる門番の腕から逃れようと、必死にもがく。自身の正体が露見し、逃げ場のはずの街の入口で早くも捕らえられた。幼い顔に似つかわしくない深い絶望が、その瞳に浮かんでいる。荒野での過酷な旅に、目の前の現実が追い打ちをかけた。

 

 門番たちは、王女という大きな手柄を目前にして高揚していた。興奮で体が震え、背筋は鋼のように伸びている。声には揺るぎない自信と、獲物を仕留めようとする獰猛な意図が満ちていた。その中で、シオリはただ静かに立つ。

 

 血の匂いを嗅ぎつけた獣のように、警戒の色を孕んだ視線がシオリに向けられた。懸賞首の傍らの子供。邪魔者か、共犯者か。どちらにしても排除すべき対象だと判断した、冷たい目が向けられる。門番たちはシオリに剣を向け、動くなと命じた。子供に対する侮りの中に、剣を抜かぬシオリへの微かな警戒心が混じる声。

 

 シオリは言葉を発しない。その瞳は門番たちの顔、彼らが持つ武器、そして今まさにカリナを捕らえようとする手に注がれている。脳裏で瞬時に計算が走る。彼らの戦闘能力、取るべき最適な行動、ここでカリナを手放した場合の損失と得る情報。カリナ。自身の生きていた世界の言語を話し、知る街の地図を持ち、「懸賞首である王女」と呼ばれる存在。

 

 彼女は蘇りの謎、故郷の未来、この世界の真実を知るための生きた情報源であり、この世界における自身の存在意義を解き明かす鍵。ここで渡すわけにはいかない。それは、彼女の求道心にとって最大級の損失を意味した。

 

 前世、血と暴力に塗れた戦場では、他者は敵か利用対象でしかなかった。そんな中で示された僅かな善意や親切は、数少ない貴重な記憶として深く刻まれている。カリナは森で怯えていた自分に名前をくれようとし、名前を忘れたことを知っても哀れむような目で見た後も、共に旅を厭わなかった。荒野で魔物から自分を救ってくれた。そんな相手が悪意を持って何かを為すはずがない。

 

 この判断は、冷徹な合理性だけでなく、前世の経験が形作ったシオリなりの基準に基づいていた。カリナは危険な存在ではない。保護する価値がある。利用価値という冷徹な判断に加え、微かな、しかし確かに「守るべき」という感情が、シオリの中で静かに芽生え始めていた。

 

 合理的な結論は、カリナを保護することだった。当初は、門番たちを殺す必要はないと考えた。街の入口での殺生は混乱と追手を招くだけだし、生かしておけば情報も引き出せるかもしれない。だが、剣を抜く指先に力が込められた。今回は峰打ちではない。この状況で相手を完全に無力化するには殺傷が必要だ。混乱を最小限に抑え、迅速に排除する。それが、この場の最適解へと切り替わった。

 

 シオリは、無言で愛刀の柄に手をかけた。漆黒の鞘から、磨き上げられた刀身がゆっくりと姿を現す。夜の闇を吸い込むようなその刃の輝きは、それ自体が凶器であることを静かに示していた。門番たちは、子供が刀を抜いたことに侮る者と、研ぎ澄まされ、どこか異様な剣士の気配に警戒する者とに分かれた。だが、彼らの誰も、これから起こる事態の真の恐ろしさを理解してはいなかった。

 

「なんだ、斬る気か!? 小娘がふざけやがって!」

 

 侮った一人が、下卑た嘲笑と共に長柄の斧を振り上げ、シオリに襲い掛かる。重厚な鎧と武器に守られた、安全を確信した無造作な動き。しかし、シオリの体は、彼が斧を振り下ろすより早く、視界から文字通り掻き消えていた。残像すら残さず、その場から蒸発したかの如き速度。男の脳裏に生まれたのは、シオリがいたはずの空間が空虚になったという認識だけだった。

 

 次の瞬間、男の体が硬直する。シオリの愛刀が、彼の首筋を迷いなく正確に断っていた。僅かに鎧に触れたのだろうか、甲高い金属音が響く。男の目が大きく見開かれ、喉から空気が漏れるか細い音が聞こえたかと思うと、血を噴き上げ、糸が切れたように意識を失い、前のめりに倒れ伏した。噴き出した血が、後続の門番の顔を赤く染めた。

 

「なっ!?」

 

 驚愕に声が上がる。仲間が一瞬で倒された。理解できない速度、理解できない事態。血の匂いが、彼らの本能的な恐怖を掻き立てた。

 

 シオリは追撃の手を緩めない。文字通り、門番たちの間に躍り込んだ。獲物が怯んだ一瞬の隙を決して見逃さない、捕食者の動き。彼らの剣や槍がシオリを捉えるより早く、懐深く入り込む。磨き上げられた愛刀が、容赦なく肉を断っていく。金属が弾ける甲高い音、肉が断たれる鈍い音、短い呻き声が続いた。

 

 シオリの動きは、かつての殺人剣と同じく無駄がなく効率的だが、精度は遥かに高まっていた。新しい体の軽さと敏捷性が、剣士としての経験を常軌を逸した領域へ引き上げている。堅牢な鎧も、訓練された剣技も、愛刀の前では児戯に等しい。防御は容易く破られ、剣は彼らの急所を、正確無比に、冷徹に捉えていく。

 

 為す術なく、ただ命を刈り取られていく門番たち。反撃は届かず、血飛沫を上げて倒れていく。門前は瞬く間に血と屍で満たされた。血溜まりが石畳を汚し、夜の闇に赤黒い光沢を放つ。血腥い匂いが夜の空気に混じり合い、辺りに立ち込める。それは、シオリにとって慣れ親しんだ、しかしカリナにとってはあまりに異質な匂いだった。

 

「化け物か!」

「こんなはずでは!」

 

 驚愕と恐怖が入り混じった断末魔が上がる。彼らは、相手がただの子供ではないと悟った。人間離れした速度、神速の連撃、正確無比な剣技。彼らの知る常識を遥かに超えた、悪夢のような光景。血に染まった小さな剣鬼。彼らの脳裏に焼き付いたのは、その異様な姿だけだった。

 

 そして、最後の門番が喉を鳴らし呻きと共に地に伏した。門前を塞いでいた障害は、無数の血溜まりと屍になった。シオリは素早く、しかし静かに愛刀の血を払い、鞘に納める。小さな体には返り血が降りかかり、赤黒い模様を描いていた。

 

 血に染まった小さな手で、未だ呆然と立ち尽くすカリナの手を取った。カリナの体は、門前の光景と、目の前のシオリの姿に完全に凍りついていた。

 

「行くぞ」

 

 短い言葉。命令でも呼びかけでもない、ただ生き残るための絶対的な意志。その言葉と、血塗られたシオリの小さな姿に、カリナは言葉を失った。

 

 恐怖に震えながらも、シオリの手の確かな、しかし血腥い感触に縋りつき、引きずられるようにして血濡れの門をくぐり、街の中へ駆け込んだ。石畳の道が、血溜まりを避けながら足元を駆ける。街の灯りが、血に濡れた二人を不気味に照らした。夜風が、血の匂いを街中へと運んでいく。

 

 門の騒ぎに気づいた街の衛兵たちが、武装して駆けつけてくる音が聞こえる。金属鎧の重い音、複数の足音、緊迫した怒号。「門前で騒ぎだ!」「何があった!」「追え!」叫びが街中に響く。街の中での逃走劇が始まった。

 

 シオリは、初めて足を踏み入れた街の複雑な街路を脳裏に焼き付けながら駆ける。記憶にある故郷の街の地形と重ね合わせ、最適な逃走経路を瞬時に判断する。狭い路地、建物の影、入り組んだ裏道、曲がり角。街はシオリにとって逃走経路となり得る迷宮であり、衛兵にとっては、獲物を追い詰める檻だった。

 

 カリナは必死にシオリについていく。荒野の疲労が一気に押し寄せ、呼吸は乱れ、肺が焼け付くように痛む。足がもつれそうになり、転びそうになるのをシオリが素早く、無駄なく支えた。顔には、門番に捕まりそうになった恐怖と、血塗れの姿で見知らぬ街を駆ける不安が混じり合う。そして、目の前で繰り広げられた容赦ない殺戮に対する、拭い去れない強い畏怖と混乱。

 

 突然の騒ぎに驚いた住民たちが、立ち止まったり、慌てて家の中に逃げ込んだりする。好奇心と困惑、そして血塗れの少女たちと追ってくる衛兵に対する恐怖の視線が向けられる。悲鳴を上げ、座り込む者もいる。街の日常は、一瞬にして暴力によって引き裂かれた。夜の街に、混乱の波紋が広がる。

 

 シオリは追手の数や動き、街の構造を警戒しながら、狭い路地や建物の影に身を隠す。背後からは、衛兵たちの足音と怒号がすぐそこまで迫る緊迫した気配。

 

 怒号が街路に木霊する。追跡の気配は、まるで生きた生き物のように、二人のすぐ後ろまで迫っていた。もう時間がない。このままでは街の奥深くに追い詰められてしまう。

 

 シオリは追跡を完全に振り切るため、大胆かつ予測不能な動きを見せた。暗い路地への飛び込み、建物の間を縫う移動、そして瞬歩を織り交ぜた一瞬の消失。訓練された衛兵たちも、変幻自在な動きについていけない。怒号は迷宮のような街路に響き渡り、やがて遠ざかる。シオリの逃走は、まるで闇夜に舞う蝶のように、捉えどころなく、驚くほど静かだった。残されたのは、彼らの混乱と、血の匂いだけだ。

 

 どれほどの時間が経過しただろうか。追いかける声や足音が、徐々に、確実に遠ざかっていくのを感じる。街の喧騒に溶け込み、追跡の気配が薄れる。シオリは足を止め、注意深く周囲に耳を澄ませた。追跡は終わった。少なくとも、今は。

 

 シオリは追跡を完全に撒いたと判断し、身を隠す場所を見つける。薄暗い路地の奥、古い倉庫の裏手。夜の闇が二人を隠す、人気の無い場所。土埃と血の匂い、夜の街の空気。そこに、安堵の息遣いが混じる。

 

 二人はそこに身を潜め、息を殺した。追跡の音が聞こえなくなり、張り詰めていた緊張が緩む。遠くから街のざわめきが聞こえるが、周囲は静寂に包まれている。

 

 カリナは恐怖と、無事に逃げられた安堵から、崩れ落ちそうになる。壁に手をつき、大きく肩で息をした。心臓が早鐘を打つ。血塗られたシオリの姿、門前の殺戮、街を駆け抜けた恐怖が脳裏に焼き付いている。自分が生きているのが不思議に思えるほどの体験だった。

 

 シオリは警戒を緩めず、周囲の気配に神経を集中させる。瞳は暗闇を鋭く見据え、微かな物音や気配も見逃さない。剣士としての本能が、彼女に休息を許さない。

 

 静寂の中、空腹を感じ始めた。逃亡の緊張と疲労で、体は激しくエネルギーを消費している。このままでは長く持たない。食料が必要だ。

 

 シオリの脳裏に、街の通りで見かけた店の光景が蘇る。パン屋、肉屋、酒場。だが、金はない。食料を得る最も効率的な方法は、奪うこと。廃棄された食料品を探すか、力ずくで奪うか。

 

 戦場では、生き残るため、目的達成のためならば、躊躇なく力を行使した。敵を殺し、物資を奪う。それは「悪」だと理解していた。だが、生きるため、守るべきものを守るためには、そうせざるを得ない時もある。必要悪だと割り切った。この世界でも変わらない。蘇りの謎、真実を知るという目的のために、そしてカリナを保護するためならば、必要ならば奪うことも厭わない。倫理は生存には勝らない。

 

 シオリは音もなく立ち上がると、カリナに向き直った。腰の愛刀を抜き、鞘ごと差し出す。自身にとって魂そのものである愛刀を他者に預ける、異例の行動。

 

 カリナは驚きと困惑ないまぜになった表情で、シオリと愛刀を見つめる。旅を通して、それが単なる武器ではないと知っていた。シオリの存在意義そのものだと感じていたそれを、危険な夜に、丸腰で一人になるのに、自分に預けるというのか。

 

「これを持て」

 

 短い、感情を含まない、絶対的な声。拒否を許さない響き。

 

「これで、身を守れ」

 

 それは単なる指示ではなかった。シオリがカリナを「守るべき対象」と認識し、命とも呼べる愛刀を託すほどの深い信頼と保護の意思。シオリなりの、精一杯の気遣い。自分がいない間に何かが起こっても、カリナ自身が身を守れるように。

 

 カリナは震える手で、ずっしりとした愛刀を受け取った。鞘に収められていても、その重みと存在感は並々ならぬものだと物語っている。シオリの体温が微かに伝わってくるように感じられた。冷たい鋼の塊でありながら、不思議な温かさ。まるで、シオリの一部を受け取ったような感覚。

 

 シオリは愛刀を持たずに、闇の中へ足を踏み出した。身体能力と体術だけで十分だと判断している。かつての戦場を生き抜いた研ぎ澄まされた体捌きと、急所を正確に捉える技術があれば、街の悪党程度、愛刀は不要だ。剣士としての技術は、武器を持つことだけに依存しない。カリナの傍を離れ、一人で食料を確保するため、夜の街へと繰り出す。

 

 狭い路地を、壁伝いに音もなく移動する。街の匂い。異国のスパイス、焼けた肉、酒、埃。ゴミ箱が積まれた路地の奥からは、腐敗した匂いも漂う。闇の中、複数の人影が現れた。酔っ払いか、別の種類の人間か。荒野の盗賊に似た、獲物を探す下卑た気配。夜の街の、裏側を生きる人間たち。獲物を見つけた彼らの目がシオリを捉え、下卑た笑いを浮かべる。

 

「おい、そこのちっこいの。こんな夜更けに一人か? 良いもの持ってるんじゃないだろうな? へっ、血染めか? 趣味が悪ぃな」

 

 下卑た笑いと共に声をかけてきた男。悪党だ。金品目当てだろう。返り血に気づいたようだが恐れる様子はなく、面白がっている。シオリは言葉を発しない。ただ、彼らの手に握られた得物と、欲望に歪んだ表情を見て、戦闘の必要性を判断する。愛刀はない。だが、それで十分だ。

 

 この程度、戦場の経験に比べれば取るに足らない。訓練されていない、暴力慣れしただけの人間たち。男たちが油断したように、得物を構えて襲い掛かる。剣、ナイフ、棍棒。粗暴な動き。シオリは静かに構えた。

 

 シオリの体が、闇の中でブレた。彼らが反応するより早く、懐に入り込む。剣ではない。体術。素手で、彼らの急所を正確に打つ。剣の代わりに響くのは、肉を打つ鈍い音と、男たちの短い呻き声だった。

 

 一瞬の応酬。シオリは、鍛え抜かれた剣士の体の使い方を、そのまま体術に応用していた。無駄のない動き、圧倒的な速度、急所を正確に捉える技術。男たちは、何が起こったか理解できないまま、呻き声を上げ地に伏した。愛刀を用いずとも、シオリの戦闘能力は常軌を逸している。

 

 まさに、生きるためだけに研ぎ澄まされた人間兵器の動き。抵抗は無意味だった。倒れる際の呻き声だけが、路地に響く。

 

 シオリは倒れた男たちの懐を探る。金貨。汚れた革袋に少量の金貨が見つかった。これで食料が買える。

 

 盗んだ金だ。これも「悪」だろう。だが、生きるため。そして、カリナのため。脳裏に、荒野でのカリナの怯えた顔が浮かぶ。街の片隅に廃棄された汚いものを彼女に食べさせるのは、どうにも受け入れられなかった。きれいなもの、まともなものを食べさせてやりたい。それは、合理性だけでは割り切れない、かすかな衝動だった。戦場では、そんな感情を抱く余裕も対象もなかった。

 

 新しい体とカリナという存在が、シオリの内面に微かな変化をもたらしているのかもしれない。異質な存在となった自分だからこそ、純粋なカリナに何かを与えたい衝動が生まれたのか。

 

 シオリは金貨を懐にしまい、素早くその場を離れた。開いている店を探し、パン、干し肉、水筒に水を満たす。全て、悪党から奪った金で買ったものだ。金を受け取った店主は、血染めの小さな子供に怪訝な目を向けたが、シオリは応じず無言で立ち去った。彼の視線には、恐怖と、奇妙なものを見た戸惑いが混じり合っていた。

 

 潜伏場所に戻ると、カリナが不安げに待っていた。愛刀を抱きしめるように座り込んでいる。シオリは言葉少なに、買ったばかりの食料を差し出す。焼きたてのパンの匂いが、薄闇に漂う。

 

 カリナは驚いたように見つめる。シオリの血に汚れた小さな手と、目に宿る冷たい光を見た後、パンを受け取った。愛刀を肌身離さず大切にしていることを知っているだけに、一人で、愛刀を持たずに危険な街へ出て、食料を持って戻ってきたシオリに、胸を締め付けられる思いを感じていた。

 

「シオリ、様……ありがとう、ございます……わたくし、また……」

 

 震える声で、感謝を伝えようとするカリナ。その声は、安堵と、シオリへの強い信頼と、そして何もできない自身への僅かな罪悪感に満ちていた。

 

 シオリは言葉を発しない。ただ、カリナから愛刀を受け取り鞘に納めると、隣に座り警戒を続ける。

 

「大丈夫だ。休め」

 

 以前と同じ、感情を含まない短い言葉。だが、カリナはそれを聞き、安堵したようにパンを口にした。乾いた口に、パンの柔らかな感触と、微かな甘みが広がる。シオリの存在。彼女の力。そして、彼女が持ってきてくれたこの温かいパン。その全てが、カリナにとって、暗闇の中の、何よりも確かな希望だった。

 

 夜がさらに更け、街の灯りが遠くで瞬く中で、二人は身を隠し続けた。新たな追手が来る気配はない。少なくとも、今は。

 

 街という新たな舞台で始まった逃亡生活。血と暴力、必要悪、そしてかすかな優しさが混じり合う、過酷な夜だった。

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