無個性だって必死で努力すりゃヒーローになれるかもよ?   作:絆蛙

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日間総合ランキング12位、二次創作ランキング4位ありがとうございます。
それはそうと赤バーから落ちたから作者のモチベのために誰かもっと上げてくれてもええんやで(土下座)




障害物競走

 

 

 

 

 

飯田が入場時間を知らせてくれたため、A組全員で出る。

暗い通路。しかし目の前には光の入場口。

体調は万全。”気“のコントロールも回復。

あとはもう、やることをやるだけだ。

 

『雄英体育祭!! ヒーローの卵達が我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!! どうせてめーらアレだろこいつらだろ!!? (ヴィラン)の襲撃を受けたにも拘らず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!』

 

会場中どころか会場の外まで響くプレゼント・マイクのアナウンス。

なんというか本当に盛り上がらせ方が慣れてるなぁって思いながら入場すると。そのタイミングで観客の待ち望んでるであろう言葉が聞こえた。

 

『ヒーロー科!! 1年!!! A組だろぉぉ!!?』

 

タイミングが完璧すぎるのは流石プロと言うべきか。

入場と同時に会場中から歓声が沸き起こり、指定の位置まで歩いていく。

 

「わあああ……人がすごい……」

「大人数に見られる中で最大のパフォーマンスを発揮できるか……! これもまたヒーローとしての素養を身につける一環なんだな」

 

『B組に続いて普通科C・D・E組……!! サポート科F・G・H組も来たぞー! そして経営科……』

 

「俺らって完全に引き立て役だよなぁ」

「マジだるい……」

 

他の人たちも入場を終えると、全員が整列していた。

何人かやる気のなさそうな声が聞こえたがヒーロー科以外の他の科も入り混じっての総当たり戦だ。

当然乗り気でない生徒もいるのだろう。

まぁヒーローを目指してる人だけじゃないってのもあるんだろうな。別に雄英だからヒーローになれってわけじゃないし。

そんなことよりも師匠は……うん。分からん。流石師匠だ、”気“が全く感じられない。

 

「選手宣誓!!」

「おお、今年の1年主審は18禁ヒーロー『ミッドナイト』か!」

「校長は?」

「校長は例年3年ステージだよ」

 

1年生ステージの主審であるミッドナイト先生が鞭を振りながら選手宣誓を宣言する。

 

「18禁なのに高校にいてもいいものか?」

「いい」

「静かにしなさい!! 選手代表!!」

 

 

 

1-A拳王技界!

 

 

 

 

これは体育祭前には伝えられていた。

だからこそ堂々と歩く。

俺が舐められたらA組のみんなにも被害が行く。それに師匠なら晴れ舞台を見てくれるだろう。

余計にビシッとしなくちゃならないから。

 

 

「宣誓。我々、選手一同はこれまでの積み重ねた努力を活かし」

 

そう、努力だ。

何も持たない俺が肉体を鍛え、”気“を得て、コントロールを学び、応用し、拡張させ、技術を学び、技を得て。

奥義を得た。

それでもなお、まだまだ届かない世界がある。

絶望なんてしない。

なぜなら。

 

「夢や憧れに恥じず、胸を張れるように」

 

ヒーローという夢。また、ほかの夢。

誰かに憧れ、そうなりたいという願い。

この場にいる誰もが、持ってるはずだ。

 

「全身全霊をかけて戦い抜くことを誓います---」

 

とまあ、こんなのじゃ普通すぎる。

手を抜いてやっても、何も変わらないんだ。

それぞれ目的は違うだろうが、()()()()()というのが大半だろう。俺は戦えるならなんでもいいが、そのためには熱を持ってもらわなくちゃならない。

だからこそ。

 

「それはそうと。ヒーロー科だろうが普通科だろうがサポート科だろうが経営科だろうがここに入学した以上はみんな何かに”本気“なはずだ。話題性なんてどうだっていい。夢に向かう以上、どの科も全員が敵。全員がライバルだ」

 

 

 

 

俺たちは誰が相手だろうと本気でてっぺんを獲りに行く。だからこそ全員全力で楽しも(やろ)うぜ!

 

 

 

 

「(楽しむ、か……界くんらしいや)」

「(ハッ、こんなときでもそーかよ。そうだよ、テメェの全力を真正面からぶちのめしてやらあ)」

 

好戦的な笑みを浮かべてそう宣言すると、うちのクラスは無論のこと。

B組も闘争心に満ちた笑みを浮かべているような気がした。

 

「真っ正面からの“宣戦布告”かよ!男らしいな!!」

「ふぅん…ま、不快じゃないだけマシか」

「対等として、か……」

 

そして普通科も、他のところもやる気のなさが嘘のように、熱量のある視線を感じる。

熱が伝播したのだろう。

そうだ。誰もが敵でありライバルであり味方なんだ。

やる気のないやつらが、夢のないやつがわざわざこんな最難関校に入学なんてしないだろ?

 

 

だからこそ、この言葉は、熱は、一年ステージ(ここ)にいる全てに伝播する。

 

 

「(好み!!!!)」

 

 

なんか違うことを考えてそうな人が近くにいた気がしたが、自分の役割を終えた俺は戻っていく。

全くなれないことをした。

でもこれで、少しはやる気を出してくれたかな。

 

 

 

「さーて早速第1種目行きましょう!!!」

「雄英なんでも早速だよね」

「所謂予選よ!毎年ここで多くの者が(ティアドリンク)を飲むわ!!さて運命の第一種目!!今年は」

 

 

障害物競走!!

 

 

「計11クラスでの総当たりレースよ!コースはこのスタジアムの外周約4キロ!わが校は自由さが売り文句!ウフフフ……コースさえ守れば()()()()()構わないわ!さて、全員位置につきまくりなさい!!

 

スタート側にある外へのゲートが大きな物音を立てながら開く。

我先にと指示に従ってスタートラインに並ぶ中、俺は全く移動せずに一番後ろに居た。

少しでも有利に立ちたいなら前に出るべきだ。ただそうすると、人が邪魔になるというデメリットがある。

俺は純粋に準備体操がしたかったので、気にせず開脚交互屈伸運動をしていた。

ランプが点灯し、カウント共に消える。

そして。

 

 

「スターーーーート!!!」

 

 

雄英体育祭。

障害物競走がついに始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

“君が来たってことを、知らしめてほしい!!”

 

「了解、オールマイト」

 

 

 

ワン・フォー・オールフルカウル---45%!

”浮遊“!!

 

 

 

 

 

瞬間、僕は誰よりも早く一気に前に躍り出た。

けど僕ひとりじゃない。

考えることは同じか!

 

『さーて実況していくぜ!解説アーユーレディ!?ミイラマン!』

『無理やり呼んだんだろが』

『つーかはぇええええ!緑谷と爆豪早速抜けてんな!というか緑谷飛んでねえか!?』

『数日前にちゃんと”個性“が更新されている。体内のエネルギーを操作するもので身体能力を強化したりエネルギーを体外に出したり出来るんだと。まぁうちのクラスにも似たようなやつがいるからな、浮くくらい不思議じゃないだろう』

『とんでもねぇな!!』

 

僕の”個性“について解説が入っていたが、相澤先生も麻痺して来てる気がする。

それはそうと後続を確認するために後ろを見ると、もう轟くんが近づいてきていた。

その後方は轟くんの氷結が後続を凍らせている。

普通科の生徒や他の科の生徒も巻き込まれていた。

けど。

 

「っぶねぇ!」

「二度目はない!」

 

A組のみんなは轟くんの妨害を問題なく突破しているみたいだ。

けど違和感を覚える。

界くんの姿がない!! もう先に?いや、僕とかっちゃんが前に出たってことは後ろのはずだ。

スタートダッシュが遅れたなんてことを彼がするはずがない。いや気にしてても仕方がない。

勝つなら前を見るしかない!

 

「おいデクゥ!いつそんなこと出来るようになった!?」

「つい最近!!そういうかっちゃんこそ、以前とは全然速さが違うじゃないか!」

 

『おいおい、一気に抜けてきたなA組!つーか拳王技!あいつなんでスタート地点から一切動いてねぇんだぁ!?呑気に準備体操してる場合じゃねーぞ!!どーなってんだイレイザー!』

『知らん』

 

あっ、動いてないんだ。

横でかっちゃんが舌打ちしたのが聞こえた。

多分何してるんだ、と言いたいのかも。

 

「っ…待ちやがれ!」

「轟のウラのウラをかいてやったぜざまぁねえってんだ!!喰らえオイラの」

 

追いついてきた轟くんの後方から、凍らせた地面にもぎもぎを置いて跳んできた峰田くんが何かに殴られた。

 

WHAM!!!

 

 

『ターゲット大量!』

「入試の仮想敵!?」

『さぁーいきなり障害物だ!まずは手始め』

『第1関門ロボ・インフェルノ!!』

「入試んときの0Pヴィランじゃねえか!」

 

目の前には道を妨げるように並ぶロボットの数々

強引に突破は出来ない。

なら、一気に突破する!

 

「ハウザー……」

「”黒鞭“!100%---」

 

使い方は分かってる。

練習もした。

黒鞭で内から外まで張り巡らせて補強!

 

インパクトォ!!

デトロイト・スマッシュ!!!!

 

『おおーっと!緑谷と爆豪。巨大ロボットを瞬殺だァー!次々と倒していくぞ!障害物が障害物してねええ!』

 

これが今の僕の力!

かっちゃんが僕と同じように以前とは比べ物にならないくらい成長してるのは驚いたけど、界くんにも勝たせてもらう……!

 

そのために、僕は振り向くことなく一気に駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

準備体操を終えた俺は腕を大きく回す。

出久の”個性“って超パワーじゃなかったのか。なるほど、だから二週間一人でやってたわけか。手を見せないことは大事な事だ。初見ってのはやりづらいし雄英体育祭があるならそれに向けて隠したかったのだろう。

もう第一関門突破してるみたいだし、俺も急いで行くか。

 

「フッ---!!」

 

それはそうと、その前に轟が残した氷結によって動けないでいる生徒たちを助けるために拳圧で破壊する。

問題ないだろうけど、体温低下して倒れられても困るし。

あとは頑張ってくれ。

 

「うお、なんだ!?」

「よく分からんけど助かった!」

「これで動ける!」

 

先々にと行く姿を見ながら俺は何度かその場でぴょんぴょんとステップを踏むように跳び、両脚に力を入れる。

瞬間、地面を蹴った俺は前方にいた生徒たちを抜き去り、ついでに残っている氷結を破壊しながら駆ける。

 

「風!?」

「え、なんか通り過ぎた!?」

 

『おおぉっとぉ!ここで二人に続き、すぐに轟が巨大ロボットを凍らせてその下を駆け抜けたぁ!が、その下は危険だーッ!』

 

「だりゃああああああッ!」

 

轟が中途半端な体勢のロボットを凍らせたのが見えた俺は”気“を全力で解放。

怪我人、もしくは死人が出る危険性があったため、”舞空術“で超加速しながら凍りついたロボットを遥か彼方まで蹴り飛ばした。

 

『ってぇっ!?さっきまでスタートラインに居たはずの拳王技が蹴り飛ばしたぞ!?いつ来た!?というか空まで蹴り飛ばせる質量かぁ!?』

『どうやら遅れて動いたのは周囲の救出を考えての行動だったようだな。ヒーローシップを忘れないって点ではヒーロー科らしい行動ではあるが、甘すぎる』

『おいおいミイラマン!これは雄英体育祭だぜぇ!むしろ甘さを残した活躍こそ逆転劇が起これば盛り上がるだろぉ!?』

『そうだな。逆に言えば巻き返せなければただのバカになるわけだが』

 

なんかめちゃくちゃ言われてる気がするが、A組はほぼ居ないな。想像以上に成長している。

特に出久と爆豪がバグってない? お前らも先輩たち見たくなったか?

 

「A組に妨害されたかと思えば助けられた!」

「おお、なんかすげえ硬そうだな。必要なかったか?」

「いいや、助けられたことに変わりはねぇ!でも加減はしねえからな!」

「おう、じゃあな」

 

なんか凄い切島くんと気が合いそうな人が居たが、俺はロボの攻撃を受けそうな生徒の方へ高速で向かう。

 

『さあ!次々ロボを蹴り飛ばす拳王技だが、最前列はもう第二関門だ!』

『第二関門!落ちればアウト!それが嫌なら這いずりな!ザ・フォール!!なんだけどよ』

『まぁ飛行手段持ちや足場形成出来るやつらはな』

『あっさり突破かよ!!それに次々とA組が続いていくな!』

『立ち止まる時間が短い。実戦を経験したかどうかの差だろう。で、あのバカはさっきから何してるんだ』

 

0Pは片付けたので、俺も第二関門を突破しようと”舞空術“で行こうと思ったが、後方を見た時に目が付いたものに引き寄せられ、瞬時に向かう。

あれは……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キノコ!!これ、”個性“か? 食べられる?」

 

残像が出来るほどのレベルで目の前に移動すると、キノコを思わせるおかっぱ頭の女の子が驚いたように目を見開いた。

小柄な女の子だ。目が隠れてるけど、身が逸れた時にクリっとしたシイタケのような目が見えて、お世辞じゃなく可愛いと思えるような容姿だ。

普通に驚かしてごめん。けどキノコは無視できなかった…!

 

「へっ!?や、やめた方がいいノコ。それ、毒キノコだから…それに数時間で消えるよ」

「あ、そう…?見たことがなかったから知らなかったな。うーん修行にはありかもしれないけど……っと、ごめん食べ物となると気になって…」

「!!キノコ好き?」

「俺の師匠がよく食べる人でさ、山暮らししてたみたいなもんだしキノコは結構お世話になったからそりゃあもう。というか、キノコは命の恩人的な感じで…。山菜はあまり取れなくて…その分、さすがキノコ。繁殖がかなり高いからキノコ料理は結構食べることが出来たし色々と応用が利いて美味いんだよな。ただ基本ばかりだから、なかなかアレンジが……」

「そうなの!!例えばえのき茸やぶなしめじは鍋で炒めたらしゃきしゃきした食感を感じられて美味しいし炊き込みご飯にしたり簡単にバター醤油で炒めても美味しいよ!あとベーコンとえのき茸の相性が良くておすすめ出来るノコ!粉チーズと小麦粉をまぶして、卵液一個分を全体にかけてからオリーブ油でカリカリに両面焼いてあとは胡椒をかけたりとかもどうかな?」

「なるほど、確かにそう言ったのもありか!

それにベーコンは試してなかったな。(恐竜やイノシシの)肉を使うことはあったけどベーコンはなかったしな…。よし体育祭終わったらその通りにやってみる」

「ぜひ感想聞かせて!」

 

勢いで髪が靡き、目がキラキラ、と輝かせてることからキノコが大好きなんだと伝わってくる。

それに熱量が凄まじい。美味しいからな、分かる。

 

「そうそう、俺は拳王技界って言うんだ。まあミッドナイト先生が呼んでたりさっきからプレゼントマイク先生がやけ弄ってくるから分かってるかもだけど」

「私、小森希乃子!見てたから知ってるよ。すごく強い人!ロボットも簡単に倒してて凄かったノコ!」

「いやいや、俺の前にいる人達も倒してるからなぁ。というか、小森さん大丈夫?話し込んじゃってるけど」

「あ……」

「よし、俺の責任でもある!乗ってってくれ!すぐに前方に追いつく!」

 

元々話しかけた俺が悪い。

時間を取らせた結果、彼女がこの競技で落ちるとなると罪悪感が半端なくなるため、俺はしゃがんで背を向けた。

 

「で、でも……」

「大丈夫だって。それにキノコ料理のこと教えてくれた礼と思って。そう、つまりキノコ友達! だから協力したっていいだろ?俺も小森さんも予選で落ちる訳にはいかないはずだ」

「……うん!」

 

キノコ友達と言われたのが嬉しかったのか、それとも落ちる訳にはいかないという言葉で納得してくれたのか定かではないが、背中に重みが増すと軽々と立ち上がってよく捕まるように言っておく。

そして。

 

 

 

 

 

 

界王拳!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なあ、あいつだけ競技間違えてね?これ競走だよな?』

『………』

『まさかのノーコメント!お前の生徒だろイレイザー!?』

『放っておけ。自由が売り文句だ。審判もOKと言っているだろ』

『それもそうか』

『それより前だ前』

『気を取り直して!最前列が最終関門突入するぜ!!』

 

『最終関門は一面地雷原!!怒りのアフガンだ!!!地雷の位置はよく見りゃわかる!!目と足酷使しろ!ちなみに地雷!威力こそは大したことねえが、音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!』

『人に依るだろ』

 

「と、飛んでる!すごい速いノコ!これなら本当に…」

「いや、このペースだと無理だ。ということで小森さん、加速するぞ!何とか追いつくから、その後は妨害頼む!」

 

『とか言ってたら信じられない速度で後続から拳王技と小森が急接近している!というかこいつだけ間違えてるだろ色々!本当にルール理解してるか!?』

『だが、地雷原が関係あるのは轟だけだ。小森を乗せている以上、普段以上の速度は……ん?』

 

「か…め、は…め……ぇ!!」

 

 

 

 

波ぁああああっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?”危機感知“が……まさか!?」

「アァ!?」

「……!拳王技か……!!」

 

『おおおおい!? あの技って腕からだけじゃねぇのかよ!?』

『なるほど、足から撃つことで推進力として加速させたか。考えたな』

 

「よっ、さっきぶり。とりあえず悪いけど、勝たせてもらう---ってことで地面に落ちてくれよ!!」

 

足かめはめ波の推進力をそのまんまに回転し、かかと落としを放つ。

咄嗟に分かれて避けたようだが、かめはめ波が地面に直撃したため、地雷が爆発する。

威力がないから効果がない。比較的後ろにいた轟の動きを止めた程度。

その場で横回転。

足から放たれるかめはめ波も当然回転し、一気に迫る。

それすら避けられた。

こいつら強くなりすぎでは?

俺今3倍界王拳使ってんだけど…。まあいいや。地面に落とせなくても低空飛行になったし。

 

「今だ小森さん!」

「任せて!」

「っえ!?背中に……女の子!?」

「てめ、一体どういう…なんだァ!?」

「これは……!キノコだと!? く、足場が……!?」

 

『おいおいマジかよ!即席とは思えない連携で最前列の動きを止めちまいやがった!』

『キノコ……なるほど、地雷原とはいえ土だ。生やすには最適ともいえるか』

 

なんでも小森さんは多種多様のキノコの”胞子“を体から放出するらしい。それを瞬時に生やすことが可能で、どんな場所にも生やせる。

湿気が多いほどよく飛ぶし生えるとか。

ちなみに人体にも生やせるらしい。いやここに来る時聞いてたけど、普通に強くて驚いた。

 

それはそうと、大事なのは『体から放出する』という点と『どんな場所にも生やせる』という点。

これを活かすため、普段はしない無駄な回転をしたわけだ。

その結果、妨害するように生み出されたキノコは動きを阻害し、地雷は爆発する。

しかしキノコの耐久性はあんまりない。

しかも轟はともかく、出久と爆豪は三倍界王拳だけじゃ追いつけないほどの速度だ。

体勢を整えたら抜かれてしまうため、小森さんに爆風が当たらないよう爆風の方に俺の正面を向け、爆風に吹き飛ばされながら両足から気功波をバーナーのように噴出して加速する。

 

「っ、待てやァ!!」

「まだだッ!」

「っそだろ…!? 小森さん大丈夫か!?地雷原は突破したけど落ちないように気をつけて!」

「し、しがみつくので精一杯……!」

「大丈夫だ、あとは俺が頑張る!!」

 

『拳王技と緑谷と爆豪!ゴール近くでラストパートにかかる!轟も追いかけているが差は縮まらない!つーかあいつら即席だよな!?』

『あの二人のことは俺に聞くな。俺が聞きたいくらいだ。あの二人、というかB組と接点はなかったはずだが』

 

復帰が想像以上に早い!

こっちは爆風すら利用したってのになんでもう追いついてきてるんだコイツら!?

既に俺の”気“は全開だぞ!?

ならば、と頭部に両手を翳して---。

 

「チィッ!」

「くる……!?」

「と思わせての気功……思いつかないからフィンガービーム!」

「なっ!?」

「しまっ……!!」

 

”太陽拳“はタネが割れてしまっている。

そうだ、見なければ効かない。しかし十分警戒対象になるからこそ、俺は両手を突き出して計十本の指先からエネルギー波を放つ。

小さいというデメリットはあるが。威力を抑えた上で発射速度は折り紙付き。

拡散するように放たれたため、出久と爆豪は減速して回避行動を取っていた。

今だ!()()ッ!!

 

『間髪入れずに妨害、加速!!!イレイザーお前のクラスすげえな!!どういう教育してんだ!』

『俺は何もしてねえよ。奴らが勝手に火ィ付け合ってんだろ』

 

”気のバリヤ“を小森さんにだけ付与し、”舞空術“で超加速。

すぐに来るだろうな。予想通りだ。

でも、ほんの一瞬の隙が勝利の鍵となる---!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『雄英体育祭1年ステージ!!序盤の展開から終盤のデットヒート!

誰が一位となってもおかしくなかった攻防戦!この結末を誰が予想出来たぁ!!今1番にスタジアムに帰ってきたその男は!!!』

 

 

 

 

 

 

拳王技界ィイイイイイイ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歓声と共に。

俺は背中から倒れる訳には行かないので顔面から滑って行き、止まれず壁に激突した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっ、やったな界。けどあいつらも相当やるな……まだ互いに本気じゃねぇか」

 

目立つ尻尾。

鍛えられた肉体。

異質な髪型。

最前列だというのに()()()()()()()()()中で、弟子の晴れ舞台を眺める者。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハハッ……さらにチートに磨きが掛かってるじゃねえか。けどまあ……そうこなくっちゃな、ヒーロー?」

 

ある場所でテレビ中継を見る者。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さっすが悟空くんの弟子ね。やるじゃない!おじいちゃんやトランクスも見たら良かったのに』

 

誰も知らない、ある世界で観測する者。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見てください!界くん一位通過したみたいですよ!」

「彼なら当然だろう」

 

また、拳王技界という人間を知る者たち。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へえ、強化した”アレ“を倒しただけあるなぁ。いいえ、流石英雄(孫悟空)のお弟子さん、と言うべきかな?」

 

 

 

それから---■■■■■■■■■■者。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてある”星“に住む界の知り合いも観測していたことを、誰も知らず、活躍は全国に知れ渡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だ、大丈夫?」

「はあ……ハア……な、なんとか…小森さんのお陰で勝てた……ありがとう」

 

小森さんが背中から降りて心配するように声を掛けてくれたので、平気と言いつつ立ち上がる。

俺一人じゃギリギリの勝負か、もしくは負けていた。

最初からスタートしてたならまだしも、後続だったし。相澤先生の言ってた通り、戦闘に慣れてない人の救出を考えてたってのもあるけど、後ろで強い人や”個性“が見たくてつい。

今の自分なら、と慢心があったのも否定出来ない。慢心はよくないことだ、次の競技から反省して、しないようにしよう。

 

「そんなことないノコ。本当は様子見のつもりで……でも拳王技くんを見てたら私もやらないとって思ったの」

「そうだったんだ。まぁ戦略としては有りだね。どんな”個性“があるのか観察するのは次の競技に生かせる。でもさ、勝てたのは小森さんのお陰なんだよ。

小森さんの”個性“はすごくいい”個性“だ。ヴィランを無力化するだけでなく、逃げづらくさせたり味方を守る盾としても使える。さっきみたいに妨害出来るしヒーロー向きな素敵な力だ」

 

あとキノコは消えるらしいけど、漢方薬とかにした場合はどうなるのだろう?残るなら医療としても最強じゃない?

他にもキノコはたくさんの種類がある。彼女が知るキノコのみ生み出せるって考えても痺れさせたり幻覚見させたりとか色々出来るもんだぞ。

やっぱり凄いもんだ。それを扱う彼女も。

あと人体に生成されたら俺でも無理じゃね?体内の”気“を爆発させたら防げるか?

そう思って。

 

「あ…ありがとう…」

「?おう」

 

何故か感謝された。

俯いてるけど、何か気に召すことを言っただろうか。

謝るべきか?

 

「えっと、なんか悪いこと……」

「だ、大丈夫! それより拳王技くんはどんな”個性“なの?色々してたのは分かるけど…結局どんなのか分からなかったノコ」

「ああ、俺”無個性“だよ」

「……え?」

 

『まだまだ後続は続いてるから次の実況していくぜ〜!!!』

 

とまあ、小森さんが驚いたように叫んだので、慣れてる俺は苦笑いしながらA組同様”気“について説明した。

その間も後ろは決して見ない。めちゃ睨んでくる爆豪なんて知らないぞ。

ちなみに彼女にも当然”気“はあるんだが、見てて思ったのが”個性“の影響か意外と多い。

まあキノコって自然と共生関係してるしな。だから多いんだろう、多分。

俺が”個性“持ちに流れる”気“のことなんて知るわけが無い。

 

 






どうしてこうなった…?(プロット崩壊)

雄英体育祭本戦トーナメント三戦目(展開変わる)

  • VS緑谷出久
  • VS爆豪勝己
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