無個性だって必死で努力すりゃヒーローになれるかもよ? 作:絆蛙
もうむちゃくちゃだよ
「ようやく終了ね。それじゃあ、結果をご覧なさい!」
一位︰拳王技界
一番上なせいでやけに目立ってしまっているが、その下には俺の背中に居た小森さん。
三位は出久、四位は爆豪、結構遅れてたどり着いていた轟は五位だった。
これに関しては俺が爆豪を優先したからだな…。あいつの反射速度を破るにはそうするしかなかった。
しかし上位42名が次の競技となるのだが、ヒーロー科は41人。普通科が1人。サポート科が1人なので数が合わない。
となると、誰か落ちたか?
「青山くんが”個性“の反動で遅れて43位だったみたいだね……」
「ああ…流石に二週間じゃどうにもならなかったか」
出久が教えてくれた。
なんで俺の思ったことがわかったのか気になったが、課題として出したのは持続力を高めろって課題だった。
うーん”個性“が体質に合わないなら、体内の”気“を操作して覆うことが出来れば可能かもしれないが……教えるなって言われてるし、そう簡単に覚えれるもんでもない。
ああ、バイト先でも注意するようには言われてたっけ。忘れてたけど。
「次からはいよいよ本選よ!! ここからは取材陣も白熱してくるから、キバリなさい!!! そして第2種目!私はもう知ってるけど〜〜〜…何かしら!?」
例年違うから去年の競技がそうだったから…と予想出来るものではない。
何が来ようとも乗り越えなくちゃならないが、果たしてどう来るか。
何が来る?
「コレよ!!騎馬戦!」
「騎馬戦……」
「騎馬戦……!」
「個人競技じゃないけどどうやるのかしら」
個人競技ではなく、団体競技。
周囲がざわつく中、ミッドナイト先生はルールを説明する。
簡単にまとめると、こうだ。
・障害物競走の42位まで全員参加。
・騎馬はクラス問わず自由に組んでいいスタイル。
・2~4チームの騎馬を作り、基本的に通常と同じ騎馬戦のルール。
・順位によってPtがあり、騎手は騎馬を含めた合計のPのハチマキを首から上に巻く。
・ハチマキを奪われる。騎馬を崩される。そのどちらになっても失格にはならない。
・悪質な崩しは一発退場。
・制限時間は15分。
そして最終的にポイント獲得数が高いチームが次の種目に進める。
つまり、チーム単位の総当たり戦だ。
42位が5ポイントで、そこから次々5ポイントずつ増えている。
二位の小森さんが205ポイント。
なら一位の俺は210ポイントか。
そうしてルール説明は進み、
「1位に与えられるポイントは……」
1000万!!!!!
へえ、1000万。
1000万か。
1000万かぁ。
……は?
瞬間、今までに感じたこともない量の
なんだそのよくありがちなクイズ番組の最後に誰でも逆転可能!みたいなポイントの付け方!!
インフレ!!
「実質1000万の取り合いってワケか。
確信犯の幼馴染に俺はこいつ……!と目を向けるが周囲の空気と殺気が更に増す。
お前からポイントを取ってやる、絶対狙うとでも言うかの如く。
そんな敵意に満ちた目。何より、刹那的とはいえ
それに押し潰される---なんてことなく。
むしろ俺は、笑った。
そうだな、その方が遥かに面白い。言うならば下克上サバイバルってわけだ。
「上を行く者には更なる受難を、雄英に在籍する以上何度でも聞かされることよ。これぞPlus Ultra! 予選通過一位の拳王技くん!! 持ちPt1000万!!」
改めて言わないで貰います?
そして
チーム決めを含む15分の作戦タイムが始まった。
そうだったぁぁああああああああぁ!!?
俺一人じゃ競技出来ない!!
え、分身じゃダメ?ダメだよな、ダメですか!?
俺の持ちPtは1000万!
当然リスクしかない俺と組もう!なんて言ってくれる人は居るわけがない! というかなんか俺を倒す!!みたいな人しか居ない!! なんでだよ、同じクラスだろ!! 俺を倒そうにも俺が組めなければ無理だからな、お前ら!!
もし騎馬が作れなければ、試合不可。つまり不戦敗---。
結果。
俺は、両手を地面について四つん這いになった。
も、もうダメだ、おしまいだぁ……!!
すみません師匠。俺はもうここで敗退みたいです……!!
制作 絆蛙
企画 神チューバー
シリーズ構成 神チューバー
キャラクターデザイン 神チューバー
プロップデザイン 神チューバー
美術監督 神チューバー
色彩設計 神チューバー
撮影監督 神チューバー
編集 神チューバー
音響監督 神チューバー
音楽 神チューバー
音楽プロデューサー 神チューバー
音楽制作 神チューバー
プロデューサー 神チューバー
アニメーションプロデューサー 神チューバー
アニメーション制作 神チューバー
監督 神チューバー
原作 僕のヒーローアカデミア
クロスオーバー作品
ドラゴンボール
ドラゴンボールZ
ドラゴンボール改
ドラゴンボールGT
ドラゴンボール超
ドラゴンボールゼノバース
ドラゴンボールヒーローズ
製作 界王拳使いのヒーローアカデミア製作委員会
スペシャルサンクス 読者様
脳内で変なのが頭に過ぎると、ぐいぐい、と引っ張られる感覚があった。
思わず顔を挙げると。
「わ、私が一緒に組む……ノコ」
なんだ…?彼女は天使か?
会ったばかりで、彼女からすれば俺はただキノコが好きなだけの生徒だろう。
それどころかちょっと話しただけの関係に過ぎないのに。全員に狙われること間違いなしの俺と組もうと言うのか……!?
「…いいの? その、小森さん二位だから他に組める人なんていっぱい居るはずだけど……それに俺はA組の生徒で、B組は気にするんじゃ?」
そう、わざわざ乗り込んでくるくらいだ。
あのもう一人の切島くんみたいな人。それに後ろから見てたから分かるが、わざわざ
彼女は俺が巻き込んでしまったが…。
「キノコ友達…だもん。物間くんには確かに指示されてるけど私だって自分の意思で選びたい。目立ちたい。それに私の力だけで獲れた二位じゃないし、一位の拳王技くんと次に狙われるのは組によって高くなる私のチームだし。障害物競走での上の順位の人を狙おうとする人もいるかもしれないから二位でも狙われるのは一緒…だと思う。それなら拳王技くんと組んでも一緒…じゃないかな? その、強い人と組んだ方が安心出来ると思うし…」
「こ、小森さんッッ……!」
これがゲームだったら彼女に対する好感度ゲージが一気に上がってたのは間違いない。
なんなら彼女が異性でなければ嬉しさのあまり一気に抱きしめていたレベルだ。
流石にセクハラだし嫌かもしれないからしないけど。
ただ思わず両手を掴んじゃったのは謝る。こればかりは嬉しすぎてつい。
必要なら土下座する。
自分の力だけでやりたいというプライドはあるが、今回ばかりは単体競技じゃないし投げ捨てた。
「ありがとう……ぜひお願いします……!」
「あ、頭を下げなくていいノコ!」
感謝のあまり90度曲がってしまった。
しかしこれで無事不戦敗になることはなくなった!
本当は機動力を得るために飯田や出久が欲しいところだけど、十中八九別と組むだろう。
こうなると小森さんが騎手で俺が馬になるだろう。なに、界王拳使えば何とかなる。むしろせっかく組んでくれたから俺は騎馬戦終了後動けなくなる出力を発揮してでも彼女を勝たせるぞ。
俺は恩も倍にして返す男…!
「でも、他にはどうしよう?私のクラスは…無理だと思う」
「まぁそうだよな…。うーん正直、俺は不戦敗じゃないかこれって思ってたくらいだし。小森さんが居てくれるだけでも十分嬉しいからなぁ。大丈夫、もし二人でも俺は絶対小森さんを必ず勝たせるから!」
「そ、そう…なのこ……」
そう、彼女が居てくれるだけだけで戦えるのだ。
負けにならない!
だからこそ心からそう伝えた。
伝わったのだろうか、俯いてるように見えるけど。
ただ不安そうには見えない。
よかった。せっかく組んでた彼女を不安にさせたくないし、実力に関してはさっきの障害物競走で証明出来てるはず。
あっ、ただ俺”舞空術“は地上メインでやってきたからあんまり得意じゃないんだよな…。わざわざかめはめ波を推進力として使ったけど、高速移動すると消耗が激しいからだ。浮いてふよふよ〜と移動する程度なら余裕だけど、高速移動がダメ。
普通は”界王拳“の方が消耗するはずなんだけど、こればかりは上手くコントロールを覚えてない俺が原因。言うなら、無駄に”気“を使いすぎてしまってる。で、遅くしようと意識しすぎてまた無駄な消費。
別に高速戦闘出来ないわけではないが。
あれ、”戦闘力“とかよりコントロール技術の方だし。くそ、練習してなかったのが悔やまれる…!
日常的に使えないし走った方が肉体強化出来たからなぁ。”界王拳“をより使うには肉体も限界まで鍛える必要あったし。もうそろそろ普通に鍛えるのは限界だから、何か道具とか欲しいところ。
いや、それよりもだ。
「とにかく俺の方も組んでくれる人がいるかどうか……ひとまず声がけして……ん?なんか”気“が近づいて」
「あ、後ろ……」
ぽつーんと文字が出てもおかしくないくらい俺の周囲には小森さんしか居ないのだが、明らかに誰か近づいてくる”気“を感じる。
それも結構早めに。
もしかして組んでくれる物好きがいるんじゃと振り向いて。
「そこの一位の人〜!!」
「どわああああ!?」
なんだこの人!?
近い近い近い!柔らかい!!じゃない!!!
ピンク髪とスコープのような目がやけに目につくというか顔が近すぎて端正な顔とそれくらいしか判別がつかないけど何処がとは言わないが柔らかいのが押し付けられてる!!
「私サポート科の発目明です!私と組みませんか!?先程からずっと誰よりも目立っていましたよね!プレゼント・マイクも貴方のことをよく話していましたし大逆転劇!とてもお見事でした!
そんな貴方は一番目立ってるじゃないですか!?そんな貴方と組めば必然的に注目度がNo.1になるじゃないですか!? そうすると必然的に私のドッ可愛いベイビー達がですね、大企業の目や他のプロヒーローの目に留まるわけですよ! それってつまり大企業やヒーローの目に私のベイビーが入るって事なんですよ!!」
こ、この人俺の苦手なタイプの人だ…!
ま、真っ直ぐすぎるけど無自覚というか、距離感が仕事してない!!
しかもハニートラップを仕掛けてきてるわけでもなく純粋に自分の目的のために行動していて、狙ってるわけじゃないから尚更!!
それ目的なら距離が近かろうが問題ないのだが---。
それに雄英生はみんな美少女に入るくらい顔が整ってるから余計に困る…!
と、とにかく離れて貰わないと俺の心臓が持たない。
「何より貴方の体、とても興味深いです!あのロボを空まで蹴り飛ばすほどの脚力!そしてスピードだけでなく宙に浮いたりエネルギーのようなものをどう撃ち出しているんですか?多くのヒーローの中にそのような”個性“はありませんし”個性“にしてはプロ、いえそれ以上と推測出来るほどあまりに突出してましたよね。体も同年代と思えないくらい鍛えられていて素晴らしいです!すごくゴツゴツしてますね!力入れてみてくれませんか?貴方なら私のベイビーたちを扱えそうですし負荷のかかるものでも使いこなせそうですね!普段試したくても試せなかったものが多くありますし屈強な貴方なら耐えれそうで、私の発明もさらに---」
「わ、わかったわかった!!頼むから離れて!!というか、擽ったいから!」
あまりの勢いの強さに置いてきぼりの小森さん目が点になってるし俺すら全く口を開けないくらいだ。
あと体のあちこち触られて普通に擽ったいし発言が普通に誤解を招く!
こういうタイプにはほんっと弱いからやめてくれ。これでも女子に対して全然関わってこなかったんだぞ。修行第一だけど俺も一応男だからそういう感性はあるんだからな…!
「それでどうですか!?」
「あ、ああうん。分かった。俺は全然いいけど、小森さんは?」
「わ、私も大丈夫だよ」
「じゃあ、よろしく発明さん。俺は拳王技界。こっちは小森希乃子さん」
「よろしくね」
「はい!よろしくお願いします!」
「ところでベイビーたちって?」
「よくぞ聞いてくれました!!」
だから近いって!!
勘違いする原因になるからな、それ!!
一位に与えられるポイントは1000万。
それを聞いて、全員から狙われる視線を受けてもなお笑えるのはきっと彼くらいなんだろうな、と僕は思った。
正直僕だったら焦ってたと思うけど、界くんはある意味頭のネジ吹っ飛んでるよね。
さっきはしてやられたけど、次こそは勝ちたい。
そのために誰と組むか…。
---考えるまでもないか。
「デク」
「うん。僕も言おうと思ってたよ…かっちゃん」
「「組んで
流石幼馴染。
どうやら僕とかっちゃんは同じ考えだったみたいだ。
確実に勝つ。
かっちゃんは確かに勝ちたい相手のひとりだ。けど今の目的はただひとつ。
界くんに勝つこと。B組の人と協力してた…というかなんでかしてたけど、僕もかっちゃんも界くんにやられた。
「他はどうする?」
「デクが考えろ。俺が考えるより他に詳しいだろ。そっから作戦調整は俺もする」
「分かった。そうだな、ルール上
「デクくん!爆豪くん!」
作戦を考えようとしていたところで、声を掛けられた。
すぐに誰かなんて分かる。
麗日さんだ。
よかった、ちょうど話しかけに行こうと思ってた。
「ウチも組んでええ?」
「麗日さん!もちろんだよ!最初から声を掛けるつもりだったんだ!」
「成程な。悪かねェ」
話してもないのに理解するかっちゃんは本当に頼りになる。
麗日さんの”個性“は
僕とかっちゃんならば、重力を無くすのは利点にしかならない。
界くんなら浮いて逃げる可能性高いし。
「ありがとう!仲良い人と組むのがいいって思ってたからよかったぁ。でも意外だね、私てっきり爆豪くんは誰かと組むと思ってた」
「デクが一位だったら組んでねえよ。界の野郎が一位なら確実に奪えるやつと組むのが鉄板だろ」
「そっか…! それもそうだよね。あれ?ていうか、爆豪くんって拳王技くんのこと界って呼んでるんやね」
「ああ!?今はそんなのどーでもいいだろうが!」
「でも気になるじゃん!」
「あ、あはは…小さい頃、強そうって理由で”拳王“って呼んでたんだけどね、本人の前で名前呼ぶと煽られるから基本的に”拳王“って呼んでるんだ。高ぶってたり他の人に話す時はこう呼ぶ方が多いけどね」
「話さんでいいわ!」
「あ、あー……うん。拳王技くんからかうの好きだもんね…」
事情を説明すると、麗日さんは簡単に納得してた。
関わってたら分かるからね、すぐからかうこと。
あれは界くんなりの気遣いでもあるのは知ってる。かっちゃんだいぶマイルドになったけど言動が言動だから誤解されやすいし、取っ付きやすいようにしてるんだ。
まあ楽しんでる部分もあるけど…かっちゃんもそれは理解してるから本気でキレてないし。
まぁ、界くんにそうだよね、って話したらなんでか引かれたけど。
っとそれより。もう一人だ。
あと一人は…!
「飯田くん!」
「ん?」
「僕たちとチームを組んでくれないかな? 飯田くんの”個性“と僕たちの”個性“を生かした作戦を考えててね、それは……」
「すまない緑谷くん。俺をチームに誘ってくれたことには感謝するが…断らせて貰う。俺はすでに別のチームから勧誘され承諾している身だ。そんな状況で今君の作戦を聞いてしまうのは公正さに欠けるだろう」
「飯田くん……」
「君の作戦に乗ればおそらくこの戦いを勝ち上がることは可能だと思う。だが、入試の時から……君たちには負けてばかり。素晴らしい友人だが、だからこそ……君についていくだけでは未熟者のままだ」
飯田くんが静かに話す。
入試の時、麗日さんを助けるために飛び出したことはともかく、戦闘訓練のことはあの時の僕にもう一度同じことをやれと言われたら無理だ。
だけど飯田くんの中ではずっと、引っかかってたのか。
「君をライバルとして見るのは俺もだ。拳王技くんも爆豪くんもだが……俺は君にも挑戦する!」
「飯田くん……。分かったよ、なら今は敵同士だ。僕は君にも負けない!」
「ああ!」
本気の”目“だ。
今は友ではなく、ライバルとして見ると心に決めた。
組む相手を探す時間があるため、僕と飯田くんはそれ以上話すことなく。
僕はかっちゃんの元へ麗日さんと向かった。
「かっちゃん。飯田くんは…僕たちと戦うって断られたよ」
「そーかよ。だったら次だ。界から奪うってんなら戦力は多い方がいい」
「そうだね、この三人でもいいところまではやれるだろうけど。それじゃダメだ」
「どないする?」
「うーん……」
すぐに切り替えて考えるけど、B組の生徒の”個性“を僕たちは知らない。
だからA組で組む必要があるんだけど、機動力を捨てるなら他に必要なのは……防御役?
だったら常闇くんとか尾白くんが適切かも。ほぼ自分で決めることが出来ない以上界くんがどうくるか分からないけど、彼が騎馬と考えるなら攻撃役にするべきか。
そう、考えたところで。
「爆豪!緑谷!麗日!」
「切島」
「切島くん!」
僕たちに声を掛けてきたのは切島くんだった。
なるほど、確かにありかもしれない…!
「おめェどうせ騎手だろ!?そんなら爆発に耐えられる前騎馬は誰だ!?」
「硬化……おめぇか」
「その通り!!ぜってーブレねぇ馬だ!奪るんだろ!?あいつ、
「倒れンなよ」
「ああ! どうだ、緑谷、麗日!」
「うん、決まりだ!」
「私も全然!」
「僕と麗日さんで左右!前は切島くん!そして騎手はかっちゃん!これで行こう!」
こうして僕たちのチームは決まった。
僕もかっちゃんも、狙う先は一緒。
次こそは絶対に勝ってみせる……!!
拳王技くんのお陰で余裕を持って通過することが出来た。
プレゼントマイク先生の実況を聞く限りちょっとの間スタートラインにいて、ずっと後方に居たはずなのにあっさり私たちを追い越したのは流石拳王技くんだなと思ったけど。
うん、見えなかったよ。もうぶわーっ!って感じだった。ぶわーって!
強風どころか完全に台風だったよね、あれ。高く飛んでなかったらほとんどの人吹っ飛んでたよ、多分。
しかも、凄く強くなってる緑谷くんや爆豪くんを追い抜かして一位だし。青山くんは落ちちゃったみたいでそのまんまお腹が痛いから急いで会場から抜けてたけど。
ただ一位通過した拳王技くんに待つ試練は、予想もしなかったもので。
まさかの1000万Pt。
誰も彼もが狙いを定めて視線を向けていたのに、拳王技くんは好戦的な笑みを浮かべた。
それに観客からも注目されるはずで、多分拳王技くんはオールマイトが普段受けてるような視線を感じてるはずなのに。
それからルールの説明がされて、15分間の時間が設けられたからみんな次々と散らばっている。
正直自分で考えるのは向いてないと思う。筆記試験も結構ギリギリで勉強は苦手な方だし。
雄英は偏差値が高いというのもあるけど、入試前は物凄く勉強したもん。
そして当然、私より頭が良い人はたくさんこの学校にいるわけで。
私の浅知恵じゃきっと勝てない。
やっぱり一番頼れる人のところに行くのがいいだろうし…拳王技くん、見事人が離れていって一人だもん。
しょうがないな〜私が一緒に組んであげるよ!とちょっと悪戯っぽく言おうと思ったら。
思った、んだけど。
肩に届かない程度の茶色のロングボブで目が隠れている女の子。今は少し、目が見えてるけど。
身長は私と同じくらい。小柄で、体操服の上からでも胸が大きいのが分かる。
多分、というか絶対スタイルいい。
なにあの子? 誰?
そういえば拳王技くんが一位だったけど、二位は緑谷くんや爆豪くんじゃなくてB組の生徒だったような……。
自分の順位と友達がちゃんとあるか確認するために見てたから名前までは見れなかったけど…。
というか、知り合いじゃないよね。物凄く仲が良いように見えるんだけど…両手握られても全然嫌がってないし。
拳王技くんってあんなふうに目が隠れてる子が好きなの?メカクレ好き?
それともやっぱり胸?
動きを止めて見てたら、次は私より身長が高くてドレッドヘアーのようにまとまったピンク髪の女の人が拳王技くんにくっついていた。
顔も少し動かせばキスしちゃうんじゃないかってくらい至近距離で。
何より、ヤオモモみたいにグラマラスなプロポーション。
拳王技くんは身を逸らしてるけど顔を赤くしてて、私は赤面する顔なんて見たことない。
私には平気で触れてたのにその人には顔赤くするんだ?
ふーん、へー。
やっぱり拳王技くんも男なんだね。
てか……。
「へえ、なるほど。そんな感じで使うのか!これなら確かに立体的に動くことも可能になるか。だけどこれだと負荷に耐えられなくないか?いくら耐久性が高くても力の強い”個性“が相手ならすぐに役立たずになるぞ。一発限りは可哀想だ。あと普通なら吹っ飛ぶな。俺は問題ないけど」
「そうなんですよ。貴方はベイビーたちのことをちゃんと考えてくださるんですね!ですからその耐久性を高めつつ改善案を考えているわけなんですが」
「ああ、それならいっそのこと鎖じゃなくて蜘蛛の糸にすればどうだ? 確か特殊な蜘蛛の糸を出せるヒーローがいたような。サポート科なら協力お願い出来るだろ?それなら引っ張られることはないだろうし、残った糸は自ら引き離せるようにすればいいんじゃ?ついでに残らないように溶かせるようにしたり。別のアイテムとして拘束用とか作れるし」
「ああ!盲点でした。確かに特殊な糸を作り出せる方が居ましたね、今度取り寄せ出来ないか相談してみます!他にも作って見るのも良さそうですね!ただそうなるとフックショットじゃなくなりますね。それに弾数を増やせるように増設するか、補充用のポーチを作成すれば繰り返し使用できるでしょうし」
「そうだな。それならもっと使いやすいようにカートリッジ式にして本体はステンレス製で作ればどうだ?手首に装着するタイプなら簡単に使えるだろうし」
「なるほどなるほど。それはいい案ですね、貰います!ですが、せっかくですしこの子もそのまま活かせるようにしたいんですよね」
「うーん短剣やクローにするのもありかもしれないが、使うなら制御用の部分を拡張する必要があると思う。けどそうか、傷つくもんだと危ないもんな。それならいっそ素材を全部変えて---」
「そうだ、物は相談なんだけど今は持ってきてないけど俺のリストバンドの重量を増やすことって出来ないか?」
「重量ですか? うーん可能だとは思いますが一度どんなものか見て見ないとなんとも言えませんね」
「おお、じゃあ体育祭が終わったら見せに行く」
「分かりました!じゃあ連絡先って…そういえば今ありませんでしたね。この競技が終われば休憩ありますからその時に交換しましょう!」
「そうするか! あっ、とそういえば小森さんって湿気が多いほど”個性“強くなるんだったよな」
「うん。私の”個性“は自然のキノコと同じようなものだから菌糸が繁殖するに適した環境の方がより範囲も大きくできるノコ」
「というわけなんだが」
「湿気ですか。でしたら霧吹き用のサポートアイテムが良いでしょう。撃ちやすいように拳銃のようにして遠い距離まで届くようにすればより広範囲に飛ばせるかと!あとは水風船ように含ませて発射用のものをつけたりとか。コスチュームでしたら服の方にもそういったものを取り付けたらもっと楽に使えるのではないでしょうか?」
「見た目的に厳しくない?」
「要望に応えるのがサポート科ですので!」
「ヒーローになる上でサポート科の存在がどれだけ必要か改めて理解させられるな……」
「ノコノコ」
「そういう貴方はヒーロー科ですよね?なんというか、知識豊富すぎませんか?」
「ああ、まあホイポイカプセルとか知ってたならなぁ…」
「おや?なんですか、その興味のそそられるアイテム!!ぜひ教えてください!!」
「ほいぽいかぷせるって?」
「えっと伝手で知ってるんだけどさ。名前の通りで、小さなカプセルの形状になってるんだけどスイッチを押して投げれば色んなものをそのまんまの形で収納したり出せるんだ。車とか家とか。有名なので言うと、簡易的な四次元〇ケットだな」
「ほうほう、質量保存はどうなってるんでしょうか。圧縮すれば重さは変わらないはずですよね?となると何らかの方法でそれを解決してるのは間違いないと思いますが…反重力の応用?
似ているものといえば空気技術でしょうか?それでも圧力をかけて戻すだけですもんね。元の形で保つことは出来ないか。一番の問題は重いものを軽くすること。となると圧縮技術と一緒に---」
「いやちょっと待って作る気? 待って待って流石にそれは難しいと思うんだけど!? 俺も原理は少し分かるが使ったことはないから記憶の中をちょっと整理しないと---」
「記憶の中を見たいので解剖させてください!!」
「殺す気か!というか怖いから!!この話は忘れてくれ!」
「そんな殺生な!?ここまで話しておいて無責任は酷いですよ、拳王技さん!私を弄んだんですか!?体で責任取ってください!!」
「わざと言ってないって言ってわかるからその発言余計にタチが悪いんだけど!?てか体というか俺自身が死体になるだろ!また死なないといけないのか!?」
「また?またと言いました?もしかして一度死んだんですか?え、でも生きてますよね?”心臓も動いてますよね。脈もありますし個性“はないって言ってましたけど実はそれが”個性“だったりします?でしたら細胞の一部でも貰ってもいいですか?死なないなら一度どんなものか見せてもらっても---」
「ち、近いから!え、というか俺ってもしかして同学年の人に命狙われてる?あと”無個性“だから!ないからな、そんな力!あったら既に革命的な有名人だろ!」
「そうかも…」
「助けて」
「ん〜拳王技くんはすごい。もっと色々と利用すべきノコ」
「小森さん!?」
「それもそうですね!!じっけn…ごほっごほっ、大切なお友達ですし!」
「納得しちゃったぞ!? あ、友達って認識にはなってるのか…ん?普通に不吉なこと言おうとしてたよな?おかしい、俺がツッコミに回ってるだと……!?やはり雄英は侮れない…!」
「大丈夫?」
「これが飴と鞭…いやこの場合鞭と飴かぁ」
「えへへ、拳王技くんはからかうと結構面白いなって思って」
「そう言う小森さんっていたずらっ子だよな…まあ笑顔が良かったからいいか」
「へ……っ」
「ところで時間大丈夫ですか?」
「うわあ!いきなり冷静になるな!」
「でもそろそろ考えないとやばいかも」
『残り3分よ!』
やっべ時間忘れてたああああぁぁぁ!?
仲良すぎない?
えっ、知り合ったばかりだよね? 気が合うどころかもう凄い距離感なんだけど。幼馴染とか恋人とか言われても納得しちゃうんだけど。運命の出会いかなにか果たしたって言われても納得なんだけど。
バグってるよ、三人とも色々バグってるよ。
しかも時間忘れるぐらい話し込むって……。
………。
………………。
「拳王技くんっ!」
「おわっ…!?」
私は引き離すように彼の体操着を後ろから引っ張って声をかけた。
うん、時間なかったから。
気づいてもらうために必要なことだから。
別にそれ以外他意はないもん。
ほんとだもん。
雄英体育祭本戦トーナメント三戦目(展開変わる)
-
VS緑谷出久
-
VS爆豪勝己