無個性だって必死で努力すりゃヒーローになれるかもよ? 作:絆蛙
発目さんと話が合いまくってしまったり二人に振り回されたりしてたらいつの間にか時間がやばかった。
まさか自分がここまで他人に振り回されるとは思わなかったが、残り時間ちょっとで葉隠さんが来てくれたから助かった。
いやはや、常時自分の範囲の”気“を感知出来るように張り巡らせてる俺が忘れてしまう程とは。
それにしても1000万とか普通に考えても意味分からない俺のところに三人も集まってくれるなんて。
なんていい人たちなんだ。
これは勝たなくちゃならない。というか負けたら退学でもしないと罪滅ぼし出来ないレベルだろ。
なので伝えた。
「そ、そこまで責任持たなくていいよ!? むしろこっちが気に病むから!」
「みんな狙ってくると思うからそこまで背負わなくていいノコ。それに負ける気はないもん」
「私のベイビーたちのためにも目立ってもらわないと困りますので…。それに拳王技さんが居なくなると私が困ります。サポート科に転入するならば私は構いませんが!」
うーん、ブレない発目さんは流石だ。
そっちに入るのも楽しそうだが、目指すのは一応ヒーローだからなぁ。
でも俺も負けるつもりは無い。ただもしものことがあって何もしないってのもなぁ。
それはそれで、リスクを考えて来てくれたって考えたら心が痛む。
「そうだな…俺も負けるつもりはないけど、そん時は何でもするよ。何も詫びなしだと俺が心痛むし」
「ん?今何でもと仰いました?」
ただし発目さん、限度は考えてくれよ!なに今から楽しそうに考えてるんだ、負けないからな!負けたらだからな!
でも、こうやって話せるのもこれもあれも小森さんが最初に手を差し伸べてくれたからだ。ありがとう、マジで。
居なかったらずっとヘタレてた。
ちなみに合計Ptは10000265Pt
もうこれ後ろの数字の方いる?ってレベルでインフレが酷い。
全部取っても2〜42位までで4305Ptだから俺らの持ち点マイナスして4040Ptだよ。勝てねえよ。
というかもし全員分奪って1〜2位以外が0Ptならどうなるんだ…ルール大丈夫かこれ。
で、時間もあまりなかったから即席で考えたわけだが、発目さんの”個性“はズームらしい。
5kmくらいなら見れるとか。しかも対象に正確に照準を合わせてロックオンすることができる便利さ。身体も連動してるみたいだから動体視力だけってわけでもないようだ。俺のような速度は無理だと思うが、ある程度の相手の攻撃なら避けられそうだな。
それに物を作るサポート科向きだし索敵にも使える。サポートとして天性の”才能“とも呼ぶべきものだ。何より他人の動きを観察、分析出来る”個性“って凄いなって褒めたら、何故か顔を赤くしていた。
さらに何故か小森さんからの視線が痛かったので小森さんのも(要約)最高だぞ、と褒めたら今度は葉隠さんに横腹を抓られたけど。
何故?
みんないい”個性“だから思ったことを言っただけなのに……。俺なんて俺個人が持つ特別な力なんて何も無いんだぞ。
というか、ヒーロー科以外にも凄い”個性“あるじゃねぇか。どうなってんだ雄英。
ちゃんと見ろ雄英。いや、発目さんに関しては本人とってのサポート科だからいいんだろうけど、普通科とかにも居そうだよなぁ。
それは今はいいとして、俺は騎馬を作る前に小森さんの両手を握って見つめ合っていた。
ちょうど発目さんが申し訳程度に暗闇だと発光するとかいう意味あるのか分からない髪留めを持ってたので、今は髪を分けて彼女の目が見えるようになっているのだ。
騎馬戦だから流石に見えないと危ないし、いざとなったら高速で髪留め持ってこようかと思ったけど。
っと、余計なことを考えてる場合じゃない。開始まで時間もあんまりないし集中だ。
「大丈夫?」
「んっ…むずむず…するかも。でもなにか入り込んで来る感じがして…身体が火照るというか……温かいノコ」
そう言って若干顔が赤く、もじもじする小森さんだが、別に変なことをしてるわけではないので誤解はしないで欲しい。
俺の”気“を同調させて、彼女の”個性“を利用出来ないか試しているだけだ。
まぁ温かいってのは”気“を流し込んでるからだろう。
簡単に言えば俺の生命力をそのまんま与えてるようなもんだ。普通に分け与えて付与するのと違って、体内を使って直接送り込んでるから感覚としては擽ったい感じだと思う。異物が入り込んでるもんだからなぁ。
残念ながらこれで彼女自身が”気“に目覚めたり急に強くなるもんじゃなく、ただ単に俺が扱う”気“と彼女の”個性“との相性が確かめられる程度。
俺自身もよく分かってないが、”個性因子“に干渉…?いや、それはなんか違うような。
感覚として理解してるから言葉に出来ないが簡単に言うと、イメージトレーニングが近い。
てか、もしこれで”気“が使えるようになるなら師匠が俺が習得する前に俺にやってると思うし”気“を扱える者が量産されるからな。
他の人にもやったことはあるし、特別効果がないのは実証済みだ。
集中を高めるために循環させるイメージで目を閉じていると、流れを理解出来た気がする。
これなら彼女の”個性“に”気“を乗せられそうだな。
何とかなるだろう。
「よし、大丈夫そうだ」
「本当に意味ある行為だったんだよね…?」
「それ以外に何が…?」
「う、ううん!」
「拳王技くんの、すごかったのこ……」
「や、やっぱりぃっ!」
「ちょっ!?い、いや本当に何も無いから!それ、誤解招く発言になってるからな、小森さん!!」
「えへ」
流石に発言がやばいと俺でも気づいたが、絶対わざとだな小森さん。
何だか楽しそうだしその反応は可愛いとは思うが、俺をからかっても何も出てこないぞ…!
そもそも俺は本来ツッコミじゃないんだけどなぁ…。ボケに回れない!
爆豪か出久が居ないとこういう時困るぜ……!
とまぁ、また騒いだら時間が無くなるので話を打ち切り、騎馬を作る。
俺は馬だ。
前騎。
まぁ唯一機動力あるのが俺だし、何より前じゃなければ使えない”技“がある。
左右が小森さんと発目さん。
上はまぁ、一番適してた葉隠さん。
俺の方がいいんじゃないかと言われたが、そうなると”個性“の物量で押されるということを伝えたら納得された。伸びてくる手は避けれてもな…。
あと俺の筋肉量を考えると、下が心配になるし。
ただこうなった場合、間違いなく負荷をかけてしまうが、小森さんが鍵だ。
発目さんは一番分かってるであろうサポートアイテムと目でサポート。
俺はメインで行動。
1000万Ptについては奪われていいと言っている。
今回ばかりは勝てばいいしな。もちろん逃げ切れるなら逃げ切るが、他がどう来るかに依るだろう。
『さぁ起きろミイラマン! 15分のチーム決め兼作戦タイムを経てフィールドに12組の騎馬が並び立った!! しっかしあのチームだけA組2人にB組1人サポート科1人と言った感じでバラバラだな!』
『ほとんどが同じクラスで組むのは予想出来たが、ここまでとはな。一位って立場もあるだろうが、知らないやつと組むことなんてヒーローになれば必ず訪れる機会だ。それを少し早く経験することになっただけ。ま、どこまでやれるか見物だな』
「フフフフ、やはり目立ってますね。流石です拳王技さん!」
「俺に対する弄り多くない?というか……」
すっごい気になったんだが、あのチームだけエグすぎない?
絶対俺を殺す気じゃねぇか。なんで爆豪と出久が組んでんだよ。お前らいつも組んでなかっただろ。いじめか、新手のいじめか!?
バグ組二人とか無理だって。俺のことをよく知ってる二人だし奪う気満々だろ!
くそ、裏切り者どもめ…!!
しかもバランス良いし、ガチで殺りに来てない? 俺の”舞空術“じゃ麗日さんの”個性“で切島くんすら浮けるあのメンツから逃げ切れる自信ないんだけど。推薦二人組の轟のチームが霞むってどういうことだよ。
ふざけんなよ、こっちとら小森さんに恩があるんだ。絶ッ対負ける訳にはいかない。
1000万奪って勝ちたければ俺を殺してから奪え!
俺は今から競技じゃなく死ぬ気で行くからな!
『さぁ上げてけ鬨の声!!血で血を洗う雄英の合戦が今!!』
狼煙をあげる!!!
「発目さん」
「はい!」
「小森さん」
「ノコ」
「葉隠さん」
「うん!」
『3!』
『2!』
『1!』
『START!!!』
五倍界王拳!!!!
『なんだなんだァ!?スタートと同時に足場が割れたぞ!?何人か地面に落ちたけど大丈夫か!?』
『あれは震脚だな。狙ってくることを想定して動いたか。だが』
「効かねえ!」
「そう来ると思った!」
「寄越せ透明女ァ!!」
「ごめんね、二人とも!!」
「わあ!?すぐに来たよ!?」
「だろうな。発目さん!」
「了解です!」
麗日さんの”個性“と出久の”個性“で浮いた四人には効かなかったらしく、俺は発目さんが投げた予備のナットを
「っぶねェ!」
「殺す気かよ!?」
咄嗟に身を逸らして爆豪が避けたらしい。だが甘い!
口で繋がった紐を引っ張り、後頭部を狙う。
くたばれ爆豪!!
間違えた。
くたばっちまえ爆豪!!
「かっちゃん!」
「そう来るだろうなァ!!」
えっ、なにあいつこっわ。
スペック上がりすぎだろ。なんで”界王拳“を五倍にして引き寄せたナットを反応して破壊してんだよ。
これだからバグったやつは怖いんだよ! 急に意味分からないくらい強くなってるからな!!
「浮くぞ!」
とりあえず隙が出来たので、距離を引き離すべく宙に浮く。
三人分の体重が体に掛かるが、普段の重りに追加された程度。
俺の体には二人が落ちないよう、もしものためにワイヤーが体に巻き付けられている。
俺の体に絡み付けられてるワイヤーが持つ限りは引っ張られる形になるから力が足りなくても浮けるだろう。
三人分の体重に関しては”界王拳“を常時発動してるから全然平気。
なんなら、なくても問題ない。みんな軽い。
震脚によってさっき形成した目的地の岩を片足で蹴り飛ばして一部破壊すると、後ろを見ることなく蹴り上げる。
すぐに背後で爆破する音が聞こえた。
「葉隠さんしゃがんで!」
「うん!」
同時に、何か鞭みたいなのが飛んできた。
葉隠さんがしゃがむことで回避したので、瞬時に見極めて狙われる危険性のあるものだけ
普通に口の中が切れて気持ち悪くてぺっと血を吐いたが、軽傷だな。
というか、なにあれ。出久何変なの飛ばしてきてんだよ。痛いし。
「小森さん!発目さん!」
「うん!」
「大丈夫ですよ!」
そんなことよりも当たらないよう二人に声を掛けて右脚を地面に埋め、左足を後ろに突き出して気功波。
「うおぉおおおっ!?」
「TEXAS---SMAAAASH!!」
押し返される感覚があったため、小森さんに視線を向けるとキノコが生み出され、”気“の膜を足から付与させてトランポリンのように蹴って跳躍。
拳圧を避けると氷結が襲ってきた。
そのまま脚を突き出して破壊し、着地と同時に頭突き。
「八百万!」
「ええ!」
氷の礫は作られた盾で防がれてしまい、囲まれている。
さて、ここからポイントを奪っていこう。
てか、このペースだと後半消費がえげつなくてヤバい。
『まだ二分だが、1000万Ptが取れねぇ!両手塞がってんのにすげえな!!』
『ここからが本番だな』
「悪いな拳王技」
「勝負だ、拳王技くん!」
「取らせてもらうよ〜透ちゃん!」
「もらうぞ拳王技!」
「これも勝負だからね、文句言わないでよ拳王技、葉隠」
「女子だけで組みやがって!拳王技め!許せねえええぇ!」
「1000万Ptもらうぜ!」
「これも神のお導きです…!」
「ごめんね、希乃子!」
「凄い人気ですね!フフフ、たくさん目立ってますよ!」
「全く嬉しくない人気だけどな……」
一人だけ私怨があった気がするが、計7騎か。人気者だよほんと。
あと障子くんの中から蛙水さんと峰田くんの”気“を感じるから隠れてるんだろ、わかるぞ。
とにかく囲まれて一斉に責められたらまず……なんだ!?
足が……泥濘る!?
「骨抜くんの”個性“、柔化ノコ!地形を沼地のように変えてる…!」
「そういうことか!助かった!」
地面ごと蹴り飛ばし、沼地を脚力で吹っ飛ばすと脚を無理やり抜け出させる。
そしてどこからともなく茨が迫ってきて、俺たちは。
「目眩しと同時に動いたか…ッ!」
「消えただと!?」
「後ろか…!」
「もらうよー!」
「みんな、ごめんね!」
「嘘でしょ…!?」
「足が…希乃子の”個性“!?」
「ん*1」
全部は無理だったが、335、130Pt、計465GET。
耳郎さんのチーム。あと飛龍って人が騎馬のチームのやつらしい。もう少し取りたいな。それにしても。
最高だぜ、小森さん…!
”個性“の相性がやっぱりいい。イメージは出来てたから分かってたけど、実戦でやったら改めて分かる。
無差別に生やされようが人体に生やすんじゃなければ俺は纏っている”気“の勢いだけで防げる。オーラを拡張させて皆を守れば小森さんの”個性“はただの武器なのだ。
それにキノコってのは栄養を糧にしてるわけで。
ならそこに、
彼女はキノコの”胞子“を飛ばす。
キノコってのは超簡単に説明すると胞子が発芽→菌糸が伸びる→融合して菌糸体→原基ができる→発達→柄と傘が出来て胞子を作る→胞子が気(流に乗って飛んだ胞子が、木材や落ち葉など栄養が得られる場所に)付着→発芽のプロセスがあり、このループによってキノコが増えるわけだ。
”個性“という形であるため、現実のような時間がかかるような条件は必要がない。
彼女の場合、胞子→瞬時にキノコという段階になっているはず。その時点で普通にチートクラスなんだが、まだ応用が出来る。
それこそ成長すれば彼女自身も出来るだろうが、胞子に生命エネルギーを与えたなら。
その間に入る”菌糸“を操作することが可能になり、こんな使い方も出来る。
「残像拳+菌糸捕縛…ってな」
サポートアイテムのお陰で残像拳も使えたからこそ、この状況を作り出せた。
悪いが障子くんと轟には気づかれたので、菌糸で足を止めさせてもらったが。
ついでに常闇くんは巻き込んだ…が、上の芦戸さんが溶かしてた。轟はあっさり凍らせたか。
酸と氷結は厄介だな。キノコとサポートアイテムと相性が悪い。小森さんに足元にだけ生やしてもらうよう指示して逃げよう。
キノコで足場悪くて飯田の足でも無理だろ?
そして流石に常時展開は持たないので、”界王拳“は一度解除だ。
”気“を消費する行動ばかりで少しでも回復しないと。
うーん、空中でバトルすることなんてほぼないし必要ないと思ってたけどこっちも鍛えなくちゃダメか。
今の俺なら”気“のコントロールでコツを掴めばすぐに問題なくなるだろう。
今はとりあえず絶対に勝たなくちゃならないから余計なことは試すつもりもないけど。
『ここで葉隠チーム、ハチマキを奪ったァ!』
『逃げに徹さず、攻めるか。1000万Ptを獲られる可能性もあるし嘗められる可能性もある。逆に言えば奪うことで警戒心を生み出すわけだ。合理的だな。いくら逃げれば勝ちとはいえ、Ptを獲られた騎馬は防御を捨てられる。守りきれない可能性がより高まるだけでなく、もしハチマキを獲られたとしても獲ったハチマキを1000万の身代わりとしても使える』
「とりあえずあとは”舞空術“とジェットパック、発目さんのサポートアイテム、葉隠さんの目眩しで凌ごう。行けそうなら奪おうか。小森さんはここからまた先頼りにしてるから少し休んで」
――――――
嘘だろ界くん!
”黒鞭“を噛み砕くって何!?
いくらフルカウルで20%とはいえ、”個性“だよ!?
それどころか反撃してきたし!
切島くんが前騎で耐えたから僕が拳圧で押し返せたけど…!
とにかく”黒鞭“でかっちゃんを回収して、一度体制を整えると。
「甘いんだよAぐm「甘くねェよバカが」……は?」
後ろから取ろうとしてきた手を避け、かっちゃんが即座に反応。
ハチマキを逆に奪い取っていた。
「嘘だろ…なんで……」
「てめェらあのキノコ女以外ほとんどのB組が仲良しこよしで中下位だったろが!分かりやすいんだよ!」
「僕たちの”個性“を後方から観察して”個性“を知ろうとした…いや、知ったんだろうけど、そう簡単に取らせないよ!」
「“本気”でこいや!トップになるつもりがねェなら大人しく見学してろザコ!」
「かっちゃん言い過ぎ! ああ、もう界くんがいないから……!」
「とっとと行くぞアホデク!!界から奪いにいくぞクソ髪ィ!!ついでに視界にいるそこんのB組からもだ!」
「僕にまで飛び火した!?」
「お前とそう変わらねえからな!?」
「(なんか荒れてるし黙っとこ…)」
「はよしろや!!」
「分かったって!」
「と、とにかく目の前から行こう!その後界くんの方だ!」
「ソッコーで奪ってアイツんとこ行くぞ!」
――――――
『さぁて、ここで7分経過!気になるであろう現在のランキングを表示するぜ!』
1葉隠チーム10000730Pt 7拳藤チーム0P
2爆豪チーム1145Pt 8物間チーム0P
3轟チーム970P 9耳郎チーム0P
4鉄哲チーム635P 10峰田チーム0P
5芦戸チーム585P 11小大チーム0P
6心操チーム260P 12鱗チーム0P
『1000万Pは未だ葉隠チームが死守!上位三位は全然変わってねえな!』
『突出してんな。まぁ葉隠チームの方は力で捩じ伏せられる拳王技と動きを阻害する小森の連携が大きいが。いくらチームとはいえA組やB組同士の分かっている組み合わせ相手に上手いこと対処出来ている』
(いや、もしくは小森が拳王技に
一話で終わらせたかったけど1万文字余裕で超えたので分割します。
次は12時に。
関係ないけどだいたい9時にしてるのはドラゴンボール改、超の放送時間だからですね。
菌糸についてはワン〇ースから。毒キノコ大量に生やす訳には行かないし
雄英体育祭本戦トーナメント三戦目(展開変わる)
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VS緑谷出久
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VS爆豪勝己