無個性だって必死で努力すりゃヒーローになれるかもよ? 作:絆蛙
立ち上がる際に手を貸してもらいつつ何とか体が動けるまで回復した俺はすぐにでも食事して回復に努めたかった。
なのに。
「僕たち二人に話って…?」
「で、何の用だよ。俺体力ないからとっとと飯食って回復したいんだが」
「それは悪ぃ。なるべく早く済ませる」
何故か話があるとか言われて人気のないところに連れ込まれたわけだ。
爆豪の”気“近くにあるけど大丈夫か?
まぁわざわざ言わなくていいか。
それに普段から熱を感じさせない立ち振る舞いをしている轟だが、今のこいつは氷のように一層冷たさを強く感じる。
真剣な話なのだろう。じゃなきゃ俺は既にここに居ない。
「……俺の父親が『エンデヴァー』だってことは知ってるよな」
「あー……まぁ…?」
「一応知ってるけど……」
え、っと。エンデヴァーってNO.2のヒーローだっけ?
確かそうだったはず。
といっても俺はあまり知識がない。基本的に修行ばかりしてきたせいでヒーローに対する知識ってよりも”個性“の知識の方が多いのが俺だ。
だから名前をあまり覚えていない。
ヒーローは多すぎて名前なんていちいち覚えてられないのだ。会ってきた人なら、”気“で思い出せるんだけど特徴だけで分かる隣のオタクとは違うからな。
アメリカのヒーローは知ってるんだけど。
雰囲気とは違ってゆっくりと語り聞かせる様に、轟が話を切り出した。
轟の父親はエンデヴァー。
このヒーロー飽和社会において不動のNo.2の地位を築き上げたという偉大な所業を成し遂げた人物。
エンデヴァーと接する時間が長かったからこそ、轟にとっての『力』の基準はかなり高水準になっている。
爆豪や八百万さんの”個性“さえ、『まあまあ凄い』程度に落ち着くんだと。
トップ2を見てきた影響で他人の”個性“への評価のハードルがあまりにも高いため、出久の”個性“を『とても強くて凄い個性』と評価しているらしい。
「つまり、俺はお前たちに親父みたいな……プロのトップクラスが鍛え上げた”個性“と同様の”ナニカ”を感じたって事だ」
で、”無個性“の俺も『気』を上手く扱えるから含まれたらしい。
いやまあ、俺の場合はプロのトップクラスというかオールマイトを超える宇宙最強の人たちに鍛えられた上に、師匠の戦い方をほぼコピーしてるからなぁ…。俺の実力が足りないだけで、師匠と打ち合うことは出来るだろうし。
というかなんで妙に鋭いんだよ、そこ。
「言っとくが、俺は鍛えただけだぞ。いや、マジで……死にかけた…こ、怖い。あの人怖い……”格“が違うのに防いでみろとか意味わかんねえ……」
未だに記憶にこびりついている幼少期の”死のイメージ“が上書きされるレベルで恐怖でしかない。
”界王拳“使っても防げない時点で無理だよ、師匠いなかったら死んでたぞ。
全身ボロボロな上に心臓止まって死ぬ直前だったらしいぞ、酷すぎる。
なんなら防げなかったから師匠が助けてくれなかったら死んでた。
俺、よく生きてるなってたまに思う。
昔の俺だから、今より圧倒的に弱いんだぞ…?
「何を言ってるか分かんねえけど…拳王技はもとより強いのは分かっていたから不思議じゃねぇ。あん時、
俺がトラウマを再発させて震えていると、轟が何か言ってた。
とりあえず思い出しても恐怖だけしかないから気合いで消去すると、出久が焦ってるようにも感じる。
不思議に思いつつ耳を傾けると。
「オールマイトの隠し子かなんかか?」
「……へ?」
「出久…そうだったのか……!」
「ち、違うよ!というか界くんは分かって言ってるでしょ! ま、まぁ本当に隠し子だとしたら否定するに決まってるし、納得はしないだろうけど…そんなんじゃなくて……」
「幼少からの幼馴染である俺から言わせてもらうけどマジでそういうのじゃないぞ」
「そうか。けど『そんなんじゃなくて』ってことは少なくとも何かしら言えない繋がりがあるってことだな」
あ、そうなるのか。
うーん確かに飯に誘われてたってのはあるけど、似た”個性“だったからでは?なんか今じゃ全然違うやつだったぽいけど。
枯渇してなかったら”気“を注視したんだけど、もう今はとにかく身体がダルすぎる。
早く回復したい。
「とにかく。お前がNo.1の何かを持ってるんだとしたら、尚更お前に勝たなくちゃいけねぇ。そしてお前もだ、拳王技」
「ん?」
「お前に勝たなくちゃ、俺はクソ親父を否定出来ねえ。おそらくお前は、誰よりもNo.1に近い…いやあの”脳無“を倒したことから超えているかもしれない実力を持っている」
「……話が見えないな、なぜ父親がさっきから出てくる?」
そう、こいつが話してるのは父親のことばかりだ。
てっきり出久とオールマイトの関係性、俺の”師匠“について何か勘づいたのかと思ったが、そういうわけでもない。
俺がオールマイトより強かったとしても、何故父親が関係してくるのか。
「……ここからは俺の”家“の話になる。
親父は極めて上昇志向の強い男だ。若い頃からヒーローとして破竹の勢いで名を馳せたが、それだけに生ける伝説であるオールマイトが目障りで仕方なかったらしい。No.1を目指し続けたが、結局自分ではオールマイトを越えられねぇと悟った親父は次の策に出た」
「次の策……?」
「一体何の話を…」
むしろ俺は今聞いてる限り、オールマイトを超えるための努力を続けてきたという良い印象なのだが。
誰も彼もが圧倒的な強さを誇るオールマイトを絶対視する中で、超えようとするなんて並外れた精神じゃなきゃ出来ないことだ。
名前の通り、”努力“を体現する名に相応しいもんだと思うが。
ただ諦めたってことか…勿体ないな。多分大事な”ナニカ“が欠けたか。純粋に心が負けたか。
「『個性婚』知ってるよな」
「!?」
「結婚を強いるもんだっけ」
確か個性婚とは、世代を重ねるごとに混ざり合い強力になっていく”個性“の性質を利用し、自身の”個性“をより強化しつつ子供に引き継がせるために配偶者を選び、結婚を強いる行為だ。
人類の個性発現からの第2、第3世代間で起きた社会問題の1つであり、その倫理観の欠如した発想から現代では忌避される行為となっていた。
授業でも学んだことだ。俺には一切関係ないからボケーッとしてたが。
けど、なんか予想ついたな。
「実績と金だけはある男だ。親父は母の親族を丸め込み、母の”個性“を手に入れた。俺をオールマイト以上のヒーローに育て上げることで自身の欲望を満たそうって魂胆らしい…鬱陶しい、そんなクズの道具にはならねぇ」
「記憶の中の母はいつも泣いている。『お前の左側が醜い』と母は
「…っ!?」
顔の左側、火傷痕を手で抑える轟。
あれは”個性“の影響ではなく、母から受けたものなのか。
けど母親を憎んでないってことは問題はエンデヴァーか。なんというか…想像以上に闇が深そうだな。
何より、その”感情“を俺は知っている。指の隙間から見えるその”目“も浮き出る”感情“も、あまりに---
「ざっと話したが、俺がお前らに突っかかんのは見返すためだ。クソ親父の”個性“なんざなくたって---」
いや、使わず1番になることで奴を完全否定する
あまりにも父親に対する憎しみに満ちていた。
心底憎いのだろう。
俺とは違うペクトルだろう。俺は両親を殺されて憎しみを抱いた。相手を殺したいと生まれて初めて思い、初めて”殺意“を抱いた。
結局、その”感情“はすぐに消えたが。
「…オールマイトとの繋がり、言えねぇんなら別にいい。お前がオールマイトのなんであろうと、俺は母の
これがコミックや架空の物語ならば、主人公のような背景だ。
ドロドロと渦巻くドス黒くて強い意志は、並大抵の決意や覚悟で踏み込んでいいものでは無い。
復讐か。片方の”個性“で十分だと、お前は必要なかったと証明したいのか。
で?
「は……?」
「お前、本気でそう思ってるんだったら俺はお前の評価を下げなくちゃならねえ。どんな家庭事情があったかなんて知らねえよ。確かに辛い思いをしたんだろう。苦しい思いをしたんだろうな。だけどな、本当にそれでなれると思ってるなら甘く見すぎだ。お前、まだ俺たちに勝ってすら居ないだろ」
「……次は勝って証明するだけだ」
「証明、か……。なあ、それでいいと思ってるのか?」
「なんだと……?」
人の家庭事情だ。
そりゃ家によっては仲が悪い家もあるだろう。
俺の家は良好だっただけで、それぞれだ。こいつの苦しみを真の意味で解ってやることは俺らには出来ない。
でも半分の力だけでやっていけるほど世の中は甘くない。
もしこいつが半分の力でやって行ったとして、目の前で誰かを喪ってしまえば? あの時、
もうヒーローとして立ち直れないかもしれない。
そんな無力感なんて、後悔なんて味わって欲しくない。俺のように、苦しんで欲しくもない。
「今のままじゃお前は置いていかれるだけだ。第一、
「っ、さっきの話を聞いて”恵まれた“だと……!? 人の気持ちを知らないで、よくそんなことが……」
「お前が話してる相手は”無個性“だぜ?恵まれてんだろ。喧嘩売ってんのかお前。いや売ってるか。それはいいや。俺も確かに恵まれたよ。
「何……?」
あの時師匠が来なければ、俺はそもそもこの世界にはもう居ない。
それどころか世界の危機だ。
まぁ、オールマイトを主体に数で押せば勝てたかもしれないけどな。あん時のオールマイト、今よりバケモノだし。
今の俺なら倒せるが、あの時の”大猿“はあの変に強くなった脳無以上の強さだ。
「自分だけが重たいもん持ってると思うなよ。俺の全部はもう、あの時に喪って得た。お前が話してくれたから俺も話すけど、俺は幼い時に
「な……ころ、された……?」
「何も出来ず、”無個性“でしかない俺はただ見てることしか出来なかった。逃げるように言われて、従うしかなくて、助けたくて、でも救うことも何かをすることも出来なかった。俺には”力“がなかったから。
そして俺だけ生き残って、助けられた。だから俺は両親の分も生きながら出来た縁を大切にして、死に物狂いで師匠についていって、何度も何度も死ぬ思いをして努力をして、昔から今に至るまで続けてきた。そしてようやくスタートラインに立ち、”個性“を持つ者と戦い、勝てるほどになった。それでも辛いもんもある……今も鮮明に思い出せるよ…」
あの時、強ければ……ふとした時に何度だって思う。
あの時にこれほどの力があれば、逃げることは出来たんじゃないか。
両親を救って、囮になれたんじゃないか。
でもそれは、あの時の俺にはどうしようもないことで。どうにもならないことで。
あの出来事があったから師匠に会えた。
両親を殺したことは許せないと思っているが、師匠と会わせてくれた”運命“ってやつにだけは感謝してもいい。
不思議なことに、早いか遅いかの違いに感じてしまうんだ。だからきっと、ああなるのは”運命“ってやつだった。
それどころか、お陰で俺は大切なものを今度は守れた。先生を、幼馴染を、友達を。
「でもさ。辛いことばかりじゃないんだよ。昔も、今もさ。
お前だって同じはずだ。全部が全部辛い思い出じゃないだろ。何かあるはずだ。お前が
胸ぐらを掴んで、俺の心からの本音をおもくそぶつけた。
本当は自分で気づいて欲しかった。
二つの”個性“は自分の力だと。そうすればきっと、こいつは大きく前に進むと思ったから。もっともっと成長出来るから。
本当に、勿体ないんだ。
血に、過去になんて囚われるなよ、お前はエンデヴァーじゃなくて、轟焦凍という一人の人間だろ。
人に教えられるだけが全てじゃない。自分で答えを出すのも大事で、俺はヒントを与えたはずだ。最初の訓練で、頭のいいお前なら分かるはずだろ。
でもどうやら根は深すぎたらしい。
だから外部から刺激を与えるしかない。
与えるしかないが---
「ッ、なんで、そう言えんだよ……。大事なもん喪って、なんで……」
「深いもんなんだろ。すぐに割り切れとは言わないからこの言葉は頭に入れとけ。そんで証明してやるよ。出久か、俺か、爆豪か。俺らのうち三人が、必ずお前に
「
額に指を突きつけて軽く押しつつ掴んでいた胸ぐらを離すと、轟は僅かに後方に退りながら憎しみが僅かに別の”感情“に染まって、眉を顰めていた。
何かを、思い出しかけたような。
だが、足りないか。言葉だけじゃ届かない。
なら拳と拳をぶつけ合ったら分かるだろ? どうせ俺たち三人が目指すのは優勝だ。絶対誰かが轟とぶつかる。
「轟くん…。僕は界くんみたいな過去はないから君の辛さも重さも、悲しみもその痛みも。
何も分かってあげることは出来ない。でも僕はずっと助けられてきたんだ。ここまで強くなったのは界くんが居てくれたから。かっちゃんが居てくれたから。さっきの試合だって、僕一人の力で獲った一位じゃない。僕は誰かに助けられて、ここにいる」
「笑って人を助ける最高のヒーロー、オールマイトのようになりたい。どんな相手にも立ち向かって勝つ、強くて誰かを守れる
そのためには、1番になるくらい強くなきゃいけない。君に比べたら些細な理由かもしれない。でも…」
僕だって負けられない。僕を助けてくれた人たちに応えるためにも僕は必ず
「…………」
真正面から覚悟を伝える出久を、俺は保護者面をして見守った。
轟は何も答えない。
ただ目を見て、逸らしたように見えた。というか俯いてた。
なんかすっげえ俺から目を逸らしてないかこいつ。
もしかして言いすぎた?
いや確かに両親のことは今も辛いけど前を向いて進むって決めたし両親の分まで生きる道を選んだし師匠を超えるという目的も出来たからそんな気にしなくても。
師匠居なければ仮に生きてたとしても人として心の方が死んでたと思うが。
「……時間取らせて、悪かったな…」
結局轟は何かを言い返すことも、出久の宣言にも答えることはなく。
それだけ言って去っていく。
去っていく背中はなんだか、元気がないように見えて。
なんか、ごめん…。
「ねぇ、よかったの? その、両親のこと話して…」
「ん?まぁ、轟だけが明かすってのもな。それに説得力増すかなって」
「いや、そうじゃなくて…」
「……過去に囚われてちゃ前に進めない。俺はそれをよく知ってる。それより…聞いてたんだろ爆豪。聞くまでもないと思うけどな」
俺が声を掛けると、爆豪は普通に出てきた。
”気“の存在を知ってるから隠れるのは意味が無いということを分かっているのと、そもそも俺らに対して隠れる意味がないからだろう。
「ああ、他所の家庭事情なんか知らねぇ。舐めプすんだったらそうさせねえように全力を引き出させるだけだ」
「それでいいと思う。俺も本気でやるだけだからな」
「ハッ、まだ
「ブーメラン返ってきてんぞ。てか、出久も爆豪も同じだろ」
「……ケッ」
「あはは……」
誰も否定しない。
そりゃそうだ。本戦で力を引き出すために徐々に力を出していってたのは俺だけじゃない。
俺が以前からしてたように、負けないように”その段階での全力“でやっているんだろう。
やりすぎてしまうのと、消耗を抑える目的もあっただろうけどな。俺は結局消耗したからあんまり効果なかったけど、本戦までには回復するだろう。俺の”気“が不調じゃなくなって回復速度も上がってるし。
「次は本戦でな」
「おう」
「うん」
それよりも飯を食べねば。
ムシャムシャ、ガツガツガツガツ、バクバクバクバク、ズババ、モグモグ―――
「よ、よく…食べるんだな」
俺は何故かB組のほとんどの女性陣たちと食事をすることになってしまったが、気にせずに食べていた。
ちなみに隣の席は小森さん。席を確保してくれてたらしいから物凄い勢いで頭を下げた俺は悪くないと思う。
だって食堂埋まってたんだぞ? あやうく本戦前に野垂れ死ぬところだったぜ。
いつもなら遠慮するというか遠慮したけど話を聞きたいと言われたから席もないし申し訳なく思いながら参加させてもらった。
俺の周りには色とりどりな料理の数々。肉やら野菜やらキノコやら魚やら麺やら漫画盛り白米やら。
美味い!美味い!
「
「ふむふむ、胃袋も人よりも大きい…と。もしくは身体能力だけでなくその他の器官も常人よりも強固になっているんでしょうか。一体何をすればこれほどのものに……この体付きはそう簡単に出来るものではありませんし”個性“に依るものではないとなると……」
ちなみに発目さんも居るんだけど、隣を確保してきたかと思えば体を触られてる。
普通に擽ったいけど、離れてる分マシだな、体は密着してないし。うん。
諦めた。
元々連絡先交換する手筈で、ついでに飯食べようって感じだったし。もう済ませてる。
あと体に関しては死ぬ気で鍛えただけだよ。動けなくなることなんてしょっちゅうあった。
今考えても桁がおかしいけど、”界王拳“の負荷考えたらあれでも全然足りてないんだよな…最大倍率もそこまで高くないし。
重力室がないから、できる限りの体作りと”気“のコントロールで倍率を上げられた方だと思うけど…。
俺は師匠と違って変身能力がないからな。だからこそ、”戦闘力“より”技“や”技術“を優先したんだと俺は解釈している。
強くなるだけにしてたら、今より遥かに強かっただろうけど技術面が弱すぎてゴリ押ししか出来ないだろうし、コントロール技術が下手くそなら”界王拳“なんて二倍、もしくは三倍出せればいいか程度だっただろうし。
長い目で見たらどっちがいいかなんて考えるまでもない。
「んぐ、えー…と。ごめん。名前なんだっけ。俺は拳王技界。知ってると思うけどヒーロー科のA組」
「そりゃ、あんな活躍してたらね。私は拳藤一佳、同じくヒーロー科でB組だよ」
「同じくB組の取陰切奈だよ」
「柳レイ子」
「ん」
「そうか、拳藤さんと取陰さん、柳さん、小大さん、ね。よろしく」
「え…?今小大ちゃん喋ってなかったノコ…」
「ワタシ、角取ポニー! ヨロシクお願いシマース。拳王技サン、トッテモPowerfulでAmazingデシタ!」
カートゥーン調の女の子、角取さんが笑顔で褒めてくれた。
この人純粋な人だな。
それに日本人じゃないから染まらないか心配になる。特にあの物間って人、あんな優しい小森さんからあんな評価受けてたし。
悪影響なければいいが…そう考えたら爆豪とも会わせたくないな?
「おお。ンーと、
「
「
「
「そっか、なら
なんて言うんだったか、と思いつつ言わない方がいい気がしたので抑えた。
なんか告白紛いのことを言いかけた気がする。
英語、難しい。
「驚いた……多少ならともかくそんな流暢に話せるんだ」
「むぐむぐ、まぁ修行だけじゃなくて勉強も言われてたし。英語は覚えて損しないだろうから。本当はもっと話せたらいいんだろうけど」
「一緒にお勉強シマスか?」
「角取さんがいいならいいよ」
「ワタシはダイジョーブ!」
「そっか、みんなで勉強会とかありかもな。俺、B組にも興味あるし」
「でも拳王技くん頭いいからありと思うノコ。戦略を立てるのも上手だった」
「そうですね、お陰で本戦でもアピールチャンスが出来ました!」
「ね」
「拳王技も厄介だったね。全然他を寄せ付けてなかった」
「死角でもバレた」
何故か褒められたが、騎馬戦に関しては結構余裕なかったんだよな。
今は”気“が回復してきてるけど枯渇するほど消耗したし。
「いやいや小森さん居なかったら普通に負けてたよ。発目さんのベイビーにも救われたし、俺の機動力は単体でやったら騎馬が崩れるからアイテムなければ使えないし」
「まだまだ改良の余地ありです!」
「サポート科は公平を期すためにアイテム持ち込みOKだもんな。当然だけど。小森は驚くほどくらい強くなっててびっくりしたなぁ。私、足元掬われちゃった」
「私自身もあんな使い方出来るとは思わなくて…」
「小森さんならもっと応用出来ると思うけどな。ただ個人的に拳藤さんとは戦ってみたかったな、体の使い方が”武“を知ってる者だ」
「へえ、よく分かったね」
「俺は武闘家だからな。そんくらい分かる」
歩き方や動き方、または立ち振る舞い。
なんにも知らない者と知ってる者じゃ異なる部分が出てくる。といってもそんな出てるわけじゃないから、普通なら分からないだろう。
「私も拳王技と戦ったら…って気になるけどさ、なんていうか勝てるイメージ湧かないんだよね。弱気って思われるかもしれないけど」
「勝負はやって見なくちゃ分からないぞ。俺だって手も足も出ない相手と何度も戦ってきたけど、決して”心“だけは負けないようにしてたからな」
「心、か……そうかも。うん、だったら今度頼んでいいか?」
「そりゃもちろんッ!!」
「お、おう。凄い勢い…」
思わず身を乗り出して拳藤さんに返事した。
嬉しくてつい。強い人と戦うのは好きだ。ここの人たちはみんな”可能性“に溢れてる。
すぐ席に戻った。
「というか、拳王技でも手も足も出ないって…何?オールマイトとかそれレベル?」
「俺の”師匠“。オールマイトよりも強いよ、間違いなく」
「おそろしや…」
「オールマイトよりデスか!?」
「ちょっと色々と特殊な人でね、表には出られないんだ。でもヒーローではないけど俺の知る中で最強の人だよ。今の俺が複数人居ても間違いなく勝てない」
「それは……確かにオールマイトより強いか…。拳王技って多分トップヒーローと同じ…もしかしたらそれより強いでしょ。色んなこと出来るし」
「ん*1」
「だからすごいノコ?」
「うーんすごいかはともかく、俺が雄英に入れた理由だな。一人だったら俺はここに来ることすら出来なかったと思う。トップヒーローより強いかは戦ってないから分からないな。オールマイトとかと戦っても負ける気はしないけど、戦闘経験の差では負けてるし」
ただなんかあの人、追い詰めたら覚醒しそうな…主人公みたいな雰囲気あるから負けそうな気がする。
戦ってみたいけど、本人忙しいだろうし。機会があればいいけど。
「普通に考えたら学生の時点でオールマイトに負ける気がしないって言葉出てこないからな…?」
「いやぁ……オールマイトって天候は変えれても惑星壊せないし……」
「惑星……え?壊す?」
”南の銀河“破壊して無人で廃墟だらけの星にした
信じられないと思うから、多分ジョークだと思われてるかもしれない。俺も普通なら信じられないぞ。
それより師匠は強いんだから、本当に目指す場所が遠すぎる。それでも諦めることはない。
何年掛かろうが、必ず。
それにあの強化された脳無を考えたら、いずれとんでもないやつらが現れるかもしれない。師匠が戦ってきたヤツらみたいな、そんなやつが。
その時、戦えるようにもっと強くなる必要があるんだ。
……世間では隕石として処理されてるけど、サイヤ人っていう前例があるしな。
「はえ〜……ソーイエバ、拳王技サン、色々してましたネ?どういう”個性“なんデス?」
「”無個性“」
「ん?」
「え?」
「?」
「嘘…?」
「what?」
「だから”無個性“」
『えぇええええええええっ!?』
あ、やっぱりこうなるんだ。
と、知ってる発目さんと小森さん以外驚いていたので、俺はまたしても”気“について説明した。
ついでにB組の人と仲良くなれた気がする。
男子たちとは女子たちと解散した後にちょっと話せた。
やったぜ、ぜひ戦ってくれよ。
ちなみに誤解招いて欲しくないんですけど、作者はアンチじゃなくエンデヴァー好きです。というかヒロアカのキャラはみんな好きです。
改善前は殴っても許されると思う。ただ親バカのところとオールマイト引退後のエンデヴァーは好きです。曇らせもいいね。
英語は翻訳使ってるから間違いあるかも。
エンデヴァー
-
とりあえず殴っとくか
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(問題解決のため)轟のために殴り込む
-
何もしない(勝手に曇る)