無個性だって必死で努力すりゃヒーローになれるかもよ? 作:絆蛙
二次限定で日間最高12位週間14位までランキングめちゃくちゃ上がっててテンション上がって休日の時間を執筆に使ってめちゃくちゃ書いた(語彙力万丈)
これで最終回じゃないってマジ?戦闘だけは完全にDBとなりました!!
*実はまだ体育祭も続きます。
今引き出せる最高倍率を引き出す。
気功砲のせいで、既に持って5分程度だ。
長引けば俺の敗北は確定する。
”気“を全開状態で戦ったとしても消費すればするほど”戦闘力“が下がる。それなら最初から”界王拳“で限界を超え続けた方がいい。
対して出久も引き出せる全てを出したようで、髪が逆立っているし、青い光が外側に出ている。
恐らく内側のエネルギーが外側にまで発せられているのだろう。俺の”界王拳“のように。
それでも凄まじい”気“の高まりだ。
”本気“を出す価値があるか。そして俺の期待に何処まで応えてくれるのか。
お前はヒーローになれる人間だ。だからこそ、もっともっと強くなれるだろ?
「さあ、第2ラウンド始めるとすっか」
「もう、ひとつ」
「…何?」
早速始めようと構えた俺だが、出久の言葉に訝しげに見つめる。
てっきり全部を出したかと思ったが、まだ何かあるのか? 出久は増強型だ。恐らく今は腕がぶっ壊れたことのある出力だと思う。
”気“の高まりがそうだし。
以前よりかは比べ物にならないほど強くなっているようだが……。
それでも俺の方が未だに上だ。
ならもう一段階あるのか?
僕の
そう宣言した出久は自動車のシフトレバーの操作を模したような動作をした。それは
トランスミッション!!!!
そして出久が視界から消えた。
視線を動かせば既に懐に居り、俺は両腕で防御態勢を取る。
今までと比べ物にならない一撃が腕に伝わり、普通に耐え切る。
亜空速どころか
ついに音速の壁まで軽々と突破したようだ。
オールマイトかよ。
いや恐らくあの動作をした後だから今のオールマイトを超えてる。
「
一段階ギアが上がった。
目で追える俺は拳を軽快に避ける。
どうにかして当てようと連続で攻撃してくるが、瞬時に見極めて避ける。
これはもしかして、速度を上げる力?
増強型なら可能なのか? 俺と似て似つかない力だったらしいし。
敵意を察知したのは感覚の強化。鞭はそのまんまエネルギー。浮くのは”舞空術“のようなもの。煙幕は応用。赤い光は集中。この加速はフルカウルを維持しつつ速度の強化…と納得は出来る。
それにしては、まるでそれぞれ”別々の個性“のように感じてしまうのは気のせいだろうか。
「
まだ上がるのか、と目を見開く。
だが、まだ遅い。
障害物競走や騎馬戦と違い、今の俺は単体だ。
単体ならば今の俺なら音速なんて足だけで行けるし、ちんけな舞空術でも余裕で突破出来る。
「
さらに上がり、足場が持たないため一気に上昇する。
下を見れば出久は腰を深く落とし、両脚に赤い光が纏われていた。
あれは確か、最初ん時の……。
”発勁“解放!!
「……!?」
完全に見失い、
師匠を含む格上くらいにしかそんなことは経験したことはなく、今より遥かに”戦闘力“が低かった時の俺ですらあの脳無やオールマイトを捉えることが出来たというのに、だ。
自分の
位置に関しては”気を“感じることで把握できる。
即座に振り向きながら頭上を見上げると、右腕を大きく引いている出久の姿があった。
まるで雷を纏っているかのように稲妻が強く走っていて。
「デトロイト---」
「スマァァァッシュゥゥゥゥッ!」
「がぁっ……!?」
無事な右手で受け止めようとしたが、ガード越しに凄まじい力が襲いかかり、防御が崩れながら一直線に真下へ落下した。
ステージを破壊するどころか衝撃波だけで破壊し尽くし、俺はそのまんま地面を突き抜けた。
――――――
『音が遅れて……え? 一瞬で…はぁああ!?どうなってる!?』
『円盤ではスローモーションで編集されるらしいぞ。真実はそこで確かめろ』
『宣伝かよ!つか、拳王技は大丈夫なのか!?地面砕けるどころかクレーター出来てんぞ!!』
『まずいかもしれんな。このままだと余波だけで会場が壊れるかもしれん。試合を強制的に止めないといけなくなる』
『え、そっち?』
「デクくんすご……」
「あれ、死んでないよな?大丈夫だよな!?なあ爆豪!!」
「あの程度であいつが死ぬわけねえだろアホ面。ちゃんと防御してたわ。片手しか使えないせいか押し負けて崩されてたけどな」
「す、すげぇな爆豪。俺なんて目で追うのでやっとだったぜ…気づいたら居たって感じだったし」
「同様ノコ」
「いやお前ら見えてんのかよ!!」
「全く見えませんでしたわ…」
「同じく。せいぜい軌道が見えたくらいだ……緑谷、俺の時もまだ”本気“じゃなかったのか」
「いや、十分でしょ…」
「てっきり消えたもんだと……」
「あいつらかんっぜんにオールマイトみたいじゃねぇか!」
「拳王技くん……」
―――――――
一撃を叩き込めた。
間違いなく今引き出せる全部だ。
でもなんだ、この感じ……?
手応えはあったのに、全然勝ったと思えない。
五分。
”変速“に許されてる時間は今の僕ではそれほど。100%も併用してるから、実際には半分ほどしかない。
「デェヤアアアアア!」
「やっぱり!」
底から一気に加速してきた界くんの一撃を避け、一気に突っ込む。
同時に界くんも突っ込んできて、僕と界くんの拳がぶつかりあった瞬間、そこを中心として衝撃波が空間を揺らす。
互いに弾かれるように離れ、右拳を一気に突き出す。
同じ、動作。
違うのは僕は界くんが地面に沈んだ時には予め一定の動作を繰り返すことで運動エネルギーを蓄積していたこと。
再び”発勁解放“!
TEAXS SMASH!!
拳圧と拳圧がぶつかり合い、竜巻を起こしながら天へと昇る。
対して僕は冷や汗を掻く。
ダメだ、五速まで引き上げた上に”発勁“を使って互角にしかならない!
オールマイトの”個性“だぞ!? それどころかOFAの、かつての継承者の力! 実質1対9だというのに!!
”個性“もなく渡り合ってくるなんて、しかも片手!!
本当に恐ろしすぎるよ、界くん…!!
それでも勝ちたい…!
再び仕掛けようと考えたところで、ふと辺りが暗くなってきた。
僕も界くんも同じように空を見れば、そこには晴れていた天気が曇り空ではなく暗雲が生まれていて。
次第に、雨が降り始めた。
―――――――
「なんだ?さっきまで晴れてたのに…」
「空が、暗く……?」
「…雨?」
「嘘だろ……?」
「あの二人、拳圧同士ぶつけただけで天候を変えたってのか…!?」
「それって…」
「ああ、間違いねぇよ!これが学生ってのかよ!?」
「まるで」
プロを含め、観客すら意見が全く同じだった。
ぽたぽた、と降り始めた雨は、次第に強くなりだした。
――――――
効いた。めちゃくちゃ効いた。
こいつ…一瞬とはいえ、俺を超えやがったな。
まさかこれ程強くなってるとは俺も思わなかった。”気“だけじゃ測れない強さを持っていたか。
しかもまさか同等の拳圧を撃ってくるとは。
気持ち山吹き飛ばすつもりでやったんだけど。
ただ天候は変えるつもりはなかったのに変わったじゃねえか。俺が常闇にやらずに我慢していた気持ちを返して欲しい。
――――――
合図はなかった。
二人が同時に消える。
否、
拳王技が突っ込み、緑谷が突っ込み。
音が響く。
ガッ!!
ドン!ドン!ドン!ドン!
ドガガガガガガガ!!
打撃によって発生した衝撃波が空間内に拡散した。
衝撃と打撃音が幾度も響く。
大半の者が視認すら出来ず、見えてるのはオールマイトを含め数人程度。
そんな彼ですら、No.1に君臨する彼すら驚愕していた。
この速度、威力。
---どれにおいても、
目まぐるしく身体の位置を入れ替えて攻守逆転しながら二人は激しい打撃戦を繰り広げ、上昇しつつ僅かな距離で攻撃を交わし合う。
もはや音速レベルの戦いではない。
一発一発が雨粒を範囲的に吹き飛ばしている。その空間だけが、二人が戦っている場所だけは雨が降ってないかのようだった。
互いの一撃は学生どころか、プロの域を遥かに超えているだろう。
シュピン!!
消えた。
緑谷が止まったため、彼が周りを見渡してるところが誰の目にも映る。
ならば、拳王技はどこだろうか。
見えない。どこにもいない。
速すぎて消えたレベルなのだろう。
―――僕よりも速い!だったら、”黒鞭“に”変速“を乗せて…!!
視認することを諦めたのか緑谷が黒い鞭を周囲に伸ばすと、暴れ狂うように緑谷を中心に手当り次第に攻撃し始めた。
しなやかに、それでいて風圧によるバリアが生み出されるほどの高速スピード。
シュピン!シュピン!シュピン!
防御型の”個性“でもない限り防ぐことはおろか、掠っただけでも肌が斬れてしまうだろう。
風圧によって近寄ることすら難しく、出来たとしても高速の鞭が襲いかかる。守りにおいては最善手とも言える。
しかしそんな音だけが響く中、ドゴォ!!と鈍い音が響き渡り、緑谷が吹き飛ぶ。
風と鞭のバリアすら突破され、緑谷は顔を苦しげに歪めながら横腹を抑えていた。
つまり、そこに一撃をもらったということ。
目視できたのは数人程度だろう。
実際には拳王技が高速で動きつつ全ての鞭を避けて突破しただけ。
何も見えない人からすれば消えては現れてはを繰り返したように見えたに違いない。
そして停止。
姿を現した拳王技に傷はなく、無傷で突破したということが物語っている。
赤と緑の閃光が駆け抜け、今度は拳王技が吹っ飛んだ。
左腕を支えとして両腕をクロスしており、勢いを殺すと同時に緑谷の片脚に残っていた赤い光が再び開放され、ドリルのように回転した足が両腕に突き刺さる。
止まらない回転に次第に熱が集まっていき、雨が蒸発していく。
ガードが破られる前に拳王技は押し出し、ほんの一瞬で下に下がることで抜け出す。
突き抜け、エアフォースと”浮遊“の力で止まった緑谷は空気を殴って加速。
落下しつつ上下に回り、勢いをそのまんまにかかと落とし。
内側から凄まじい力で逸らされ、空気圧だけが横に放たれていた。
空中でなければ間違いなく被害が出ている威力。
咄嗟に下がり、緑谷が再び突撃すると、拳王技は両手を合わせるようにしてハンマーのように叩きつける。
スレッジハンマー。
直撃―――
「
「!?」
レバー操作。
急制動。
カウンターとして合わせた拳王技の一撃は空振り、誰もいない、既にステージがステージとしていない地面にだけ衝撃波が直撃する。
「
からの、レバー操作による超加速。
突如遅くなり、すぐに最速へ。
空振った拳王技は、彼でなくても隙の大きい動作をしてしまったあとは反応出来ない―――
「なっ……!?」
想定外。
躱された影響で通り過ぎるだけになってしまったが、拳王技は追撃せずに見つめていた。
「
そう、拳王技は自由自在にそのままの速度で動けている反面、緑谷は複雑な動きが出来ていなかった。
赤い光を纏った速度は拳王技を上回るものの、それだけに過ぎない。動きが直線的すぎるのだ。
速さに反応が追いついていない。まともに打ち合った場合、拳王技に軍配が上がる。
勝ってる点は、さっきの部分。
物理法則を無視した急制動は拳王技すら完全には不可能だが、緑谷は可能とする。
赤いオーラを纏った際には速度を上回る。
その二点のみ。
しかし。
ギャウン!!
加速する。
咄嗟に緑谷は上に逃げたが、追いついた拳王技が背中を蹴り飛ばすと、背後に回って追撃。
次第に右手と両足だけで圧倒し始めていく。
何とかギリギリのところで防御に成功していた出久だが、突き出された拳に両腕を交差して受け止め、押し出される。
両腕からは、痺れるような痛みが走っていた。
「さっきより速い……!」
倍率が上がったわけではない。
ならばなぜ速くなったのか。
そんなのひとつしかないだろう。
---
高まり続けていく…!
まだまだ俺は先に行ける……!! 師匠が導いてくれたから、師匠を信じているから……今よりもっと!
眠っていた”潜在能力“が目覚めていくのを知覚していた。
その影響か界王拳のオーラが上昇し、
顔を顰め、だんだんと縮めてコントロールを元通りに修正。
今までより多くではなく、少なめに。
なんだ…?今、界王拳の制御が出来なかったような……急な成長に俺の肉体が追いついていないのか……?
10倍はまだ使える……。
俺の地力が引き上げられたのか。一気に増えた”気“に一瞬コントロールが乱れた。
成長に合わせてコントロールをしなければ過剰分まで使ってしまって10倍を突破して俺の肉体が先に持たなくなる…!
でもなんでだろうな。
練習する必要があるって考えていたはずなのに……”舞空術“に
---くそ、まだ強くなるのかよ…!!
既に五速まで使ってるのに、届かない!!
まだ!
まだ先へ、もっと、もっと……!!どうせ今は”変速“の完全制御なんて急に出来るようにはならない!
なら僕がやるのは、オールマイトのように…!
もっと強く、もっと速く!!
ゴリ押しで!!!
体が壊れようとも!!!!
ワン・フォー・オール---
そしてそんな彼を超えようとする強い想いが、
---ただでさえ”変速“と100%の制御だけで精一杯なのに体が軋む……! ちぎれそうだ…!
このままじゃもう長くは持たない。
制限時間はあと1分。でも正確には、30秒もない。
一気に決めるしかない……!!
――――――
『なぁ、もう何も見えねえんだけど、実況どうすりゃいい!?』
『拳王技のやつ、戦いながら成長しているな…』
『いや見えんのかよ!』
『目で追えるだけだ。慣れろ』
『無茶振りサンキュー!流石担任!!』
「ど、どうなってるんだ!?」
「デクくんは!?」
「拳王技くんが押してるノコ」
「あいつ……また成長しやがった……ッ!出久の野郎も、同じだ…!」
「信じられねえ……まだ強くなるのか、あいつら…!!」
高めあえる存在。
拳王技にとって、本当の意味で今まで居なかったのが大きい。
彼は追いかけられる側で追いかける側ではなかった。
無論、師匠という追いかける存在はいるが、それは遥か次元が違うレベルの格上。
しかし彼の中には、遥か格上と戦ってきたという”経験値“がある。
言うならばゲームで言う”レベルの上限“を超えて貯まってはいるが、”限界突破“が出来てないせいでレベルアップすることが出来ないという状態で経験値が留まっている状態なのだ。
鍛えることで素の実力は上がっていたが、速度は実戦に比べれば雲泥の差。
その経験値を引き出し、上限を解放するには”本気“で互角レベルでぶつかり合える存在が必要だった。
強化脳無は格上。師匠も格上。
その格上に対して”潜在能力“を解放しようにも、自分で引き出せないため埋めようとする力が働かなかった。
そもそも”気“とは精神力でもある。
彼の精神面が強い影響を及ぼす上に、脳無に関しては”界王拳“という切り札を使えば、という思いや限界だと、自分の強さを信じられない、という思いがあったせいで余計に働かなかった。
現に自分ではなく師匠を信じることで自らの鎖を一つ解き放ち、脳無を圧倒したのが証拠だ。
その時のことは、未だ彼の中にずっと残っている。
しかし彼と師匠ではまさに天と地どころか地と宇宙、次元レベルの差だったのだ。
例え”界王拳“を使おうが届かないだけでなく、差が大きすぎて成長出来なかった。
故に眠り続けていたが、緑谷が追いすがれるレベルまで成長していたことにより、それがほんの少しだけ開放されたに過ぎない。
強敵やライバルという存在が、より高みへと導く。
かつて彼の師匠が、そうだったように。
そしてそんな彼に呼応するように、同じく緑谷が”個性“の殻を破った。
本来引き出せる出力の限界を超え、更に向こうへ―――。
――――――
”気“が上昇していた。
どうやら出久もまた、パワーアップしたらしい。
俺も戦い前より”戦闘力“が遥かに増えた気がする。
しかしそろそろ決着をつけるべきだろう。
はっきり言って俺の左手の感覚が完全になくなりつつあってヤバい。
”界王拳“の負荷も相まって多分バキバキに折れてる。
そりゃもう既に焦げてる手を酷使したらそうなるよな。仮にそれがなくとも、出久を見た感じ全力でぶつかるべきだろう。
ステージが完全崩壊してるため、場外ではない場所にゆっくりと降り立つ。
意図を読んだのか出久も着地すると、壊れてるのもあって出久は瓦礫の山に降り立っていた。
「出久、そろそろ終わりにしよう」
セメントス先生が守ったり他のヒーローが瓦礫とか処理してくれてたお陰で観客に被害は行ってなかったし敢えて空で戦うことで被害がいかないようにしていたが、出久も限界が近そうだし俺も左手がやばそうなので、そう告げた。
包帯が真っ赤に染まってることから、それは分かるだろうが。
もう痛覚消えてるしな。
「そ…うだね……」
左手以外はまだ余裕のある俺と違い、出久は体力がかなり減っている。
正直ここまでやれると思ってなかったのが本音だ。お陰でパワーアップ出来たが、勝ちはいただく。
『どうしたどうした!両者一歩も動かない!』
『この様子……決着は近いな。緑谷の消耗具合を見るに時間を稼げば確実に勝てるだろうに、正面から行くつもりか』
俺も出久も動かない。
雨が降り、地面に落ちる音だけが響く。
それが何秒続いたか。
わざわざ数えてない俺には分からないが。
雷鳴が轟く。
同時に俺は地面を駆け、出久は瓦礫を粉砕しながら加速してきた。
地面を踏み締めて迎撃体勢を取る俺は左手を前に右手を逆手にしつつ拳を握りしめ。
出久は加速しながら赤い光を拳に纏い。
互いの一撃が強い衝撃波を引き起こす。
上へ吹き飛ばすために放った一撃と正拳突き。
凄まじい力の衝撃にボロボロだった互いの体操着が持たずビリビリに破れる音だけが聞こえた。
だが---
「俺の勝ちだ、出久」
赤い光が消え、上から一気に押し出す。
出久の左腕が大きく後方に弾かれ、左拳を握りしめた俺は、腹部を殴った。
「がっ……!?」
出久の体がくの字に曲がり、力を失ったように地面に落ちる。
腹部を抑える出久を見下ろして、トドメを刺すべく俺は---
――――――
届かない……まだ、届かないのか……。
悔しい。
これでいいのか…?
いや。
よくない。
僕は、僕は……彼に勝ちたいんだ…!!!
―――”九代目“
この、声……?
初代……?
なんで…っ!?
”手短に“
”ここまで使えるようになってるとは思わなかった。でも今の君だけでは、彼には勝てない。彼の力はより高みへと登り、今の君の力を、”OFA“を超えている“
”でも君の”超えたい“という想いは廃れてないだろう?“
”だから“
”
―――――
「ま、だ……」
「……?」
動けない威力で殴ったはずが、声を発したことで俺の動きは止まった。
違和感。
なんだ、この感じ……分かっている。今すぐ攻撃すべきだ。
そうしたら俺の勝ちは揺るがない。
でも、だけど。
「ま、だああああああぁぁぁ!!」
”気“が
出久の出力が上がった影響か、衝撃によって僅かに引き離されると出久は走ってくる。
「受けて立ってやる……来い!!」
避ければ勝てると分かっていようが俺はそんな選択を取らない。
今度こそ出久は全てを使ってくるであろう。
逃げも隠れもしない。
真正面から受け止めるべく構えを取った俺だったが、接近してくる出久の気迫に俺の意識が
光を見た。
白。
青。
赤。
黄緑。
橙色。
紫。
桃色。
黄色。
連鎖するように続いていく光の線。
なんだ…、どうなってる!?
”気“の高まりが尋常じゃない!
それどころか、なんで……なぜ出久から
オールマイトだけじゃない!
1つ2つ3つ4つ---
こんなことが有り得るのか!?個々が持てる”気“というのは一つでしかなく、さっき挙げたように特殊な力がなければ不可能!
しかも何より、オールマイトの”気“が出久から感じることなんて俺や師匠のように”気“に覚醒したものに”気“を分け与えることで一時的なパワーアップを測る、という手段が使えない以上、有り得ない……!!
そして出久は、9つの、緑の光を右手で掴み取るように拳を握り締める。
俺の中の警報が全力で危機感を知らせていた。
あれは……ヤバい!!
流石に周囲を気にせずやるとは思えないが、迎撃するにせよ衝撃波が被害を生み出しかねない。
瞬時に”気“を周囲に全力解放させ、バリヤーを応用させて細かく付与させる。
地面を伝わるようにして会場全体を”気“の膜で防御を強化した。そのせいで大量に消費してしまい、”界王拳“の制限時間が一気に縮み、”戦闘力“が大きく低下した。
迎撃。
左手を使うことが不可。
流す。逸らす。いなす。
不可。
足。
片足で防ぎきれるとは思えない。
不可。
避ける。
可能。
しかし相手の”全身全霊の一撃“だ。するつもりは無い。
つまり、右手で受け止めるしかない!!
分析。
そして予測。
左腕を立てて支えとして利用し、突き出された拳を右手で受け止めようとした俺は突如発生した煙に視界が遮られた。
「しまっ」
同時にボディーにブローが突き刺さる。
これは、左の方か。
俺の体は上空へ一気に吹き飛ばされ、後頭部に一撃。
地面に叩きつけられた俺は体がバウンドして。
意識を失うには十分すぎるほどの威力。
たまりにたまった右拳を既に向けている姿が俺の目には移り---
負ける。
負ける?
ここで負けたら。
負けて。
俺は、師匠を超えることが出来るのか?
こんなところで負けて、立ち止まって。
勝てるようになるのか?
否。
ここで負けたら超えるなんて夢のまた夢!!
負ける訳には行かない。
例え相手が
---そうだ。怒り。逆境。強い想い。
そいつらがおめえに更なる力を引き出させる!!限界なんて超えちまえ、界!
声が聞こえ、思わず目を向けた。
最前列。
そこには
”気“は感じられない。
そうか、俺が感じ取れないようにして……見に来てたんだ。
ずっと、見てくれてたんだ。
ああ。
左手が原因で負けた?
---言い訳だ。
師匠が見ている。
全快なら勝てていた。
バリヤーを貼ったからなんだ!
左手が使えないなんてハンデがあるからどうした!!
俺の恩人が!憧れが!目指すべき人が!
俺を見てる中で
出来るわけないだろ!!
俺の実力じゃ全然足りない!師匠には全く及ばない!
それに瞬間的とはいえ、9人分の力を持つ出久は今の俺を遥かに上回っている。当たり前だ、俺一人の”気“と比べたら向こうの方が上になるのは当然だ。
”個性“の影響かそれぞれ持つ”気“に差はあれどかなりのもの。オールマイトが出久の一部として入ってるのも大きいだろう。
だが、師匠に近づくならその程度に負けていいのか!?
本気で近づきたいなら!超えたいと願っているなら!
100人分だろうが1000人分だろうが数万数億くらい上回って見せろ!!
爆発させる!俺の”気“!
この瞬間、動けなくなろうと---!!!!
「ま、けるかぁあああああああ!!!」
さらに膨れ上がった”気“のコントロールを”界王拳“の制御にのみ割り当て、出力の制御を捨て去る。
最大倍率の、先へ。
10倍を超え、
カラダもってくれよ!!
20倍ィイイイイイイイ!!!
――――――
―――危機感知が、今まで以上に!?
それに赤いオーラが、拡大されてる!
でも、だとしても!!
僕一人の力じゃ届かないけど、紡がれてきた義勇のココロによるチカラの結晶で---。
君を、超える!君に勝つ---ッ!!
勝つのは俺だ---ッ!!
ワン・フォー・オール
デトロイト---
―――超える。その意味を、乗せて!!
ビヨンドスマッシュゥウウウウ!!!!
ギュイイイイ!!
ドガアアアアアン!
『うおおおおぉぉぉ!?窓が割れたァ!?地面が砕けたァ!!なんつー衝撃だよ!? 土煙で全く見えねえ!!どうなった?どっちが勝った!?ミッドナイトもセメントスも無事かぁ!?』
『この膜……拳王技がこうなることを予感して周囲に張り巡らせて守ったか。だが、試合は……』
『な、何とか無事よ。ただ結果はまだ……』
セメントスの防御が何重層にも覆われてなお、セメントがギリギリ保つほどの威力。お陰でミッドナイトも助かった訳だが。
ミッドナイトの”個性“ である眠り香を使っても一切衰えてない。
しかも殴られた訳ではなく、力のぶつかり合いで起きた衝撃でこれだ。
煙がステージ全体を覆い、いつの間にか天気すら変わって太陽がまた顔を出していた。
そして結果が明かされる。
『こっ、これは---ッ!?』
「はぁ、はぁ……ぁぐっ!?」
緑谷。
場外。
ただし、両膝を着いて呼吸困難な上に右腕が変色するほどに折れている。
100%の影響で全身がボロボロで動くことも不可能。
「ぐ、ぅうう……っ!?」
拳王技。
場外。
ただし、”界王拳“の負荷で両膝を着いたまま全身の骨がバキバキに折れている。
迎撃したであろう右肘が曲がって折れている。
本人は慣れてるのでやろうと思えば動けるが、戦いとなると死を覚悟すべき。
両者。
場外。
ただ力の差が分かる点としては、緑谷は壁に叩きつけられていたのか明らかに人がぶつかった跡があり、拳王技はラインをギリギリ越えてしまった、という点。
ただし、これは試合である。
ステージが全部崩壊して地面がボコボコだったり割れたり隆起してラインそのものが消えているが、定められたルール上、この結果は。
「りょ、両者ともに……場外!!只今の試合!ドロー!!」
喝采も歓声もなく。
ミッドナイトの宣言をされても静けさが訪れていた。
誰も喋らない。
いや喋ることが出来なかった。
おおよそ学生どころかプロでも見ることが叶わない戦い。
誰もが目を奪われ、誰もが我を忘れ。
「く、そ……これ、でも…ま、だ……」
「……いでえ……」
緑谷は気を失い、拳王技は力を失ったように後ろへ座り込んで、さらなるダメージに一人悶えた。
う、ぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!
そして、一瞬の沈黙の後に先の戦いを超えるんじゃないかというくらいの空間を揺らす大盛況。
全身バキバキな上に悶え苦しんでいた拳王技へまさかの観客からのオーバーキル。
既に”気“が使い果たした影響でほぼ失われ、普段纏っている分すら消失しているため防御力もなく、ただの”無個性“の少年となったボロボロな彼は耳から血を噴き出しながら白目を剥いて気絶した。
実質上、拳王技の勝利とも言えるし、実戦ならば勝っていたのは彼だが、試合は試合。
雄英体育祭、準決勝。
引き分け。
ステージは完全に崩壊し、搬送ロボが二人を運んでいく。
重傷者二名というあまりに異常な状況を生み出しながら。
Q.潜在能力がちょびっと解放されて強くなってたけど主人公どんだけ成長したの?
A.体育祭前→”舞空術“はラディッツ戦悟空レベル。
”戦闘力“→通常時2000。安定3000。最大出力4000程度。”10倍界王拳“で40000。
出久戦→”舞空術“、ほぼ極まった。Z戦士並み。
万全な状態の”戦闘力“→通常時10000。安定15000。最大出力20000。”20倍界王拳“で400000。
*ただし出久戦は10倍の時点で2〜3万。成長後は6万。バリヤーでほぼ枯渇したのでラストでせいぜい100000程度。
Q.発勁+継承者パンチ
A.滅茶苦茶ヤバい。進化前の主人公を遥かに凌駕する一撃。
黒鞭による補強すら貫通するレベル。
”戦闘力“もOFAのバフがそれぞれ9人に乗ったため、ブロリー映画の悟空みたいな雑魚のパワーを集めた一撃みたいなもん。
ラストの界くんとほぼ互角の一撃。戦闘力換算すると90000くらい。
結論。現状出ている人物だと界くんじゃなきゃ無理。
Q.もしバリヤー貼らなければ?
A.相殺してないのでセメントスやミッドナイト先生の妨害があっても体育祭どころか大☆惨☆事。
なんなら会場の崩壊が起きて終了。
即避難が始まってた。
Q.20倍耐えれるの?
A.成長後も無理。師匠バフで無理矢理超えた。
そもそも主人公はここで負けるはずが、後の出久や爆豪のことを考えたら最強として君臨しないと万全の界くんにずっと勝てないしダメでは?となんか勝手に成長した。
体は限界超えすぎて今まで以上にぶっ壊れた模様。実はこれでも界くんの経験上、負荷のヤバさは二位。
なお”気“=”体力“なので出久と違い、体育祭中にリカバリーガールの治癒で
〜おまけ〜
界くん→”界王拳“の制御が……!(即理解して修正する変態的なコントロール技術)
”潜在能力“→ 半分”気“に覚醒。
初期。目覚めたらどういう状況?とりあえずこの野良サイヤ人許さねぇからなぁ!
修行中→カカロット強スギィ!?数千億?数兆?数十兆?強すぎて分からん。え、さらに上あるの?え、50倍?100倍?400倍?4000倍?え?まだ上?まだまだ残してる?
こんなん成長させたら宿主死ぬぅ!がんばれ♡がんばれ♡(サボり中)
出久戦→おっ、久しぶりの強敵じゃーん!約十年ぶり!なに?宿主滅茶苦茶強くなっとるやん!カカロットに負けられん!もっと強くなるで!!
出久→OFAの出力が……!(たすけて)
OFA→なんやこのバケモン!?もしかしてAFOに対抗すべくではなく、実はこっちでは?よぉし、宿主オールマイトみたいに強いし逝けるやろ!プルスウルトラしろよ!これからはワイらも積極的に強くなるで!(無慈悲)
口に手を突っ込んでガタガタ震えている平和の象徴→えっ、緑谷少年!?大丈夫!?え!?なんかOFAおかしくない!?私もなんか感じるんだけど!?あんれえ?出力変化した!?というか拳王技少年本当に”無個性“だよね!?こわっ!!
全国テレビ中継視聴中の全国民の前で界くんに弟をNTRれて脳破壊された金玉『は?』
数分間壊れた先生と片手で実質勝利したチート野郎にドン引きする死柄木弔→でもやっぱり俺が殺すね(完全に主人公)
技。
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技は六星龍の旋風回転刃、名前は他作品だけどワタルの風神丸から取った技。
鞭に”変速“を使うことで生み出す鞭と風圧のバリア。普通は近づけない。仮に近づいても鞭によるダメージで裂傷が生み出される。
・デトロイトビヨンドスマッシュ
オールマイトを超えて。
拳王技界という最強の向こうに。
ふたつの意味が込められたデトロイトスマッシュの強化技。
普段はデトロイトスマッシュを成長させただけの威力。
9つの力が集まるのは普通は起きない。
参考程度に。本編のみかその他(日常、修行、ヒロインとの話、オリジナル編など色々)ありか 後者はDB要素や他のヒーローや他の生徒など多くのキャラとの関わりが増えると思われ
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本編のみ
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その他