無個性だって必死で努力すりゃヒーローになれるかもよ?   作:絆蛙

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休むにも区切りが悪いので次回までは何とか投稿します。次で体育祭は終わり予定。掲示板はどうしようかな。やってもいいけど需要あるか?
その後はちょっと休ませて、流石に睡眠時間含めてキツイ。あとそろそろヒーロー名考える。未だに悩んでるせいで書けないので…。







雄英体育祭:最終種目⑪ 爆豪勝己:オリジン

 

「俺のために争うなーッ!」

 

ハッ、と僕とかっちゃんは意識を向けると、界くんが立っていた。

しまった、普通に忘れていた。

なんか凄い怒ってる!! 今にも殺気が溢れるというか”危機感知“が煩い!!

無視したのは悪いと思ってるけど、そこまで!? 殺意を抱くほどなの!?

 

「いい加減にしろ、この野郎ッ!!」

「うあっ!?」

 

反応するより早く顔面を殴られ、怯んだところで蹴り飛ばされる。

”界王拳“使ってないのに力もスピードも上がってる!? なんでさっきより成長してるんだ…!!

 

「ようやく出てきたか界っ!俺があいて……」

「人を放置してッ!!何が! 本気だぁ!?」

「がはっ!? な、何怒ってんだてめぇ…!?」

「怒る?怒ってると思うのか!?怒ってるが!?」

 

容赦なく腹を殴られたかっちゃんが反撃で顔面を爆破しても怯むことなく界くんは胸倉を掴み、かっちゃんの体を激しく揺らしていた。

残像が出来るレベルで。

 

「この……」

「やるなら気配をちゃんと隠せ!」

「うおっ!?」

「!?」

 

反撃に出ようとした僕に全力投球するようにかっちゃんを投げてきて、立ち止まれずに僕は見事直撃して背中から倒れた。

 

「いっつつ……」

「う、ぷ…よ、容赦なく揺らしやがって、まだふらつく……!!」

 

僕とかっちゃんがほぼ同時に立ち上がると、界くんは佇みながら見つめてくると、指をくい、と動かして挑発してきた。

余裕って感じに。

二人がかりでかかってこいとでも言いたげで、僕とかっちゃんは顔を見合わせた。

……多分同じことを考えた気がした。

 

「出久」

「かっちゃん」

 

 

 

 

 

一時休戦だ!!

 

 

 

 

 

「絶対ぶっ潰す!!」

「後悔しても知らないぞ、界くん!」

 

 

 

 

 

変速(セカンド)

 

 

 

 

トランスミッション!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――

 

 

 

 

この野郎挑発しやがって。

こっちとら不完全燃焼もいいところなんだ。戦えないと思ってたから戦えることは有難いが、”本気“のこいつは一瞬しか無理だ。

それでも”界王拳“を使用せず、騎馬戦の時以上の強さになってんのかよ。本当に弱ってんのか?

けど……俺はまだ負けたわけじゃねえ。

こいつが先に行ったら、俺ももっと先へ行く。

こいつが強くなる限り、俺も止まらねぇ……!

 

出久が”本気“を出したのが見えた。

なら俺も使うしかないか。

腺に玉を溜め続けた結果、ニトロが全身の汗腺から溢れるようになる。

もう一人(どこか)の俺から知ることが出来た技のひとつ。

二週間。

痛みを克服し、制御を可能としたクラスターの副作用…!! どうすれば使えるか感覚で掴み、完全に物として発動の短縮も可能とした今、即座に使用することが出来るようになった。

 

こいつで超える---!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

ようやく俺のことを認識したか。

全く……人を置いて”本気“でぶつかろうだなんて羨ましいことさせてたまるかよ。

争うなら俺を倒してから争って欲しいものだ。

二人がかりでもいい、かかってこいと挑発した。

 

いや、マジでそのつもりなのかよ。

いいけど、今の肉体だと常時10倍は身体がぶっ壊れるから使えないんだよな。下手したら後遺症残るし、流石にそんなバカはしない。というか嫌だからそうなる前にそこは降参する。

ただいくら制御が出来ても体が限界なら意味が無い。俺、今ドーピングで無理矢理動かしてるようなもんなんだ。

仕方がない、2分間ならいけるだろう3倍で我慢だ。

それなら持つはず。

というか迷ってる場合じゃねぇ!

 

五速(オーバードライブ)!」

「3倍だあ------ッ!!」

 

拳と拳が衝突し、出久の背後で爆炎の華が咲く。

咄嗟に拳を解いて邪魔な出久を後ろへ流し、足を突き出す。

超加速。

ブレるようにして避けられ、胸に爆破を受けて吹き飛ぶ。

 

くそっ!また体操着がッ!! 耐久値が無さすぎる!!

邪魔な体操着を脱ぎ捨て、ついでに包帯も解いて投げ捨てる。

あっても邪魔になるだけだ。

俺は別に気にしないけど流石に下半身はヤバいのでズボンだけは”気“で死守しているから問題ないが、俺体操着新しいの着てきたばっかなんだけど。

やっぱり俺、上半身裸で生きるべきなのだろうか。道着が恋しい。

 

「MANCHESTER SMASH!!」

「オラァ!!!」

「うお……っ!」

 

出久のかかと落としを右腕で受け止め、右足だけ浮かせながら地面が陥没する。

すぐに上へ弾き、爆豪の一撃を右腕で防御。

離脱するように跳ぶと、同時に跳躍して拳を突き出してきた。

出久の方が速いが、爆破の勢いでついてきている。

なんつー速さしてんだ。ただこっちも出久並の速度を出すのは見た感じ制限時間ありっぽいな

普段はもうちょい遅いだろう。だいたい出久のレバー操作する高速化使用前と同格レベルか。

 

とりあえず右腕を横にして防御。

加速して左右から攻めてきたので、逆さまになってコマのように回転。

軽い竜巻擬きを形成しながら吹き飛ばして距離を引き離すと、停止と共に両手を左右に広げて気功波を放出した。

爆破と衝撃波が気功波と相殺しあい、腕を腹部を守るように防御。

衝撃が襲いかかり、顔面を掴まれる。

爆竹のように爆ぜたかと思うと、一気に爆発した。

さらに後ろの首に凄まじい衝撃が走り、叩き落とされる。

 

顔面を爆破するだけでなく首って……折る気かよ。

俺じゃなかったら今ので気絶してたぞ。

 

うつ伏せから前方へ飛び、転がりつつ勢いのまま立ち上がると回し蹴り。

左腕を立てつつ右手で支えていた出久をそのまま蹴り飛ばし、左方に動きつつ即座に地面を蹴り、爆豪の顔面を掴むと地面に叩き付ける。

俺を起点に三角形を描くような動き。

さらに掴んで抵抗してくる爆豪を無視して掌に細かい気弾を形成し、俺がやられたのと同じことをまんま返した。

掴まれていた手が落ち、両手を合わせて高威力の爆破によって吹き飛ばされる。

 

「タフなヤツめ」

「限界じゃねぇのかよ。どういうカラダしてんだ」

「どっこいどっこいでしょ!」

「おっ!?」

 

鞭が体中に巻き付けられ、”気“を解放して剥がす―――剥がれない。

硬い。なんだ!?

赤いオーラが纏われて……これが原因か!!

 

「げぇっ!」

 

一気に引っ張られ、顔面にストレートが一発。

吹き飛ばされる前に拘束が解かれ、回りながらタイミングを見て両手を地面に向けて気功波を撃ち、強引に勢いを殺しつつ場外を避ける。

”気“を感じ取って振り向くように上空を見ると、光の粒が見えた気がした。

気づいた時には遅く。

連鎖して爆発が起こった。

 

「どう---」

「10倍ッ!!」

「な……ッ!?」

「悪いな、先にダウンしてもらうぞ」

 

普通に当たったが瞬間的な超加速。”戦闘力“の急上昇により、今の俺は出久と戦う前の倍以上は強くなっている。

意識を刈り取るように俺の一撃が爆豪の脳を揺らした。

あともうちょい……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――

 

今でも鮮明に思い出せる。

ある日を境に、界の野郎が居なくなっちまった。

あの頃は認めてなかったが、心のどこかでは認めていたんだと思う。

”無個性“という何の力もない二人の幼馴染が居て、同い歳のやつらも先生も皆が口を揃えて俺をすごいと褒め讃えた。

一方で”無個性“だと診断された出久や界が居たからより俺はすごいのだと自分でも強く思った。

みんな俺よりすごくないんだと。

 

変化が起きたのは間違いなく浅い川に落ちた時のことだ。

出久は俺を心配して助けようと手を差し伸ばしてきた。

そんとき見下された、と感じたんだ。界は出久に着いてきただけで手を伸ばしてきたわけではなかったが---。

 

何より当時はまだ小さいのもあり、”無個性“だというのにヒーローを目指すと言い続ける現実が供わない行動や拒絶しても自分を追いかけてくる感覚に理解ができず不気味で、自身の弱さを棚に上げて遠ざけたいと言う理由から出久を虐めちまった。

否定することで自尊心を保つために。何も持ってないやつより俺の方がすごいんだと優れてるんだとたまに感じる劣等感を覆い隠すように。

 

 

毎回だ。

その度に界は必ず乱入してきて、出久を庇うように何度も俺に立ち向かってきた。

それもあって出久のことは守られてばかりの無力で非力な木偶の坊と思っていたが、界は違った。

勝てないと分かっているくせに。何も持ってないのに。あいつは逃げることもその場で震えることもなく、身を犠牲にしてまで立ち向かう強さがあった。

何より界もまた、出久のように自身のことを勘定に入れてなかったから。いや、ある種では出久よりも()()()な部分があったからかもしれない。平気で自分の体を盾にするようなやつだ。

だから出久と同じで俺には理解出来ずに---何度だって返り討ちにした。

返り討ちにして、どれだけ叩こうが殴ろうが何度も繰り返しても何度だって向かってきて、折れることがなかった。

唯一違うのは今思えばあの時はヒーローを目指してなかったくせに誰よりヒーローらしい姿だった、ということか。

だというのに小学1年生の時くらいだ。

突如姿を消した。

それも家族を含めて全員だ。

信じられなかった。

どんだけボコボコにしようが怪我させようが泣くことすらなく立ち向かってきたアイツが蒸発するはずないと。

またすぐにでも立ち向かってくると。

しかしそのうち、考えないようになった。

界は逃げたんだと、思い込んで。

やっぱり自分は間違ってなかったんだと、小学1年生なのもあって単純な考えに行き着いた。

 

そして一年半経った頃だった。

ババアや引子さんと仲が良かった結空(ゆあ)さんが二人に何も言わずに去るはずもなかった。

今ならそんなことは考えなくても分かるが、当時は別だ。

後に聞いた話だったが、一人帰ってきた界はやけにボロボロで服も所々破け怪我してて、まるでヴィランにでも襲われたんじゃないかというほどだったらしい。

しかも本人は俺の母親や引子さんに事情を話すだけ話してまた行方を眩ませては少し帰ってきて、を繰り返していたとか。

 

それから半年後。

俺が再び会ったのは三年生になった時。

復学という形で戻ってきた界を見た時、心底驚いた。

あんなに何処か無気力で諦めたような、何も夢がないような熱を持っていなかった目をしていたやつが、光を宿していたんだ。

それどころか服の上からでも分かるほど、体は本当に同学年かと思えないほど出来上がっていて、最後に見た時とはあまりに別人だった。

腕にはリストバンドみたいなやつを付けてたし、靴もブーツで何処か重そうに動いていたから。

無事だったのか。何処に行ってやがった。逃げたくせにおめおめ帰ってきたのかよと考えてたことが一瞬で吹き飛ぶほどの衝撃だった。

 

話があると言われ、俺は大人しく従った。

色々と言ってやりたいことがあったという思いもあった。

しかしまあ。

 

『爆豪、お前まだ同じこと繰り返してるんだってな。そんなに出久が怖いか?』

『…は? あんな石ころに誰が…!』

『自覚してないのか?…勿体ねえな……っし、俺と戦え、爆豪。俺が勝ったら出久に謝れ。自分の弱さに向き合えよ』

『……メリットがない』

『じゃあこうしようか。俺が負けたらこれから先、お前の下についてやる。戦いに関しても足しか使わない。腕は一発だけにしてやる。それとも逃げるか?』

『ふざけんなよ…! じょーとうだ!!今まで俺に勝ったこともないやつが! 体鍛えただけで上だと思うんじゃねぇ!』

 

あん時の俺じゃどう足掻いても勝つことはできなかった。

ハンデをつけたのも勝てる勝てないじゃなく、()()()()()()から来るものだったんだろう。

けど当時は嘗められている。思い知らせてやる、二度と逆らえないようにしてやると意気込んで―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『っ、はぁ……はぁ……む、むかし…かっら…。言って、だろ…! お前はそんなに強い”力“があるだろ…。 だったら逃げるなよ…!出久に向き合え…! こんなところで終わるようなやつじゃねぇだろうが! お前の強さを誰が目にしてきた? 誰が近くで見てきたと思う……!お前らの強さは()()()()()()()()んだよ…! 前を向いて、顔を挙げて、自分を見ろ! 本当の自分を隠すな!! その姿はお前が憧れたオールマイトが()()姿()なのか!? 今のお前は! 今のままじゃ』

 

---出久にすら勝てねぇよ!!

 

俺は負けた。

完敗だった。

完全な、敗北。

勝てなくて、頭では人に向けたらダメと分かっている”個性“を使っても勝てず、与えられたダメージは全部あいつが俺の気持ちを受け止めるために受けた攻撃だけ。最後は殴り飛ばされて終わった。

分からない。理解できない。自分の気持ちを上手く表せないことにイライラして、出久に当たって、そんな自分が弱く思えて向き合うのが怖くて。醜い自尊心と劣等感から目を逸らし続けたこと。

他にも気づかないフリをした心の内を丸っ裸にさせられて。

それを無理矢理、見つめさせられた。

 

『やってみろよ、言葉だけじゃ分かんねぇだろ。今のお前が前に進みたいって願うなら出久と戦ってみろ。お前が本当にオールマイトのようになりたいなら、強くなりたいなら、前に進みたいなら。ヒーローになりたいなら。

過去を精算して前に進まなきゃ不可能だ。ちゃんと向き合って、話そうぜ。後悔なんてしないように。それが出来るのなんて……』

 

 

 

 

 

いつまでか分からねぇからさ……。

 

 

 

負けたという理由もあった。

でも一番は、界の目が酷く悲しそうで表情が辛そうで、俺が手も足も出ないくらい強くなったはずの界が弱く見えたことが一番の理由だった。

なぜだか、説得力が、言葉の重みが違った気がした。

 

 

 

 

 

 

だから言われた通り戦った。

 

『かっちゃんはオールマイトに憧れたんだろ…! 今のかっちゃんは、胸張ってオールマイトに憧れてるって言えるのかよ! 終わりにしようよ…かっちゃん! 僕がすごいと思ってる君は、そんなんじゃない!

勝利の権化の君だから!

どんなときも諦めず勝とうとした君の姿が! 僕に、僕たちにないものをたくさん持っていた君は!

()()()()()()()()()()()()()()()()だったんだよ!! だからずっと、僕は君を追いかけてきたんだ!!』

 

出久とは界と違い、互角だった。

道端の石ころだと思っていたあいつは、いつの間にか俺に並ぶほど強くなっていて。

ようやく界の言葉を理解して、出久の光を見て、勝てないと悟った。

そして負けた。

理解したんだ。

自分の弱さに、本当の弱さに。

優位に立とうとして、気づかないフリをして、逃げ続けて、自分を保とうとした醜い心に。

自分に持ってないもんを持っていた出久や界に嫉妬していたと。遥か先にいるようで嫌で見たくなくて認めたくなくて。

 

取り返しがつかなくなる前に、おかげで素直になれた。

出久に謝ることが出来て。

許してもらって。

これからはもう、繰り返さないと約束して。

 

その後だ。

俺が界の両親---大地さんと結空さんが(ヴィラン)に目の前で殺され、行方不明の間、界が助けられたらしい”師匠“という人物の元で過ごしていたと知ったのは。

 

出久は先に知っていたらしいが、あの目も表情も全部理解出来てしまって、それでも前に進んでいる界に自分が情けなくなった。

俺のために。

出久のために。

他人のために。

自分の辛い経験を糧にして同じようにならないように。

俺は生まれて初めて、二度も同じ日に泣いてしまった。

謝って許されると思っていなくても、何度も自分がしてきたことを泣きながら謝って。

 

『かっちゃん……僕も向き合ってなかったからこうなっただけで…ちゃんと本音で話し合ったのなんて…は、じめて……だ、し……ぼ、ぼく、のほう…こそ、ごめん……っ!』

『お前まで泣くなよ、俺は慰め方なんて修行してないから困るんだが…!!

…ああーほら!それより強くなるんだろ。俺もヒーローになる。お前も、出久もヒーローになる。だったら今日からは友達で幼馴染で、好敵手(ライバル)だ。いつまでも泣いてたら置いていくぜ?』

『な……な゛い゛で゛い゛ね゛ぇ゛……!』

『……そっか』

 

この日。

この時。

界が居たからこそ俺は変われた。

こいつが居なければ俺はもっと出久に対して酷いことをしていただろう。

本当の意味で強くなることが出来なかっただろう。

 

返せるもんなんてない。

そういうためにやったわけじゃないと言われるのがオチだ。

だから決めた。

もう逃げないと。自分の弱さを受け入れ、克服し、強くなると。

今度は、対等な存在として。隣に立つんじゃなく、追い抜くように。

ずっと上に居続けるこいつらに絶対に負けないように。

 

そうして、()()宿()()()気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---そうだ。

今も変わらない。俺の気持ちはずっと同じだ。

No.1になるには界という()()を超えなくちゃならない。出久という()()()()を超えなくちゃいけない。

負けねぇ。

前の俺ならまだしも、手も足も出なかった。

今の俺は本当の意味で戦えるようになった。

界の隣に立てる。

立てても、意味がねぇだろ……!

まだ先を行くこいつに追い抜かれているだけで隣にすら立てない。

もっとだ。

 

もっと、もっと強く。

俺は負けるわけには行かねえ---!!!

 

 

 

 

 

 

 

自分の”個性“がより高まる感覚と共に。

自分の中でさらに爆発した気がした。

すると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……がっ!?」

 

()()の威力と範囲が広がり、更なるスピードをもたらして界を吹き飛ばしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

すごい!

今のかっちゃんは僕の五速(オーバードライブ)すら超えているかもしれない…!

本当に凄い人だよ、君は…!

 

僕なんて複数の”個性“を利用してようやくなのに。

このままじゃ僕も置いていかれてしまう。

 

超えるんだ。

かっちゃんに負けないように。

界くんに負けないように。

僕は、勝つと決めたから。

もっと強く、速く。重たい一撃を撃てるように!

 

今度こそ、必ず---!!

 

 

 

 

 

 

 

 

”さっきの戦いでもそうだったけど彼は僕たちを超えてる。

”だからこそ、僕たちもまだ、上に行かなきゃ。今の君ならまだ先に行けるよ、九代目“

 

 

 

 

 

声が聞こえて、OFAの出力が高まっていく。

75%よりも、さらに上に。

”黒鞭“で補強して、無理をすれば---!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワン・フォー・オール・フルカウル---1()5()0()%()!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

マジかよ 、なんでこいつら”気“がまた上昇してんだ!?

3倍とはいえ、さっきより高まってるってのに…!!

 

「僕も……僕だって、もっと……ッ!!!!」

「ぐほっ……!?」

 

出久の”気“が上昇したかと思えば消える。

咄嗟に右手で迎撃するが、力負けして叩き落とされた。さっきより速くて速度が乗ってるせいで威力が上がってる!!

なんだこのバグ組…!

俺の知る中で一番バグってるんだが、お前らおかしいだろ!!

連続で覚醒(バグ)は流石に俺も予想外すぎて理解ができない!!

 

本気でやばい。

今の三割程度しか出せない俺じゃ技術と経験だけで補えないほど、勝てないレベルになってる…!

一体何がそこまで……いや、今は考えるな。

だったら立ち向かえ!

 

 

「ぐ、ううう……!?」

「か、は……く、そっ……!」

「っ、つつつつ……!」

 

痛みが蘇ってきた俺。

どうやらドーピングの時間切れらしい。

まずい、あと一発で倒れる。

そして出久も爆豪も、今の力は限界を超えた力らしく、長続きはしなさそうだ。

これは……。

 

「…出久。爆豪」

「た、ぶん……考えてること、同じ……!!」

「次だ……!次の一撃で、全部終わらせる……!!」

「そう言いたかった…!!」

 

流石幼馴染と言うべきか。

全員考えてる事は同じで、俺たちは限界まで距離を離した。

二人とも今の力を振るってくるだろう。

万全なら負けないとは思うが…。

でも瞬間的な一撃じゃ全身全霊の一撃は防げるか怪しい。

なら俺も、やるしかない。

あとちょっとの我慢だ。限界を超えろ。

 

 

両手首を合わせて手を開き、体の前方に構える。

腰付近に両手を持っていき、体内の”気“を集中させる。

数秒だけでいい。

10倍へと引き上げ、残ってる力を限界まで引き出す。

これで、ようやくさっきの試合で出した最後の一撃と同じ力。

体が軋む。

アドレナリンの影響か痛みは薄いとはいえ片足でしか踏ん張れないから威力は下がっているだろう。

 

でも他は折れちゃいない。10倍が限界でも、この一撃なら拳よりも強い威力を出せる。

それにこっちなら相殺も出来て被害は抑えられるだろう。

 

今までより巨大な”気“の凝縮されたエネルギーが形成され、並行的に制御する。

いくらコントロールに優れているとはいえ、肉体がボロボロ過ぎてコントロールが難しい。

 

対する爆豪は両手を左右逆方向に向けて爆発を連続発生させ、出久は右拳に赤いオーラを纏わせていた。

それぞれの持つ、必殺技。

自分の全部で、今---!!

 

 

 

 

 

 

 

10倍界王拳!!!!

 

 

 

榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)ォオオオオオオ!!!!

 

 

 

デトロイト・ビヨンドォオオオオオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

勝利だけを求め、一気に解き放つ---!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かめはめ波ァアアアアアアアアアア!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

デュアルクラスタァアアアアアアアアアアアアア!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スマァアアアアアアアアッシュ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カッ……!!!

 

 

 

チュドォォオオオオオオオン!!!

 

 

 

真っ白な光が空間を、世界を支配した。

 

 

 

 





界くんの成長。
実はさらっと怒りで1000くらい上昇してたりする人か怪しいけど人。
残った力を出し切ったので出久戦の20倍と同じくらい(つまり今の彼の万全な状態の通常時で10倍使った時並に)は出てる。
かめはめ波は”気“を凝縮して放つ技のため、正確には細かい数字切捨てて115000くらい。


榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)デュアルクラスター
ハウザーインパクトクラスターを一気に二連発叩き込む技。
威力の進化によって速度の変化が齎した結果であり、現時点の”地力“や”“個性諸々含めて覚醒の影響もあって無理矢理拳王技くんのように戦闘力換算すると威力的にはだいたい100000くらい。
ただしさらに上昇した爆破の最大威力は出久の変速のようなものなので、負荷が強すぎて長続きはせず数秒が限界。
出久曰く、この時は75%の五速(オーバードライブ)を超えてるらしい。

150%フルカウル
爆豪を見て己の限界を超えた状態。
準決勝と違い、フルカウルでの使用なので威力はその分高まってる。ただし全力で黒鞭で補強して数秒が限界。
威力としては爆豪と同じくらい。
準決勝の継承者パンチの影響もあり、OFAそのものが高まったのだと思われる。





おまけ。

何とか回復したらまた脳破壊された金玉→は???
(外野で曇りまくるエンデヴァー)
(後継者が心配で仕方がない平和の象徴)
(試合中ちょっと見せられなくてカメラに一切映されない18禁ヒーロー、退場中)
(拳王技にブチギレしてる相澤先生)
(実況を諦めたプレゼントマイク)



ここでようやく主人公の由来を話せるため、少々説明。
拳王技 界。

界→

王→  界王拳

拳→


王→奥
    奥義
技→義

王→奥
    奥(の)手
拳→手

技→技(気)に優れた。

つまり、彼を構成する名前は全部”界王拳“だったりする。
なので、実際には界王拳くん。

母親→拳王技 結空(ゆあ)
結ぶ、空と書いて結空。

父親→拳王技 大地
そのまんま大地。

大地を結ぶ、空。
その二人から生まれた子供→界
*界とは、くぎり。さかい。境目。世界。物と物とが接する所。境界。物事の分かれ目。範囲内の地。境地。場所を意味する。

参考程度に。本編のみかその他(日常、修行、ヒロインとの話、オリジナル編など色々)ありか 後者はDB要素や他のヒーローや他の生徒など多くのキャラとの関わりが増えると思われ

  • 本編のみ
  • その他
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