無個性だって必死で努力すりゃヒーローになれるかもよ? 作:絆蛙
メテオが今のところトップか。作者もメテオは大好きです、ありがとう青春時代。それもあったから候補に入ったんですけどね。
Wii版だったからリア友とやってた際にコントローラーが一台しかなく、リモコン、ヌンチャクで頑張って勝ってたのが懐かしい。むしろ譲ってそっちでやりすぎてコントローラーが弱かった。なんでやねん。
もう交友はないけど。悲しいね。
ただ結局ZEROはあんまりやらなかったな、期待してたよりかは期待外れだったというか、思い出補正もあるだろうけどやっぱりメテオが最高だった。あの戦闘中にストーリーが入るところや技、原作まんまの展開やifストーリーにボイスあり。GT悟空の龍拳変化はめちゃくちゃ好きだったぜ。
なお恐らく全プレイヤーに破壊されまくったであろう未来ステージ。
ZEROは語らねばなるまい…のところはトップレベルで好きです。
メテオ未プレイの方はやってどうぞ、今でも負けないくらい神ゲーなので。
話が逸れたけど期限はもうちょっとかな。今書いてる最中なんで。
ということで時間稼ぎ投稿どうぞ
「俺がやっておいてなんだが……本当に人間か……?」
「いやぁ、効いた効いた。さすがエンデヴァー。USJ以来だな、生死彷徨うことになったのは。あと人間です」
「ほ、本当に大丈夫なの?お医者さんに見てもらった方が……!」
「あっいえそれは大丈夫です。というか私情で喧嘩しました、ってなったら問題になるでしょう。目撃者は居ないと思いますし、居ても俺が燃えながら落ちてるところをエンデヴァーが助けた…って感じだから大丈夫だとは思いますけど。流石に俺もNo.2の地位から落としたいって訳でもないですし殴ってスッキリしたので。あとこんくらい慣れてます」
「な、慣れてる…?でもその怪我は……」
「無理するな、拳王技。すまねえ…止めるべきだった」
「そりゃあねえだろ。それより飯頂いてよろしかったんですか?」
俺は今、轟家で飯を食べさせてもらうことになっていた。
俺が目を覚ましたのは一時間経ったあとくらいだったらしい。
俺の超爆発波が破られたことははっきり言って予想外だったが、避けられたかと言えば避けられた。
ただそれじゃ意味が無いと思って受けたわけだが。別に試合形式や殺し合いに来たわけじゃないしな。俺が避けたら意味が無い。
それでもまさかエンデヴァーが
オールマイトの”気“の膨れ上がり方とはまた違うな。あっちはなんか出久が強くなってから急に上がったし、また別なのだろう。
こっちはマジのそれか。
出久や爆豪とは比べ物にならねぇ。
恐らくある程度”気“の影響も出ている。いつも以上に熱への耐性も出来ているだろう。
完全に目覚めたってわけじゃないし半分未満だからまだまだ目覚めることはなさそうだが。
でも、もっともっと俺も鍛えないとなぁ。
ぶっちゃけ”気“を纏ってなければ本当に死んでたけど、そもそもなければ俺はマジで鍛えた肉体しかないから攻撃系の”個性“ならば誰相手でも死ぬ。
「焦凍のお友達だし、お父さんの件もあるから……」
「……すまん」
「じゃあ遠慮なく。別に俺はいいけど、全部解決したわけじゃねぇからな。そこは間違えんなよ」
「ああ。冬美や夏雄や…何より焦凍と冷にもこれから罪を償っていこうと思っている。許されようとは思っていない。それでも…すまなかった」
「お父さん……」
「…………」
「心配ないですよ、なんかあったら俺がぶん殴るんで。イラついたら呼んでください」
「頼む」
「焦凍ォオオオオ!?」
「……ふふ」
あのエンデヴァーが土下座するという面白そうな画があったが、残念ながら上半身の服全部燃やされた上にリストバンドもなくなったしスマホが壊れた俺は写真を取れなかった。
というかなんで俺の服は毎回犠牲になってるのか。元々戦うつもりじゃなかったせいで戦闘向きの服じゃなかったのが痛かった。
出費が嵩張る……。
そもそもどうやって重量のある服やリストバンドを俺が用意すりゃいいんだ…っ!神様でも居ねえと無理だろ……!! コスチュームじゃないから申請出来ないし。
もう師匠がくれたもんも軽いヤツしかないぞ…!!あれが一番重いやつだったのに!
それにまずい。
最近バイトしてないというか呼ばれないからそろそろ両親が残してくれたもん以外の金がない。
やはりサバイバル生活に戻るべきか。
明日から山暮らし始めよ。
「でも本当に凄いな、拳王技くん。お父さんと戦えることもそうだけど…私たちが何も出来なかったことを成し遂げちゃって」
「ちょっとしたきっかけで変わることもある……それを俺は教えてもらった。それに自慢の友達なんだ」
「やめろ」
「それにしても凄い食欲ね」
「…ここまで食べる学生は見た事がないな」
「冬美さんの美味いっすね。お陰でめっちゃ進みます」
「あら、ありがとう。そう言ってもらえるとすごく嬉しい!」
「ずっと姉さんが作ってくれたからな」
「おいエンデヴァー」
「本当にすまない……」
「やっぱもう何発か殴るべきですかね???」
「拳王技にはその権利があると思う」
「しょ、焦凍……」
「轟というかこの家族全員あるだろ」
「ぐ…っ」
「俺もクソ親父を許したわけじゃねぇ。お母さんや家族を苦しめたのはこいつだしな」
「ぐは……っ!」
「自業自得だな。家庭を持つなんて考えたことないけど、こうはなりたくねえや」
「う、ぬぅ……」
「ふ、二人ともほら、今はご飯の時間だから。ね?」
「そうだな」
「そうですね、ぶっちゃけ食べづらいですけど」
「…………」
なんだかエンデヴァーが真っ白になった気がしたが気のせいだろう。
うん、自業自得だ。
俺の怪我も自業自得っちゃ自業自得だけどな。
――――――
拳王技が親父を変えた。
それは少なからず俺や姉さんも気づいていた。
あの一戦で二人だけで何かを話したこと。
そして緑谷や拳王技が準決勝であれほどの戦いを見せた…それもあるかもしれない。
俺という完全傑作じゃなくとも、オールマイトを超えられると証明して見せたから。
それも”無個性“が、だ。
拳王技は”気“という技術だけでここまで登り詰めた。
尊敬に値する存在だ。
そして今は、もう。
「拳王技、送る」
「いいって。この後行きたいところあるし、このくらいの火傷なら数日ありゃ治るって。それに飯だけじゃなく服まで貰ったからな。これ以上は何かしてもらう訳には行かない」
「そうか…分かった。それと…姉さんがまたご馳走したいと言ってたんだ。都合が空いたら言ってくれ」
「考えとく。……別に見返りが欲しくてやったわけじゃねえんだけどなぁ……」
「?」
「独り言だ。ま、後は頑張れよ。許すも許さないもお前らが決めることだ。踏み込みすぎてる時点でアレだが、これ以上の関与は他人でしかない俺には出来ないからな」
ガシガシと、髪を乱雑に掻いた拳王技の目は嬉しそうで、どこか寂しそうに見えた。
拳王技は自分がやったことは大したことじゃないと思ってるのだろう。
緑谷もそうだが、拳王技も同じだ。
この二人はお人好しがすぎる。
それでも、俺に出来るのは。
きっかけをくれた二人の思いを無駄にしたくない。
「一歩ずつ、少しずつ歩んでみる。今度はもう、俺が立ち止まらせねえ。俺がみんなの”ヒーロー“になる」
「……それが、お前のやりたいことなんだな?」
「ああ。ひとまず、身近なところから始めていきたい。そしていつか---お前を超えるぞ。お前だけじゃなく緑谷も爆豪も、必ず」
「-----」
これは誓いだ。
恩返しになるかは分からないが、こいつらの力になるには俺が二人より強くならなくちゃならないから。
俺の宣言に拳王技は目を見開いて茫然としていたが、少しして頬が弛むと目を伏せてから心底嬉しそうな、そんな笑顔を作っていた。
「いつでも受けて立ってやるよ」
「長くは待たせねえ」
「そっか。冬美さんにも伝えておいてくれ。呼んでくれたら食べにくるって。俺からたかりに行くのは精神的に辛いからさ。ついでにエンデヴァーによろしく」
「わかった。ちゃんと伝えておく。俺は正直、お前ならいつでも来てくれていいけどな」
「気持ちは嬉しいが丁重にお断りする。じゃあな」
それっきり拳王技は振り返ることなく、手を挙げて去っていく姿を俺は見送った。
「…ありがとうな。俺のヒーロー」
本人に届いたかどうかは分からないが、口にしたかった俺はそう口にした。
俺の憧れを作ったのがオールマイトであるならば、緑谷は俺に
拳王技は最高のヒーローだ。
もしこいつが俺と同じ…それこそ幼馴染であったなら、もっと早くに変わってたのかもな。そうすりゃ……いや、過ぎたことはもうどうにもならねえ。
それでもなんだか少し、緑谷と爆豪が羨ましくなった。
なあ拳王技。
“個性“が無くて困ることが訪れるかもしれない。もしかしたら今日みたいに無茶をして、本当に危なくなるかもしれない。
あの時みたいに、命を賭する必要が出てくる時が来るかもしれない。
だからお前が困った時は、お前が大変な時は、俺が助けるよ。
俺の全てをかけて、もうUSJの時みたいにはさせねえから。
次は、守ってみせる。
だからこそ。
ここからまた、始めようと思う。
ここから再出発しようと思う。
ヒーローとしての道を。
これがきっと、俺のもうひとつの---
「…不思議な少年だな」
「…親父」
「まだ子供だというのに、しっかりしている…対峙してるとまるで彼に引っ張られるかのような錯覚を覚えた……。あの少年には負けたくないと強く想ってしまうような、言い表せない魅力がある。なにより己の未熟さを思い知らされてしまった」
拳王技が去った方角を見つめながら親父はそんなことを言っていた。
その気持ちはなんだか、分かる気がする。
あの純粋さが原因なのか、気を許してしまうというか、無条件に信じたくなるような…そんな妙な感覚があるんだ。
強いのはそうだが、安心感がある…というか。
「焦凍。もう俺を追わなくていい。代わりなどならなくていい。お前はお前の
「……いいのかよ。そのために俺を作ったんだろ」
「なりたい自分になれ。俺は俺で---オールマイトを、拳王技界という少年を超えよう。今度は俺が、ヤツに教えられるように」
「……そうか。言われなくたって、俺はもう決めたよ。目指すべき、ヒーローを。頼むから、拳王技の行動を無駄にしないために……
「……! ああ……ありがとう……焦凍。本当に、すまない……」
「……蕎麦」
「……?」
「時間がある時でいい。今度連れてってくれ」
「!!もちろんだ……とっておきの店に連れて行こう」
この日、俺は
――――――
次の日。
全身に火傷という状態を負って、包帯を巻いて誤魔化すことにした。
体育祭は完全に自分のせいだが、それ以外で俺はちょっと怪我負いすぎではないだろうか。
あの鬼…悪魔…じゃなくて、とにかくあのやべえ存在に扱かれた経験がなけりゃ全身の痛みでやばかったな。
下手に悪口言ってこっちに来られたら師匠が居ないと俺は気絶するだろう。決して口にはしないでおこう。
これ以上トラウマを増やしたくねえ。
流石に師匠がいない状況で心肺停止したら死ぬしな…仮に”気“を扱える人が居ても俺ぐらいか、もしくはそれ以上に扱えないと無理だし。
擬似的な心肺蘇生も出来るんだから本当に”気“は便利すぎる。
といっても何でもかんでも出来るわけではなく、あくまで分かるのは生物が発する”気“である。
生きてなければ感じることが出来ないのだ。
まあ今の俺がそうそう不意打ちを食らうことなんて、師匠のことを考えたりぼうっとしてない限りはほぼないのだが---
BOM!
「うぎゃっ!?」
爆風に吹っ飛ばされた。
なんだ?!爆豪か!
あいつ、ついに不意打ちを!いや”気“は感じられねえ…!そもそもそんなくだらないことをするような人物でもねぇ!
それにこの”気“は見覚えが……というか誰かに乗られてるような、柔らかいというか。
「…発目さんか」
「おや拳王技さんじゃないですか。どうして寝転んでるんです?」
「いや寝転んだわけじゃ……そ、それより顔が近い」
至近距離に顔があったら流石に俺も驚く。
状況は即座に理解出来たが、顔と顔が鼻の先だ。
俺が誤解するからやめて欲しい。
事故だと理解したから問題ないが…。
「けほっ、けほっ!発目!お前また爆発させやがって!」
すぐに中にいたであろうもうひとつの”気“が出てくる。
建設重機の様なヘルメットタイプのマスクと異常に発達した両手、それらとは対照的に小さめの体と足といった”個性“があるが故に特徴的な外見をした人物だ。
生徒ではないだろう。
ということはサポート科の先生だろうか。
またってことは既にやらかしたあとなのか…と俺は跨ったまま動いてない発目さんを見つめたら首を傾げられた。
反省の気配がないな、よし(?)
「…と、君は確か……」
「どうも、拳王技界です」
「ヒーロー科の生徒だったね。悪いね、爆発に巻き込んじゃったみたいで」
「驚きはしましたけど慣れてるので大丈夫です…って発目さん!?」
「あ、はい?」
何故か服を捲られていて慌てて手を掴む。
なぜ脱がそうとしたのか。
「何故脱がそうと…?」
「包帯巻いてるじゃないですか」
「ああ、うん」
「直で見てデータを取りたいなあと思いまして」
「脱がす必要なくない?」
「その方が早いです」
「早い遅いじゃないからな!」
「まあまあ、そう言わず!!減るものではありませんし!」
「俺の精神は減るけど!?」
「あー…そういうのは他所でやってもらっていいかな?」
「いやそうじゃなくてっ!」
助けが来なさそうなので、力づくで発目さんを持ち上げると、起き上がりながらその場に立たせる。
半分くらい脱がされていた服を整え、残念そうな表情を浮かべる発目さんは無視した。
火傷跡見てもいいもんじゃないぞ。
「それより…えーパワパワ先生でしたっけ?」
「パワーローダーだよ」
「すみません、間違えました」
パワーローダー先生だった。
師匠が子供の頃に戦ったっていう
やっぱどこでもイズクペディアが欲しいところだな。
なんであいつ居ないんだよ。お前の仕事だろ。
「メッセージで知ってたんですけど発目さん昨日から?」
「まぁね。ずっとあんな感じだ」
既に興味を失ったのか発目さんは工房に入って作業に戻っていたが、中に入るとサポート科というのもあって色々物が置いてある。
とりあえず壁の修復のために、木の板を嵌め込んで釘を打つ。
「悪いね、巻き込んだのに手伝ってもらって」
「修理には慣れてるので」
「君、一体どんな体験をしてきたの?」
「え?そりゃあ……山で置いてきぼりにされて常に命が狙われる上に食事を得るのも一苦労で果実すら全然取れず天候も酷く餓死や衰弱死する危険性しか無かったサバイバル生活を小学生からやってきた、ですかね…?」
「いや、本当に何があったの???」
師匠提案の特別修行メニューです。
おかげでサバイバルに必要な技術を身につけたし小屋くらいなら建てれるようになった。そうでもしなければあんな荒れた天候の中で生きれる気がしなかったし。
雷直撃することなんてザラだったからなぁ……。今の俺ならまだしも、あの頃の俺じゃ雷を避けることは出来ない。
それに台風にも吹っ飛ばされるわ飛竜は襲ってくるわ恐竜が来るわなんかでっけえ動物は来るわ。
他にも”気“のコントロールを上手くするには環境に適応しなくちゃならなかった。どんな状況だろうとコントロールを乱れないようにする。
やったことないが俺なら
海底に沈んだ時は死ぬかと思ったっけ。溶岩に落ちた時はガチで死ぬかと思った。
てかバリヤーを使わなければ死んでた。
「それにしても発目さん、凄いですね。まだ入ってからそんなに経ってないはずなのにいっぱい作ってるみたいですし、何より……」
彼女の表情は真剣そのものだ。
一つ一つに命を吹き込むかのようで、おおよその人がイメージする職人のような部分が出ている。
でも一番は。
楽しそうだ。
「俺から見ても発目は凄いやつだよ。ちょっと…いやかなり暴走しがちなところは問題だが、俺が何かをするまでもなくいずれ名を轟かせるだろうな」
「そうですか……うん、発目さんみたいに楽しそうに出来るならそうかもしれませんね」
「呼びましたか?」
「話題にはしてたけど呼んではないかなあ…それは?」
「ふっふっふやはり気になりますか。気になりますよね。興味ありますよね!このグローブはですね、ある程度の衝撃を吸収・放出する機能がありまして!本当はもっと可愛くしたかったのですが、グローブとなると金属にしてしまうと指の部分の可動域が極端に減ってしまうので断念となったのですがその分衝撃に強いゴムを使ったもので見た目は素朴ではありますが---」
相変わらず距離感バグってんなぁ、と思いながら言われたので装着した。
試してないが、まだ不完全らしい。なんでもまだ衝撃を放出する部分が上手く出来てるか分からないと。
「ま、やってみっか」
「拳王技さんならば問題ないかと!!」
「ちょっと待て!嫌な予感がするんだが!?ここでやるのh---」
「だあああああああっ!!」
その瞬間。
俺の体は派手に吹っ飛び---壁を貫通した。
「あー…完全にダメになってますね……というか拳王技さん威力おかしくありません?あのシャッター、シェルター並に頑丈だったはずなんですが…半減されてなお崩壊させるとは」
「いやあ、そのまんま反転して衝撃が返ってくるとは思わなかったよ。俺じゃなかったら腕千切れてたぞ」
「拳王技さんじゃなければこんな威力出ませんよ。というか威力が高すぎて衝撃に耐えきれずに壊れましたからね。暴発した衝撃波だけであれほどの威力とは…体育祭より強くなってますよね?」
「ああ、”気“が万全な状態だからな。こっちが本来の力だ。それにいい修行になったぞ!」
「私も改良する部分が見えてきました!」
「そこじゃない…!!」
「流石に使用者が使いもんにならなかったら意味ないからな。このままにするなら、とりあえず必要な部分を書き出すと……」
「おい……」
「ふむふむ。全部を吸収したらさっきの二の舞になりますからね。確かにそれならある程度の範囲までは問題ないか……」
「だから話を……」
「反動軽減しなくちゃな」
「ですねぇ、この子の方はグレードアップしたらもう一度試させてください。次はこの子!!どうでしょう、この目覚まし時計!起きれない人って中にはいると思うので、日常生活でも使えるように改良しておきました」
「へえ、ちなみにどんな?」
「爆発します」
「ただの爆弾じゃねぇか!」
「いえいえ!ただの爆発ではありませんよ!なんと花火です!」
「目覚まし時計に必要のない要素!!」
BOM!!と手元で爆発した。
音こそうるさいが、ちょっと熱い程度だった。
『線香花火バージョンもあります!!』とのこと。
綺麗だったけど絶対いらないと思う。
それからパワードスーツ―――俺の脚力と合わせたせいで部屋中が散らかったり。そもそもスーツが俺の動きとは別に捩じ切らんとばかりに勝手に動いたせいで軽く力を入れて抵抗したらあっさり壊れたり。
俺の”舞空術“を見て改良されたジェットパックが火事を起こしたり、近くにあった消火器を使ったら中に入ってたもんが違ったらしく、火の勢いがより強くなって俺の全身が燃える中、エンデヴァーほどの火力じゃないので効いてなかった俺は慌てるパワーローダー先生を他人事のように見てたり、鎮火すると今度は酸らしき薬品を被る羽目になったり―――と色んなことが起きたが、酸に関しては流石にバリヤーで守った。
発目さんにもかかりそうだったし。
「本命はこちらです!拳王技さん重りが欲しいと言ってましたよね?」
「ああ、100kgじゃ足んなくてさ。もう在庫もないし」
「ひとまず体に負荷を掛けたい、との事なので重力場を発生させたらどうかなと思いまして!」
「おお試してみっか!」
「普段の10倍ほどの負荷にはなるかと!」
「10倍!!最高だ…!」
「お前らァ!!いい加減話を聞けェ!!!」
「あ、パワパワ先生」
「あれ、俺の名前発目にすら覚えられてないの?」
「まあまあパワーローダー先生落ち着いてくだ……っん?」
\ポチ/
「あ」
「あ」
「すみません。なんか押しちまっ」
ドガァアアアアアン!!
この後、俺と発目さんは部屋をボコボコにしたのもあって流石に怒られた。
先生は何故か胃を抑えてたけど、病気だろうか。
心配だったので胃薬飲んだ方がいいですよ、と伝えたら何故かまた怒られた。
『ああ…発目が問題児なのは分かってたけどイレイザーが言ってた問題児って理由がようやく分かった……』
と、サラッと酷いことを言われた気がしたが、まさか相澤先生がそんな酷いことを言うわけないだろう。
うん、きっと気のせいだ。
重力場発生装置はもらったので、早速山で試すつもりだ。
今出来る重りも甲羅を背負えば120kgにはなるし、そこに10倍すりゃ1トン以上の計算だ。
これは更なる肉体の強化に繋がって、パワーアップ出来そうだ…!
出来るならもっと上げれるようにしたいと言ったから、後は俺が試して一緒に改良すれば師匠が言ってたような修行も夢じゃないぞ…!
ちなみにまた来ることは伝えてるし、今度はサポートアイテムを一緒に作る予定だ。
まぁ俺はアイデア出しだったり改良部分だったりと相談相手なのだが。
ほぼ私有地と化してる山奥。
というか、この辺りはある人たちのお陰で入れないように封鎖されている。
パオズ山に繋がってるのはここだけなのだ。
それはそうと無事に10倍の重力の修行を終えた俺は今まで以上の達成感を覚えていた。
試してみた感じ、悪くはない。
”気“でエネルギーは代用出来て何とかなったが、俺以外が使うとしたら使えるもんじゃない。
電力ならばどれほど必要になるか。上鳴くんに供給してもらったら問題ないだろうけど、そういうのなしでやるとせいぜい40秒が限界みたいだな。
電力食い虫だ。
軽く跳んで見ると、普段よりも体が軽い。
”戦闘力“が跳ね上がったようだ。
やはり重力は100倍まで上げれるようにしたい。いずれは300に挑戦したいし。
完全に重力に慣れたわけじゃないからまだ使えるだろうけど。
しばらくこれで修行すれば、20倍まで引き上げられるようになりそうだな。
もう夜も暗い。
明日は休日明けの学校だしそろそろ帰ろうと思う。
汗も滅茶苦茶掻いたし風呂に入って---
「むっ!?」
反射的だった。
咄嗟に振り向きながら何かを掴む。
勢いに僅かに体が持っていかれ、自ら跳んでダメージを殺した。
手からは煙が発生していて、ジリジリとした痛みが発せられる。
普段から纏っている微弱な”気“の防御が普通に貫通されているんだが。
ここは早々ヴィランが侵入するような場所ではない。
殺意は感じられず、”気“の探知を広げながら掴んだものを開いてみる。
同時に”気“を感じ取り、目を見開いた。
手にあったものは---
そして。
「久しぶりにしてはずいぶん酷くないですか。俺じゃなかったら直撃して肩から先吹っ飛んでたと思うんですけど、どういうつもりなんですかね?」
ホークスさん。
「さっすがー。いやーその規格外さ、界くんは変わんないなあ」
「無視かよ」
背後に回っていた背中に大きな翼を生やした、輝度の高い黄土色の髪をした男。
No.3の座に位置する、ヒーロー。
ホークス。
巷では『速すぎる男』と称され、かくいう俺も”舞空術“が浮ける程度だったとき、つまり数年前に捕まったわけだが。
流石にどれだけ速く走っても空中相手だと分が悪かった。
ヴィジランテとして活動してた時は顔隠して戦い方も変えてたんだけどな。どこからバレたのだろう。
捕まったのはヴィジランテ活動ではなく、マジの偶然に巻き込まれて返り討ちにした時だから中学生の頃だけど。
ちなみに今はなんか知らんけどアホほど速い。今も背後に回られたし。
「こうもあっさり止められたら正直自信無くすな」
「技術だけでそこまでやってる時点でおかしいですけどね、ナガンさん。なんで
「残念ながら」
もう一人はさっき編まれていた弾丸と同じ髪をした女性。
ホークスさんの先輩にあたる人だ。
「久しいね、相変わらずやらかしてるようでなによりだよ」
「なんで人が何か事件を起こしたみたいな言い方を……」
「起こしてるからそう言ったんだよ」
「いやいや俺は何も」
「またまた〜エンデヴァーさん相手に喧嘩売ったんだって?体育祭の時の怪我、それでしょ?」
「…そこ知ってんのか。ムカついたので、つい」
「ははは!ムカついたという理由でNo.2に喧嘩売るのは君くらいだって。けどまあ、あの人不器用だからさ」
「致命的な程にそうだと思います。あれなら勘違いする人の方が多そうですよね、もっと向き合ってやんねえと」
「ある意味界には言われたくないだろうな、エンデヴァーも」
「どういう意味ですか、それ」
二人して顔を見合わせ、やれやれと言いたげに肩を竦めていた。
なんかこう、目の前でやられるとちょっとムカつくな…。
「で…二人して来たってことは雑談しに来たわけじゃないでしょ?」
「いやいやエンデヴァーさんの件で話があったのは本当ッスよ?あんな昼間から暴れて誤魔化すの大変だったんだから」
「………」
何も言えなくなって無言で目を逸らした。
どうやら二人がある程度何とかしてくれてたようだ。まぁこの二人は勘づくだろうなとは思ってたけどさ。
「その話はもういいだろ、後輩。こいつは明日から学校があるんだ。とっとと本題に入るぞ」
「へいへい」
「本題…? 文句言いに来たわけではなく?」
「こいつだけならまだしも、私がわざわざそんなことするわけないだろ?」
「うっわあ。ひどい言われよう。もっと後輩に優しくしてくださいよ先輩」
「自分の言動を思い返してから言うんだな」
「そうそう。寝言は寝て言うべきだ」
「なんで界くんまでそっちについてるのさ。まあいいや。早速だけど界くん。君に---」
突然真面目な顔で語られ、ポカーンとする。
頭が理解すると、俺も真剣そのものになりつつ眉を顰める。
「…公安、から?わざわざ俺に?」
「そう、雄英生の君ではなく、ね」
「俺、ヒーローの仮免許ないんですけど。それにもう過去に使ってたスーツ証拠隠滅しましたよ?」
「仮免に関しては君が断ったからだけどね」
「修行で忙しかったので。そもそもまだ早いし」
そう、過去に受けないかと言われたことはあった。
ただ俺としてはまだヒーローとしての心構えはなかったのだ。まだ師匠から教わってた時期だし、早すぎるのもあった。
”無個性“だから”個性“の許可はいらないとはいえ、
捕まることこそないが、”気“ってのは客観的に見たら”個性“にしか見えないしな。
あと当時勉強していたとはいえ範囲的に筆記で無理だろうし。
まぁダメなのが雄英生の俺であって、ヴィジランテの俺としては公安からの措置を貰ってるから向こう側からの依頼なら問題ないんだけど。
ただそのためには俺の”気“を封じなければならない上に、戦闘スタイルも得意の徒手空拳を封印になる。
ぶっちゃけ弱体化もいいところだ。結局こっそり”気“やら”界王拳“やら使ってたこともあるしなぁ。使わなくちゃ勝てない相手が居たというのもあるけど。
ただここ最近、どいつもこいつも強くなっていっている。昔のようなことは無理だと思う。
心当たりはないが、何か異変でも起きてるんじゃないかとすら思えてしまうが…分からん。
「心配はいらない。特例で戦闘許可は降りるようにこっちで手配する。問題はそこじゃないんだ」
「そう、問題はそこじゃない。界くん、
「…もしかして、ヒーロー殺しですか?」
「いやそっちも問題だけど違う。その写真見てみて」
指を差され、持っていた写真を表にする。
そこに写っているのは、人の死体だった。
おい、なんてもん見せてんだよ。こっちとら学生だぞ。
「不気味だとは思わないかい?」
抗議するような目を向けたら、まあまあと言いたげに両手でハンドサインしながら聞かれたので、改めて写真を見た。
確かにおかしいな。写真の中に写っている死体、そこには
普通、人が死ぬときは首が折れてたり窒息死したり出血したり、と色々あるがそれらしきものが残って無くても表情には出るはず。
なのに、どれもこれも普通すぎる。
それこそ、
何より、端に僅かに見える
顔が見えないが、佇まいや現場の状態から完全に裏の世界の人間だろう。
しかしヴィジランテとして活動してた時でも見たことがない。俺とよく活動していた…というよりは俺がお世話になっていたあの人たちも知らないだろう。
「心肺停止。特に窒息死というわけでもなければ近くに凶器があったわけでもない。薬物もな。”個性“だと考えても、これほどの力ならもっと知られていたっておかしくはない」
「初めての犯行にしても、あまりに手馴れていると思わないか?それに探ったところ、
「…その調査、ですか?」
「それもあるけど、俺たちはこう睨んでいる。界くん。君と同じく
「………!」
この世界は”個性“による影響で、師匠の世界の人達より個々の”気“は近くなければ感じ取りにくい。
師匠の世界は力を持ってる人が少ないってのもあるけど、この世界は誰もが強い力を持ってるからだ。
今の俺でも集中しないと遠い場所までは不可能。それに雄英に居る俺は強い”気“ばかりで余計に感じにくくなっている。
オールマイトやら出久やら爆豪やら、他の生徒、教師など。
俺以外に起きている、バグの影響が裏目に出てるとも言える。
「なるほど、それで俺にも回ってきた…と。確かに相手が”気“を使ってるならば、ある程度の範囲に行けばわかるとは思いますが……目星は?」
「まだついてないな」
「だからこそ職場体験に行く際には気をつけて欲しい、と思ってね。もしかしたら君を狙ってる可能性が高い。だからこそついてあげたいんだけど、俺たちは職場体験の受け入れ先として動かなくちゃいけないから」
「あぁ…納得しました。 分かりました、俺の方でも動きつつ探っときます」
「悪いね。新しい情報を得たら連絡するよ」
「こっちも分かったら報告します。ちなみに……職場体験って決まってたり?」
「指名はしてるけど、自由に選べばいいさ」
「先輩と同じく。決定権は界くんにあるからね」
そこまで強制ではないみたいだ。
とりあえず二人から聞いたことは頭の隅に入れつつ、俺はちょっとした雑談をして自分の家に戻った。
ちなみにホークスさん、荒れたエンデヴァーやら昨日のエンデヴァーを見て堪能していたらしい。
まあこの人エンデヴァーのファンらしいしな。近くに気配があったから普通に仕事してたと思ってたんだけど。
今のところ原作開始からひとつの章の度に上半身裸になる主人公がいるらしい。
エッチなのはダメ!死刑!!