無個性だって必死で努力すりゃヒーローになれるかもよ?   作:絆蛙

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急にお気に入り登録者が増えたりたまにランキング上位入ってたりと投稿しろという圧を感じたので書き上げた。
みんなが待ってるのは戦闘シーンだと思うけど、ぶっちゃけこの章は後半以外あんま戦闘シーンなさそうと思います。
それとも日常かヒロインとの絡みが欲しいですかね





秘密の共有

小森さんと小大さんと食べたあとはしばらく喋っていたが、予鈴が鳴ってからクラスが別なので分かれて戻った。

そして放課後。

帰ろうとしていた俺と出久はオールマイトに呼ばれ、俺はオールマイトからひとつの話を聞いた。

オールマイトの”個性“。

その秘密。

そして誕生秘話。

何より、”OFA“の使命を。

”OFA“の本懐を---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど…出久の”個性“は発現したんじゃなくて授けられたもの、と。通りで出久からオールマイトの”気“を感じたわけだ」

「ごめん。その、隠してて。それに僕だけが……」

「軽はずみに話せる内容じゃないんだろ?いいって。あと仮に俺が提案されたら絶対断ってるから気にすんな。無理矢理渡されようものなら俺は適当に捨ててたぞ。それで俺に話したのは俺が出久の”個性“について答えに近づいた…からですかね?」

「いやそんなあっさり捨てるのは辞めて欲しいんだけどね。うん、拳王技少年じゃなくてよかったというべきか…。それに関しては正解だ。近づいたというか、ほぼ答えというか…君、私と緑谷少年が同じ”個性“だと勘づいただろう?」

「まぁ。体育祭でやっとって感じですけど。あの時発せられた”気“は出久とオールマイト以外に七つ。しかも同じ”気“がオールマイトからも発せられていた。こっちは計八つだったけど。でも普通は特殊な方法を用いることをしない限り、人が持てる”気“は一つだけです。複数持てるはずもない。パワーだけは匹敵するなと思ってたけど、そこで確信を持てた」

「そこまで気づいた君を野放しにするよりは秘密を共有した方がいいと思ってね。この秘密は外部に漏れでもしたらどうなるか分からない。OFAを狙おうとする輩が溢れ、狙われる危険性がある。だけど拳王技少年が味方で居てくれたら心強いからね」

「そうですか……」

 

OFAがAFOという存在から偶然にも生み出された力。超常黎明期から続く因縁が今を作り、巡り巡って今義勇の心が紡いできた力の結晶が出久の手の中にある。

”個性“を奪い、与える”個性“。それがAFO(オール・フォー・ワン)

”個性“を与える”個性“と”力“をストックする”個性“が合わさって生まれたのがOFA(ワン・フォー・オール)

みんなは一人のために。

一人はみんなのために。

なるほど、対極に位置する力ってわけか。

そして出久の複数の力はその際にOFAにストックされた”歴代の個性“らしい。

確かに俺が言うのもなんだが、無理があるような気がしたし別々の”個性“のようにも思えた。

まさか本当にそうだとは予想外だったが。

しかしそのAFOはオールマイトが討ち取ったという。

---本当にそうか? 俺にはどうにも---。

 

「生きている…と思います」

「まさか…AFOが?私の手には確かにヤツの顔を潰した感触が……」

「複数の”個性“。奪う”個性“と与える”個性“。そしてショック吸収と超再生と意思がないから本領発揮出来てなかったとはいえオールマイト並のパワーを持つ脳無。…偶然にしては出来すぎてません?そんなオールマイト対策のような力を持つ存在が偶然生まれるなんて確率的にほぼないと言えます。それに基本”個性“は一人に一つだ。轟のように両親から受け継いだ場合は体質によって問題ないだけで本人に合わない力を得たならば、負荷に耐えられず物言わぬ人形のようになってもおかしくはない」

 

これに関しては俺も似たようなものだ。

”界王拳“は強化技としてはかなりの強さを誇るが、自分を殺す技とも言える。

俺自身耐え切れる倍率を理解しているが、それらを無視して---例えば今の俺が100倍で使用したら俺は死ぬ。運良く助かっても廃人コースだろう。20倍ですら一瞬しか使えない。長く維持したら死ぬ。また同じく廃人コースか。

”個性“も同じだ。

本人が耐えうる器の量がある。

それらは鍛えれば多くなっていくが、人によっては生まれながら合わない”個性“を持つ者もいるもんだ。

うちのクラスだと青山くんがわかりやすい例だな。エンデヴァーだと熱が籠りすぎたら身体能力が著しく低下するし。

 

「それに脳無のあの見た目も含めて考えるなら間違いなく”個性“を与える存在が居るはずなんですよ。”気“も普通じゃない。まるで死体そのものを無理矢理動かしたかのようだ」

 

よく良く考えればあの…なんだっけ。アノマロカリス?*1みたいなやつや爆弾ヴィランも脳無みたいに改造された存在と考えたら妙に納得がいく。

特に爆弾のせいでスカイエッグがやられかけたしな。とりあえず完全に崩れる前にぶっ飛ばしたけど、結局俺じゃスカイエッグ自体は救えなかった。まさかぶっ飛ばしたらギャグ漫画やアニメのように跳ね返ってきてスカイエッグに突き刺さるとは…。*2偶然だからお咎めはなしだったけど

てか、何気に死柄木弔のお陰で脳無が改造された存在と分かるのは助かるな。

 

「そうか、オール・フォー・ワンは奪う”個性“。成長を止めたり寿命を伸ばしたりなんでもアリなのか…!」

「そういうこと。それに多分、他に協力者がいる。話から察するにオール・フォー・ワンとやらはオールマイトを邪魔に思っているはずだ。弱っている貴方が生きてて、向こうが万全ならそれこそUSJ事件の時に襲ってきたりするでしょう。つまり生きてるけど人を使わなくちゃならないくらいにはダメージは残っている…と思うべきかと」

「そうか……だとしたらやつは、ヴィラン連合の…」

「あくまで予想ですけどね。第一聞いた限りでは相当頭が切れるやつなんでしょう。とんでもねぇやつを従えてるか仲間にしてる可能性だってあるし」

 

まぁまず間違いなく死柄木弔の犯行はそいつの仕業なんだろうけど。

これに関しては俺が鳴羽田で関わった事件があったから予想出来ただけで、それがなけりゃ生きてるかもしれない程度だっただろう。

でもぶっちゃけ脳無みたいな存在を生み出すなら、それこそ”ドラゴンボール“かAFOのような存在じゃなきゃ出来ないはずだ。

とりあえず…メッセージ飛ばそ。こんな話俺一人で背負いきれっかよ。

 

「緑谷少年…もし拳王技少年の予想が正しければ君はいつか巨悪と対峙しなければならない。ワン・フォー・オールは言わばオール・フォー・ワンを倒すため、受け継がれた力だ」

「…はい。でも」

「…ん?」

「この力はきっと、打ち砕くだけのものじゃない。誰かを救うための力でもあると思うんです。オールマイトが多くの人を助けてきたみたいに、今度は僕が---ワン・フォー・オールに別の意味を与えられたら、と」

「緑谷少年……」

「それに僕はひとりじゃありません。だから、大丈夫です!」

「…そうか……。そうだね」

「ねえ、界くん!」

「え?ごめん話聞いてなかった」

「大事な話してたのに!?かくかくしかじかで…!」

「ああ、そういう……心配ないですよ、オールマイト。オール・フォー・ワンとやらは俺が倒すんで。出久の”個性“なんて必要無い。そいつが強いなら俺がそいつを超えるだけだ。だいたい”無個性“の俺なら奪われる心配はないですし、俺が目指す先はもっと先です」

 

どういうやつかは分からないが、オールマイトの全盛期を持ってしても倒し切れなかった相手だ。縁起でもないことだとは分かっているが、考えただけでもワクワクしてくる。

今の俺じゃ倒せるか分からないがこの程度で足踏みする俺じゃない。

師匠を超えるならこの世界で最強にならなくちゃならない。

前提条件である。その次は宇宙だろう。遠すぎる。

 

「…君は本当に強いね、拳王技少年。だがヤツの最も恐ろしいところは”個性“じゃないんだ。ヤツの恐ろしいところは人の心の隙間に付け入ることにも長けている---狡猾な部分だ」

「だからといってヒーローが逃げたら誰も戦えないでしょう?俺は誰が相手だろうと逃げませんし必ず勝ちます」

「---」

「警戒に関しては頭に入れますが。いずれにせよヴィラン連合の裏にいるなら戦うのは俺たちの世代で、オールマイトは残り火が消えるまで平和の象徴で居るべきだ」

 

ついでに仙豆を渡さないとな。

そりゃ貴重なもんだし他人に渡すべきではないが、この人は報われるべきだ。呼吸気管半壊な上に胃袋全摘ならまともに飯も食べられないだろう。そんなの人生の8割は損している。5割は修行出来ないことだな…なんか限界突破してるが気のせいだろう。

ただ流石にワン・フォー・オールに関しては仙豆でも元に戻せないから諦めてもらうしかないが。

役目を終えても普通に生きていけるようにはなるだろう。

 

「そう、だな…全く君に教えられてしまうとは。教師として私は全然ダメだな」

「え?カンペ見てた時点で今更では?」

「うっ…!?」

「ちょ、界くん!」

「すみません本音が」

「ぐふ……」

 

何か突き刺さったようなものを幻視した気がする。

いやでも、教師として新米なのは事実だろう。

相澤先生なんて効率的にやってるし見習うべきでしょ。

それより。

 

「来たみたいだな」

「え?」

「?」

 

 

俺が”気“を感知すると、休憩室のドアが開かれる音がした。

ビクッ!とオールマイトと出久の肩が跳ね、オールマイトはいつの間にかムキムキになっていた。

 

「急に呼びつけて何のつもりだカイィ!」

「健気に来てくれてありがとう。俺はいい幼馴染を持ったな」

「てめえふざけてんなら殴るぞ」

「殴り返すぞ」

「やってみろや!」

「よし、じゃあ今から訓練場に---」

「な、ななんでかっちゃんがここに!?」

「あ?居たんか出久…とオールマイト」

「や、やあ爆豪少年。少々二人に職場体験のことで新しく指名が入ったから話をしててね」

「そうっスか……で、なんで俺を呼んだんだよ」

 

思わず用件を忘れかけたが、実際に俺にも新しく指名が入ったらしい。

グラントリノ。

オールマイトの師匠だとか。

どっかで聞いたような聞いたことないような気がしたが、きっと気のせいだろう。

まぁ行くつもりはないので断っておいた。行くとしたら今悩んでるふたつのうちどっちかだろう。

それより。

 

「ああ、オールマイト。ぶっちゃけていいですか?」

「ん?何かな?」

「爆豪にも秘密を共有すべきだ。爆豪を呼んだ理由はそれです。なぜなら---」

 

一度言葉を区切ると、爆豪が怪訝そうな顔で見ていたが誰かがごくり、と息を呑んだ音が静寂な空間に響く。

そして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは嘘が絶望的に下手だ……ッ!!

 

 

 

 

誰も挙げてなかった真実を告げると、出久とオールマイトが目を見開いたあとに無言で目を逸らした。

自覚してんのかよ。

よく2人ともそれで隠し通そうと思ったな!!

 

「話が見えねェ……何の話してやがる?」

斯斯然然(かくかくしかじか)

 

 

〜説明中〜

 

*1
※アノニマス

*2
戦犯

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