Fate/Last waltz   作:高堂でにむ

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3-5

「いやあ、暁の。アンタ案外イケる口だな?」

「はは、貴女もでしょう。」

 

 

酒を飲み交わしながら、花のアーチャーと暁のアーチャーは笑った。

互いのことを知るには、酒を飲み交わすのが一番、とは、花のアーチャーの談だった。

暁のアーチャーの杯に酒を注ぎながら、花のアーチャーは言う。

 

 

「しっかし、アンタも結構大変だな。」

「そうですか?そんなもんですよ、人生。花のアーチャー殿こそ波乱万丈でしょうに。」

「はっはっは、いいよぉ、気を遣わんで。」

 

 

スティアは、庭園というだけあって花が咲いていた。

花々を見つめながら、花のアーチャーはぽつりと呟いた。

 

 

「春とは、花を謳歌し、散っていく季節だが。え、アンタ。どう思う。」

「どう、とは?」

 

 

彼の問いに、花のアーチャーはにっと笑った。

それは挑発的だったが、どこか悪戯をたくらむ子供のような無邪気さを兼ね備えていた。

 

 

「アンタは暁。私は花。……簡単に散ってやれるかい?」

「ははは、ご冗談を。貴女、そうやすやすと死ぬ方じゃあありません。」

「なっははは!バレたか。」

 

 

覚悟を決めたら、槍が降ろうと動かない。

 

お互いにそうだった。

どれだけ思いを踏みにじられても、自分だけは、自分の願いを踏みにじれない。

 

そしてその願いってやつはいつも、他人を思ってしまうのだ。

 

 

「結局、人が好きなんですよ、貴女。」

「そりゃアンタもだろ。」

「ええ、そうですね。頼まれたら断れない。」

「そのくせ、他の人間に頼むのは苦手。」

「ははは、バレましたか。」

 

 

酒にひとひら、花弁が舞った。

 

 

「おおっ、いいね、縁起がいい。」

「暁に、貴女。花が咲いたらいいですね。」

「そりゃあいい!しかしここは黄昏だったか?」

 

 

オレンジと、紫と、藍。

その間にある空の色。

 

暁の淡さとは違う。

 

夜に向けた暗さだった。

 

 

「変えてやろうか、いっそのこと。」

「太陽を撃ち落として?」

「ははははは!アンタ、そういう冗談言うんだな。」

 

 

飲めや歌えや。

 

命の限り、走り続けて。

 

 

Episode ”wish”

――――fin.

 

 

花のアーチャー

178cm

黒髪に淡い水色の瞳。凛と纏めたハーフアップお団子。

ワインレッドのジャケットとスラックス。

インナーは黒いレース生地のものに黒いビスチェ。黒いピンヒール。

 

暁のアーチャー

179cm

白緑の髪に金色の瞳の青年。低い位置で団子にまとめ、簪を挿している。

しなやかでバネのある体つきをしている。細身ではあるが、決して軟弱ではない。

黒と白を基調とし、赤を刺し色とした中華風の服を身に纏う。

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