……さて、面白いことになってきた。
誰もいないラウンジで、一人。
椅子に座って考える。
このオートマタの体でも、考えることはできるらしい。
きっと、キャスターも想定外だったろう。
まさか彼がこの場にやってくるだなんて。
しかし、それは決して悪いことではない。
僕にとっても彼にとっても、これは好都合だ。
「この黄昏は、一体どんな夜を迎えて…。どんな夢を、見るんだろうね?」
僕は一人呟いた。
この戦争を見届けるのが、僕の使命だ。
「どう思う、ヴィンツェンツィオ。」
心に問う。
さあ、これから先、どんな夜明けが待っているのだろう。
ふと、ラウンジに二騎のサーヴァントがやってくる。
ランサーたちだった。
「顔合わせは終わったのかい?」
「ええ、ありがとう。」
「礼を言われるようなことは何もしていないさ。
……ああそうだ、もし休憩したいのならお茶を淹れよう。どうぞ、こちらへ。」
二人の手を引いてソファに座らせる。
それぞれに一礼。
挨拶と親愛を込めて手を取り、そっと口づけを。
歌のランサーはすこし驚いたように目を見開いてから、微かに笑った。
ふむ、やはりこの姿では様にならなかったかな?
「あなた、意外と早熟ているのね。」
愛おしい、というようにくすくす笑う。
成程、確かにそう取られてもおかしくないね。
「誉め言葉として受け取っておくよ、シニョリーナ。
こんな見た目だが…。君たちが思うよりほんの少し長生きなのさ。」
ウインクをひとつ。
おっと失敬、彼女らには見えないんだったね。
ラウンジの奥からティーポットの乗ったワゴンを持ってくる。
さっき用意しておいたのが役に立つとは。
いやはや、人生、何が起きるかわからないね。
カップとソーサーを用意しランサーたちの前に置いた。
ついでに、クッキーも。
「召し上がれ。戦闘開始までにはまだ時間がある。ゆっくりしているといい。」
甘い茶の匂いに誘われたのか、バーサーカー陣営もラウンジにやってきた。
「なーに食べてんの?」
「ヴィンツェンツィオが出してくれたお菓子だよ。」
「ほえ、おいしそうじゃん!」
「ふふ、月のバーサーカーもいかが?」
「いいの!?ありがと!」
春のランサーからおすそ分けを貰いつつ、月のバーサーカーも茶会に参加する。
恋のバーサーカーはその様子を眺めながら、楽しそうに笑った。
ヴィンツェンツィオ
155cm
星の光を映した白銀の髪、目元は黒い布で覆われていて見ることができない。
陶器でできた、透き通るような真っ白な肌。
白と紺を基調とした、クラシックでアンティーク調な服装をしている。ショートパンツを履いているため、関節が球体であることがすぐにわかる。
ガリレオ・ガリレイ
181cm
星の光を映した鈍い銀の髪。夜空のような暗い瞳をしている。
学者然とした人物で、白衣を身に纏う。その手に握られるステラから、一体何を見ているのだろうか。