Fate/Last waltz   作:高堂でにむ

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微睡の中で、昔の夢を見た。

 

あの人に出会った時の夢だった。

サーヴァントの体でも、夢を見ることはあるのだと知った。

 

……あの人は、怒るだろうか。

私が戦場(ここ)にいることを。

 

それとも、ただ黙って受け入れるだろうか。

 

分からない。

 

私は結局、あの人のことを何一つ理解しないままにここに来てしまったのかもしれない。

 

それでもただ、願う。

この願いが自分のためなのか、それともあの人のためなのか、はたまた罪から逃げるためなのか。

それは私にはわからなかった。

 

不意にステラが輝く。

清浄な銀の光を帯びて、くるりんと回る。

 

 

「待たせたね。使命の発表を行う。ラウンジへ集合してくれ。」

 

 

ヴィンツェンツィオの声が聞こえた。私は少し身なりを整えて、部屋を出た。

 

ラウンジにはすでに数人のサーヴァント達が集まっていた。

 

いないのは……罰のキャスターだけ。

 

 

「ふむ…。まあ、ほとんどそろったし、いいかな。どうせ、使命の内容は今後ステラで確認できる。」

 

 

ヴィンツェンツィオは少し悩ましげに首を傾げて、微かに口角をあげた。

 

 

「最初の使命は、『自身の真名を明かす』ことだ。従おうが従うまいが、君たちの好きにするといい。」

 

 

彼はステラに手をかざす。

彼の手から放たれた呪文のような不思議な文字が、ステラに吸い込まれていく。

ステラはまた、銀色に光った。

 

 

「ああ、そうだ。もし話し合いたいのなら、この場所、ラウンジを使ってくれて構わない。

遊戯室や図書館もある。バーもあるし…。まあ、好きにしてくれ。

欲しいものがあるなら僕に言うといい。できる限り用意しよう。」

 

 

彼はそう言うと、優雅な仕草で丁寧にお辞儀をし、くるりと背を向けた。

 

真名。

 

本来であれば、サーヴァントが第一に秘匿するべきもの。

なぜなら、それが生存に直結することすらあるからだ。

自分の弱点をさらけ出し、自分のアドバンテージすらさらけ出す危険行為。

 

 

「私から一つ提案だ。」

 

 

陽のセイバーが手を挙げた。

 

 

「一度、皆で話さないか?どうせいつかは知ることになるんだ、ほとんど全員がそろっている今、共有した方がいいだろう。

使命に従いたくない者は聞いているだけでいい。」

「僕も賛成だ。」

 

 

雷のセイバーが続けた。それに従うように、皆頷く。

私も、それに従うことにした。

 

ラウンジにあるソファや、バーカウンターのスツールに、各々座る。

二対置かれた大きなソファは、全員が座っても余裕があるほど大きい。

それ以外にも、いくつか二人掛けや一人掛けのソファが置かれている。

 

 

「罪のキャスター、こっちこっち!」

「あっ、えあ。」

 

 

春のランサーに腕を引かれて、ソファに座らされる。

彼女は私の隣に、臆することなく腰掛けた。

その隣に歌のランサー。

彼女の奏でる音楽が、ラウンジに蔓延る緊張感を和らげていた。

 

向かいのソファには恋のバーサーカー・カルメン。

そして月のバーサーカーと花のアーチャー。

三人は仲良く寄り添いあっている。

いつの間に知り合っていたのだろうか?

 

一人掛け用のソファには陽のセイバーが悠々と座り、その隣には仏頂面をした雷のセイバーが立っている。

 

船のライダーと暁のアーチャー、悪のアサシンはバーカウンターのスツールに腰掛けている。

男性陣は意外にも居心地よさげに雑談している。

海のライダーはバーカウンターの上で果物を食べていた。

 

影のアサシンは、少し離れたところからどこか胡乱な眼差しでその様子を見ていた。

 

 

「では、話し合おうか。心行くまで。」

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