Fate/Last waltz   作:高堂でにむ

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「さて、僕からの説明は以上だ。何かあるかな。」

「ひとつ、聞かせてくれないか。」

 

 

先程、陽のセイバーと呼ばれた青年が声をかける。

 

輝く金髪に、優しげな赤い瞳の青年だった。

金や銀の煌びやかな装飾が光る。

 

彼はにこやかな頬笑みを浮かべ、ゆったりとその場に座っている。

でもなんか、やけに圧があるっつーか…。

 

 

「なんなりと。僕に答えられることなら答えよう。」

 

 

「あのキャスターは何者だ?」

 

 

その声は確かに先ほどと同じ陽のセイバーから発せられたものだったが、先ほどとは全く違う重みを含んでいた。

威圧的で、傲慢なまでの正しさ。

 

強い威圧感に、呼吸さえ支配されたかのような錯覚を覚える。

 

罰のキャスターがひゅうと口笛を吹いた。

なんで煽るんだあのバカ!

 

しかし、ヴィンツェンツィオはそれを意に介することなく答える。

 

 

「父上はガリレオ・ガリレイと名乗っていた。僕に名をつけ、使役している父だ。」

「……そうか、ありがとう。」

 

 

先ほどまでの圧はどこへやら、彼は優しい声で答えた。

 

ええこわ…。

あいつ絶対ヤバい奴だよ…近寄らんとこ…。

 

それにしても、ガリレオ・ガリレイか。

地動説の証明に貢献した天文学者、だったよな。確か。

 

そんなやつが、なんで聖杯戦争なんか……。

ったく、頭の良い奴の考えることは分からんね。

 

 

「他にも聞きたいことがあったら遠慮なく僕に聞いてくれ。

ステラを使って僕を呼ぶこともできるから、何かあれば呼ぶといい。」

 

 

傍に浮かぶステラを指さしながら、彼は言う。

そんなこともできるのかこれ、便利だな。

 

 

「スティアの戦闘開始と終了は、どちらも鐘の音で告げる。

聞き逃して死ぬ、なんて恰好つかない真似はよしてくれよ。」

 

ヴィンツェンツィオは冗談なのか本気なのかわからない口調で話した。

 

……が、微かに口角を上げる。

 

 

「どうか、頑張ってくれ。」

 

 

そう言うと、くるりと背中を向けて去って行った。

 

……あいつ、ガリレオっつーキャスターよりよっぽど底が知れないんじゃないか?

 

一瞬、部屋に沈黙が満ちる。

 

 

「おい、お前。」

 

 

真っ先に声を上げたのは、罰のキャスターだった。

先ほど遅れてやってきたあいつだ。

 

 

「お前だよ、罪のキャスター。」

「…はい?」

「これからコンビを組むんだ、あっちで自己紹介と行こうか。」

 

 

そう言うと、罪のキャスターの事情など全く気にすることなく、彼女の手を引いて歩き出す。

彼女は困惑したまま引きずられるようにして歩いていった。

 

可哀想に……。

 

 

「…私たちも行こうか、暁の。」

「ええ。行きましょうか。」

 

 

そう言って、アーチャー陣営も去って行った。

 

 

「雷のセイバー、だったかな。私たちも行くとしよう。」

「…ああ。」

 

 

続いてセイバー陣営。

 

 

「おい。行くぞ。」

「ふふ、急かさないでよ。性急だなぁ。」

 

 

アサシン陣営。

 

 

「んじゃ、ウチらも行こっか?」

「そぉねー。」

 

 

バーサーカー陣営。

 

 

「あっ、じ、じゃあ私たちも!」

「ええ、行きましょうか。」

 

 

ランサー陣営。

 

 

「……えっ。」

 

 

何?

俺の相方がミニマムキュートなコイツであることに関して、皆はマジで何も言ってくれないわけ?

 

そんなにフルメンバーでガンスルーすることある?

慈悲とか無いの?

 

あっ、そりゃそうか殺し合うんだから。

 

自分の肩に座る相棒を見る。

キラッキラの、百パーセントの笑顔をこちらに向けてくる。

 

 

「俺たちも行くぞ、相棒!」

「…………ええ…?」

 

 

ほんとに大丈夫なんですかね、コレ。




今後しばらく、更新は金曜日のみとなります。
ご了承ください。
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