「どーすっかねぇ、コレ……。」
船のライダーは悩んでいた。
とりあえず部屋に連れて来たものの、このミニマムキュートなマスコットをどうすべきか。
ベッドの上に置いてやると、彼は嬉しそうに跳ねて遊び始めた。
なんだコイツ。
「つーか、そもそも何モンなの、お前。」
「む、我か?我はなあ、」
「お前さっきまで一人称俺だったじゃん。」
「いやあ、俺ってば今はこんな感じだからな!威厳ってものが必要だろう!」
「そんなプリティーな見た目で威厳とか言われても困るんだけど…。」
なんだコイツ。
なんだコイツ。
ベッドの上でよじよじぽふぽふ遊んでいるマスコット。
これが自分の相棒だということが、いまだに信じられない。
「…海のライダー、って言ってたっけ。」
「うむ!」
「真名は?」
海のライダーから発せられた名に、船のライダーはひっくり返った。
嘘だろお前。
嘘だろお前。
嘘だろ!?
「なーんでそんな感じなわけ!?」
「しっ、仕方なかろう!海がないんだ!こうもなる!」
「いやそりゃ、そうかもだけどさぁ…。」
そこで、はたと気づく。
ちょっと待て、海がない、海がないって言ったか?
「海、ないの?」
「む?無いぞ。小僧が言ってただろう、空中庭園都市だと。この辺りには海もなければ川もないぞ。」
海もなければ川もない。
一体全体、それでどうしろと。
自分の生い立ちを思い返しながら、この先のことを考える。
どんな状況でも俺はできることをするだけだ、そうだろ俺!
頑張れ俺!
…だめだ、絶望の未来しか見えない。
「……終わった…。俺ら詰んでるよ…………。」
「なっ、そこまで言うことないだろう!」
「いやいやいや、無理だって!俺、船のライダーだよ!?海無くて船どうすんのよ!!」
「っそ、そんなことを言われても困る!」
「俺だって困るよ!!」
人生、山あり谷ありというが。
俺たちの場合はそこに海なしが追加されるかもしれない。
さっき遅れて来た罰のキャスターと言い、ヴィンツェンツィオを威圧していた陽のセイバーといい。
確実に何か上位の、人間ではなさそうな存在がいるというのに。
俺の相棒、コレ。
もちもちの、ぷよぷよの、コレ。
「……帰りてぇ…。」
「おい、相棒!うまそうな菓子があるぞ!」
「………………帰りてぇ………。」
Episode "hero"
――――fin.
海のライダー
15cm
マリンブルーの髪に小麦色の肌、オレンジの瞳。もちもちぷよぷよのマスコットになっている。小さなウミガメに乗ってる。
上半身は裸で、下半身は白いハーフパンツっぽい物を履いてる。裸足。
船のライダー
175cm
灰色の髪に濃紺の瞳。ゆらゆら揺れる傷んだ髪。ボブヘアくらい。細身の体躯をしており、さび付いた色気がある。
海軍風の白いシャツに、薄茶のアスコットタイ。濃紺の海軍風コート。