俺の個性が転生者掲示板だったので、スレ民の力を借りてレジェンドとなる 作:夢野飛羽真
最終章神野編の原稿が全話完成したので今日から投稿していこうと思います!
1クール分ぐらいのボリュームがあるのでお楽しみに!
55スレ目 奪還ミッション
「ここは…」
林間合宿の中、マスタードと言う名のヴィランが放った毒ガスにより気を失っていた耳郎響香。
マスタード自体はB組の鉄徹と拳藤の手によって倒されていたのだが、耳郎は気を失っている隙に財団Xによって攫われてしまっていた。
「ちょッ…!何よこれ!」
彼女は台の上でチェーンで四肢を拘束されて、この場から動けない状況になっていることに気が付いてパニックになって藻掻く。
チェーンがガチャガチャとなる音だけが彼女のいる空間に鳴り響いていたが、そこにコツコツと革靴で地面を踏む音がして、その音は耳郎に近付いて来る。
「目が覚めた様だな。耳郎響香…」
そこにいたのは、仮面ライダーゼインの変身者である財団Xの男だった。
「だ、誰よアンタ!ウチに何する気!?」
「君には興味はない。お前は輝夜大翔を仕留めるための人質だ。」
耳郎は最初、その男の狙いが自分自身なのかと警戒するが、財団Xの男が放った言葉に彼女は愕然とする。
「大翔を…?大翔に何をしようっていうの!?」
耳郎は敵の目的が大翔であると聞くと、警戒を強めて財団Xの男を睨みつける。
「君を連れ去ったことで、輝夜大翔の冷静さを削ぎ、倒すことができた。」
「大翔がッ…!そんな…」
自分が足を引っ張ってしまった事で、大翔が財団Xの刺客たちに負けてしまったと知り、耳郎の瞳から彼への申し訳なさからか涙が零れ落ちる。
「取り逃がしてはしまったが、すぐに君を連れ戻しに現れるだろう。恐らくプロヒーロー達もやってくるだろう。そこに我々財団Xの最高戦力をぶつけ、全てを破壊する!この世界は財団Xの物となるのだ!」
「そんな…ウチが…」
自分自身が輝夜大翔やプロヒーロー達を誘き寄せるための餌とされ、自分のせいで彼らを危機に瀕しさせてしまっている状況に絶望し、更に涙を零していた。
「君はここで見届ければいいさ。自分が捕らわれたことで想い人や象徴達が死にゆく様を…」
さらに彼女に絶望を突き付けて、財団Xの男は部屋から去るのであった。
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「クソッ…!」
雄英高校付近のとある病院、またここでも悔しさを見せる人物が1人いた。
それは爆豪勝己であった。
「俺達は何もできねえってことかよ…!」
先程この病院に入院していた緑谷出久が目を覚まし、そこでクラスメイト達と話をした。
その中で爆豪や切島は財団Xの手によって攫われた大翔や耳郎を救けに行こうと提案したが、反対意見も出てクラスは2分される事態になった。実際、彼らは無免許であり、許可もなく現場に行き戦闘をすれば、法律に違反してしまう。
「俺だってアイツを救いてえ…!」
自分達では大翔達に何かをすることも出来ない。
そう考えて爆豪は外で自分の拳を握り絞めて、悔しさを露にしていた。
「何を悩んでいる。爆豪勝己。」
「アンタは…!?久しぶりに見る顔だな…」
そんな彼に声をかけた人物がいた。
「ああ、久しぶりだな。死穢八斎會以来だな。」
その人物は赤いレザージャケットを身に纏う男、不死身の刑事こと照井刑事であった。
「何でアンタがここに?」
「俺に質問するな。簡単な話だ。輝夜大翔を助けに行くぞ。」
「ッ…!?」
照井の言葉に爆豪はハッと目を見開く。
「厳密には囚われの耳郎響香の救出だが…」
「その話!」
「詳しく聞かせてください!」
とそこに、切島、緑谷、轟の3人もやってきて、照井に声をかける。
その後彼らと同じで囚われたクラスメイトを救うべくGPSの情報を提供したいという八百万も加わり、彼らは照井と話し合う。
先に病室で行われた話合いのことについて緑谷が話し、次に照井から現状の報告が行われた。
「まず端的に言うと、輝夜大翔は財団Xに捕らわれていない。今は別の場所で保護されている。」
「輝夜君は今どこに!?」
「俺に質問するな。」
照井の言葉に、緑谷が思わず問いかけてしまうが、照井は彼を睨む。
「今どこにいるのか、詳しいことは言えないが必ず戻ってくるはずだ。」
照井は掲示板経由で大翔がカグヤの世界にいることは把握している。
だが、異世界にいるという情報は流石に理解されにくいだろうと考えて、この場では詳しく言わないことにした。
「問題は、耳郎響香は財団Xのアジトで捕らわれているということだ。彼女が捕まったままなら、彼も上手く戦えないだろうな。俺達がやることは彼女の救出だ。」
やるべきことが明確になり、緑谷達は深く頷く。
「ですが、果たして私達にできるのでしょうか…相手は輝夜さんを倒した財団X…果たして勝てるのでしょうか?」
だが、八百万はこれまでの多くの戦いで無双する様を見せてきていた大翔が敗北してしまったのだ。
その下手人である財団Xを相手に自分達で何とかできるのだろうかと、八百万は不安を感じていた。
「勝てるかどうかじゃねえ、勝つんだよ!俺らはアイツに助けられっぱなしで、越されっぱなしだったかも知れねえ…けど、負けっぱなしで終われるわけねえだろ!」
「ああ、いつまでも輝夜に頼り切りって訳にもいかねえだろ。」
だが、爆豪も轟もやる気であり、退く気はない様だ。
「ああ!俺もやってやるぜ!」
切島も両拳をぶつけて気合を入れる。
「仕方ありませんわね…でしたら私も!」
それを見て八百万も、自分も行くと意を決した。
「決まりだね…皆で一緒に輝夜君を助けに行こう!」
この場に集まるA組生徒達の意向が固まったが、その時。
「緑谷君!君達は一体何をしようとしているんだ!」
そこに飯田がやってきて、自分達が制したにも関わらず行動を起こそうとする緑谷達を怒鳴りつける。
「先に言っておく。俺は警視庁の照井だ。俺は彼らに耳郎響香救出の協力要請に来た。」
「警視庁のッ…!?」
照井が飯田に警察手帳を見せて、飯田はそれを見て驚いた様子を見せる。
「俺は警視庁の中でも特別な権限を持っている。単独での捜査や行動、一般人への協力要請も何も問題はない。つまり今から俺や彼らがしようとしていることは違法行為ではない。」
その言葉に一瞬飯田は口を閉じるが、再び照井らの方を見る。
「し、しかし!許可があるとは言え危険すぎます!輝夜君を倒してしまうほどの戦力が向こうにはいるんですよ!」
だが、次に飯田はこの作戦の危険性について触れる。
敵である財団Xは強力な怪人達を従えて、大翔達を一度追い詰めたこともあり、林間合宿では実際に大翔を撃破した。そんな敵に自分達が立ち向かうことができるのかと飯田は主張する。
「正面から戦うわけではない。彼らを出し抜き、隙を突いて耳郎響香を奪還する。当然、君達が戦闘する機会も極力少なくなるように潜入するつもりだ。それに何かあれば、俺が何とかする。」
そう言って照井がアクセルドライバーを見せると飯田は少し俯いて、緑谷達の方を見る。
「だったら俺も行かせてくれ!他の皆を代表して、俺は緑谷君達が無茶をせず無事に帰って来れるようにしなくてはいけない…!」
飯田は照井の言葉を信じつつも、皆が安全に戻ることをサポートするために作戦に参加することを決意した。
「ゴメンね、飯田君。色々と心配をかけてしまって…」
「ああ、もし危険だと判断したらすぐに引き返す。それが条件だ。」
「ありがとう…」
緑谷は飯田に深々と頭を下げる。
「決まりだな。早速向かおう、刃野、真倉、車を出してくれ。」
照井が無線に連絡すると、2台のパトカーがやって来る。
「既にプロヒーロー達が動いている。俺達も行くぞ。」
パトカーのドアが開いて、6人はパトカーに乗るように促される。
「も、もう行くんですか!?」
「俺に質問するな。プロヒーロー達が財団Xのアジトに乗り込んでいる隙を突いて潜入し、耳郎響香を救出する。さあ、行くぞ。」
照井が乗る赤いバイク。緑谷、飯田、轟が乗ったパトカー。爆豪、切島、八百万が乗ったパトカーはGPS受信機が拾った座標を基に決戦の地神野へと向かっていくのであった。
次回は11/23に更新予定です!
お楽しみに!