俺の女装を見よ
『一時間程昼休憩挟んでから午後の部だぜ!!じゃあな!!』
前回、騎馬戦を終えて午前の部が終了、プレゼントマイクの説明通り昼休憩となった、時間はたくさんあるので、耳郎達を誘って食堂に昼食でも食べようと会場を出て行こうとすると...
「回能、緑谷、ちょっといいか」
「ん?」
轟が俺と緑谷に声を掛けてた、一体何事だと反応すると、目で「ついてこい」と訴えて来たので仕方なくついていく、一体何なんだ
〈耳郎side〉
「回能ー、一緒にご飯...あれ?」
騎馬戦終了後、ウチは回能達と昼食を食べる為に回能に話しかけに行くが、先程までいた場所に居ない、どこに行ったんだろうと探していると...
「回能さんなら先程緑谷さんと一緒に轟さんに連れられて行きましたわ」
「轟と緑谷と?またなんで...」
「わかりませんわ、ですが回能さんも後で合流するから先に行っていて良いとのことですので、食堂で一緒に待っていましょう」
「ありがとヤオモモ」
とりあえずヤオモモの提案で食堂で回能を待つことにしたウチら、轟と緑谷か...なんか珍しい組み合わせだな...急にどうしたんだろ?
◇
〈回能side〉
轟に連れられ、たどり着いたのは生徒達が出入りしている場所から少し離れた学校関係者専用の入口、そこで轟と対面し、緑谷が隣にいる状況、なんだこの状況
「話って...何...?」
「俺耳郎達と飯食う約束してるんだけど...」
俺と緑谷がそう轟に話しかけるも、当の本人である轟は俺たちに冷たく鋭い目を向けるだけで何も話さない、何なんだマジで...なんて考えていると、ようやく轟が口を開いた
「気圧された、
?...なんの話だ?緑谷と戦ってる時になんかあったのか?
「飯田も、上鳴も、八百万も、常闇も麗日も...感じてなかった、最後の場面で、あの場で俺だけが気圧された」
本気のオールマイトを身近で経験した俺だけが、そう轟が呟く、どうしよう、まったく話が見えん
「それ...つまりどういう...」
「お前に同等の何かを感じたって事だ」
...確かにな、緑谷の個性はオールマイトに似ている、単純な増強型と言ってしまえばそこまでだが、この歳で、アレだけのパワーを出せる増強型など探しても見つからないだろう
「なぁ、緑谷、お前、オールマイトの隠し子か何かか?」
....えぇ...どうしてその発想に至った...少なくともオールマイトは独身...あの人隠し事とか苦手そうだし、奥さんが居て緑谷がこの歳なら随分前にスキャンダルになってそうなもんだが...
緑谷も否定する、そりゃそうだ、個性以外があまりにも似てなさすぎる、逆になんでその発想になったか聞きたいくらいだ、なんて考えていると、再び轟が口を開く
「俺の親父、エンデヴァーは知ってるだろ」
エンデヴァー、現No.2ヒーロー、ヒーローとして破竹の勢いで名を馳せ、事件解決率に置いてはオールマイト以上の数字を誇る、実力派No.2だ
「それだけに生ける伝説オールマイトが目障りで仕方なかったらしい、自分ではオールマイトを超えられねぇ親父は次の作に出た」
何の話だ、いったい何を話したいのかさっぱりわからん、話が見えてこない、それは緑谷も同じようで...
「何の話だよ轟くん...僕たちに...何を言いたいんだ...」
緑谷が轟に問いかけた、轟から帰ってきたのは驚くべき言葉だった
「個性婚、知ってるよな」
「「....!!」」
個性婚、「超常」...個性がこの世に現れてから、第二、第三世代の間で問題になった事だ、自分の個性をより強化して子供に継がせる、その為だけに配偶者を選び、結婚を強いる、倫理観の欠落した前時代的発想...
ようやく話が見えてきた、つまりは...
「その個性婚で産まれたのがお前って訳か」
「そういう事だ」
なるほどな、だから左側...炎を嫌ってるわけか
「実績と金だけはある男だ...親父は母の親族を丸め込み、母の個性を手に入れた、俺をオールマイト以上のヒーローに育て上げる事で自身の欲求を満たそうってこった、鬱陶しい...そんな屑の道具にはならねぇ」
そう話す轟の顔は苛立ちに染まっていた、顔こわっ、爆豪とはまた違ったベクトルの怖さだな
「記憶の中の母はいつも泣いている...「お前の左側が醜い」と、母は俺に煮え湯を浴びせた」
その火傷はそういう事だったのか...エンデヴァーが轟にしていた虐待紛いの教育のせいで、轟の母親は病んでしまったわけか
「ざっと話たが、俺がお前達に突っかかんのは見返すためだ、クソ親父の「個性」なんざなくたって...いや...使わず一番になる事で、奴を完全否定する」
「.....」
「....!」
見ている世界が違う、話を聞き終えて真っ先に感じたのはコレだった、俺たちがヒーローになる為にここにいるのなら、今の轟はヒーローになる為じゃなく、エンデヴァーを否定する為にこの場に居る、エンデヴァーに囚われているのか...
「言えねえなら別に良い、緑谷、お前がオールマイトの何であろうと、俺は右だけでお前の上に行く、回能、お前には障害物競争で追いつけなかった、だがこのトーナメントじゃそうはいかねえ、お前にも、右だけで勝ってやる、話はそれだけだ、時間取らせたな」
復讐...そのためだけに動いているのか、やめろ、なんて俺が言える立場には無い、どちらにせよ俺は復讐肯定派だ、復讐自体は悪い事じゃないが...それだけを原動力にしているやつは、それが為された時、あるいは復讐という目的が無くなった時、失速し停止...燃え尽きちまう、アイツもなかなかめんどくさいモン抱えてんだな
「僕は...ずぅっと助けられてきた、さっきだってそうだ、僕は...誰かに救けられてここに居る」
緑谷が轟にそう話しかけた、確かに、コイツは誰かに助けられっぱなしだな
「オールマイト...彼のようになりたい...その為には一番になるくらい強くなきゃいけない、君に比べたら些細な動機かもしれない、でも、僕だって負けられない、僕を救けてくれた人達に応える為にも...さっき受けた宣戦布告、改めて僕からも...」
「僕も、君に勝つ!」
そう話す緑谷の表情は、いつものような冷や汗ダラダラで自信がなさげな顔では無く、覚悟を持った、男らしい表情だった、言うね緑谷、なら俺も...
「俺の答えは変わらん、いつでも、どこからでもかかってこい、勝つのは俺だ」
不適な表情を浮かべて轟にそう言い放つ、轟は何も言わずに去ってしまった、トーナメントで当たったら、ぜってぇ勝つ
おっと、時間食っちまった、昼飯昼飯、耳郎達も待たせてるし、早く行かなきゃな
◇
「お待たせー」
「遅いよ、ウチらもう食べ終わったよ」
「悪い悪い」
轟とのやりとりを終えて、トンカツ定食を持って耳郎達の待つ席に座り、食事を始める、すると、目の前に座る八百万が何やら数字の書かれたメモ帳を持って創造をしようとしていた
「?八百万、何してるの?」
「いえ、先ほど峰田さんと上鳴さんから教えていただきまして」
八百万の話を聞くと、何やら午後は女子全員がチアガールの衣装を着て応援合戦しなければならないとの事、その為に衣装を創造で作り出しているのだと
俺は思った
騙されてね?
と、まず情報元が峰田と上鳴である時点で怪しいし、なぜ学校で指示されている応援合戦なのに学校側が服を用意せず、八百万が用意しているのか...
「...」もぐもぐ
「やっぱハズいって...露出多いし...」
「ですが学校からの指示ですし...」
耳郎が恥ずかしそうだ、しかも気がついたらクラスの女子が全員集まっている、成る程、あの数字はスリーサイズだったのか...やべ、見ちゃったよ、覚えてないけど
「...ねぇ、八百万」
「はい、なんでしょう回能さん?」
このまま騙されていると教えてあげても良いが...もっと面白いことを思いついたので、峰田と上鳴の策略に乗ってやることにした
「その衣装、俺にも作ってくれないか」
「....はい?」
八百万が「この人は何を言っているんだろう?」みたいな目で見てくる、そりゃそうだ、女性用の服を男子である俺が着ると言っているのだ、そんな顔にもなる
「なんでアンタまで...」
「楽しそうだから」
「確かに回能くん女の子っぽい顔やけど...」
ドヤ顔でそう話すと、女子達から心配を孕んだ視線を向けられた、大丈夫大丈夫、ちょっと女装するだけだから
「回能さんがよろしいなら...」
「ありがとう八百万、飯食ったら着替えてくるわ」
と、言う事で、超特急でトンカツ定食を食べ終え、八百万からチア衣装を受け取って更衣室へ走った
「よし、完璧、我ながら良いスタイルだ」
鏡の前でドヤ顔をしてみる、うむ、良い、そろそろ時間も近づいてきた、さーて、気合い入れていきますか
◇
『最終種目発表の前に予選落ちの皆へ朗報だ!!あくまで体育祭!ちゃんと全員参加のレクリエーションも用意してんのさ!!』
プレゼントマイクの放送が午後の部開始を告げる、最終トーナメントの前にレクリエーションを挟む、予選で落ちてしまった人にも見せ場を用意している、雄英の配慮だ
『本場アメリカからチアリーダーも呼んで一層盛り上げ...ん?アリャ?』
『なーにやってんだ...?』
『どーしたA組!!?』
チアリーダー達を紹介しようとしたプレゼントマイクが、会場にチアコスを身にまとった1ーAの女子生徒が居ることに気が付きツッコミを入れる、チアコスを身にまとった女子生徒の顔が死んでいる
対照的に峰田と上鳴の顔はとても嬉しそうだ、スケベボーイズめ
「峰田さん上鳴さん!!騙しましたわね!!」
ここに来てようやく騙された事に気がついた八百万達、騙されたことにショックを受ける八百万、そんな八百万を慰める麗日、顔を赤くして持っていたポンポンを地面に投げつける耳郎、反応は多種多様だ
「あれ?そーいえば回能は?」
「回能くんもチアコスに着替えてくるって言ってたけど...まさか逃げた!?」
俺が居ないことに気がつく女子一同、まぁ待て、待てって、そう慌てるなて、辺りを見渡し、俺を探す女子達、今からそっち行くぜ
「さーて、行ってみようか」
BON!BON!
「きゃ!?」
「なになに!?」
「この煙...回能ちゃんのかしら」
女子達の前で何かが軽く爆発し、そこから白煙が上がる、真っ白の煙は中の様子を映さず、完全に隠している、数秒して、徐々に煙が晴れていく、煙が晴れた時、その場にいたのは...
「はぁーい♡」
「回能!?」
『回能ぉ!?なんと!!1ーA回能!!チアコスを身につけて登場!!何してんだお前!?』
髪をサイドテールにまとめ、ポンポンを持ってチアコスを身にまとった俺が可愛いポーズ*1を取って登場した、どうだ?可愛かろ?
「腰ほっそ!?」
「私より細いやん...」
「てかその胸なに!?」
「ふっふっふ、偽乳じゃい!」
各々の感想をこぼす中、芦戸が俺の胸をみて声を出す、そう、本来俺にない胸の膨らみがあるのだ、この胸の正体はタオル、購買で買ったタオルを、同じく購買で買った包帯で良い感じに固定しているのだ
「無駄に似合ってるのが腹立つ...」
「めちゃくちゃ可愛いよ回能くん!嫉妬しちゃう!!」
「ふっふっふ、そうだろうそうだろう、似合うだろう」
チラリと峰田と上鳴の方を見ていると、「野郎がその服着るんじゃねえ」と、「男なのになんでこんなに可愛いんだよ...!!」の二つの感情が混じり合った様な顔をしていた、はは、おもろ
「あ、そうだ、八百万」
「はい...なんでしょう...」
「ホレ、これ食っとけ」
そう言って、俺は胸元*2からナッツとチーズを取り出し、八百万に手渡した
「これは...」
「この衣装作った時脂質使ったんだろ、食っとけ」
「...!ありがとうございます!」
「今胸から出したよねソレ...」
「だってポケットないし」
なんて耳郎と会話しながら次のアナウンスを待つ、後で着替えてこよ
『さァさァ!ハプニング?はあったが皆楽しく競えよレッツレクリエーション!!それが終われば最終種目!!進出4チーム!!総勢16名からなるトーナメント形式!!一対一のガチバトルだ!!!』
いよいよ最終種目、体育祭も終盤だ、ここからは今まで以上に取材陣も白熱してくる、情けないところは見せられないな*3
てなわけで、次回、いよいよ体育祭トーナメント戦、お楽しみに
皆さんどうも猫耳の人です
たくさんのお気に入り登録や評価大変励みになっております
次回からはいよいよトーナメント戦
大体二回に分けて書こうかなと考えております
次回もお楽しみに
日常回、IF、ギャグ全振り回、恋愛回、その他のオリジナル回、これらを書いて欲しいですか
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大人しく書けやこのやろう
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本編に集中しろこのやろう