名は体を表すってな
「おはよ」
「ん、おはよ」
体育祭の振替休日も終わり、いつもの学校生活が戻ってきた、俺がいつも通りの電車に乗ると、耳郎と会った、最近はよく同じ電車で会う
「相変わらず早いね」
「まぁもうクセみたいなもんよ」
電車の中で世間話をしながら登校をする、しばらく電車で立っていると...
「あ...あの!!」
「...ん?」
俺が耳郎と話していると、後ろから俺より少し背の小さい別の高校の女生徒が俺に話しかけてきた
「体育祭見ました!!ファンです!!サインください!!」
その言葉と同時に俺にマッキーペンとスマホを手渡してくる、スマホケースに書いてほしいということだろう
「あー、うん、それじゃあ失礼して」
キュッキュッ
手渡されたスマホケースにサインを書いていく、サラサラっと書き、女生徒にスマホを手渡した
「はいどうぞ、大事にしてよ?」
「あ...ありがとうございます!!」
「あの...私も!!」
「俺も!!」
「はいはい、一人ずつ」
「....」
カバン、スマホケース、ノート、様々なものにサラッと書いていく、多いな...雄英体育祭の効果すげぇな...
降りる駅に到着するまでにサインを求めてきた人たちをサラッと対応し、電車から降りて学校へ歩く
「まだ登校だってのにもう疲れた」
「なんか慣れてたね、対応」
「バ先で嫌ってほど叩き込まれたんだ、だからああいうのは慣れてる」
「へー...」
なんか不服そうな耳郎、もしかして妬いてる?なわきゃねーか
その後はちょっと不服そうな耳郎と話をしながら学校へ到着、自身の席に座って相澤先生を待つ、5分もすると続々とクラスメイト達が教室に入ってきた
「やっぱりテレビで中継されると違うねぇ!チョー声かけられたよ来る途中!」
「俺も!」
「私もジロジロ見られてなんか恥ずかしかった!」
「葉隠さんはいつもなんじゃ...」
「俺なんか小学生にいきなりドンマイコールされたぜ...」
「ドンマイ♡」ボソッ
「耳元で囁くのやめろ!?張り倒すぞ!!」
「あら過激」
皆が話している中に混ざり、瀬呂の耳元でドンマイと囁いてやると怒られた、その後もやはり体育祭での話、特に本戦まで残った人たちが特に注目されているらしい
と、そうやって皆と話していると予鈴が鳴った、急いで自身の席に着き、相澤先生の到着を待つ、すると、やはり時間ぴったりに...
「おはよう」
相澤先生が到着、その瞬間、先ほどまでガヤガヤしていたのが一瞬で静まり返る、お、相澤先生包帯取れてんじゃん、完治したんだ、良かった良かった
「相澤先生、包帯取れたんですね、良かった」
「婆さんの処置が大袈裟なんだよ、んなもんより、今日のヒーロー情報学、ちょっと特別だぞ」
特別...一体なんだ?小テスト...らしき物は無い、じゃあ何だ?他に何かあるかな...クラスに緊張と静寂が走る中、相澤先生が静寂を切り裂くように口を開いた
「...コードネーム、ヒーロー名の考案だ」
「「「「胸膨らむやつ来たぁぁぁ!!!」」」」
ヒーロー名...!!世界に自分という存在を知らしめる為の名前...まさかこんなに早く決める時が来るとは...
ヒーロー名の考案という事もあり、クラス中が一気に騒がしくなる、そんなクラスを一睨みで黙らせる相澤先生、さっすがぁ
「...というのも、先日話した「プロからのドラフト指名」に関係してくる」
クラスが黙ったのを見て説明を続ける相澤先生、どうやら先日の体育祭を見たプロヒーローから指名が多数来ているらしい、どんなヒーローから来たんだろ、楽しみ
「指名が本格化するのは実践経験を積み、即戦力となるニ、三年から、つまり今回一年のお前らに来た指名は将来性に対する興味に近い、卒業までにその興味が削がれたら一方的にキャンセルなんて事も良くある」
大人は勝手だ...なんて峰田が呟く、まぁそれはそう、「自分で取ったんだから責任持って面倒見なさいよ」という気持ちと、「見込みがなければ切り捨てられるのはどの社会でも一緒か」なんて考えが頭の中にある、まぁコレばっかりは仕方ねぇか、貰った指名がそのまま自分のハードルになる...とはよく言ったものだ
「...で、その集計結果がコレだ」
ワンツースリー!*1なんて悪ふざけはさておき、相澤先生が端末を操作すると、黒板に結果が映し出された、結果は以下の通りだ
回能 5826
轟 4123
爆豪 3556
常闇 360
飯田 301
上鳴 272
八百万 108
切島 68
麗日 20
瀬呂 14
「例年はもっとバラけるんだが、三人に注目が集まった」
「だー...白黒ついた...」
「見る目ないよね、プロ」
俺にめちゃくちゃ来てんな...1000くらい来れば最高くらいに思ってたんだが...5、6倍も多くきてやがる...雄英さまさまだな
票数は俺がトップ、次点で轟、ついで爆豪となっている、順位と票数が逆転してやがる、それはさておき、相澤先生の話が続く、聞かねば
「コレを踏まえ...指名の有無に関係なく、いわゆる職場体験ってのに行ってもらう」
なるほど、それでヒーロー名って訳か...
俺たちはひと足先に経験したが...元々この職場体験は、授業や訓練などとは違い、より実戦に近い環境に身を置き、プロの活動を実際にこの目で見てより実りある訓練をする為のカリキュラムだ、プロに俺たちを知ってもらう必要がある、そのためには、己が何者であるかを証明する必要があるのだ
「まァ仮ではあるが、適当なもんは...」
「付けたら地獄を見ちゃうよ!!」
相澤先生の言葉を遮り、勢いよく扉を開けて教室に入ってきたのは...
「この時の名が世に認知され、そのままプロ名になってる人多いからね!!」
ミッドナイトだった、相変わらず生地がうっすいコスチューム、寒くないのかな
「まァそういう事だ、その辺のセンスをミッドナイトさんに査定してもらう」
「俺はそう言うのできん」と呟き、相澤先生は寝袋を取り出した、まさか寝るつもりかこの人
「将来自分がどうなるのか、名を付けることでイメージが固まりそこに近づいていく、それが「名は体を表す」ってことだ」
相澤先生が例として「オールマイト」と名前を挙げた、語源は「オールマイティ」、万能、全能などの意を持つ言葉、一人でなんでもできてしまうオールマイトに合っている、相澤先生のいう通り、「名は体を表す」に沿っている、成る程な、わかりやすい
その説明のあと、俺たちはミッドナイト先生からフリップとマッキーペンを受け取り、それに名前を書いていった
◇
15分後
ヒーロー名の考案を考えてからそのくらいが経った頃、ちらほらと書き終えた人が出てきた、早いな、みんな考えてたのか
「じゃあそろそろ、出来た人から発表していってね!」
ウッソだろ!?これ発表形式なのかよ!?度胸が...なんて考えていると、
真っ先に教壇に立ったのは青山だった、ある意味強心臓だなアイツ...
「行くよ...輝きヒーロー、i can not stop twinkling(キラキラが止められないよ)!」
短文ッ!!それがヒーロー名かよ!?あと英語かフランス語かどっちかにしろよ!!ええいツッコミどころが多いなチクショウめ!!
「ここはiを取って、can'tに省略した方が呼びやすいね」
「それね、マドモアゼル☆」
良いのかよ!!名前が短文のヒーローって初なんじゃねえの!?
脳内でツッコミを入れていると、次は芦戸が前に出た
「次私ね!!エイリアンクイーン!!」
「
「ちぇー」
ちぇーじゃないよ馬鹿野郎!!最初二つが変なの来たせいで余計に出辛くなったじゃんかよぉ!!大喜利ちゃうねんぞコラ!!
「じゃあ次、私良いかしら」
「はい梅雨ちゃん!」
頼むぞ梅雨ちゃん...変なのは辞めてくれ...!
「小学生の時から決めてたの、梅雨入りヒーロー、FROPPY」
「カワイイ!!親しみやすくて良いわ!!皆から愛されるお手本のようなネーミングね!!」
どうやら俺の心配は杞憂に終わったらしい、ありがとう梅雨ちゃん、空気と流れが変わった!!
それを皆も察知したのか、ドンドン発表していく
レッドライオット、イヤホン=ジャック、テンタコル、セロファン、テイルマン、ピンキー、チャージズマ、インビジブルガール、クリエティ、ショート、ツクヨミ、グレープジュース、アニマ...みんな良いヒーローネーム考えるなぁ、すごい、次は...爆豪か、さてさて、彼はどんなヒーローネームを考えているのカナ?
「爆殺王」
「そういうのはやめた方が良いわね」
物騒!!おおよそヒーローの名前とは思えんわ!!
「爆発さん太郎にしとけよ」
「黙れカス!!」
ひっどぉ...親しみやすい良い名前だと思ったんだけどなぁ...なんて考えていたら、次は麗日の番だ
「考えてありました...ウラビティ」
「洒落てる!」
成る程、ダブルミーミングか...「グラビティ」から「G(重力)」を取って...それに名前にも掛かってる、個性と名前をうまいこと活用した良い名前だ、ぶっちゃけ今まで出されたヒーローネームの中で一番洒落てると思う
「思ってたよりずっとスムーズ!!残ってるのは、再考の爆豪くんと...飯田くん、緑谷くん...そして回能くんね」
もう四人しか残ってないのか...ヒーローネーム...今までまともに考えてこなかったしなぁ...ぶっちゃけバ先で使ってる名前の「ジャック」でも良いんだが...それだとなんだか味気ない、何かいい物はないか...
そう考えているうちに飯田も発表、名前は「テンヤ」、自分の名前か...
しかし、轟とは違い、何か葛藤している様子だった、なんかあったのか...?
....そういえば...今朝ヒーローニュースでインゲニウムがヒーロー殺しにやられたって...まさか...な...
カッ...
「えぇ!?緑谷!?いいのかそれェ!?」
「一生呼ばれることになるかもなんだぞ!?」
俺がヒーローネームを決めあぐねていると、緑谷もフリップを持って発表していた、ヒーローネームは「デク」、緑谷の過去の話を聞いて、この名前がどういった経緯で付けられたのかは知っている、だが...
「ある人に意味を変えられて...僕には結構な衝撃で...嬉しかったんだ、コレが僕のヒーローネームです」
そう話す緑谷の顔は、少し自信なさげな表情だったが、それでも、ヒーローになりたいという強い意志が伝わってきた、良いじゃないか、かっこいいぜ緑谷
「....じゃ、俺もそろそろ行くとするかね」
「お、決まったかしら?じゃあ発表どうぞ!!」
タンッ
俺がフリップを皆に見えるように教壇に立てる、すると一部からどよめきが起きた
「本当にその名前で良いの?」
「ええ、勿論、このヒーローネームには、いろんな意味が込められてます」
俺の個性はその性質上、どうしても運頼りになってしまう、時には当たりを、時にはハズレを引くこともある、だからこそ、この名前にしたのだ
俺のヒーロー名は...「JOKER」
「皆の知っての通り、トランプのジョーカー...いわゆるババは嫌われ者として知られてる」
俺の言葉に耳郎の顔が少し曇った、だが、俺の話はここからだ
「だが...ポーカーや大富豪では、むしろ逆の評価を受けている、どんな状況からも逆転できる最強のカード、文字通りの「切り札」としてな」
ジョーカー入りのポーカー、ワイルドポーカーでは、どんなカードにも化ける事ができる「ワイルドカード」として扱われる
故に、ポーカーの最強の役である「ロイヤルストレートフラッシュ」、それをさらに超える、「ジョーカー」を使った、正真正銘、最強無敵の役、「ファイブ・オブ・ア・カインド」を作ることが出来る
つまり、「ジョーカー」は何者にもなれるカードなのだ、だが、逆に...
「ジョーカーは、他のカードでは演じきれない、つまり唯一無二、代えの効かない存在というわけだ」
俺は無数の能力を持ち、誰の代わりにもなれる、だが、誰かが俺の代わりになる事は出来ない、何者でもあると同時に、俺でもある、故に唯一無二の「切り札」なのだ
「最後の切り札、番狂せの一手、俺という存在と、個性を掛けた自慢のヒーロー名です、だから、俺はこう名乗ります、「切り札ヒーロー、JOKER」と、どうでしょうか、ミッドナイト先生」
「...名は体を表す...自分に対する自信であると同時に、皮肉でもあるのね、良いわね!気に入ったわ!最高に洒落てる!」
そこに居るだけで場をかき乱す道化師、そして、運次第でどんな状況も打開してしまう、無敵のヒーロー、それが俺だ
ミッドナイト先生の言う通り、このヒーローネームには自分に対する皮肉も混じっている、持っているだけで無限の勝ち筋があり、無限の負け筋がある、トランプだけにブラックジョークっつってな
という事で、これにて、ヒーロー名考案は終了だ...え?爆豪?「爆殺卿」って名前つけて、保留として「バクゴー」って名前に落ち着いたよ、物騒すぎるだろあいつ...
みなさんどうまで猫耳の人です
ヒーロー名、皆さんのお気に召したでしょうか
キャラや個性からある程度は考えていたんですが...
安定に落ち着いてしまいましたね、次回からいよいよ職場体験開始です
次回もお楽しみに
評価、感想、お気に入り登録等々していただけると作者が狂喜乱舞します
日常回、IF、ギャグ全振り回、恋愛回、その他のオリジナル回、これらを書いて欲しいですか
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大人しく書けやこのやろう
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本編に集中しろこのやろう