無敵のヒーロー(自称)   作:猫耳の人

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ついてく...ついてく...





第十七話 ワァ!!ウサギサンダァ!

「オイラはMt.レディ!!」

「峰田ちゃん、やらしい事考えてるわね」

「違うし!!!!」

 

先週の授業後、相澤先生から職場体験について詳しく話があった

 

「職場体験は一週間、肝心の職場だが...指名のあった者は個別にリストを渡すからその中から自分で選択しろ」

 

ウッソだろ、俺5800なんだけど?多すぎるって

また、指名がなかった者は、予め雄英がオファーした、全国の受け入れ可の事務所40件から選べとのこと

 

「それぞれ活動地域や得意なジャンルが異なる、よく考えて選べよ」

「例えば13号なんかは、対ヴィランより災害や事故からの人命救助とかね」

「今週末までに提出しろよ」

 

あと二日ァ!?短すぎんだろ!?俺5800だっての!!二日でまとめきれねえよ!!あーどーしよ

 

「ふーむ...」

「悩んでるね、やっぱ多いから?」

「だね、つーかコレ選ぶよりまとめる方が大変だわ...耳郎は?」

「ウチはデステゴロさんの所にしようかな」

「ヴィラン制圧の方か、耳郎の個性は良いなぁ、救助にも制圧にも使える」

「そ、回能はどんな活動したいの?」

「んー...」

 

ぶっちゃけ、俺の活動方針って決まってるわけじゃないんだよね、ヒーロー名決めであんだけ啖呵切ったは良いものの...個性が個性だからなぁ...救助も制圧も中途半端...だから...

 

「...自由気ままにやりたいんだよね俺」

「自由気ままにって....」

「ま、いずれにせよ基本的には戦闘だよ、(ジョーカー)は一人じゃ救助は難しいから、その辺はチームアップだったりサイドキックを雇ったりで対応して行くことになるが...」

「へー...」

 

その条件に沿うヒーロー...指名リストにあるかなぁ

俺は貰った指名リストを眺める、ギャングオルカ、エッジショット、シシド、リーキュウ、ジーニスト...んー...名だたるプロヒーローからめちゃくちゃ指名来てるな...うお、ホークスからも来てる、マジか、けど...

 

「俺には合わないかな...」

 

どこかに良いヒーローは居ないものか...ん?

 

「....居るじゃん、良いヒーロー」

 

俺の活動方針に合うヒーローかつ、俺の戦闘スタイルに合うヒーローが...

 

「決まった感じ?」

「おう」

 

俺の戦闘スタイル、実は脚技がメインだ、能力でその辺に違いは出るが...基本的には脚、そして蹴りがメインになっている、その参考になり、かつ自由に活動しているヒーロー...一人居た、しかもピンポイントで俺に指名入ってる、こりゃぁ...

 

「ツイてるね」

 

提出用の書類にヒーローの名前を書き、耳郎と共に職員室に提出しに行った、さてさて、どうなるかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

提出してから数日後の放課後

俺が耳郎達と帰宅しようと帰りの準備をしていると...

 

「回能、ちょっと良いか」

「?はい、なんですか相澤先生」

 

相澤先生に呼び止められた為、帰り支度を中断して相澤先生の下へ歩く、なんだろ

 

「どうしたんですか?」

「職場体験先のヒーローの話だ」

 

え、もしかしてダメだった?そうだったら今日中に他の事務所選ばなきゃなんだけど

 

「いや、そうじゃなくてだな...体験先のヒーローがお前の連絡先を欲しがってる、待ち合わせに必要なんだと」

「あぁ成る程、確かに、彼女との待ち合わせってめんどくさそうですからね、良いですよ、はいどうぞ」

「悪いな」

 

俺は相澤先生にスマホを渡し、相澤先生がスマホに俺の連絡先を登録した、そっちの方が後で連絡できて合理的との事、やったぜ、地味に相澤先生の連絡先欲しかったんだよね

 

「時間取らせたな、もう帰って良いぞ」

「わかりました、さようなら先生」

「はい、さようなら」

 

なんて小学生みたいなやりとりをしたのち、耳郎達と帰路に着いた

 

「相澤先生と何をお話しに?」

「体験先に選んだヒーローが俺の連絡先欲しいってさ、待ち合わせに必要だからって」

「体験先のヒーローが?誰にしたの?」

「んー、秘密」

「えー、教えてくれてもよくね?」

 

他愛のない会話をする、明日からいよいよ職場体験が始まる、何事もなけりゃ良いんだけど...

 

 

 

━━━━━━

 

 

 

一夜越し、職場体験当日、俺たちは各々のヒーローコスチュームを持ってそれぞれの体験先へアクセスできる大きな駅に居る

 

「コスチューム持ったな、本来なら公共の場じゃ着用厳禁の身だ、落としたりするなよ」

「はーい!!」

「伸ばすな、「はい」だ芦戸、くれぐれも失礼なないように、じゃあ行け」

 

相澤先生の言葉に、各々が各々の体験先へと向かう、が、俺は駅の外に出た

 

「あれ?回能、新幹線乗らないの?」

「まぁね、迎えに来てくれるらしいから、昨日ここで待ってろって連絡もらった」

「...そういうこと?その()

 

耳郎が俺にそう話しかける、俺の耳に視線を向けながら...

俺の耳は現在、体育祭で一度だけ見せた...「兎の耳」になっている、特徴的な真っ黒の耳だ、これで俺の職場体験先はだいたい予想がついただろう

納得した様な表情を見せる耳郎、とりあえずは...

 

「そ、まァお互い頑張ろう」

「うん、回能も気をつけて」

「ん、耳郎もな」

 

互いの無事を祈り、そう言葉を交わして別れた、さて、そろそろ待ち合わせの時間だが...

 

「まだ来てないか...」

 

取り敢えず時間を潰す為にスマホを開く、すると一つ連絡が来ていた、「もうすぐ着く」との事、その連絡を受け、空を見上げると、一つの影が俺の下へ降りてきた

 

「よう!居るな!」

「お、来た、おはようございます」

 

俺の前に降り立ったのは、勝気な表情を浮かべ、白いコスを身に纏ったスーパーバニーウーマン、ラビットヒーローミルコだ

 

「知ってると思うが私はミルコだ!」

「勿論知ってますよ、俺は雄英高校ヒーロー科、1ーAの回能彩目...ヒーロー名は「ジョーカー」です」

「おう!よろしくなジョーカー」

 

そう言って俺の腹部をぺちんと叩くミルコ....ミルコって意外と背小さいんだな*1

 

「じゃあ早速行くか!!着替えてこい!」

「わかりました」

 

俺はミルコに指示された通り、駅のお手洗いで着替えてきた、今回持ってきたヒーロースーツは機能性重視の方、黒いアンダーシャツに黒いジャケット、そしてポケットが沢山ついた黒いズボン...ミルコに着いていく以上、少しでも動きやすい方が良いからな

 

「よし!着替えてきたな!じゃあ早速ヴィラン蹴っ飛ばしに行くぞ!!」

「待ってください、先に荷物どうにかしたいんですけど」

「あん?んなモンその辺に置いときゃ良いだろ」

「よかないですよ!!何言ってんすか!?」

 

この人想像してたより大雑把だな...

 

「めんどくせーな...なら取り敢えず持ったまま着いてこい!!」ダムッ

「えぇ...ってちょっ!?はっや!!人の話聞かないタイプかよ!?」トンッ

 

俺にそう言った後、ミルコはすぐに跳んで行った、すぐに俺も跳んで追いかける、流石に距離が離れすぎていたので瞬間移動で距離を詰める、すると驚いたような表情をしたミルコ

 

「へぇ...私について来れんのか」

「その為だけにこの能力リセマラしてきたんですよっ!!」

 

とは言ってもギリッギリだ、イリュージョンや瞬間移動、兎の脚力、全てを総動員してようやく追いつけている、対するミルコは兎の脚力のみで跳び回っている

 

(やっぱ年季と経験の差か...!)

 

速すぎるよミルコ...道中、ヴィランを発見したがミルコが即撃破、即捕縛、俺は二歩程遅れて現場に到着、キッツイなコレ...

 

「おせーぞ!」

「あーたが速すぎんですよ...!」

 

息を切らしながらミルコの隣に降り立つ、快活に笑いながら俺を見るミルコ、この体力お化けがよぉ...

 

「次行くぞ!!着いてこいよ!!」

「えぇ...」

 

ヴィランを警察に引き渡したあと、俺の返事も待たずに跳んでいってしまうミルコ、チクショウ!!ぜってぇ追いつく!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なーんて、息巻いたものの...

 

「ゲホッゲホッ!!ヴォエ゛ッ!!ヒューッ!ヒューッ!!」

「.....」

 

職場体験初日が始まり、しばらくミルコと共に跳び周り、あっという間に夕方、膝に手をついて激しく息を切らす俺に、流石のミルコも笑い飛ばす気が引けたのか、真面目に心配そうな表情を見せる

 

「だ...大丈夫か...?」

「だいじょばないです...」

 

死にそうな顔でミルコを見上げる俺、おかしいな...俺体力ある方なのに...*2

 

「ま...まぁ今日は初日だし、休んどけ、な?」

「ありがとうございま...おえっ...」

 

ミルコに連れられ、ホテルに到着する、ミルコがチェックインを済ませると、俺を連れて部屋へ向かう、汗をかいたので取り敢えずシャワーを浴びようと部屋に入ると...あることに気がついた

 

「どうした?」

「...なぜベッドが二つあるんです?」

「同じ部屋で取ったからな」

「はい????」

 

耳を疑う言葉がミルコの口から発せられた、同じ部屋で取った?一体何を言っているんだこの人は

 

「そっちの方が徳だろ」

「あの、俺男なんですよ?」

「おう」

「おうじゃないですよ!!なーにしてんすかアンタ!!」

 

こちとら健全な男子高校生やぞ!!女性と同じ部屋で寝泊まりさせるんじゃないよォ!!しかもビジネスホテルだし!!

 

「取り敢えずシャワー浴びてこいよ」

「こっちの気も知らずに...」

 

とりあえず脱衣所に入り、ヒーローコスチュームを脱いでシャワーを浴び始める、汗でベタベタになった肌を優しく擦り、汚れと汗を落としていく、まずはシャンプー、次にトリートメント、それを終えたら乾いたタオルで優しく水気を拭き取り、洗顔をしてから体を洗う、最後に泡を流して終了だ

 

「ふぅ、サッパリした」

 

シャワールームのカーテンを開け、体の水滴を拭き、タンクトップと下着、短パンを履き、持ってきたヘアオイルで保湿、最後にドライヤーとクシを使って髪を乾かし、脱衣所を出た

 

「上がりましたよ」

「おう、んじゃ次私入るからな」

 

俺が上がったのを確認して入れ替わりでシャワールームに入っていくミルコ、その間に俺はヒーローニュースの確認をする

 

「職場体験のこと書かれてんな、どれどれ」

 

俺はそのうちの一つの記事に目をつけた、ミルコの記事だ、見出しは「ラビットヒーローミルコ、ついにサイドキック雇用!?隣を跳ねる黒兎の正体とは!?」となっている、確かに、俺が今日着ているコスチュームはミルコと対になるようなデザインだ

露出の多いミルコに対し、露出の少ない俺、白がメインのミルコに対し、ほとんど黒の俺、そして...

 

ピョコッ

 

「この耳か...」

 

ミルコに生えている白いウサミミと、俺に生えている黒いウサミミ、偶然だがとことん対になっている

 

「.....記事になるの早いな...」

 

職場体験が始まってからたった数時間でこの記事ができている、仕事が早いな、なんて考えていると...

 

バンッ!

 

「上がったぞ!!」

「はーい...!?」

 

ミルコが勢いよくシャワールームの扉を開けた、音に驚いてそちらを見ると、そこには生まれたままの姿のミルコが...

 

「何やってんすかアンタぁ!?」

「あ?あちーんだから仕方ねーだろ」

「せめて下着はつけてきてくださいよ!!まっぱで出てくるなんてアホなんすか!?」

 

とっさに目を逸らし、ミルコに服を着るよう言う、すると不服そうにシャワールームに戻り、服を着て出てきた、タンクトップに丈の短い短パンというなかなかの薄着だが、まぁよしとしよう...それより説教だ

 

「貴女ねぇ!今野郎と同じ部屋に居るって自覚あります!?」

「ちゃんと服着てきたんだから良いじゃねえか...」

「よかないんですよ!!頼みますからもう少し自覚を待ってください!!切実に!!」

 

色々ヤバいんですよ!!主に俺の理性が!!!なんか昨日から異常にムラムラするし!!兎のせいかぁ!?ふざけてんじゃねぇですよ全くもう!!

 

「わかったよ...気をつける」

「全く...頼みますよホント...」

 

この人性に無頓着すぎる...ミルコへの説教を終え、時間も時間なので食事を摂って寝ることに、まさかこんな形で女性と同じ部屋で寝ることになるとは...

布団に入ると、今日一日の疲れがあったのか、直ぐに意識が微睡の中に消えていく、明日もミルコについて行かなきゃならない、俺この職場体験で死ぬかも...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝...

 

「ん...むぐ...?」

 

なんか...息苦しい...しかも暑い...寝てる間に毛布にでも埋まったか...?

自分の顔にある圧迫感と息苦しさで目を覚ます、柔らかい...あとなんか頭がくすぐったい、風が当たってるような...

 

「んんんん????」

 

寝ぼけた頭を必死に回し、今の状況を理解しようとする、目の前に広がるのはご立派な双丘、頭をガッチリホールドされ抜け出そうにも抜け出せない

 

「んん〜〜〜〜〜!!!!」

「ん...なんだ?」

「ぷはっ...アンタねぇ.....」

「お、起きたか」

 

 

 

 

「起きたか、じゃねーんですよぉ!!!」

 

 

 

 

 

「うおっ!?」キーンッ...

 

俺を抱きしめて寝ていたミルコ、自分の胸の中で暴れている俺に気が付き、ようやく起きた、俺が大声を出して完全に目が覚めたようだ

 

「朝からデケェ声出すなよ...」

 

誰のせいだと思っとんじゃこのすっとこどっこい!!

 

「なんで同じ布団に居るんですか!?昨日寝る時別の布団に居ましたよねェ!?」

「寝ぼけてたんだよ...」

「だからって俺に抱きつきますか!?こっちは思春期真っ盛りの男子高校生なんですよ!?」

「...だってよ...」

 

ミルコはいかにも「不満です」みたいな顔をして話を始めた

 

「お前からは...なんかこう...安心するような良い匂いがすんだよ...だからいつもより熟睡できるっつーか...」

「......」

 

なんて、顔を赤らめながらぬかしおる、だからって男の布団に潜り込んでそのまま寝るんじゃないよぉ!!

朝からこんこんと説教をカマしつつ、ヒーローコスチュームを身にまとい、今日の職場体験の準備をする、途中俺と同じ場所で着替えようとしたので俺がシャワールームに移動する羽目に...マジでこの人どうなっとるんや...

 

━━━━━━

 

「そういえば」

「なんだ?」

 

各地を跳び回りながらミルコと会話をする、よしよし、少しずつ着いていくのにも慣れてきたぞ

 

「なんで俺に票入れたんですか?初めてだったんですよね」

「あー....」

 

ミルコがビルの上で立ち止まったので、それに合わせて俺も立ち止まる、少し考えて俺の方を向くと...

 

「キック力だ!」

 

そう言い放った、キック力て...

どうやらミルコはヒーローに一番必要なのはキック力だと思っているらしい、んな局所的なモンで決まるのか...

 

「あとはそうだな...強そうだったからだ」

「強さですか...」

 

強さについてはやはり自分は強いと思っていても、そこは第三者視点から見てみないとわからない事もある

 

「障害物競争ん時、兎使ってたろ」

「今も使ってるやつですね」

「それで「コイツ良いな」って思ったんだよ、後は宣誓ん時に生意気だったからな、それで気に入った」

「生意気て...」

 

快活に笑いながら肩を組んでくるミルコ、生意気という評価はいただけないが...実力面を見てそこを買ってくれているのは嬉しい

 

「うし!良い感じの休憩にもなったし、そろそろ行くか!!」

「ラジャ」

 

ダムッッ

 

ビルの屋上から二人で跳び、パトロールを再開する、二日目もミルコについて行くことで精一杯だったが、初日に比べて疲労は少なかった、やはり少しずつ慣れてきた

この調子で、職場体験でミルコから得られるものはなんでも吸収してやる...

そう意気込んでいた俺に、いや、俺達に事件が起こるのは、職場体験に来てから三日目の事だった...

 

*1
ミルコの身長は159センチ

*2
ミルコがおかしい




みなさんどうも猫耳の人です
いやー、やっぱ一から考えるのは時間がかかりますね
さてさて、次回はいよいよステイン回ですが...
どうしようかなぁって感じです
次回もお楽しみに
感想、評価、お気に入り登録などなど、してもらえると作者が狂喜乱舞します
そろそろヒロインの匂わせも色々出してまいりました、他にまだ居るので、良ければ予想してくださいな

日常回、IF、ギャグ全振り回、恋愛回、その他のオリジナル回、これらを書いて欲しいですか

  • 大人しく書けやこのやろう
  • 本編に集中しろこのやろう
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