無敵のヒーロー(自称)   作:猫耳の人

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俺にもちょっとだけお菓子分けてくれたり...だめ?さいですか...






第二十九話 女子会だってさ、お菓子食べるの?いいなぁ

 

 

PM4:00

 

二日目の訓練を終え、俺たちは今、施設の外に設営されているキャンプ場のような場所に集合している、何故って?

そらぁ...今晩の飯の用意をするためよ

 

「さァ!昨日言ったね!「世話焼くのは今日だけ」って!!」

「己で食う飯くらい己で作れ!!カレー!!」

『イエッサ....』

 

ピクシーボブ達の言葉に覇気のない返事を返す俺たち、仕方ないよ、あの訓練マジで死ぬかと思ったもん、俺はあの後130kgのおもりを着けて何十キロも瞬間移動した後、おもり着けたまま虎さんにボコられた、酔いも残ってたってのに容赦なく腹パンしてくるんだもんあの人

他の人もだいぶキツそうだった、特に爆豪とか尾白とか、この辺りの奴ら個性の関係上ダイレクトに体にダメージ入るからなぁ...

 

「アハハハハハ!!全員全身ブッチブチ!!だからって雑なネコマンマは作っちゃダメね!」

「確かに...災害時など避難先で消耗した人々の腹と心を満たすのも救助の一環....さず雄英無駄がない!!世界一美味いカレーを作ろう!皆!!」

 

そこまで考えてないと思うぞ委員長、相澤先生が「飯田便利だな」みたいな顔してるし、つーかなんでそんなに元気有り余ってるんだ...

 

「....大丈夫?」

「....」

 

返事がない、ただの屍のようだ

冗談は置いといてマジで動けん、身体が言うこと聞かん、視界もぐわんぐわんする

 

「具合が悪いのであれば無理をなさらず...」

「....大変なのはみんな一緒だよぉ...俺だけ休んでられない...」

 

キツいのは俺だけじゃない、取り敢えずは飯を作らなければ...俺も腹が減った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「轟ー!こっちも火ぃちょーだい!」

「爆豪爆破で火ィつけれね?」

「つけれるわクソが!!」

「壊すな阿保」

「誰が阿呆だ!!」

「オメーだよ」

 

しばらく動いてたら気分もだいぶマシになってきた、現在俺は飯盒の様子を見ながら食材を切っている

爆豪、爆破で火はつかないから強がるな、あと竈を壊すな

 

「....うし、こんなもんかな、みんな食材こっち持ってきてー」

 

俺は切った食材を鍋に移し、他に食材を切っていた人に向けてそう呼びかけた、自慢じゃないが俺料理は得意なんだ

ここ数年ずっと一人暮らしで自炊だったからね

 

「......んー、もうちょっとかな」

 

さてさて、飯田じゃないが、他者に振る舞う以上なるべく美味しく作りたい、味に妥協はできないな

しばらく試行錯誤し、良い感じの味になったので皿に飯を盛り付け、カレーをかけていく、いやー、この人数分のカレー作るの大変だわ...

 

「いただきまーす!!」

 

俺が盛り付けたカレーを持ち、各々席について食べ始める、さてさて、お味の程はどうかな?

 

「うめー!!!なんだこれうめー!!!」

「店で出せるぞコレ!!金取れる!!」

 

お、なかなか好評だ、嬉しいねえ

 

「ヤオモモがっつくねー!」

「ええ、私の個性は脂質を様々な原子に変換して創造するので、たくさん蓄えるほど沢山出せるのです」

 

へー、個性に脂質が必要だとは知ってたが...そういう原理だったのか、なんか錬金術みたいだな、なんて考えていると

 

「うんこみてえ」

 

瀬呂がそう呟いた、八百万が顔を押さえてうずくまってしまった

 

 

 

「謝れェ!!」

「女子になんてこと言ってんだテメェ!!」

「スイマセェン!!」

 

 

俺と耳郎の右ストレートが瀬呂の頬に突き刺さった

アホがテメェコラ瀬呂オラァ!!女子に言って良い事じゃねえぞ!!しかも食事中!!しかもカレー食ってる途中!!

デリカシーをお母さんの腹の中に置いてきたんかオメェはよぉ!!

 

なんて阿保みたいなことはありつつも、夕食を食べ終え、食器や鍋の片付けをして解散、あとは風呂に入って寝るだけだ

補習組は補習あるけど...まぁ頑張れ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈耳郎side〉

 

「....ん?今なんか聞こえた?」

「...男子の声っぽかったけど」

「あ〜、ご飯の時揉めてたもんね!B組と」

「男ってアホだよなー...あ、でもさっきの峰田の声っぽかったかも」

「お仕置きでもされてるのかな?されちゃえば良いんだ!」

 

お風呂上がり、ウチらA組女子は部屋で雑談をしている、昨日こっぴどく怒られたくせにまた覗こうとした峰田を相澤先生に突き出し、安心してお風呂に入ったウチら、マジで懲りないよなアイツ

 

「ほんまやね!」

「一度痛い目に遭わないとわからないかもしれませんわね」

 

梅雨ちゃんとストレッチをしていた麗日と荷物の整理をしているヤオモモが怒りを露わにする

 

「もっと深く刺しときゃよかった」

「もっと酸の濃度濃くしとけばよかったー!」

 

A組どころかB組の風呂まで覗こうとしてたもんなアイツ、見境なしかよ...

 

「でも...峰田ちゃんのことだから、そうそう変わらないと思うわ、今までだって痛い目に遭ったけど相変わらずだった物」

「それは...そうかも...」

 

確かに...何回痛い目に遭っても覗こうとするもんな...なんでその熱意をヒーロー活動に向けられないんだろ

そういう人間だからか

まぁ、それでもB組にまで被害が及ぶ前に止められてよかった、回能には後でお礼を言っておこう*1

そんなことを話していると、不意にドアがノックされた

 

「拳藤だけど、ちょっといいかな」

 

ノックしたのはB組の女子、拳藤だった、どうしたんだろ

取り敢えず皆で目配せし、扉を開けた、そこには拳藤を先頭に、同じB組の小大と塩崎、そして小森が居た

 

「さっきはありがとね、これお礼」

「お礼?」

「えー?なになに?」

 

拳藤から差し出された袋の中身を芦戸が覗く、それに続くようにウチらも袋の中を覗いた

 

「お菓子だーっ!」

「持ってきたお菓子の詰め合わせで悪いんだけどさ...」

 

袋の中には個別包装されたクッキーやチョコ、スナック菓子など、様々な種類のお菓子が入っていた、でもどうして...

 

「でも何の...もしかして峰田さんの件でふか?それならば必要ありませんわ!ウチの峰田さんが大変なご迷惑をかけるところだったんですもの...!」

 

ヤオモモがお母さんみたいな事を言いながら頭を下げた、拳藤はキョトン顔だ

 

「そんな気にすんなよ、結果的に大丈夫だったんだから」

「それに教えてくれたからこそ未然に防げたノコ」

「ん」

「これは私たちの感謝の気持ちです、ここに来られなかった柳さん、取陰さん、角取さんも直接お礼を言いたかったと申しておりました、ですがブラド先生から今日の訓練の注意点があると呼び出されてしまいまして...」

「だからさ、これもらってよ、そんな気持ち」

 

そう言って袋を差し出して来る拳藤達、でも...ウチらは別にたいしたことしてないし...

と受け取るのを渋っていると、ヤオモモの代わりに芦戸が受け取った

 

「芦戸さん!?」

「まーまーヤオモモ、せっかく持ってきてくれたんだし」

「そうよ八百万ちゃん、気持ちを無下にするのはよくないわ」

「それじゃみんなで食べようよ!」

 

そう言われても渋るヤオモモに、芦戸がそう提案した、たしかに、一緒に食べるなら...

 

「女子会しよー!女子会!せっかくだし!」

「さんせー!こう言う機会もなかなかないしね」

「まぁ...女子会...」

「え、ほんとにいいの?」

「もちろんよ、それに男子も男子で集まってるみたいだし」

「ん」

「...じゃ、やっちゃう?女子会」

「やっちゃうー!!」

 

あれよあれよと話は進んでいき、結局今いるメンバーで、この部屋で女子会をする事になった

部屋の真ん中にお菓子を広げ、自販機でジュースを買ってきて車座に布団を敷き座る、こうやってA組とB組の女子が集まることってなかなかないし...ウチも色々話を聞いてみたい

 

「...実は私...女子会が初めてなのですけど...どういうことをするのが女子会なんでしょうか?」

 

ヤオモモが少し顔を赤くしながら、ワクワクとした様子でそう問いかけた、つっても、具体的な話の内容は無いんだけどね

 

「女子が集まってなんか食べながら話すのが女子会なんじゃないの?」

「ちっちっち...女子会と言えば...恋バナでしょうがー!!」

 

マジか...恋バナかぁ...

 

「そうだ恋バナだ!!女子会っぽい!」

 

声を上げたのは葉隠と芦戸だ、麗日と梅雨ちゃんは少し恥ずかしそうだ

 

「こ...恋!?そんなっ...結婚前ですのに...」

 

なんて話すヤオモモも満更ではなさそうだ、このピュアセレブめ

 

「それじゃあ付き合ってる人がいる人ー!!」

 

いきなりかよ!!

言い出しっぺの葉隠が話題を振る、しかし全員が全員にワクワクした視線を向けるだけで、誰一人として名乗り出る女子は居なかった

...気まずい沈黙が数秒流れる

 

「...えっ、誰も居ないの?」

 

葉隠が周囲に確認を取るが、誰も隠してるそぶりは見えない

ちょっと焦るかも...

なにせ普通高校に進学した友達からは彼氏が出来たらとか、友達に彼氏ができたらしいとか、そんな話がちらほら聞こえて来るから...

 

「中学の時は受験勉強でそれどころじゃなかったけど...」

「雄英に入ったら入ったで、それどころじゃないノコ」

 

苦笑いする拳藤と小森、確かに全面的に同意だ、ヒーロー科は月から土までびっしりと授業が入っている、ヒーローになるためには学ばなきゃ行けないことがたくさんあるから、さらに加えて一般科目、授業だけじゃなく課題も出る、むしろこれでも時間が足りないくらいだ

 

「うわー!でも恋バナしたい!キュンキュンしたいよー!ねね!片思いでも良いから誰か好きな人居ないのー?」

 

芦戸がそう言いながら皆を見渡す、一度着いてしまった「恋バナしたい」という気持ちは止まらないらしい

....片思いか...

 

ふと、ウチの頭に回能の顔が浮かぶ、なんでかはわからないけど、片思い、好きな人と言われて無意識に考えてしまった

 

(いやいやいや、ウチに限ってそんなこと...)

 

なんて考えるけど、意識すればするほど、回能の事を考えてしまう、回能に言われたこと、言った事、された事、それが頭の中をぐるぐる回る

 

━━━━似合ってるよ?

 

━━━ウチが...あんたの右目の代わりになるよ

 

「っ...///」

 

顔が熱くなるのを感じる、多分顔赤い、見られないようにしなきゃ

と、咄嗟に顔を隠すけど、芦戸と葉隠に見つかった

 

「ん?耳郎顔真っ赤!!」

「耳郎ちゃん!!もしかして好きな人居るの!?」

「あ...いや...別にウチは...」

 

詰め寄って来る芦戸と葉隠、それだけじゃない、他の人も興味ありげにウチを見てくる

いや...別にそういうんじゃないし...回能は恩人だし...憧れてはいるけど...好きとかじゃないし...多分...

 

「誰!?誰なの!?」

「障子?上鳴?それとも回能?いつも一緒に居るよね!!」

「う...いや...居ないし...」

「嫌がっているのに詮索するのはよくありませんわ」

 

ヤオモモが助け舟を出してくれた、いや助け舟って...別に好きな人が居るとかじゃないし...回能は別にそんなんじゃないし...*2

 

「回能君と言えばさ」

 

突如葉隠が回能の名前を出した、ちょっとビクッとしたけどバレてない、一体なんだと葉隠の言葉に耳を傾ける

 

「なんか良い匂いするよね」

「あ、それわかる!!なんか安心する匂いっていうのかな?そういう匂いするよねー」

「そうかしら?確かに良いお花のような匂いはするけれど...安心する匂いかどうかはわからないわ」

 

良い匂いか...確かにする、回能からは柔軟剤とか香水とかとは別の良い匂いがする、芦戸の言っているような安心する匂いが

 

「確かにするノコ」

「そうなん?私も梅雨ちゃんと同じ感じかな...」

 

葉隠の言葉に同意したのはヤオモモ、芦戸、拳藤、小森の四人、他のメンバーはピンと来ていなかったり、そもそも回能のことを知らなかった

なんであんな良い匂いするんだろ...

 

「あー、でも結局キュンキュンできてないよー、やっぱキュンキュンしたいよ!だって女の子だもん!」

「それじゃあさ、妄想でキュンキュンしようよ!」

「妄想?」

 

葉隠の言葉にきょとんとする梅雨ちゃんと小森、妄想て...

 

「いや、それは流石にちょっと...」

「妄想っていうか、想像?例えばA組とB組の中で彼氏にするなら誰!?みたいなの」

 

なるほど、そう言うことね、葉隠の提案に芦戸が食い付いた、彼氏か....考えたこと...

 

━━━かっこいいじゃん

 

.....ない、ないよ、うん、ないない、考えたことない

 

「じゃあ早速...彼氏にするなら誰が良い!?」

「彼氏かー....」

 

皆が考え始める、麗日が一瞬顔を赤らめて顔を振ったのが見えた、なんとなく誰の事を考えてるのかわかった、まぁウチ以外誰も気づいてなかったけど...

 

「....いざ彼氏って考えてみると...イマイチピンとこないねぇ...」

「そうだね、そもそもそういう気持ちで今まで見たことがなかったし」

 

芦戸と拳藤がそう話す、確かに忙しくて余裕無かっただろうし、納得だ

 

「彼氏....あ、でもコイツと暮らせたら楽しいだろうなってのは一人居るな」

「意外な人が!!」

「誰誰!?」

 

拳藤がそう呟いた、それに食いつく芦戸と葉隠、この二人こういう話ほんと好きだな...芦戸と葉隠に詰め寄られ、少したじろぎながらも

 

「お...おう...そんなに食い付かれるとは...回能だよ、実はあの試験の後連絡を取り合ってるんだ」

「おー!!回能!!」

「どういうところが好きなのー!?」

 

回能か...ちょっと心がモヤッとした、違う、ヤキモチなんかじゃないし、まだ付き合ってないのにそんな事思うのお門違いでしょ...いやまだって、別にそんなんじゃないし...

葉隠と芦戸に詰め寄られた拳藤が話を始めた

 

「好きってわけじゃないって...アイツの聞き上手だし話も面白いんだよ、返答の仕方も...なんだろうな、ユーモアがあるっていうか、それに趣味も合うんだよ」*3

「へー!!」

「拳藤がそんな風に...ちょっと意外ノコ」

 

確かに意外といえば意外かも、もっとキチッとした人が好みなのかと思ってた、アイツ能天気だし、頭いいけどたまにアホだし

 

「確かに、回能さんと一緒に暮らせたらとても楽しいでしょうね...」

「全面的に同意ノコ」

 

ヤオモモと小森も同意した、でも確かに、アイツと一緒に暮らせたら楽しいかもなぁ、一緒に楽器したり...漫画読んだり...音楽の話したり...

その後は回能以外の男子の名前が浮かんでは芦戸達の厳しい新作で次々と候補から消えていき...結局キュンキュンするって目的は達成できなかった

.....アイツら今何してんだろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈回能side〉

 

「......何してんすか」

 

俺がラグドールに用があり、大部屋から離れてしばらく、部屋に戻ってきたらA組とB組の野郎どもが先生二人に説教されていた

相澤先生とブラド先生の話によると、明日の夕食の肉じゃがに使う肉を豚か牛かにするかで争い、個性を使った枕投げをしていたそうな

アホだろ...で、結局収拾がつかなくなり、二人が部屋に入った瞬間二人の顔面に枕が命中、そして今に至る

 

「......自由時間は好きにしろって言ったがな、何をやっても良いってことじゃねえぞ、ずいぶん体力が有り余ってるみたいじゃないか?」

 

うわー...相澤先生ガチギレだよ...顔こわぁ...

 

「そんなに体力が余ってんのなら、明日のトレーニングはお前らだけ倍だ、なぁブラド」

「そうだな!」

「そんなぁ!」

 

うわぁ...今日だけであんなキツかったのに倍って....明日まともに動けないんじゃないかな...ドンマイ

何はともあれ、A組とB組の戦いは強制的に幕を閉じた、変な所でやる気出すんだからもうコイツらもう...取り敢えず連帯責任とかにならなくてよかった、俺のトレーニングまで増えたら本気で死ぬ

相澤先生とブラド先生からの説教を終え、俺たちは床に着いた、明日の三日目、肝試しがある、実は俺ホラーとか大好きなんだよね、超楽しみ

 

明日の肝試しに心を躍らせながらも、俺の意識は微睡の中に消えていった、外に吹く一陣の風、その風だけが、俺たちに向けられた悪意を知っていた

 

明日の夜、ヒーローの信頼が揺らぐ事件が起こる、そんなことは露知らず、俺たち雄英生は、一日の疲れを癒すために眠りについた

*1
回能が女子たちに密告した

*2
本人は気が付いていないが、別に回能だと断言していないのに回能と言っているのでお察しである

*3
拳藤の好きなものにバイクがある、実は回能もバイクが好き




どうもみなさん猫耳の人です
文章の書き方、一生迷走してます
何か変だなって思ったら遠慮なく言ってください
皆様により良い物を提供したいと考えております
次回もお楽しみに
感想、評価、お気に入り等してくれると作者が狂喜乱舞します

回能彩目は

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