無敵のヒーロー(自称)   作:猫耳の人

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付き合っていきなり同棲はハードル高すぎ






第三十五話 同じ建物で共同生活?実質同棲じゃんね

 

耳郎と告白し合い、無事カップルとなったあと、ナースさんが来て診察時間だと教えてくれた、見られた?見られてないよね?なんて考えてたらナースさんが暖かい目で俺の事を見てた、バレとるやんけ、はずい

 

「.....うん、体に異常無し、今日で退院出来るよ」

「ありがとうございます」

 

診察を受け、医者にそう言われた、傷が早く治ったのは、どうやらリカバリーガールが強めの治癒をしてくれたかららしい、リカバリーガールに感謝だな

と、言うわけで、俺は荷物をまとめて病院を出る事にした

 

「どうだった?」

「体に異常なし、退院だってさ」

「よかったね」

 

俺が荷物をまとめるのを待ってくれている耳郎、といっても、荷物はそこまで多くない、何せ誘拐されてたもんで、貴重品と少しの服くらいだ、なので荷物をまとめるのに五分も掛からなかった

 

「さ、行こうか」

 

俺が耳郎にそう呼びかけると、耳郎が俺の隣を歩いてくれる、心なしかいつもより距離が近い、病院を出て、二人で並んで歩きながら駅へ向かう、会話は無い、加えて朝早くということもあり、人通りが少なく、とても静かだった

 

「....」

「....」

 

....こんなに静かなのに全く気まずく無い、それどころか心が安らぐ、こんな気分は初めてだ、この時間がいつまでも続けば良いな...

 

「....」

「....?」

 

....?耳郎がなんかもじもじしてる、なんだろ...

チラリと耳郎の方を見てみると、左手が何やらうろうろとしていた、俺の手に近づいては辞めて、やっぱりまた近づいて、やっぱり辞めて...

あぁ、成る程、手ぇ繋ぎたいのか

俺がするりと耳郎の手に自分の手を絡ませた、恋人繋ぎだ、耳郎の体がビクンと震える、が、少しして俺の手を握り返してくれる、暖かい

 

「....なんか、良いな、こういうの」

「....うん」

 

初々しいなぁ...みたいな視線が俺たちに集まる、辞めて、恥ずかしい

...少し歩いて駅に到着、新幹線に乗り、俺たちはそれぞれの自宅に帰宅した

 

「またね」

「うん、また」

 

電車で別れを告げ、少しの寂しさと期待を胸に、俺は自宅に到着した

 

「...なんか久々な気がする」

 

家を空けていたのは四日、たった四日だと言うのに随分と長い間帰ってこなかったような気がする、なんかあるよねこう言うの、旅行の後とかさ

 

「....ん?」

 

郵便受けに何か入っている、いつもは新聞なのに、何か封筒が入っている、白い封筒だ、取り敢えず外に居るのもアレなので、家に入って玄関先で封筒を開く、中に入っていたのは一枚のプリント、送り主は雄英だ、プリントの内容は...

 

「「全寮制導入検討のお知らせ」.....家庭訪問か...」

 

家庭訪問、先生方が家に来て保護者と話をする事、なんだが...

 

「ウチ保護者居ないんだけど...」

 

俺の両親は現在、会社の経営で海外とI・アイランドを行ったり来たりしている、両親が一つの会社を経営しているのではない、両親が一つずつ会社を経営している、故にどちらも仕事で手一杯、なかなか家に帰ってこない、取り敢えず両親にこの事について連絡を入れておき、俺は部屋に戻った

今日はもう予定はないので、夏休みよろしくの自堕落な生活を送った、あっという間に夜、一瞬で時間が経ってしまったな、まぁそれも良い、耳郎と付き合うことができた、今はその事実だけが、俺の心を暖かくしてくれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家庭訪問当日

俺は取り敢えず家の掃除だけして先生方を待つ、時刻は昼頃...遅いな...先に昼飯食っちまおうかな、なんて考えていると、インターホンが鳴った、カメラを見ると、相澤先生が居た

 

「お、ようやく来た」

 

取り敢えず茶を用意してから玄関を開ける

 

「こんにちは相澤先生、上がってください」

「ああ、こんにちは、悪いな」

 

プリントじゃオールマイトも来るって話だったけど...長引いたから別れたのかな?まぁ良いや、取り敢えず居間に案内し、茶を出す

 

「それじゃあ話を始めるが...両親は?」

「仕事です、あんまし家に帰ってきません」

「そうか...それで...プリントは見たか?」

「ええ、見ましたよ」

 

俺が郵送されてきたプリントをテーブルに乗せる、全寮制導入のお知らせ、家庭訪問の内容は、保護者に全寮制の許可を貰うためのお話だ、先生方は保護者の皆様に頭を下げて回っているらしい、だから俺の両親にも頭を下げるつもりで居たのだろう、しかし...

 

「全寮制の件だが...」

「良いですよ、両親も了承してますし」

「...そんなアッサリで良いのか」

「ええ、良いんです」

 

だってウチの両親結構アッサリしてるもん

両親に俺が誘拐されたって話したらさ、なんて言われたと思う?「へー、運悪かったんだね、まぁ生きててよかったじゃん」ってさ、キレそう

仮にも自分の息子が死にかけたってのに反応ドライすぎんだろ*1

で、全寮制の件だが...両親に話したらボイスメッセージが送られてきた、内容は...

 

『寮?良いんじゃない?あ、でも1〜2週間に一回は家掃除にしに来てね』

 

それだけ言い残してボイスメッセージはプツンと切れた、俺も相澤先生も沈黙してしまう、だってねぇ?こんな軽いんだもんねぇ?相澤先生も俺も黙っちゃうよねぇ

 

「....ね?」

「....あぁ...批判は覚悟してたんだが....気が抜けちまったよ」

「うちの両親そういうの気にしないんで、覚悟とか要らないですよ」

 

俺が笑いながらそういうと、心なしか相澤先生もホッとしたような表情を浮かべた、この前見た記者会見で言っていた事を気にしていたようだ、自分の責任、戦闘許可を出したこと...

最初に見た時、俺は相澤先生を情なんて持たない効率厨だと思ってたが...この人もこの人なりに、ちゃんと愛情を持って俺達に接してくれているのだ

 

「...少しゆっくりしていってください、お茶請けも出しますよ」

「...あぁ、ありがとう」

 

その後は少し、相澤先生と他愛のない会話をした、成績の話、クラスメイトの話、授業や普段の生活について...相澤先生ってちゃんと笑うんだな...

それから30分程経っただろうか、そろそろ時間との事で、相澤先生が立ち上がり、次の家に行こうとする、もうそんなに時間が経ってたのか...

 

「邪魔したな、色々準備しておけよ、一週間後には寮入りだ」

「ええ、準備しておきます、それと相澤先生」

「なんだ」

 

相澤先生を呼び止め、冷蔵庫で冷やしていたスポーツドリンクを渡した

 

「最近暑いので、熱中症にはお気をつけて」

「...あぁ、気をつけるよ、お前も気を付けろよ」

 

ニヒルに笑いながらそう言い残し、相澤先生は次の家庭訪問へ向かった、中々ああやって話す機会がなかったし...とても楽しい時間だった...

さて、必要な荷物を纏めよう、時間は有限、キビキビ動かなければ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一週間と言うのはあっという間に過ぎるものだ、荷物をまとめていたら、気がついたら一週間が経っていた、キン◯クリ◯ゾンでも食らったか?

さて、冗談はさておき、大きな荷物はあらかた郵送で送ってある、持ち物は教材やら小物やらの、小さなカバンに入る程度の物のみ...

 

いよいよ始まるわけだ、俺たちの、雄英での新生活が...

 

━━━━━━

 

雄英敷地内、校舎から徒歩五分の築三日、「ハイツアライアンス」、ここが、俺たちの新しい家...

すごく...大きいです...

 

「恵まれし子らのー!!」

 

芦戸がはしゃいだように声を出す、無論、はしゃいでいるのは芦戸だけではない、この場にいる全員が期待に胸を躍らせている

かく言う俺もワクワクしている

 

「取り敢えず、一年A組、無事にまた集まれて何よりだ」

 

俺たちの前に立つ相澤先生、あの後走り回って頑張ったんだろうなぁ...差し入れして良かった

 

「みんな許可降りたんだな」

「ねー!みんなで無事に集まれてよかったー!」

「無事に集まれたのは先生もよ、会見を見た時は居なくなってしまうのかと思って悲しかったの」

「うん」

 

まぁそりゃそうか、何せ俺たちに戦闘許可を出した本人なのだから、相澤先生も驚いているらしい、懲戒免職どころかヒーロー免許剥奪まで覚悟していたらしいのだから

何はともあれ、相澤先生も居なくならなくてよかった

 

「....俺もびっくりさ、まァ...色々あんだろうよ...さて...!これから寮について軽く説明するが...その前に一つ、当面は合宿で取る予定だった、「仮免」の取得に向いて動いて行く」

 

あぁ、なんかあったなそんな話、色々あって忘れてた...

ヒーロー仮免許、緊急事態に於いてのみ、プロと同等の権限を行使する事ができる免許...つまりは限定的な個性使用の許可証、制限ありのヒーロー免許と言うわけだ...

 

「大事な話だ、いいか」

 

相澤先生が皆の言葉を遮り話しを続ける、なんだ、雰囲気が変わったな

なんて考えていると...

 

「轟、切島、緑谷、八百万、飯田、耳郎、この6人は()()()()()()()へ、爆豪・回能救出に赴いた」

「え....」

 

空気が重い、なんだ、救出に来たのみんなに話してたのか、皆の反応を見る限り、やっぱ反対だったんだろうな、そらそうだ、思いっきりルール踏み抜いてんだから

 

「その様子だと、行く素振りは皆も把握していたワケだ、色々棚上げした上で言わせて貰うよ、オールマイトの引退がなけりゃ俺は、爆豪・回能以外全員除籍処分にしている」

「!?」

 

オールマイトの引退によってしばらくは混乱が続くことが予想される、ヴィラン連合の出方が読めない上、雄英も色々と不祥事が重なった、今雄英から人を追い出すわけにはいかないのだろう、そんな事すれば格好の的になってしまう、雄英も、追い出した生徒も...

 

「行った6人は勿論、把握しながら止められなかった12人も、理由はどうあれ俺たちの信頼を裏切った事には変わりない、正規の手続きを踏み、正規の活躍をして信頼を取り戻してくれるとありがたい、以上!さっ!中に入るぞ、元気に行こう」

 

いや待って、行けないよ相澤ティーチャー、どーすんのさこの空気、めちゃくちゃ重いよ、シリアスさんだよ、シリアスなのは苦手なんだよ...

どうにかしてこの空気を...あ、そうだ

 

「ん゛ん゛、えー皆様、おはようございます、突然ですが、寮に入る前に私から一つご報告がございます、耳郎、ちょいちょい」

 

俺が皆の前に歩き、真っ直ぐ立って耳郎を俺の元に呼び寄せた、そして、俺は耳郎の手に自分の手を絡ませ、皆に見せびらかすように手を挙げた

 

「.....!?かっ///回能!?」

「えーこの度、ワタクシ回能彩目は、ここにいる耳郎響香さんとお付き合いさせて頂くことになりました」

 

「.........は?」

 

 

 

 

 

 

 

「「「「はぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」

 

「うおっ、うるさっ」

 

俺の言葉を聞き、静寂をぶち壊すかの如くクラスメイトたちの絶叫があたりに響き渡った

 

「おっ...おまっ...今言うことじゃねーだろぉ!!!」

「こんっのリア充がぁぁぁぁぁ...!!」

 

こっわ、一人だけ呪いでも放ちそうな勢いなんだけど...だからモテないんじゃない?*2

 

「どっちから!?」

「どっちから告白したの!?」

「....ウチから...///」

 

「きゃ〜♡」と、先程までのめちゃんこ重い空気はどこに行ったと言いたくなるような黄色い悲鳴が聞こえてきた、芦戸と葉隠がめちゃくちゃはしゃぎながら祝福してくれた、君らこう言う話好きだもんね

チラッと爆豪の方を見ると、切島に5万円渡してた、何?賄賂?

 

(茶番...も時には必要か...)

「皆!!すまねえ...!!今夜はこの金で焼肉だ!!」

「マジか!!」

「買い物とか行けるかな?」

 

流石に5万円で20人全員は焼肉食えんぞ切島...食べ放題でももっと金いるだろ...あ、スーパーで肉買えば良いのか

さて、これでシリアスな空気は無くなっただろう、さ、寮に入ろうか

 

「一棟一クラス、右が女子棟、左が男子棟と別れている、ただし一階は共有スペースだ、食堂や風呂・洗濯などはここで」

「広キレー!!そふぁああ!!」

「中庭もあんじゃん!」

「豪邸やないかい」

 

中は思ったより綺麗だな!

...別にブルーベリー色の巨人なんて出てきやしないぞ?

さてさて、そんな冗談は置いといて、中はかなり広い、くつろぎスペースや食事スペース、キッチンに冷蔵庫まである、しかもエレベーター付きだ、これをこの短期間で...?早すぎんだろ...

 

「聞き間違いかな....?風呂・洗濯が共同スペース?夢か?」

「男女別だ、お前良い加減にしとけよ?」

「はい」

 

またエロブドウがなんか言ってる、毒牙が耳郎に向くようなら....色々しなくちゃならん、そうならない事を願うが...

各々の部屋は2階から、ワンフロアに男女各四部屋の5階建て、一人一部屋、エアコントイレに冷蔵庫、クローゼットまで付いてる贅沢空間だ、なんとベランダまである、大盤振る舞いすぎだろ

 

「我が家のクローゼットと同じくらいの広さですわね...」

「豪邸やないかい」

 

八百万の発言に麗日がぶっ倒れた、家に行った事がある身としては100%誇張では無いとわかる

部屋割りは相澤先生が決めてくれたようだ、部屋割りは...

 

2階男子 峰田、緑谷、青山、常闇

2階女子 無し

 

3階男子 口田、上鳴、飯田、尾白

3階女子 耳郎、葉隠

 

4階男子 障子、切島、爆豪

4階女子 麗日、芦戸

 

5階男子 回能、轟、瀬呂

5階女子 八百万、蛙吹

 

以上の通りだ、男子棟と女子棟は壁で仕切られているが、峰田を警戒してなのか2階に女子は居ない

 

「部屋割りはこちらで決めた通り、各自事前に送ってもらった荷物が部屋に入ってるから...とりあえず今日は部屋作ってろ、明後日また今後の動きを説明する、以上、解散!!」

「「「ハイ先生!!」」」」

 

てなわけで各自で部屋を作るために解散、俺は自分の部屋である5階に移動、部屋に入ると諸々を入れたダンボールが山積みにされていた

さて.....

 

「やるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ATTOIUMANIYORU

 

部屋を作り終えた俺たち男子は、現在一階の共同スペースでだれている、いやー疲れた、壁紙の張り替えから家具の設置...組み立てから何から全部一人でやった、分身使って時短はしたけど

 

「いやぁ、経緯はアレだが...共同生活ってワクワクすんな」

「共同生活...これも協調性や規律を育む為の訓練...!!」

「キバるなあ委員長」

 

確かに、なんだか不思議な気持ちだ、これから三年間、同じ建物の中で同じ空間を共有...

そう考えるとこれって実質同棲だよな、やば、なんかドキドキしてきた

 

「...つか回能、なにそのシャツ」

「え?」

 

俺が今着ているTシャツに上鳴が物申した、俺は今、「じゅげむじゅげむ五秒でブチギレ」と書かれた、簡略化された人が人を殴っているイラストが描いてあるTシャツを着ている

 

「すげぇシュール」

 

俺のシャツを見た瀬呂がそう呟いた、シャツは気にするな、さて、これから何しようかな...

なんて考えていると

 

「男子部屋出来たー?」

「ん?おん、今ダラダラしてるところよ」

 

共同スペースでくつろいでいると、部屋を作り終えたんだろう、女子も降りてきた

 

「あのね!今話しててね!提案なんだけど!

 

 

 

 

お部屋披露大会しませんか!?」

 

 

 

 

 

....どうやらまた一悶着ありそうだ

 

*1
実は回能に話していないだけで、両親は回能が誘拐されて死にかけたと聞き、仕事を全部投げ出して帰国しようとしていた、愛されてんね

*2
峰田にクリーンヒット




どうもみなさん猫耳の人です
ついに寮入り、共同生活が始まりましたね
これからどんどん日常回も増えていきます
次回もお楽しみに
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回能彩目は

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