やっぱヒーロー科ってキワモノ多いのね
地獄の訓練の日々は順調に流れ、いよいよ仮免試験当日
俺たちA組はバスに乗り、試験場である国立多古場競技場に来ていた
皆緊張している、まあターニングポイントだからね、緊張もするさ
「緊張してきたァ...」
「大丈夫?手繋ぐ?」
「良いから///!てかなんでアンタは緊張してないんだよ!」
「なるようにしかならないし」
「相変わらず能天気だな...」
耳郎を茶化しつつ緊張をほぐしてあげる、芦戸と葉隠がキャーキャー言ってる、何人かはこれで緊張ほぐれたかな
つっても試験で何するかはわからない、多分また緊張するだろうけど...
俺の方も試験内容がわからない以上、適当に能力の抽選は出来ない、無難なのは「ホークアイ」か「加速」...あとは「アクセル」辺りだが...その辺の能力でも対応しきれない試験だった場合、みんなの足を引っ張ることになる、取り敢えず色々対応できる「ホークアイ」をリセマラして来たが...
足を引っ張るのだけは勘弁したい、ヒーロー仮免許...本来ならば二年生で取る物、相手は俺達より多くの訓練と経験を積んできた人達ばかりだ、訓練の差はどう足掻いても埋まらない
だからと言って諦める気も毛頭ないがな、やる事は変わらない、合格目指してやる事やるだけだ
「この試験に合格し仮免許を取得できれば、お前ら
相澤先生から出た珍しい素直な激励、この人やる気出させるの上手いな、いいね、燃えてきた、やってやろうじゃないの
「っしゃあなってやろうぜヒヨッ子によォ!!いつもの一発決めて行こーぜ!」
っし!気合い入れて行くぞ!!
「せーのっ!Puls...」
『ultra!!』
うるさっ
俺たちが円陣を組むと、帽子を被った障子よりもデカい他校の男子生徒が円陣に混ざってきた、声デカイし
「誰だお前」
「勝手に他所様の円陣へ加わるのは良くないよイナサ」
「ああしまった!!どうも!大変!失礼!致しましたァ!!!」
頭大丈夫かコイツ、二つの意味で
思い切り体を反らせたかと思えば、その反動を使って全力でお辞儀をして頭を地面に打ちつけた目の前の男子生徒、みんな引いてるよ、なんだこのノリと勢いで全部どうにかしようとする感じ
「なんだこのテンションだけで乗り切る感じの人は!?」
「飯田と切島を足して二乗したような...!」
「...あの制服...」
この男の人柄は置いておき、コイツが着てる制服...それと帽子...コイツまさか
「東の雄英、西の士桀」
「数あるヒーロー科の中でも雄英に匹敵する程の難関校...」
それが士傑高校...まさか同じ会場だとは...これは荒れるぞ
「一度言ってみたかったッス!プルスウルトラ!!自分雄英高校大好きっス!!雄英の皆さんと競えるなんて光栄の極みっス!!よろしくお願いします!!」
やっぱ頭大丈夫じゃ無いだろコイツ、二つの意味で
頭から流れる血なんて気にしませんと言わんばかりに、ガンギマリの目で俺たちにそう言ってくる目の前の男
コンクリに頭打ち付けたらそうなるわな、目付きと相まってヤベェ奴感が凄い、いや実際ヤベェ奴なんだけどさ
「夜嵐イナサ...」
「知ってるんですか?」
「嫌なのと同じ会場になったな、ありゃあ強いぞ」
夜嵐イナサ、昨年度...つまり俺たちの年の推薦入学、その試験をトップで合格したにも拘らず、なぜか入学を辞退した男...らしい
てことはアイツ一年か、しかも推薦入学トップ...つまり...
「場合によっちゃ実力は轟以上...か」
個性によっちゃ戦いたく無い相手だ、轟と八百万から推薦入学試験の内容を聞いたことがある、個性を使った障害物競争的な物だと教えて貰った、少なくとも機動力は轟よりありそうだ、それにしても...
「雄英大好きとか言ってた割に入学は蹴るって...よくわかんねえな」
「ねー、変なの」
「変だが本物だ、マークしとけ」
相澤先生がそこまで言う相手...警戒しておこう
「イレイザー!?イレイザーじゃ無いか!!」
「!」
そろそろ移動しようかと思っていると、突如相澤先生に話しかける女性の声が聞こえた、相澤先生がそれに気がつくと、凄く嫌そうな顔をした、うわー、心底嫌そう、初めて見る顔だわ
「テレビや体育祭で姿は見てたけどこうして直で会うのは久しぶりだな!!」
「あの人は...」
緑谷が何か知っているらしい、さすがヒーローオタク
「結婚しようぜ」
「しない」
「しないのかよ!!ウケる!!」
「相変わらず絡み辛いなジョーク」
わぁお、最速の求婚と玉砕、まるで漫才だ、てか顔見知りなのかこの二人...頭にオレンジ色のバンダナを巻いた女性ヒーロー、昔一回だけ見た事がある
スマイルヒーロー「Ms.ジョーク」、個性は「爆笑」、近くの人を強制的に笑わせる個性、その個性で思考と行動を鈍らせ、ヴィランの制圧を行うヒーローだ*1
「というかお前の
「そうそう!おいで皆!雄英だよ!」
Ms.ジョークが呼ぶと、遠くからポロシャツを着た生徒達がこちらに向かってきた、わっかりやすい爽やかイケメンフェイスの生徒を先頭に集まってくる
「おお!本物じゃ無いか!!」
「すごいよすごいよ!テレビで見た人ばっかり!」
「一年で仮免?へぇー、ずいぶんハイペースなんだね、まァ色々あったからねえ、さすがやることが違うよ」
キャラ濃いな、さっきの奴しかりヒーロー科はキャラが濃い奴が集まるのか?*2
とまあそんな事はどうでもよくて、Ms.ジョークから紹介がされた、傑物学園高校2年2組...やっぱり2年か、雰囲気は柔らかくても俺らより多く経験を積んできた先輩...
「俺は真堂!今年の雄英はトラブル続きで大変だったね」
「えっあ」
「しかし君たちはこうしてヒーローを志し続けているんだね、素晴らしいよ!不屈の心こそこれからのヒーローが持つべき素養だと思う!」
ウチには居ないタイプの人間だ、分かりやすく爽やか演じてやがる、腹の奥は真っ黒な癖してよ、つーか今耳郎に触れたな?触れたよな?よろしい、ならば戦争だ
「中でも神野事件を中心で経験した爆豪くんと回能くん、君達は特別強い心を持っている、今日は君たちの胸を借りるつもりで頑張らせてもらうよ」
俺たちにそう話しかける真堂、わかりづらいが表情が変わった、こっちを探ってくるような視線...隠してるつもりなのか、はたまた隠すつもりが無いのか...
「フかしてんじゃねえ、台詞と面が合ってねぇんだよ」
真堂の手を弾いてそう言う爆豪、お前も気づいてたか、流石の観察眼、爆豪に弾かれた手をそのまま俺に向けて来る、爆豪と同じように弾いてやっても良いが...
「ええ、よろしくお願いします」
わざとらしくにこやかな顔を作り、真堂の握手に応じる、真堂の顔は先程の爽やかイケメンフェイスだ、気付いてないと思ってんのかね、まぁ良いや、少し意趣返ししてやる
「...へぇ、揺らす個性ですか」
「!?」
「良い個性ですね、デメリットは...範囲と威力に応じて余震が体に来る、と...」
ポーカーフェイスが得意なのだろうが、今の俺の前で隠し事は出来ないぞ、分かりやすく動揺する真堂、慌てて手を離そうとするが...俺がガッチリ握っているので離れられない
「...体を折りたたむ個性に...無機物を硬くする個性...軌道を操る個性ね...みんな良い個性だ」
「「「...!!」」」
真堂の後ろに居た生徒も、俺に個性を言い当てられて動揺した、面白い反応だ、初対面の人間に自分の事を当てられる、どんな気分なのかな、教えてくれよ
「っ...」
「動揺してますね、イケメンが台無しですよ?」
俺は掴んだ手を思い切り引き寄せ、真堂の額に自分の額を合わせ、真堂の瞳を見据える
「何考えてるかは大方予想が着く、その程度で折れるほど俺らは弱く無いんで....さっきの言葉、そのまま返しますね、こちらこそ、胸を借りるつもりでやらせて貰いますよ、センパイ?」
そう言い放ち、俺は手を離して皆の元へ戻る
「あぁそうだ、真堂センパイ、試験会場で会ったら一発ブン殴りに行くんで、覚悟しといてくださいね」
不敵に笑ってそう言い放つ、表情は真顔だ、ポーカーフェイスのつもりか?動揺してんのバレバレだよ
「なんでそんな喧嘩腰なんだよ...」
と、戻ってきた俺に瀬呂が話しかけてきた、そりゃあねぇ?俺の嫌いな人種ってこともあるけど...八割は...
「俺の許可なく耳郎に触れたからだ、あのエセイケメンはブン殴る」
「過激派かよコエーよ」
「愛されてるわね、耳郎ちゃん」
「ハズいからそういうのやめて///!!」
「いて」
耳郎に叩かれた、痛い、だってアイツ俺の耳郎に勝手に触ったんだもん...
「おい、コスチュームに着替えてから説明会だぞ、時間を無駄にするな」
「「「「はい!!」」」」
相澤先生に言われ、俺たちはコスチュームに着替えるため控え室に向かう
「にしても外部と接するとやっぱ結構な有名人なんだな、雄英生って」
「確かに、特に回能、めちゃくちゃ見られてたもんな」
「やっぱ職場体験の時ので顔売れてんのかな」
「まぁ面は良いし」
「相変わらずの自信...」
見られてた理由はそれだけじゃ無いだろうがな....
◇
『えー...ではアレ...仮免のヤツをやります、あー...僕はヒーロー公安委員会の目良です、好きな睡眠はノンレム睡眠、よろしく』
会場に着いた俺たちはその人の多さに驚いていた、しばらくして試験官と思しき人が壇上に上がる、めちゃくちゃやつれてんな、大丈夫かあの人
『仕事が忙しくてろくに寝れない....!人手が足りてない...!眠たい!そんな信条の下ご説明させていただきます』
疲れ一切隠さないなこの人...公安ってブラックなんだな...なんかキナ臭い噂もあるし....
まあそれは置いといて...試験内容について、この場にいる受検者1570人で一斉に勝ち抜けの演習を行ってもらうとの事、その後、世間、社会の事を長々と語られた、まぁ纏めると、オールマイトの引退以降迅速になって来たヒーロー達に追いつけるよう、俺達にはスピードが求められるとの事
一通りその辺の事情やらを語った後、条件達成者
1540人中の100人、合格率は一割以下という事だ、しかもそれはあくまで第一試験、いわば予選だかなりふるい掛けてきやがる、良いね、そうでなきゃ面白く無い、にしても100人か...てことは
「残席数は実質80って事ね」
「は?」
「何言ってんだ回能?」
そこそこ大きい声で放たれた俺の声、会場中に響いたようで、俺の言葉を聞いた他校の生徒が俺の方を向いた、「80?何言ってんだコイツ100って言ってたろ」みたいな目で見て来る他校の生徒、いや、80だよ、だって...
「100人のうち20人分は、俺たち雄英生が取るんだからさ」
「「「......はぁ!?」」」
不敵に笑いながらそう言い放つ俺に、言葉の意味を理解した他校の生徒達が怒りを露わにする、まあそうだろうね
「...随分と自信があるな雄英生」
「君ら一年だろ?油断してると一気に落とされるよ?」
少しは冷静に対応できる人が居るみたいだが...それはそっちも同じ事だろう?
「そちらこそ、個性わかってるからって俺らの事舐めてかかってると痛い目見ますよ」
「んのっ...!!」
「黙って聞いてりゃ...!!」
キレる人も出てきた、はは、おもろ
「なんでそう敵とかヘイト増やす事言うのぉ!?辞めろよそういうの!!」
上鳴が俺にそう言ってくる、他の奴らも言葉には出さないがなんで喧嘩腰なんだって目で見てくる、理由を話すため、俺は近くにいた上鳴、飯田、耳郎、八百万に小声で話しかけた
「どちらにせよ真っ先に俺らが狙われるのは確定してる、ならそのヘイトを少しでも俺に向けておきたくてな」
「なんで狙われるってわかるんだよ...」
「今集まってる学校の中で、全員個性割れてるのは俺ら雄英だけ...つまりなんらかの対策やらがされてるわけだ」
「....!確かにそうだな...体育祭で俺たちの個性は他校に知られている...!」
「つまりそのヘイトを回能に集めて...ウチらが戦いやすくするってこと...!?」
「無茶ですわ...!!」
八百万が心配してくれる、良い子だね、でも...大丈夫さ
「大丈夫さ、落ちるつもりは無い、なんてったって俺は無敵のヒーローだからな」
「どっからその自信が...落ちたら承知しないからね」
「任せとけって」
最後に耳郎とそう言葉を交わす、それと同時に試験官が周りの生徒達を落ち着かせて話を聞くよう促した
さて、試験の概要はこうだ
今から俺たち受験者には三つのターゲットと六つのボールが渡される
渡されたターゲットは体の常に晒されている場所に取り付け、そのターゲットにボールが当てられると発光、ターゲット三つ全てが発光した時点で脱落となり、三つ目のターゲットに当てた人に倒された事になる
そして二人倒した奴から勝ち抜きで合格、ルールは以上
こいつぁなかなかに考える事が多そうだ
ボールの所持数は合格ラインピッタリ、一見的当てに見えるこの試験だが...スピード以上に狡猾な立ち回りが要求されるなコレは
ボールは投げるよりボールでターゲットを殴れば節約になる、で、基本的にはターゲットが二つ光ってる奴を狙う漁夫の利で合格を奪い合う...
ザ・蹴落とし合い、入試以上に苛烈かつ奪い合いが激しくなる試験だ
となると、欲しい能力はかなり限られてくる、出来れば広域制圧が出来る能力か物理無効系の能力が欲しいところだが...引いた能力は「雷轟」、そこそこ当たりの能力だ、出力の調整むずいんだよなコレ
能力「雷轟」、その名の通り雷を操る能力、雷を纏って攻撃力を上げるもよし、高速移動するも良し、放出するも良し、上鳴のようなデメリットもない、が...いかんせん出力の調整が難しいのだ、下手をすれば相手を殺しかねない、だから全力で使うことはほとんどない能力だ
『えー...じゃあ展開後、ターゲットとボール配るんで、全員に行き渡ってから一分後にスタートとします』
その言葉の後、俺達が居た会場の天井と壁が文字通り展開し、試験会場が露わになった、山や工業地帯、高層ビルに高速道路、森に滝...USJのような場所だ
ターゲットとボールを受け取った受験生は各地に散らばって行った
「先着で合格なら同行での潰し合いは無い...むしろ手の内を知った仲でチームアップが勝ち筋!皆!あまり離れず一かたまりで動こう!」
「フザけろ、遠足じゃねぇんだよ」
「バッカ待て待て!!」
「俺も、大所帯じゃ却って力が発揮出来ねえ」
爆豪、切島、上鳴、轟が集団から離れて行った、まぁアイツらは人多いと戦いづらいもんな、切島は爆豪のブレーキって事で、つーかもう時間がない、取り敢えず皆を初撃から守ったら俺も離れよう
「単独で動くのは良くないとおもうんだけど...」
「何で?」
「だってホラ...!僕らはもう手の内バレてるんだ」
緑谷も気づいてたか、そう、俺達の個性や戦い方はバレている、先ほど緑谷が言った勝ち筋は他の高校も同じ、そうなると必然的に学校単位の対抗戦になるわけだ、そういう話で行くと、次はどの学校が狙われるかという話になる
『3』
俺たち雄英生は雄英体育祭で「個性不明」っつーアドバンテージがない、まぁ俺にはあまり関係ないが...
『2』
ともかくだ、こっちは相手の個性がわからず、相手はこちらの手の内を知っている、すると必然的に俺たちが狙われるわけだ、だからヘイトを俺に向けた、他の奴らを少しでも戦いやすくする為に
『1』
本当ならここで固まってんのも得策じゃ無い、各々の得意な地形がある場所に少数で散らばるのが最善...だけど、真っ先に狙われるのが俺達なら話は別、初動は全員で全員を守りつつ、少しずつ散らばって行くのが良い
てなわけで...
『START!!』
試験開始直後、蜜に群がる虫のように俺たちの元へ集まってくる他校の生徒、もちろん狙いは俺たち、この数に加えて相手のことは何もわからん危機的状況...
だが、やることは何も変わらない
「まとめて相手してやる...かかって来い!」
合格する為にやるべき事を...確実にってな
今ここに、ヒーロー仮免第一試験が幕を開けた
みなさんどうも猫耳の人です
仮免試験開始ィィィ!!
てなわけで、この後の展開が楽しみになってまいりました、実はここの構想ずっと考えてて書くの楽しみにしてたんですよ
面白いかは置いておき、私が書きたかった物がかけるので腕がなります
次回もお楽しみに
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