無敵のヒーロー(自称)   作:猫耳の人

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覚悟は良いか、俺は出来てる






第四十三話 「救助」はする、「制圧」もする、両方やらなくちゃぁならないってのがヒーローの辛いところだな

 

「とりあえず一番近くの都市部ゾーンへ行こう!なるべくチームで動くぞ!」

 

前回、最終選考が開始された仮免取得試験、内容は救助だ、マップの各所に散らばった傷病者に扮したHUCの救助...

そうである以上...ここで大人数で固まって動くのはあまりよろしく無い

 

「いや、少数編成で散らばったほうがいい、バランスよく組もう」

「っ、そっか!じゃあ編成は...!」

「索敵係、パワー係、その他サポート...5〜7人のチームが理想だ、こうしてここでチンタラしてる時間も惜しい、即席でチームを組もう、各チームに俺の分身も一体ずつ付ける、編成は...!」

 

俺は一先ずバランスの良いチームを形成、それぞれ得意な場所へと散らばらせた、出来たチームは五組、うち3チームに分身を着けた、都市部ゾーンには本体である俺が向かうことに、走る事数分...早速子供を見つけた

 

「探索出来るやつは他の傷病者の探索を、取り敢えず脈と出血を確認する」

「わかった!」

 

俺が子供に駆け寄り、頭部と脈、怪我、そして呼吸の確認をする

見たところ脚に怪我はない、が...とても歩ける状況じゃないな、出血は酷いが傷は浅い、呼吸は...落ち着かせれば戻る、なら...

 

「分身を一体置いていく、緑谷、俺についてきてくれ、この子を救護ゾーンに連れて行く」

「うん!わかった」

 

緑谷に子供を抱えさせ、二人で救護ゾーンへ走る、とりあえず呼吸を落ち着かせるため、得意のマジックで花を出現させて子供に手渡す

 

「緑谷、警戒しとけよ、ヴィランがどこかに潜んでいるかもしれない」

「えぇ!?ってそっか...大規模なテロだから...!」

「そうだ、多分だが...ヴィランが来るのは傷病者が最も多い場所...ある程度救助が進んだら戦力を集めたい」

 

だから緑谷を連れてきた、速く動けてかつ、戦闘力が高く、コミュニケーションや連携が取りやすい緑谷を...

今の俺は、救助という点に置いて、ほとんど役に立たないが...防衛、戦闘という点において、今の俺は無類の強さを誇る

走る事数分、控室だった場所が救護所になっており、そこには救助されたHUCと治療が得意な生徒が集まって治療を施していた

 

「君たち!その坊や見せて!」

「はい!」

 

取り敢えず子供の状態を簡易的に伝え、周囲への警戒を強める、見たところ、おそらく救助されたHUCはこれで半分くらい....多分そろそろ....

 

 

 

 

 

BOOOOOM!!!!

 

 

 

 

 

 

来た、救護所のすぐ近くの壁が爆発と共に大きく大破、直後、マップ各地で小規模の爆発が連鎖的に発生した

この試験で試される事、覚えているだろうか、この試験で試されることは、情報力、判断力、コミュニケーション能力....そしてそれ以上に求められるのが....

 

 

『ヴィランが姿を現し追撃を開始!現場のヒーロー候補生はヴィランを制圧しつつ、救助を続行して下さい』

 

 

「対敵、全てを平行処理...出来るかな」

 

戦闘力.....

壁から現れたのは、No.10ヒーローギャングオルカとそのサイドキック....マジかよ...!俺ら候補生にとんでもねえ相手ぶつけてきやがる...!!

だけどギャングオルカだけなら...俺が居ればなんとか....!!

そう思ったその時

 

「オォォラァァァ!!」

「っ!?」

「ひっさしぶりだなァ!!ジョーカー!!」

 

突如、俺に向けて飛来する一つの白い影、その影が俺目掛けて()()を放った、覚えのある蹴りだ、何度も受けた記憶がある、マジかよ....ここでこの人出すかい普通...!!クソゲーだ!!

 

「今だけは会いたかなかったですよ...()()...」

「ハッ!お前が来るって聞いてなァ、公安に無理言って参加させてもらった!!」

「俺のせいかよクソが!!」

 

俺から離れ、俺の前に立ちはだかるのは、勝ち気な笑みを浮かべるスーパーバニーウーマン...ラビットヒーロー、ミルコだった

しかし困ったな...これじゃあギャングオルカを止められるやつが居ない...!救護所がやられる....!真堂センパイもオルカの超音波にやられた...!

俺も行きてえが....

 

「よそ見してンじゃねぇよ!!久々に会ったんだ!!また愛し(ヤり)合おうぜ!!なァ!!ジョーカー!!」

「誤解招く言い方辞めてくれません!?あとでたっぷり相手してあげるんで大人しくしてて欲しいなァ!」

「そりゃ無理な願いだ!!大人しく私と戦え!!」

 

ミルコが逃がしてくれない、相変わらず蹴りが速いし強い...!チャージが無きゃやばかったな...

 

「っ...!お返しですよ!!『SHOCK』!!」

「うおっ!?」

 

攻撃の一瞬の隙を突き、ミルコの腹部に掌を押し付け、受けた衝撃に俺のパワーを上乗せして返す

「チャージ」、受けた衝撃や攻撃を肉体に蓄積し、それを攻撃に転用できる能力、衝撃を肉体の一部に留め...

 

打撃と同時に放出する事で打撃の威力を上げる「CRASH」

肉体から衝撃波を放ち、牽制や迎撃等、幅広く使える「CRAP」

蓄積した衝撃を触れているものに伝える「SHOCK」

脚から衝撃を放ち、爆発的な推進力を生み出す「WALK」

 

等の必殺技を使えるようになる、他にも必殺技を持っている、この能力は、物理攻撃型の相手に対し、攻撃と防御が両方できる能力だ、が...この能力はタイマン向きの能力だ、多対一の戦闘には向かない、だからこの状況、俺はミルコを抑え込んでおくことしか出来ない

 

「やるじゃねぇか!」

「チッ...ケロッとしてやがる...結構な衝撃撃ったんだけどなァ...」

 

出来れば広域制圧が出来る奴か戦闘力の高い奴がもう二人くらい欲しい...!轟か爆豪...常闇辺りが...!じゃなきゃ物量で押し切られる...!

人数と制圧力のギャングオルカ、速度と戦闘力のミルコ、トップテンヒーロー二人の前では、並の者では相手どころか障害にすらならない...

 

しかし、並ではない者がここに居る

 

突如として、ギャングオルカ目掛けて氷結が迫る、超音波で相殺されるが足を止めた、氷結を放った者の正体は...

 

「間に合った」

 

水辺付近に向かわせた轟だ、一緒にチームを組んでいたメンバーや、近くにいたメンバーも集まってきた、そして

 

 

 

 

「ふぅきィイイイイ飛べええええっっ!!!」

 

 

 

 

 

轟の氷ごと、ギャングオルカのサイドキックを吹き飛ばす、吹き荒れる突風、それを発生させているのは....

 

「ヴィラン乱入とか!!なかなか熱い展開にしてくれるじゃないっスか!!」

 

士傑高校の夜嵐だ良いぞ...戦力が集まってきた!!救護を進められる....!!

制圧力の高い夜嵐と轟...!これならあっちは任せてよさそうだ!!

 

「お望み通り相手してあげますよ、ミルコ」

「そうでなくちゃなァ!!」

 

互いに肉薄する、拳と脚が交差し、衝撃波が吹き荒れる、今の能力なら...回避は必要ない、むしろ攻撃を受けて衝撃を溜めて...放つ!

 

「『CRASH』!」

「二度も喰らわねえよ!!」

「がっ!?」

 

体柔らかっ!?俺の拳はミルコに当たる事なく空を切る、その一瞬の隙を突かれ、顔面に蹴りを貰ったしまった、ダメージこそ無いが...うぜぇ...!!ミルコ相手に一瞬でも綻んじまえば...そっから一気に崩される...!!

 

「っ...「CRAP」!!」

 

咄嗟に衝撃波を放ち、一旦距離を取る、あっぶねぇ...あのままじゃサンドバッグにされてた...執拗に俺だけ狙ってきやがる...だが好都合、ミルコがこっちに釘付けなら、あっちに被害が行く心配は無い、あっちはあっちであのまま...そう思っていたが...

 

「なんで炎だ!!熱で風が浮くんだよ!!」

「さっき氷結を防がれたからだ、お前が合わせてきたんじゃねえのか、俺の炎だって風で飛ばされた」

 

轟と夜嵐が何か言い争ってやがる、何してんだアイツら!!

 

「よそ見か!?余裕だな!!」

「っ....!!あんた相手に余裕なんてあるわけないでしょ!!「CLASH」!!」

「っ!?やるじゃねえか!!」

 

不意打ちの俺の拳がようやくミルコに当たった、しかし、わずかに怯むだけであまり効果はない、それどころかもっと攻撃が苛烈になりやがった

クソッ!!アイツらが言い争ってんなら話は変わってくる!!どうにかしてあっちの援護に行かなきゃならねぇが...!この人がそれをさせてくれるわけがねぇ...!

 

「同じだと...ふざけんなよ...俺もあいつも...変わったんだ...これまでとは違う....!」

 

広域制圧が得意な奴ら...個性自体の相性は良いが...本人達の心のせいで相性最悪になってやがる!!クソが!!試験中に何してんだあいつら!!喧嘩なら後でやれ!!

 

「また!!やっぱりあんたは....!!」

「!!風で炎が...!!」

 

轟の放った炎が、夜嵐の風に押し出され、狙っていた軌道から逸れた、それだけなら良かったが...押し出された炎が、ギャングオルカによってダウンさせられていた真堂センパイ目掛けて飛んでいく、それに気が付いたのか、ミルコも戦うのをやめた

まずい!!この距離で間に合うか...!!瞬間移動の射程ギリギリ...!飛んで掴んでからじゃ遅すぎる!!俺が盾になって...!!

 

そう考え、瞬間移動を使おうとした瞬間、緑谷が真堂センパイを救い出した、ナイスだ緑谷!!

 

 

 

「何を...してんだよ!!」

 

 

 

夜嵐と轟にそう叫ぶ緑谷、そーだそーだ!!もっと言ってやれ!!喧嘩なら後でやれってよ!!!

緑谷の言葉で正気に戻ったのか、一瞬動きが止まる二人、その隙を見逃さなかったギャングオルカが、夜嵐目掛けて超音波を放つ、咄嗟に回避行動に出るが、セメントガンが命中し動きを止められる、その瞬間に超音波が直撃、コントロールを失い墜落していく

 

それに気を取られた轟も、その隙を突かれてまともに超音波を食らってしまった、状況は最悪、どうにかしてあっちの加勢に...

 

「オラァ!」

「行かせてくれませんよね!!」

「ったりめぇだ!!さっきは少し焦ったが...救助されたってんなら思いっきしやれるだろ!!」

 

ミルコが俺の動きを妨害してくる...このままじゃまずい、救護所の方に行っちまう...!!どうする...!!今から分身を集めても間に合わねえ!!質は下がるが分身を...だめだ!時間稼ぎにしかならねえ!!すぐにやられる!!それにミルコを相手にする以上余計なダメージは負えない...!!どうすれば...!!

 

と、その時

 

 

 

 

FOOOSH!!!

 

 

 

「炎の渦....!?」

「夜嵐と轟か...!!」

 

あの一瞬で何があったのかは知らねえが...先程とは打って変わって力を合わせてオルカを相手にする二人、両者共にまともに動けはしないが...互いが互いをカバーし合い、本来の相性を引き出している

救護所の方も、回復した真堂センパイと緑谷が動いてる、それだけじゃ無い、戦力も集まってきてる!!よしよし!!良い感じだ!!これなら...

 

「目の前の事に集中できる!!」

「っ...やっぱり良いなお前!!ますます気に入った!!」

 

ミルコと再び戦闘を開始する、これなら思う存分戦える!!

蹴り合い殴り合い、お互いの今出せる全力を持ってひたすらに打ち合っている、速度じゃミルコに分があるが、現状攻撃力はトントンといった所

が、俺が撃てる衝撃には限りがある、対するミルコは攻撃に限りはない、衝撃を使って同等の攻撃力を得ている以上、実質的に攻撃力でも劣っている...ミルコ相手に乱打戦を挑むのは愚策、なら...

 

「一撃で....!」

「何か企んでやがるな...!良いぜ!やってみろ!!」

「後悔しても知りませんからね...!!」

 

肉体に蓄積された衝撃を全て右腕に集め、その衝撃を逃がさないよう力を込める、痺れるような痛みが右腕に走るが、それだけその衝撃が強いと示しているようなもの、これだけありゃあ充分...!!

 

「行きますよ...!!」

 

俺は瞬間移動を使い、ミルコの懐に潜り込む、一瞬の事で反応できなかったミルコの動きが鈍った、これなら確実に当てられる...!!

 

「!!」ゾワッ...!!

 

脚力で身体を押し上げ、ミルコ目掛けてアッパーを放とうとする、これで...決めてやる!!

 

「『FULLBURST』!!」

 

放たれた俺の拳がミルコに強襲する、避けられない、そう思ったその時

 

 

ビーーーーーッ!!!

 

 

「「!?」」

 

突如、会場全体に鳴り響くブザー、それに驚いてしまい、狙いが逸れた、拳はミルコに当たる事なく空を切り、その衝撃を空へと放った

放たれた衝撃は凄まじい音と共に空に消えた、その時、進行方向上にあった雲を諸共貫いていった、オールマイトのSMASHと同等の威力、それだけの衝撃が、俺の腕に溜まっていたのだ、能力が肉体の耐久力を上げてくれていたおかげで、腕が壊れることは無かったが...とんでもねえ威力だ...

 

『えー、ただいまを持ちまして、配置された全てのHUCが危険区域より救助されました、誠に勝手ではございますが、これにて仮免試験全工程、終了となります!!』

 

アナウンスにより、試験が終了したことを告げられた、さっきのブザーは終了の合図だったのか...

 

「チッ、もう終わりかよ、つまんねーの」

「こっちはやっと終わったかって感じですよ...」

「私はもっとやりたかったっつーの」

「勘弁してくださいよ...」

 

何せほとんどミルコと戦ってたんだし...まーじで疲れた...結果的に能力は「チャージ」でよかったな...能力のおかげでダメージはほとんど無いし、これ以外の能力だったらちょっとやばかったかもな...

 

『集計の後、この場で合否発表を行います、怪我をされた方は医務室へ...他の方々は着替えてしばし待機でお願いします』

 

俺がアナウンスがされた通り、着替えるために控え室に行こうとすると...ミルコが俺を呼び止めた

 

「オイ」

「?なんです?」

「...怪我、大丈夫なのかよ」

「怪我....?してませんけど...」

「違う、神野ン時のやつだ、手術したんだろ」

「...あぁ、大丈夫ですよ、傷痕もありませんし」

 

なんだ、そのことか、前にも言った通り、俺の体には傷痕も手術痕も残っていない、綺麗さっぱり消えている、ほんと最近の医療って凄いよな

 

「...あん時救けに行けなくて悪かった」

「何故謝るんですか?貴女は貴女で仕事をしていたでしょうに...」

「.....」

「気にする事はありませんよ、結果的に俺は助かってますし、経緯はアレですが...こうしてまた会えた事、嬉しいんですよ?」

「....!!そうか」

 

俺の言葉を聞いたミルコの耳がぴこぴこ動く、この人も大概分かりやすいな...

 

「...今度、飯でも一緒にどうだ」

「...いいんですか?是非」

「おう、プライベートの方でまた連絡する」

 

そう言って、俺の頭をわしゃわしゃと撫でた後、ミルコは去って行った、振り返る時、わずかに口角が嬉しそうに上がっていたのが見えた気がした、なんか嬉しそうだな、あの人にも心配かけちゃったし、今度何かお詫びを入れておこう

さて、俺も着替えに行くとするかね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

着替えを終え、結果発表を待つ俺達

 

「どうかなぁ...」

「やれることはやったけど...どう見てたのかわかんないし...」

「こういう時間いっちばんヤダ」

「人事を尽くしたならきっと大丈夫ですわ」

「結果はもう出てるんだ、今慌てたところでどうしようもないしな」

「アンタってほんとそういうとこ達観してるよね...」

「まァね」

 

やれる事はやり尽くした、これで結果が実らなければその程度だったという訳だ、それは仕方ない、無論落ちるつもりで受けていた訳ではないけどな、そうこうしているうちに、結果発表の時間がやってきた

 

壇上に目良さんが立ち、その後ろに大型のモニターがある、その大型のモニターに結果が映し出される訳だが...その前に、目良さんから話があるようだ

 

『皆さん長いことお疲れ様でした、これより発表を行いますが...その前に一言、採点方式についてです』

 

採点方式、試験中一切明かされなかった項目だ、どんな採点してたんだろ...

目良さんによると、目良さんらヒーロー公安委員会と、HUCの皆さんによる、二重の()()()()で俺たちを見ていたとの事

つまりは危機的状況でどれほど正しい判断と行動ができるか、それらを審査していたというわけだ

 

『とりあえず合格点の方は五十音順で名前が載っています、今の言葉を踏まえた上でご覧ください...』

 

その言葉と同時に、モニターに大量の名前が映し出された、俺の名前はか行....あると良いんだが.....か...か....

.....お、あった、回能彩目

 

「ふー、合格」

 

取り敢えずは一安心だな...他の奴らは...

 

「峰田実!あったぜ!」

「あったァ...」

「あるぞ!!」

「よし...」

「コエー...」

「麗日ァ!!」

「フッ」

「よかった...」

「メルスィ!」

「わー!!」

「点滴穿石ですわ」

「ケロッ」

「やったー!」

「っしェーい!!」

 

どうやら皆もほとんど合格したらしい、のだが...

 

「あった...けど..,」

「ねぇ!!」

 

どうやら爆豪は落ちたらしい、うん...まぁ...うん...概ね予想通りと言うかなんと言うか...そして常闇の次...轟の名前もなかった、加えて、終盤で轟と争っていた夜嵐の名前もなかった、仕方あるまい、試験そっちのけで喧嘩してた挙句、そのせいで無駄に怪我人を増やしそうになったのだから...

だがまぁ今回で終わりというわけでは無い、見れば夜嵐が轟に頭を下げて誤っていた、轟の方も、夜嵐に頭を下げている、最後のアレで多少は打ち解けたのかね...

 

「轟...落ちたの?」

「ウチのスリートップの内の二人が落ちてんのかよ!」

「暴言あらためよ?言葉って大事よ?」

「黙ってろ殺すぞ」

 

バチギレじゃん...こわぁ...なんか峰田が煽っているが...そこは委員長が止めてくれた、さすが委員長、シリアスな空気は読める男

 

「轟くん...」

「轟」

 

俺らが呼びかけるが、表情は変わらない、悲しみは無く、ただわかっていたと言わんばかりの表情を浮かべていた、と、その時

 

『えー全員ご確認いただけたでしょうか?続きましてプリントをお配りします、採点内容が詳しくきほくされてますので、しっかり目を通しておいてください』

 

アナウンスと同時に、目良の近くにいたサングラスをかけた黒服の人たちが動き出した、採点用紙を配っていく、にしても公安とはいえその見た目はダメでしょ、完全にヤのつく自由業とかそっち系の見た目してんじゃん

 

「切島くん」

「あざっス!」

「よこせや...」

「そういうんじゃねェからコレ...」

 

他人の奪っても点数にはならんぞ爆豪、奪い合いじゃ無いから

それはさておき、俺もプリントを受け取る、皆んなもプリントを受け取り点数を確認している

ボーダーラインは50点、減点方式で採点されている、どの行動で何点引かれたか等が詳しく書かれている

 

「61点、ギリギリ」

「俺84!!見てすごくね!?地味に優秀なのよね俺って」

「待ってヤオモモ94点!!」

「回能さんは何点でしたか?」

「98点」

「マジかよ!?ほぼ満点じゃねーか!!」

 

俺の点数はほぼ満点、戦闘面や指揮能力、視野の広さ、そして限られた手札で最善の行動を取っていた点が評価されていた、減点された部分は救助に携わった分身の行動が少し見切り発車だった点...まぁ順当ってところかな...

だけど....減点方式で加点は無い、その上で50点を切ったらその時点で不合格のはず...挽回は出来ない、ならなんで...50点を切った時点で退場させずに続行させたんだ....?

そんなふうに考えていると、目良からの説明が始まった

 

『合格した皆さんはこれから緊急時に限り、ヒーローと同等の権利を行使できる立場となります』

 

すなわち、ヴィランとの戦闘や事件事故からの救助、それらをヒーローの指示が無く、俺たちの判断で動けるようになるという事だ、だが逆に言えば、俺たちの行動一つ一つに、これまでよりも大きな社会的責任が生じるということでもある、ヒーローになるとはそういうことだ

 

『皆さんご存知の通り、オールマイトというグレイトフルヒーローが力尽きました、彼の存在は犯罪の抑制になる程大きな物でした』

 

そんな柱が居なくなった今、心のブレーキが消え去り、増長するものが現れる、実際、オールマイトが居なくなってからの事件発生率は上がるばかり、世界の均衡が崩れ去り、世の中が大きく変化していく、そんな中、いずれは俺たち若者が社会の中心になっていく...

 

『次は皆さんがヒーローとして規範となり、抑制できるような存在とならねばなりません、今回はあくまで仮のヒーロー活動認可資格免許、半人前程度に考え、各々の学舎で更なる精進に励んでいただきたい!!』

 

...これからは俺たちが世界を安心させていかなきゃならない、オールマイトという柱が居なくなった以上、これからに対応する為には、より質の高いヒーローが多く欲しい、公安はそう考えているらしい

そして

 

『そして...えー、不合格となってしまった方々、点数が満たなかったからとしょげてる暇はありません、君たちにもまだチャンスは残っています、三ヶ月の特別講習を受講の後、個別テストで結果を出せば、君たちにも仮免許を発行するつもりです』

 

一次選考は所謂「落とす試験」だったが...その中から選ばれた100名はなるべく育てていきたいとのこと、合格点を切った時点で退場をさせなかったのはそういうことらしい

その結果、決して見込みがない訳ではないと、むしろ至らぬ点を修正すれば合格者以上のポテンシャルを持っている者ばかりだとわかったらしい

 

『学業との並行でかなり忙しくなるとは思います、次回四月の試験で再挑戦しても構いませんが......』

「当然」

「お願いします!!」

 

やったじゃん轟、爆豪、まだチャンスあるってよ、どちらもやる気は充分、消沈してるかと思ったが...心配は杞憂に終わったみたいだ、よかったよかった

 

「すぐ...追いつく」

 

そう呟く轟の瞳には光が宿っていた、強く輝く、その日からが...

ともあれ、これにて仮免試験は終了、また一歩、俺達はヒーローへと近づいて行く

 

 




みなさんどうも猫耳の人です
仮免試験、終了ッッッ!!
てな感じで、次はインターン編、折り返し地点ですね、速いなぁ...
次のお話を書いたら閑話を挟もうと考えています、ただ書きたいものを書くだけですので、読む際は飛ばしていただいても大丈夫です
次回もお楽しみに
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