スーパーバニーウーマン「私もかっこいいだろうが」
第四十七話 ドラゴンってかっこいいよね
ミリオ先輩と殴り合った日から一夜明け、朝のHRにて、相澤先生からインターンについて話がされた
のだが...
「一年生のヒーローインターンですが、昨日協議をした結果、校長をはじめ多くの先生が「やめとけ」という意見でした」
oh...マジデスカ...
「えー!?あんな説明会までして!?」
「でも全寮制になった経緯から考えたらそうなるか...」
「ざまァ!!」
オイコラ爆発さん太郎、自分が参加できないからって人の不幸を笑うんじゃないよ
...俺たち一年はインターン無しかぁ...と思われたが
「が、今の保護下方針では強いヒーローは育たないという意見もあり、方針として「インターン受け入れの実績が多い事務所に限り一年の実施を許可する」、という結論に至りました」
「クソが!!」
はっはっは、人の不幸を笑うからそうなるのだよ爆発さん太郎くん、さて、それは置いといて...受け入れ実績が多い事務所か...ダメだとは思うがミルコに聞いてみるか...ちょうど今週末一緒に飯食いに行くし...
そんなこんなで授業も終わり数日後、俺は相澤先生から外出許可を貰い、あらかじめミルコと待ち合わせていた場所に到着した、今日のコーデはヘソ出しタイプの黒のキャミソールに薄手の黒いカーディガン、白のワイドパンツ、そして丸いサングラスを掛けている簡素なコーデだ、暑いけど日には焼けたくないからね
街行く人達からの視線を受けながら、木陰でスマホをいじりながらミルコを待っていると....
「お姉さん今ヒマ?」
「良かったら俺らとお茶しない?」
いかにもチャラチャラしてそうな男二人が俺に声を掛けてきた、まぁ俺は面は良いし、ナンパされるのは仕方ないね、でもごめんね、俺ノーマルなんだ
「...先約が居るので」
「そんなこと言わずにさ」
「ちょっとだけ時間くれれば良いから!」
そう言って俺の腕を掴もうとしてくる、掴まれてもは問題無いが...問題起こすのは勘弁だ、俺が相澤先生にどやされちまう、どうしたもんかねえ、なんて思案していると...
「オイ」
男二人の後ろから、とても威圧的な女性の声が聞こえた、男二人が振り返る、それに釣られて俺も視線を向けると...そこには私服姿のミルコが居た
「私のツレに何か用か」
「ミルコ!?」
「しっ...失礼しましたぁ!!」
ミルコの姿を見るや否や尻尾を巻いて逃げ出す男二人、そんな彼らを見て「ケッ」と不機嫌そうな態度を取り、俺の方に歩いてきた
「遅れて悪かったな」
「いえいえ、時間ピッタリですよ、遅れてません、じゃあ行きましょうか」
俺がそう声をかけると、ミルコが歩き出した、俺はその隣を歩く、なんか二人でこうやって歩くのって職場体験以来だから懐かしく感じるな...またファミレス連れてってくれるのかな、なんて思いながら歩くこと十数分、辿り着いたのはめちゃくちゃ洒落たカフェだった
うっそだろ、俺こんな所入った事ないんだけど
「何してんだよ、入んぞ」
「あ、はい」
ミルコに促されてカフェの中に入る、カフェの中はザ・オシャレ空間といった内装だった、木製のテーブルと椅子、そしてその空間を引き立てるかのような植物...こんな店マジであるんだな...フィクションの世界の店だと思ってた...
「いらっしゃいませ、二名様でよろしいでしょうか」
店員さんが俺たちを案内してくれる、通された席は二人用の席、対面で座るタイプだ
「ごゆっくりどうぞ」
そう言い残して下がっていく店員さん、しばらく沈黙が流れる、気まずい
「...こういう店ってどうすりゃ良いんだ?」
「貴女が連れてきたんでしょう!?俺知ってると思って来たんですけど...」
「ネットで調べて来たんだよ!」
小声でそう話す俺達、実はミルコもこういったお洒落なカフェは初めてらしく、二人して慌てふためく、てか俺の為に調べてくれたのか...それは嬉しんだけど...俺もこういう店初めてだから勝手がわからん...
「取り敢えずメニュー見ましょうか...」
「おう...」
一先ず落ち着いてテーブルに備え付けられていたメニューを開く、パスタやコーヒー、サンドイッチ、様々な種類のメニューがお洒落な写真と共に書かれていた、さぞや高いのだろうと思ってメニューを見るとなんとお手頃価格、こんな店があったとは...
「...じゃあ俺はこのサンドイッチと...メロンソーダにします」
「...じゃあ私はミートソースパスタとコーヒーで...」
お互いメニューが決まったので、店員さんを呼ぶ事に、テーブルに備え付けられていた呼び鈴を鳴らす、機械ではなく、本物のベルだ、洒落てるな...呼び鈴を押してから数秒、先ほど案内をしてくれた店員さんが来てくれた、とりあえず決めたメニューを伝えるとメモをとり、水を出したあと下がっていった
そこから数分、俺とミルコが頼んだメニューが同時に届いた、すげぇ...写真まんまで提供された...めちゃくちゃ綺麗に盛り付けされてる、食べるの躊躇っちまうよ...
「...食べましょうか」
「...だな」
しかし食べないのもそれはそれで失礼なので、「いただきます」と声に出して食事に手をつける、美味い、挟まっている野菜も新鮮でシャキシャキ、味付けもしっかりされている、パンの口当たりも良い、柔らかくてふわふわだ
チラリとミルコの方を見てみると、ミルコも美味しそうにパスタを食べていた、良い香りがする、食欲をそそる匂いだ
「....一口食うか」
「良いんですか?いただきます」
くれるというのなら貰おう、俺はテーブルに置かれているフォークを一つ取り出し、皿から一口分もらおうとするが...
「ん」
「...」
パスタが巻かれたフォークを俺に向けるミルコ、行動の意図がわからずフリーズしてしまう俺、そんな俺の口にフォークをねじ込んでくる、強引だなこの人...
「...美味しい」
「だろ?」
いつもの快活な笑みとは違う、優しい笑みを浮かべながらそう話すミルコ、この人こんな表情もできたんだな...
「...貰いっぱなしってのもアレですし、俺のも一口どうぞ」
「おう、貰うぞ」
俺が手に持っていたサンドイッチをミルコに差し出すと、そのまま一口ガブリといった、だいぶデカくいったな....
「...美味いな」
「でしょう?」
似たようなやり取りをする俺たち、雰囲気も相まってなんだかリラックスしてきた、その後は雑談しながら二人でゆっくり食事をした、食事を終えて飲み物に手をつけ始めたころ、俺は聞きたかったことを思い出したのでミルコに尋ねる事に
「...そういえばミルコ、貴女ってインターン受け入れしてるんですか?」
「あ?あー...そういやそんな時期だったな...私は基本一人で動いてっからな、インターンはやってねぇんだ」
「そうですか...」
「インターン参加してえのか?なら今回だけでも雇ってやるが...」
「それが出来たら嬉しいんですけどね...」
俺はミルコにインターンは「インターン受け入れ実績が多い事務所に限る」と説明をした、するとミルコが苦い顔をして...
「ならどうやっても無理だな...」
「ですよねぇ...」
俺はストローからメロンソーダを飲みながら思案する、出来ればインターンには参加したい、けど...ミルコはインターンを出来ない、八方塞がりといったこの状況、どうしたものか...しばらく二人で考え込んでいると、ミルコが何かを思い出したかのように俺の方を向いた
「...そういや、知り合いに一人インターンやってるやつが居たな...そいつに紹介してやるよ」
「本当ですか!?」
「おう、確か雄英の三年生を一人雇ってるはずだ、実績なら十分あんだろ」
コーヒーを飲みながらスマホを操作し、俺のスマホに住所を送ってくれた、あくまで相手が誰かは秘密らしい、ともあれ、これで俺もインターンに参加できる...!本当にミルコには感謝しかない
会計を済ませ、ミルコと共に店を出る、駅まで送ってくれるようだ
「何から何までありがとうございます」
「私がしたい事してるだけだ、気にすんな」
そう話すミルコの顔は帽子で見えない、どんな顔をしているのだろうか...なんて考えていると、少し頬を赤くしながら俺の顔を見上げるミルコ、なんだろうか
「...あと、プライベートん時はヒーロー名で呼ぶな」
「え...じゃあなんて呼べば...師匠とか?」
「なんでそうなるんだよ...普通に名前でいい、ルミって呼べ」
「....兎山さ「ルミ」...ルミさん」
「それで良い」
俺がミルコ...ルミさんの名前を呼ぶと、至極嬉しそうな顔をして歩き始めた、何この人、そんな可愛い一面あったんだ...その後は二人で話をしながら歩くこと数分、駅に到着した
「また飯連れてってやるよ、またな」
「ええ、ご馳走様でした、また」
そう別れの挨拶を交わすと、ルミさんは跳んで行ってしまった
さて、俺も帰るとするかね、ルミさんから送られてきた住所に行くのは三日後か...色々準備しとかないと...
◇
ミルコとの食事を終えた三日後...
「ここか...」
俺は皆よりひと足先にインターンを開始、ミルコの紹介の元、スマホに送られてきた住所にたどり着いた、まさかこのプロヒーローの事務所とは...確かにミルコと同い年らしいけど...
「ここでぼーっとしてるのもアレだし、入るか」
予定の時間も近づいてきたので事務所に入る事に、建物に入り、手続きを済ませて事務所へ向かう、事務所に到着すると、そこに広がっていたのは中華風のオフィス、赤を基調とし、龍の装飾が施された柱のある事務所だった
「ようこそ、リューキュウ事務所へ」
「回能くん!なんでここに居るの?インターン?それともお仕事?不思議ー!」
俺を迎えてくれたのは、ヒーロービルボードチャートJPNo.9、ドラグーンヒーローのリューキュウ、そしてビッグ3の一人、波動ねじれ先輩だった、なるほど、ミルコが言ってたのは波動先輩の事だったのか
「初めまして、私はリューキュウ、ミルコから連絡は貰ってるわ」
「えぇ、初めまして、回能彩目です、ヒーロー名はジョーカー...よろしくお願いします」
俺の髪を弄り始めた波動先輩は置いといて、リューキュウに挨拶をする、するとリューキュウは「そんな堅苦しくなくていいよ」と言ってくれたので少しリラックスする
「まさかミルコから紹介されるとは思わなかったけど...貴方の事は体育祭の時から気になってたのよ」
「俺も驚いてますよ、まさかミルコから紹介されるなんて...」
「まさかミルコから」というのはやはり共通認識らしい、まぁあの人基本一人で動くからなぁ...知り合いって言われてリューキュウを紹介されたって知ってマジで驚いてる、その後は簡単なインターンの概要と仕事の内容を教えてもらった
リューキュウ事務所では、主にヴィランの鎮圧をメインに行っているとのこと、なら俺の個性でもいくらかやりようはあるな
「それじゃあコスチュームに着替えて来て、あそこに更衣室があるから」
「わかりました」
俺はリューキュウに言われた通り、更衣室で着替えてリューキュウの元へ戻った、今回持ってきたのは機能性重視の方だ、俺が着替えて出て行くと、リューキュウと波動先輩も準備を終えたようで、俺を待っていてくれた
「着替えたわね、じゃあ行きましょうか」
「はい」
まずは近辺のパトロールからだ、と言っても、物凄く警戒している、というわけでもなく、軽い見回り程度の物だが...
「リューキュウだ!!」
「ねじれちゃんも居る!!その隣のは...」
「待ってあれジョーカーじゃない!?」
やはりNo.9のプロヒーローと言うだけあってかなり注目される、加えてその側には雄英生が二人、話題になるには十分すぎる材料だ、そらこんな騒がれるわな
取り敢えず俺の名前を呼んだ人達に手を振る、すると歓声が上がった、おおう、こんな反応されるとは
「慣れてるわね」
「ね、インターン初めてのはずなのに慣れてるね、不思議」
「バ先とミルコに教えて貰いましたから、ファンサは慣れてるんですよ」
「へぇ、ミルコが」
なんて他愛のない話をしながら歩き回ること数分、一旦異常なしと判断し、少し休憩する事に、木陰のベンチに三人で座る
「そういえばジョーカー、貴方の個性って結局どんなものなのかしら?」
「はーい、私知ってるよ、スロットと道化師、だよね?」
「ええ、あってますよ」
二人が俺の顔を見ながらそう話す、のは良いんだけど...何故俺を挟んで座った、波動先輩?リューキュウの隣空いてましたよね?
なんて思っていると、波動先輩が俺の前髪を指でいじり始めた、前髪でひとしきり遊んだ後は後ろ髪を三つ編みにし始める、俺の髪の毛はおもちゃじゃ無いんだが...
まあそれは置いておき、俺は二人に個性の詳細を話した
「...難儀な個性ね...」
「個性の詳細聞いた人は皆そう言いますよ、実際難儀な個性ですし」
「...どんな能力があるのか聞かせてもらっても良いかしら」
「全部ですか?全部だとしたら二日くらい掛かりますけど」
俺がそう言うと「そんなに!?」と驚くリューキュウ、まぁそうだよな、個人が扱える能力の範疇を超えてるし、てなわけで、厳選した能力を教える事に
波動、ホークアイ、ジャイアント、音響、銃火器等等...
「...これでも一部なのね...」
「えぇ、ごく一部です」
「じゃあじゃあ今持ってる能力は何?気になる!」
「今は...」
能力の説明をしようと言葉を発した直後、大通りの方で悲鳴が聞こえた、何事かとそちらを見ると、ヴィラン三名がひったくりをしているのが見えた、丁度いい、今の能力を見せる絶好の機会だ
「ジョーカー!ねじれちゃん!いくよ!」
「わかった!」
「行くのはお二人が、俺はここからヴィランの動きを止めます」
俺に指示を飛ばしながら個性を発動し、ドラゴンの姿へと変身するリューキュウ、その隣で個性を発動させて飛ぶ波動先輩、そのままヴィランの元へと飛んでいく、が...どうやらヴィランの個性が早く移動できる物らしく、二人を持ってしても追いつくのに苦労しているようだった、なので...
「俺が脚を止める」
俺の手には黒塗りで細長い物...細長いバレルに大きなスコープ、そしてトリガー...対人用スナイパーライフルがある、俺は片膝を立ててスコープを覗く、狙いはヴィランの脚、よーく狙って...
「.....今」
スナイパーライフル特有の銃声と共に発射された三発の弾丸、それぞれがヴィランの片脚を撃ち抜き、ほぼ同時に転倒させた、ナイスショット、狙い通りだ
俺が脚を止めたヴィランを、先輩とリューキュウが即確保、迅速に事件解決まで持っていけた、流石だ、俺も二人と合流すべく瞬間移動を使って現場へ飛ぶ、俺が到着する頃にはヴィランの拘束が終わっていた
「仕事早いですね、流石です」
「いや、ジョーカーが脚を止めてくれたからよ、助かったわ」
「いえ、雇ってもらった以上己の仕事は果たすのが当たり前のことですし」
「それが引いてた能力?ライフルだよね?すごーい!どこから出したの?」
俺が引いていいた能力、お察しの通り「スナイパー」だ、弓とライフルを生み出すことができてかつ、狙撃能力が上昇する能力、今回使ったのは非殺傷性のゴム弾だ、血が出る事もなく、骨が折れることも無い、ただ痛いだけの弾丸、制圧には持ってこいの弾だ
「このライフルは能力を発動すれば自動で出てくるものですよ、ゴム弾を使ったのでヴィランに傷はないはずですが一応確認を」
「確認はもうしてあるわ、お手柄よジョーカー」
「確保したのはお二人です、俺は脚を止めただけ」
「まるで仕事人ね、素直に受け取っておきなさい」
ぽんっと俺の頭を撫でるリューキュウ、なんだか気恥ずかしい、つられて波動先輩も俺の頭を撫でてくる、大人の女性はともかく同じ学校の先輩に頭を撫でられるのはちょっと...いや、かなり恥ずかしい
しかも、実は俺リューキュウのファンなのだ、いやだってドラゴンだよ?かっこいいじゃん、リューキュウリスペクトの能力も持ってるし、なんなら活動初期からずっと見てる、ワイプシと同じくらい好きなヒーローだ
そんなヒーローに頭を撫でられているのだ、嬉しいやら恥ずかしいやら...
ミルコ?ミルコはほら、気の置けない仲というか、距離が近すぎるから逆にと言うか...
「「.....」」
「...あの、お二人とも」
「....!ごめんなさい、つい...」
「...不思議、なんだかずっと撫でてたいの、もうちょっとだけ撫でさせて?」
ついって...俺は愛玩動物か何かなのか...波動先輩に至ってはまだ撫でてるし、リューキュウもちょっと名残惜しそうに手離すし、やめて、そんな顔しないで、許しちゃうから
そうこうしているうちに警察が到着、ヴィランの受け渡しをして事務所に戻った、その後は資料等の作成をしてその日は終了、初日から小さな活躍を残し、インターン一日目は幕を閉じた
おまけ
インターン開始から数日後...
「ねぇねぇ!リューキュウと回能くんって前髪で右目隠してるね!おそろい!」
「ん?確かに言われてみれば...」
「俺のは個性隠すためですけど...お揃いですか...いっそのこと前髪に何かつけてみるのもアリかもしれませんね」
「なら私の髪飾りのスペアを一つあげるわ、大事に使ってね?」
「マジすか、家宝にします」
「回能くんすっごく嬉しそう、不思議」
その後、偶にリューキュウと同じ髪飾りを身につけて活動するジョーカーの姿が見られたとか
みなさんどうも猫耳の人です
何度も言ってますがやっぱ一からのオリジナルストーリーって書くの難しいですね...他の方が上手く書けてるのを見てとても羨ましく思っています...
てなわけで、回能くんがインターン先に選んだのはリューキュウの事務所でした、リューキュウかっこいいですよね...
ここからインターン編、ひいては死穢八斎會編へ突入していきます、アニメ第四期まで来ましたね、意外と早い...
次回もお楽しみに
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回能彩目は
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