無敵のヒーロー(自称)   作:猫耳の人

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俺の個性の話だ


第四話 ついに俺の秘密(というほどのものではない)を明かす時が来たか...

「ねむ」

 

前回、個性把握テストを終えた俺たちは、もう今日から通常通りの授業が始まる、いや早いよ、大体一週間かそこらは準備に使うでしょ、いやまあ担任がアレだから大体察しはついてたけど...

 

なんてね、別に不満がある訳じゃないし、その辺は置いといて...

 

「お、障子じゃん、オッスオス」

「ん?回能か、おはよう」

 

通学途中、障子と会ったので挨拶を交わしつつ隣を歩く、相変わらずデケェな

 

「ヒーロー基礎学って何やるんだろうな」

「わからん、実戦訓練だとは聞いているが...」

 

障子とそんな会話をしながら教室へ歩く、ヒーロー基礎学、文字通り、ヒーローになる為の基礎を学ぶ授業、基本的に午後に行われる授業で、この授業を聞き逃すとヒーローになった時めちゃくちゃ苦労する、なんて言われるくらいには重要な授業だ

 

「実戦訓練か...」

「授業はオールマイトがするらしいぞ」

 

へぇ、オールマイトが、あの人教師とか向いてなさそうだけど大丈夫か?なんて疑問は残りつつも、歩く事数分、教室に到着した、障子と共に教室に入ると、数名先に来ていたようで、各々の机で談笑していた

 

「おはよ、回能」

「おお、おはよう耳郎」

 

自分の席に座ってゲームをしていると、隣の席に耳郎がやってきて挨拶を交わす、その後にやって来た上鳴や八百万も輪に加わり、雑談が始まった、しばらく雑談をしていると、不意に耳郎が俺に質問を投げかけた、どったの耳郎ちゃん

 

「昨日から気になってたんだけどさ、回能の個性って結局なんな訳?」

「俺の個性?」

「あ、それ俺も気になる!!昨日なんかロケランみてーなのぶっ放してたよな!!」

「50m走の時にワープもしていましたし...統一性のない個性だとは思っていましたが...」

「入試ん時はエネルギー弾みたいなの撃ってたよ、それで0ポイント壊してた」

「うぇ!?アレ壊したのか!?」

 

俺が会話に入る隙もなく話題が転換していく!!俺の話だよな...まぁそれはさておき、俺の個性...そういや話してなかったな

 

「丁度いい機会だし話しておこうかな、まず前提として、俺は個性が二つある」

「二つ!?」

「二つだけなのですか!?」

 

おや、思ってた反応と違うな、個性ってのは大体一人一つ、両親がそれぞれ持つ二種類の能力が混ざって〜、なんて事はあるが、個性を二つ待って生まれることはそうそうない

だから個性を二つも持ってるのか〜、みたいな反応を期待してたんだが...全く関連性のない能力をいくつも使ってたからもっと多く持ってるのな?と思ってたらしい

 

「そ、二つ、まず「道化師」、ワープだったり、空中に立ってたのはこの個性のおかげ、身体能力が普通より高くて、分身だったりも出来る」

「便利な個性だな...」

「まさか、戦闘力は皆無だよ、だから戦闘ではもう一つの個性に頼り切りになってるわけ」

「そのもう一つの個性とは?」

 

八百万が首を傾げて俺に質問する、てなわけで答えてあげましょう

 

「もう一つの個性は「スロット」、個性の中に無数の能力を保有している、世にも珍しい個性さ」

「スロット...それらしい物は見つからないけど...アンタの体の中にあるの?」

 

耳郎がそう質問する、この世の個性の六割くらいは、異形型の個性でなくとも、個性の影響で体に特徴的な部位が現れる事がある、峰田や耳郎、芦戸だったりなんかが当てはまる、無論、それは俺にも当てはまる

 

「いや?俺は右目がスロットになってる、ほら」サラ...

 

俺が前髪をあげると、俺の右目が顕になる、右目には黒目が無く、代わりに黒目がある位置に絵の様なものがある

 

「これが...回るの?」

「おう、ほら」

 

俺が右目を見せながら個性を発動すると、右目がスロットのように回転を始めた、少し回って回転が止まる、引いた能力は「バネ」、右目に浮かぶ絵は少しエフェクトがついたバネだ

 

「本当に回りましたわ...」

「すげぇ!!面白い個性だな!!」

 

上鳴と八百万がそう話す、いつの間にか周りに人が集まってきていた、どうやら俺の個性を知りたかったらしい

 

「他にはどんな能力があるんだ?」

「昨日使ってたロケットランチャーも個性で出したの!?」

「なるほど...右目を前髪で隠す事で個性の使用と能力を隠しているのか...確かにそれなら相手に悟られず能力の変更ができるし能力も使うまでわからない...個性だけじゃなく肉体的要因でも読み合いができる...これなら個性がバレても相手にさほどアドバンテージは無い...他にはどんな能力があるんだろう...昨日使ってたロケットランチャーも能力の一つ...だとしたら他は...予想がつかない...数は━━」ブツブツ...

「やめて緑谷ちゃん、怖い」

 

緑谷が俺の個性を聞いてノートを取りながらブツブツ言い出した、こっわ、俺が知らない所で俺の個性が分析されてるよ

 

「そんなに分析しちゃって...惚れちゃった?」

「へぇ!?い...いや...そんなことは///あぁ!!嫌いって事じゃなくてその...」

「あはは!!面白い反応するじゃん!」

 

なんて、俺がイタズラっぽく笑って見せる、緑谷の反応面白すぎる、これからは積極的にからかってやろ、なんてお遊びも程々に、そろそろ授業の時間だ、皆が自分の席に座る、しばらくしてプレゼントマイクが教室にやってきた、どうやら英語の担当教諭はプレゼントマイクらしい、ヒーロー科の授業...一体どんな授業なのか、楽しみで仕方がない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃ、次の英文のうち間違っているのは?」

(普通だ)

(普通だ)

(くそつまんね)

(関係詞の場所が違うから.....4番!)

 

普通、その一言に尽きる、ヒーロー科の授業だからと言っても通常の授業の内容はめちゃくちゃ普通だった、入試の時のテンションの高さはどこに行ったんだと突っ込みたくなるくらい普通に授業を進めるプレゼントマイク、あんたもっとテンション高いだろ!!!!なんか案外拍子抜けだったな...あ、書き間違え...書き直さないと...消しゴム消しゴム...

 

トッ...ポロッ

 

「あ」

「ん?これ回能の?」

「うん、ごめんね」

「良いよこれくらい!はい!私芦戸三奈!よろしく!」

「うん、よろしく」

 

俺が落とした消しゴムを芦戸が拾ってくれた、軽く会話を交わして授業に戻る、()()()と思ってたが...まだ慣れてなかったか...

 

その後も授業は続き、昼休憩、弁当を作ってきたので教室で食べようとすると...

 

「回能、一緒に学食行こうよ」

「ん?」

 

耳郎が話しかけてくれた、近くには常闇と上鳴、八百万、芦戸が居た

 

「良いの?」

「勿論ですわ!!」

「あぁ、俺も貴様に興味がある」

「興味があるなんて...常闇大胆だね、告白?キャッ♡」

「何故そうなる...」

 

俺の発言に呆れ気味に反応する常闇、うーん新鮮味がない、まあ悪ふざけもこの辺にして、六人で学食へと向かう、俺は弁当がある為先に席を取っておく、しばらくして各々が料理を持って俺が待つ席にやってきた

 

「俺未だにお前が本当に男なのか疑っちまうよ...」

「見せただろ、男だって証拠、それとも何?俺が可愛すぎて信じられない?」

「貴様のその自信はどこから来るんだ」

「顔」

「即答じゃん...」

 

なんてくだらないやりとりをしつつ昼食を摂る、因みに俺の両隣には上鳴と常闇が居る、対面には耳郎が座っている

 

「たしか...回能さんは一人暮らし出したよね?それはご自分で作ってらっしゃるのですか?」

 

と、八百万が俺に聞いてきた

 

「そうだよ、親は仕事で家にいない事が多い...てかあんまり家に帰ってこないし、バイトもしてるけど金はゲームとかコスメとか、あとは服か、色々使いたいし」

「へぇ...アンタ意外と家庭的なんだね」

「確かに意外だわ...」

「ねえねえ!!具材一つちょーだい!」

「良いよ、それと交換ね」

「わーい!」

 

芦戸が注文した定食の具材一つと、俺の弁当の唐揚げを交換した、ランチラッシュの飯美味え、一方で、俺が使った唐揚げを食べた芦戸はというと...

 

「.....」

「...あれ、不味かった?」

 

俺の唐揚げを食べた芦戸の動きが固まった、あれ...味付けは間違えてないはずだけど...少しして芦戸が動き出した、すると...

 

「すっっっっごい美味しい!!これ本当に回能が作ったの!?」

「そうだけど...」

「毎日食べたいくらい美味しい!!」

「そこまで言ってくれるとは...」

 

思いの外高評価だったらしい、芦戸の目がキラキラ輝いて見える

 

そんなことがありつつも午後、ヒーロー基礎学の実戦訓練だ、講師は勿論...

 

「わ〜た〜し〜が〜...」

 

 

「普通にドアから来た!!!」

 

 

オールマイトだ、本当に教師やったんだな...

 

「画風が違いすぎて鳥肌が....」

 

液晶越しに見ていたみんなの憧れの人、その本人が、自分たちに教える立場として目の前にいる、非現実のような現実、ヒーローとしての頂点が今目の前にいる、俺とて興奮していない訳じゃない

 

「早速だが今日はコレ!!戦闘訓練だ!!」

「戦闘...!」

「訓練...!」

 

声を上げたのは緑谷と爆豪、席が後ろだから顔は見えんが...声色的にやる気があるのは間違いない

そして今回の戦闘訓練に伴い、入学前に希望を出したコスチューム届、アレを元にコスが作られているらしい

といっても、俺は母親がサポート会社を運営しており、そこに依頼した形になるが...なんか入学祝いだーとかで頼んだのと別に頼んでないコス...計二着が届いている、Aが見た目重視、Bが機能性重視とのこと

 

「取り敢えず初めてだしAで良いかな」

 

Aは俺が希望を出したコスチュームだ、希望通りなら...

 

「お、ちゃんと作られてる」

 

更衣室で自分のコスチュームをひっぱり出す、ちゃんと要望通りに作られているようだ、取り敢えず着替えてグラウンドβに向かおう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おーおー集まってら、出遅れたかな、みんないいコスだ、フルアーマーみたいなのもいるし、まぁ俺もそろそろ行くかな

 

コツ...コツ...と音がする、俺の足音だ、少し遅れてきたからか、皆の視線が俺に集まる

 

「それが回能君のコスチュームか!!」

「シルクハットにスーツ...なんかマジシャンみてえなコスだな!!」

「まぁモチーフはそれだし、切島も良いコスじゃん、なんかお前って感じするわ」

「なんだそりゃ、でもありがとな!!」

 

俺のコスチューム、切島が言ったようにマジシャンモチーフの白黒半々のスーツに、トランプのダイヤの模様が入ったシルクハット、そしてロングブーツ、顔には青い涙のような雫模様のメイク、良い感じにミステリアスなデザインになったんじゃなかろうか

 

そんな事を考えて合流すると、耳郎と目があった、パンクなコスチュームだ

 

「かっこいいコスじゃん、似合ってる」

「...ありがと、アンタもね」

 

なんて会話をしつつ授業の開始を待つ、しばらくしてオールマイトがやってきた、いよいよ授業開始だ

 

「さぁて!準備はいいか!有精卵共!!」

 

おお、独特な言い回し、さすがバライティ番組にも出てるだけあるな

 

「先生!ここは入試の時の演習場でございますが、また市街地演習を行うのでありましょうか!?」

 

フルアーマーのコスを着た生徒、飯田がオールマイトに質問を投げかけた、アレ飯田だったのか...そして飯田の言う通りここは入試の時に使っていた市街地訓練場だ、対ロボなら楽でいいんだが...

 

「いいや、2歩先に踏み込む!これから行われるのは屋内での対人戦闘訓練だ!!」

 

屋内での対人戦闘訓練、その言葉に俺たちの表情が引き締まる

 

「これから君たちはチームを組んでヒーロー側とヴィラン側に別れてもらう、それも二人一組のチームだ!これからの時代、事務所は別でも現場ではチームを組むのが当たり前になるからね!」

 

生徒同士の戦闘訓練、一対一ではないため組んだ味方とのチームワークなどが大切になってくる、組んだ味方とどう協力するかが勝利のカギになるだろう、ま、俺は相性云々は運次第だけど

 

「基礎訓練も無しにですか?」

「その基礎を知る為の実践さ!ただし、今度はただぶっ壊せばOKのロボ相手ではないというのがミソさ」

 

梅雨ちゃんの質問に答えるオールマイト、意外と教師出来てるな

 

「勝敗のシステムはどうなります?」

「ブっ飛ばしてといいんスか」

「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか...?」

「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか!?」

「このマントやばくない☆」

「んんん〜〜〜聖徳太子ィィィ!」

 

....前言撤回、やっぱ捌き切れてないわ、なんて眺めていると、オールマイトがカンペを取り出した、それでいいのかナンバーワン

 

オールマイトの説明によると、設定は核を持ったヴィランが立て篭もっている、その核を回収、あるいはヴィランを捉えるためにヒーローが動く、とのことだ、アメリカンな設定だな

 

ヴィラン、ヒーロー共に先ほど言っていた通り、二人一組で訓練を行う、人数は20名、丁度五回分のペアが出来る

 

因みにペアはクジで決まるらしい、飯田が適当でいいのか、とか、それに対して緑谷がチームアップ云々言ってたが、多分適当だ、まぁいい、取り敢えず俺もクジを引くとするかね

 

「俺は...」

 

引いたクジに書かれていた字は「G」、ペアは誰だろうか、頭がめでたい色のイケメンくんか爆発さん太郎はやめてくれ、絶対コミュニケーション取れん、なんて考えていたら

 

ちょいちょい

 

「ん?」

「あんたのペアウチだって、よろしく」

「耳郎!!」

 

良かった、仲のいい人とペアになれて、何かと耳郎とは縁があるらしい

 

「じゃあ俺らの相手は?」

「ヤオモモん所だって、ウチらはヒーロー陣営」

「八百万か...」

 

八百万の個性は「創造」、自身の脂質を消費し、無機物に限り生成可能な個性、万能なこの個性も厄介だが...それ以上にこの個性を使いこなす八百万の頭の良さが厄介だな...

 

「ま、なるようになるだろ」

「あんた以外と能天気なんだね」

「失礼だな」

 

いずれにせよ、俺たちの番はまだまだ先、作戦会議の時間はいくらでもある、今は他の生徒の訓練をしっかり見ないとな、最初のペアは...

 

ヒーローチーム、緑谷・麗日ペアvsヴィランチーム、爆豪、飯田ペア

 

 

.....初っ端このペアかよ...もしかしなくても一悶着ありそうなペアだ...今日まで見た所...緑谷と爆豪はどうやら犬猿の仲らしい、といっても、爆豪が緑谷を一方的に敵視しているようだが...

 

何もなければ良いんだけど...なんて俺の考えを置いて、オールマイトが訓練の開始を合図した、何かあれば止めるらしいが...大丈夫だろうか...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「負けた方がほぼ無傷で...勝った方が倒れてら...」

「試合に負けて勝負に勝ったといったところか」

「訓練だけど」

 

....ぜんっぜん大丈夫じゃなかった、ビルは半壊、勝ったヒーローチームは個性の副作用とダメージでボロボロ、逆にヴィランチームはマジで無傷

第一回目、結果はヒーローチームの勝ち、だが内容は最悪、爆豪の単独行動、麗日の気の緩みと乱暴すぎる攻撃、緑谷のビルをボロボロにするほどの強烈な攻撃、訓練でなければ、今頃四人はあの世行きだろう、「訓練だから」、そんな甘えた考えが産んだ結果だと言えるだろう

 

それらを踏まえ、訓練として見れば最悪のものだったが、「戦闘」としてみれば、緑谷対爆豪の試合はとても見応えがあった

個性とセンスの爆豪、思考と作戦の緑谷、どちらも並の実力じゃない、個性と実力を見れば爆豪に軍配が上がるが、勝ちを見据える力を言うならば緑谷に軍配が上がる

どちらが良かった、どちらが悪かった、この一言では片付けられないほどに中身の濃い試合だった

 

「....俺も負けてられないな」

 

そう呟くと同時に第二試合開始、続いて第三試合と続いていき、いよいよ...

 

「ウチらの番だね」

「よし、やってやろうじゃないの」

 

俺たちの出番、オールマイトに声をかけられ、準備へ向かう、少し歩いてビルの外、作戦会議のため、ビルの間取りを眺めつつ改めて個性を話していく

 

「ウチの個性は「イヤホンジャック」、耳たぶのプラグで音を拾ったり...プラグを刺してウチの心音を相手に伝える事も出来る」

「なるほどね、て事は足のソレは指向性の補助アイテムって事か」

「そ、で...改めて回能の個性は?」

「今朝言った通り、俺の個性は「道化師」と「スロット」、説明は省くぞ」

「オッケー」

 

互いに個性を伝え合い、作戦会議へ移行する

 

「まずはウチが音で索敵...相手の位置が特定出来次第回能に伝える」

「了解、で、肝心の俺の方だが...」

 

俺の個性、「スロット」は不確定要素である、自分は勿論、相手にとっても不安がある要素だ、どの能力が出るのか、どんな戦い方をするのか...それらが一切不明

戦う相手は臨機応変な対応が求められるって訳だ、てなわけで能力抽選、さっきから抽選してるけど...八百万と峰田、二人に有効な能力は引けて居ない

恐らくこれがラストチャンス、これで良い能力を引けなきゃ耳郎の負担がデカくなる、結果は...

 

「....喜べ耳郎」

「...もしかして...」

「おう、良い能力が引けた」

 

不敵に笑うと耳郎が苦笑いした、かなり悪どい顔をしていたらしい、作戦会議も終えたころ、オールマイトからスタートの合図が出された

 

「じゃ、行くか、先ずは索敵」

「オッケー、任せて」

 

耳郎が壁にプラグを当てる、音を拾っているようだ、索敵も出来て攻撃もできる、凄い個性だよな、辺りを警戒しつつ耳郎の索敵を待つ、数秒後、耳郎が索敵を終えて話しかけてきた、いや早いな

 

「二人とも三階の同じ部屋にいるみたい、なんか金属を重ねてるような音もする、多分ヤオモモが部屋の内側から何かしてるみたい」

「オーケー、じゃあ多分そこに核がある」

「二人がいるからってそこにある訳じゃないんじゃない?」

「金属みたいな音がしたんだろ?なら多分八百万が内側から鉄の壁でも敷いてるんだろ、核が他の部屋にある可能性を考慮したとしても、ヴィラン二人が固まってるならそこに向かって確保した方が良い、相澤先生ふうに言うなら「合理的」...かな」

「なるほど、了解」

 

行動は決まった、あとは動くだけだ

 

「耳郎は常に音を聞いて警戒してくれ、フロントは俺が張る、戦闘になったら耳郎にはサポートを頼みたい」

 

相手の個性は恐らく直接ダメージを与えるような個性じゃない、八百万は創造したまえばアレだが、もう片方の峰田...多分髪の毛がトランポリンかなんかになるんだろう、個性把握テストで見た、だから戦闘能力のある俺を前衛に置き、耳郎を部屋外で待機させ、合図を出したらスピーカーで攻撃、おそらくこの布陣が一番安定するだろう

 

「じゃあ...やることは決まったね」

「おう...行こうか」

 

━━━━━

 

〈八百万side〉

 

「峰田さんのもぎもぎと私のトラップ...何事もなければこれで守れるはずですわ」

「何事もなければかよぉ...アイツがとんでもない能力引いたらどうすんだよぉ!!」

 

峰田さんの言う通り...もし...もしも回能さんがこの状況を打開する能力を引いていたら...

 

....考えたくありませんわね...

 

「やっぱりどっちかが様子見に行ったほうがいいんじゃねーか...?ここで待ち構えてるより相手が何処にいるか把握したほうが...」

「....いえ、回能さんがどんな能力なのかわからない以上、戦力を分散させるのは得策ではないと思いますわ」

「でもよぉ...」

 

...不安が残りますわ、回能さんという不確定要素がここまで思考を鈍らせるなんて...やはりどちらかが様子見に...

 

ガンッ!

 

「「!?」」

 

扉の方から音がする、一瞬だけ、扉に設置したタングステンの壁に赤い「何か」が走るのが目に映った、あれは一体...?

 

次の瞬間

 

バガァァァンッ!!

 

 

「!!!」

「タングステンの壁が...!!」

 

タングステンの壁が一瞬で細切れにされ、扉と壁が吹き飛んでしまった、入って来たのは...

 

「お、本当に居た、すげえ索敵能力だな」

「っ...!回能さん...!!」

「オイオイオイ...やべえって!!」

 

回能さん...嫌な予感が的中してしまいましたわ...まさかタングステンの壁がこうもあっさりと...回能さんの腕には、赤い丸鋸のような物が付いている、光が反射しているようにも見えますわ、あれは一体...

 

「それじゃあ早々に片付けるとしますかね」ジャキンッ

「っ!!峰田さん!」

「わ...わかってらい!!」

 

峰田さんが回能さんに向けてもぎもぎを投げつける、当たれば回能さんの動きを制限できる...出来ることなら当たっていただきたいですが...

 

「甘い、みすみす当たる訳無いでしょ?」ザンッ!

「っ...」

「なんで...なんでくっつかねえんだよぉ!!」

「んー、なんでだろうね、講評の時に教えてあげるよ」パッ

 

そう言い終えた瞬間、回能さんの姿が消える、現れたのは峰田さんの背後...かかった!!

 

「ん...?なんじゃこりゃ」

「っしゃぁ!!かかったぜ!!」

 

回能さんが床に設置していた峰田さんのもぎもぎを踏む、一度踏んだら短くても半日はくっついたままの峰田さんの個性...これなら確保出来ますわ!!

 

「今です峰田さん!!早く確保テープを!!」

「あー、そういう個性か、くっつくのかぁ...」

 

私が峰田さんに叫びかけるよりも先に、回能さんが動いた、いや、姿が消えた、何故!?もぎもぎで捕らえたはず!!

 

「俺のテレポートね、俺が身につけている物と、一定重量以下の生物までなら同時にテレポートできるのよ」

「!!」

 

上を見上げると、回能さんが天井に立っていました、まるで重力が上にあるかのように、髪も服も垂れ下がらず、天井に立っていた

 

「で、同時にテレポートできる物は俺の匙加減で決まる、場合によっちゃ服だけその場に残してテレポート、なんてこともできる訳」

 

回能さんの言っていることが本当であれば...回能さんに拘束は無意味...これでは勝ち目が...

 

「まずは一人、君から片付けさせてもらう」

 

回能さんの腕から赤い丸鋸が現れた、次の瞬間、再び回能さんの姿が消え、一瞬にして峰田さんの意識を刈り取ってしまった、そのまま確保テープを峰田さんに巻きつける回能さん、まだ峰田さんに意識を割いている、今なら...!

 

その瞬間

 

「耳郎」

 

ドクンッ!!

 

「つっ!?(耳が...!!)

 

突如、部屋の外から爆音が流れ込む、思わず耳を塞いでしまう、それがいけませんでした

 

「はい、確保」

「しまっ....!」

 

回能さんに一瞬にして組み伏せられてしまう、ですがまだ確保テープは巻かれていない...背中から武器を出して迎撃を...!

 

「ふー...」

「ひゃぅん!?」

 

突然首筋に息を吹きかけられ、変な声を出してしまう、集中力が途切れてしまい創造ができない...

 

「な...なにを...!」

「創造で攻撃されそうだったけど...変なところ触ってセクハラになったら嫌だからね、って事ではい確保」

「あっ!?」

 

油断した、手首に確保テープが巻かれている、それを理解した瞬間...

 

『終了!!ヒーローチームWIN!!!!』

 

オールマイト先生の放送により、訓練の終了が告げられた、発見から確保まで僅か二分....迅速かつ完璧な動きだった...完敗ですわ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈回能side〉

 

「いやー、完勝完勝、運が良かったな」

「ウチほとんど何もしてなかったんだけど」

「いやいや、耳郎の索敵とサポートあってこそのこの速さだ、助かったよ」

「そう....ありがとう...」

 

俺の言葉に耳郎がはにかみながら礼を言う、実際、耳郎が居なけりゃ全階全部屋しらみつぶしに探すつもりだった、それを考えれば、三階に行く頃には時間が半分、最悪の場合、出会う前にタイムアップという事も考えられた

その点をふまえて、耳郎がペアで本当に良かった、ペアが耳郎だったからこそ、三分という短い時間で片を付けることができた、おまけに今回引いた能力も良かった

「血操」、文字通り血を操る能力、血の量や温度、体積、高度、形、様々な要素を自由に変更可能、今回俺の腕に現れた赤い丸鋸は、この能力で作られた血の刃

全ての要素をひっくるめて...

 

「改めて、今回は()()()()()()な」

 

なんて、個性の事を踏まえた発言をしてみる、我ながら上手い言い回しが出来たと思う、だが耳郎にはウケなかった、悲しいぜ

 

さて、そんな冗談は置いておき、講評の時間だ、今回のMVPは耳郎、耳郎本人は心底驚いていた

MVPに選ばれた理由、これは俺が先ほど述べた通り、迅速な確保の基盤になっていた事、そして俺への的確なサポート、それらが正しく評価され、MVPに選ばれた

まぁ順当だろう、俺という不確定要素、防衛に特化した相手の個性、それらを抱えつつ、できる仕事をキッチリこなしたのだから

 

「やったな耳郎、お前がナンバーワンだ」

「昔の漫画のセリフ引っ張ってこないでよ...ありがと」

 

お、このネタ知ってるのね、ネタ拾われて嬉しい、そんなこんなで今回の訓練は終了、緑谷以外は特段大きな怪我もなく無事に訓練が終わった、これがまだまだ続くと考えるとなかなかにハードだな...

だがまぁ、ヒーローになる為だ、これくらいの壁、軽々超えてやる

 

 




みなさんどうも猫耳の人です
ヤオモモ視点書くの難しい....
何かコツがあれば教えていただきたい...
ヒロイン匂わせはもう始まってます、わかりやすすぎますね、はい、もう少しバレないように工夫する必要があった
てなわけで次回もお楽しみに
高評価、感想コメント、お気に入り設定をいただけると作者が狂喜乱舞します、どうかよろしくお願いします

日常回、IF、ギャグ全振り回、恋愛回、その他のオリジナル回、これらを書いて欲しいですか

  • 大人しく書けやこのやろう
  • 本編に集中しろこのやろう
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