野郎ぶっ潰してる!!
俺が死穢八斎會な地下通路を記録してから一日経ち、いよいよ決行日...
現在は突入作戦を結構する前の会議中だ
「ジョーカーの協力もあり、確実な情報を得ることが出来ました」
「本拠地に居る...と...」
「はい、この目で見たので間違いありません」
俺の言葉に集まったヒーロー達の顔が引き締まる、ナイトアイ達の以前からの調査で、治崎が家にいる時間帯は把握済み、令状も出ている、あとは...
「あとは、叩くだけです」
体力もコンディションもバッチリだ、いつでも行ける、能力もこの日のために厳選してきた、俺だけでは無い、ビッグ3や、麗日、梅雨ちゃん、切島...そして、緑谷、この場にいるすべての人間が、やる気に満ち満ちていた、やるぞ、絶対に救け出してみせる
◇
午前8時半
死穢八斎會本部前
俺たちヒーローに加えて、協力を要請した警察、および機動隊が集まり、作戦の概要を確認し終えた後....
「令状よみあげたらダーッ!!と行くんで!!速やかによろしくお願いします」
「しつこいな、信用されないねえのか」
「そういう意味やないやろ、意地悪やな」
この作戦で俺は複数役割を与えられている、分身を扱えるからだ、まぁ順当な采配だろう
あらかじめ分身を質が落ちない四体まで出しておき、それぞれ別の能力を厳選しておく、出来れば支援二体、攻撃型二体にしたい所だ、本体である俺ももうすでに能力は厳選してある
因みに、今回俺が身につけてきたコスチュームは実用性重視の方だ、リューキュウから貰った髪飾りと、耳郎、八百万から貰ったネックレスも着けてきた、お守り代わりだ
警察の一人がインターホンに指を伸ばすのが見えた、静まり返る朝の住宅街、緊張が辺りを伝播していく、いよいよ作戦が開始されるのだ、インターホンが鳴らされる寸前...
「...っ!!ドアから離れて!!今すぐに!!」
ホークアイ持ちの分身の視界から流れ込んできた情報、大柄な男のシルエットが見える、個性は力を吸収する物...資料にあった個性だ、おそらく活瓶力也...咄嗟に俺が叫びかけるも、一瞬遅かった
「何なんですかァ」
ガォンッ!!
と音を立て、内側からぶち破られた扉、出てきたのはマスクを被った巨躯の男、見えた通り、活瓶力也だ体が門よりデカい、多分もういくらか活力を吸ってる...
警察が何人か吹き飛ばされた、マズイ
「助けます」
空中に舞い上がった数名の警察官を、デクとイレイザーが救助した、ナイスだ
それはそれとしてもう勘付かれたのか...いや、来ることがわかっていて迎え撃っているのか...予想通り戦力を集めてきたな...だがこちらとてそれを想定しなかったわけじゃ無い
「何の用ですかァ!!!」
「離れて!!」
仲間が吹き飛ばされ、あたりに動揺が走るが、ヴィランは待ってくれない、目の前に群がる警察目掛けてその拳を振り下ろす、が、警察と活瓶の間に割り込む影が一つ...その影は一瞬にして変容し、活瓶よりも大きな姿へ...
「とりあえず、ここに人員割くのは違うでしょう」
影の正体はリューキュウ、個性を発動し、活瓶の拳を容易く受け止めた、hu〜 かっけぇ
「ジョーカー!行ける!?」
「もち、その為に厳選したんですから」
リューキュウの呼びかけに反応し、俺の分身の一体が活瓶の懐に潜り込む、すると当然、俺の目の前にはガラ空きのボディーが現れるわけだ
この位置、この角度、良い、これなら良い拳が叩き込める
俺は活瓶の鳩尾目掛けて、黒く硬質化した拳を振るう
「ソリッドブレイク」
ボクサーのボディーブローのように、芸術的に叩き込まれたその拳は凄まじい威力を誇り、活瓶に呻き声すら挙げさせず、その意識を刈り取った
それを確認したリューキュウが、警察や他のプロヒーローに呼びかける
「私達リューキュウ事務所は活瓶の拘束と周囲の警戒をします!皆は引き続き仕事を!今のうちに!」
「りょーかい、分身を一体置いて行きます、何かあれば分身を経由して俺に連絡を、行きましょう、皆さん」
「ようわからん!もう入って行け行け!!」
開戦の火蓋は切られた、俺は活瓶を気絶させた分身を外に残し、他の分身やプロヒーロー、警察と共に事務所内に突入していく
目の前には三人の男、いずれも特筆すべき個性は持ってない
「全員雑魚、警察と数名のプロヒーローだけで十分対処できる、俺たちはこのまま中へ」
ホークアイを持つ分身が皆にそう呼びかける、その声を聞いた警察数名とプロヒーローが建物内に突入した、中に入れたのはファットガム事務所の面々、ナイトアイ事務所の面々、ロックロック、イレイザーヘッド、そして俺たちインターン生と警察数十名だけだ、入り口付近でだいぶ人員が削られた、これ以上人員は減らせない
「ジョーカー、地下の様子はどうだ」
「...先日から通路は変わってませんが...二箇所、先日まで無かった部屋が出来てる、中に組員が二〜三人...片方は二人と情報はありませんが、三人の方は窃野、宝生、多部です」
「他に気にはあるか!?」
「....あと、通路の真ん中に入中...奥にエリちゃんを抱えた治崎とクロノを発見、逃げるように進んでる...少し戻って根本と酒木が居る、それと...トゥワイスとトガヒミコも居ます警戒しておいた方がいい」
「ヴィラン連合...!!やっぱり繋がりがあったのか...!!」
ホークアイで地下の様子を確認し、情報の共有をする、ヴィラン連合に関しちゃ俺も同感だ、まさか協力してるなんてな...
しかし...いやに纏まってやがる、情報が漏れていたのか...いや、この数日で情報を盗み出せるはずがない、てことはこれがデフォなのか
盃を交わせば親や兄貴分に忠義を尽くす...肩身が狭いだけに古臭い習慣を重視してるっつーことね...
しばらく進むと、例の掛け軸を発見した、仕掛けもメモに書いてある
「ここです、この板敷きを決まった順番に押さえると開く」
右上、真ん中、真ん中左、左、上、真ん中右、先日の偵察で確認しておいて良かった、おかげでスムーズに進める
俺が順番通りに板敷きを押さえると、忍者屋敷のように重々しい音を立てて掛け軸がかかっている扉が開き始めた
「...奥に居ます、警戒を」
「なァアんじゃてめぇぇらぁぁぁ!!」
「遅え」
通路から飛び出してきたのは三人、ホークアイで確認した通りの人数だ、飛び出してきた瞬間、分身の一体が肉薄、「血操」で生み出した鎌を腕に生やし、構成員を一気に制圧、拘束をバブルガールとセンチピーダーに任せ、通路の奥へ進む、階段を降り、俺がマッピングした通り最短経路で走るが...
「行き止まりじゃねえか!!」
目の前には、「人為的に組み替えられたような跡」がある壁があった、やっぱりか...道自体に変化はなかったが...こんな細工してやがったとは...
「ちゃんと奥に道が続いてる、おそらく治崎が意図的に塞いだんでしょう、分厚い壁ですが破壊すれば進めます」
「成る程な...治崎の分解して治すならこういう事も可能か」
「小細工を...」
来られちゃ困るって言ってるようなもんだ、さっさと破壊して先に進もう、壁を破壊すべく、分身の一体が血の刃を生み出す、が、先に飛び出したのは緑色の影と赤色の影、デクとレッドライオットだ
「ワン・フォー・オール・フルカウル...シュートスタイル!!」
「烈怒頑斗裂屠!!!」
相当分厚く作られたであろうコンクリの壁は、二人のヒーローの卵によって容易く破壊された、たかが分厚いだけの壁、俺達にとっては障害や妨害にすらなりゃしない、何度も言われてきてんだよ、Plus ultra、壁を超えていけってな
「ちったァやるじゃねえか!」
「先越されたわ!!」
「これで進めます、行きましょう」
俺がそう呼びかけた途端、周囲に異変が起き始めた
「道が...!!うねって変わっていく!!」
「治崎じゃねえ...逸脱してる!!」
「通路にいた入中が居ない、多分奴の仕業だ、近くに居るはず、探します」
突如として、道がコンクリとは思えないほど流動的にぐにゃりと変化を始め、歪な形に変化していく
入中の個性は「擬態」物に入り、物を操る個性、だが、奴が操れるのは精々冷蔵庫ほどの大きさまで...かなりキツめにブーストしてんな...
「ははっ、このままじゃ全員ミンチだ、合い挽きハンバーグにされちまうよ...いや待てよ?全員人間だから合い挽き肉じゃないのか?」
「口より目を動かせ!」
「動かしてますよ、サンイーターの不安を少しでも紛らわせられればと思いまして」
「逆効果なんだよね!」
「そいつは失敬...先輩は先に行ってください、先輩の個性ならここで足並み揃えてるよりも先に進んだ方が合理的です」
俺の発言は逆にサンイーターの不安を煽る者だったらしい、失敬失敬
冗談はさて置いて、道や壁に関係なく先に進む事ができ、かつ物理攻撃はほとんど無効化できるルミリオンなら、先に進んでもある程度耐久が出来るはず、周りのプロヒーローから許可を貰い、ルミリオンを送り出した
「すぐに追いつきます、頼みましたよ先輩!」
「了解ジョーカー!先に行きます!」
ルミリオンを送り出した後、入中を見つけるべく、「ホークアイ」の出力を上げる、多少の負荷ならまだ耐えられる、辺りを探すこと数秒...
「...見つけた、破壊します、そのあとはイレイザー、頼みます」
入中を発見した、俺と目が合って焦ったのだろう、すぐに俺を分断しようとするが、もう遅い、俺は入中が居る一点目掛けて血の刃を飛ばす、すると天井に赤い剣線が走り、天井が細切れにされ、入中が出現した、直ぐに逃げようとするがもう遅い、我らがイレイザーヘッドが視界に捉えた、これで個性は使えない
ボゴッと音を立て、天井から入中が落ちてくる、ナイトアイが押印を投擲し、入中の顎に命中、脳震盪で行動不能になったところを緑谷が確保した、のだが...
「道がめちゃくちゃになってもうたな...ジョーカー!道はわかるか!?」
「....元々あった通路が塞がってたり、別の通路が出来上がってたりでめちゃくちゃです、奥の方は無事ですけど、この辺はマッピングした物とはまるで別物です」
入中が道をめちゃくちゃにしたせいでもはや道では無くなった、今から道を見ながらじゃかなり時間が掛かる、先行したルミリオンが一人でどこまで持つかわからない....
苦渋の決断になるが、ここは手分けした方が良さそうだ、ここで時間を食って逃げられましたじゃ本末転倒だ
「ファットガム班とナイトアイ班に分けて進みましょう、幸い出来上がった道は三つです、戦力も問題なく進めるでしょう」
「待て待て、道はもう一つあるだろ!!そこには誰が行くんだよ!」
ロックロックが俺の発言にそう叫ぶ、大丈夫ですよ、最後の道には...
「俺が行きます」
「かい...ジョーカー!まさか一人で行くの!?」
「そうだ、分身はそれぞれの班に一体ずつ付けます、何かあったら分身通して連絡ください、では」
分身を一体戻し、本体の俺は能力を発動して凄まじい速度で先に進む、ルミリオンが治崎と戦闘を始めた、ホークアイ越しにエリちゃんを庇いながら戦っているのが見える、急がなきゃまずそうだ
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「はっや...!!」
「速すぎやろ!!」
本体がまっすぐ治崎の元へ向かった、あれだけ速度が出せる能力を引いたんだ、ここでダラダラ足並み揃えてるより、先行させて少しでも時間を稼いだ方が良い
それに、今回の作戦はエリちゃんの保護だけでなく、八斎會構成員の確保も兼ねている、コレだけ戦力が集まってればすぐに制圧して本体がいる場所に向かえるはずだ
「進みましょう、ここで立ち止まってる暇は無い」
俺がそう呼び掛けると、俺が言った通り班を分けて動き始める、ホークアイの分身はナイトアイ班、血操の分身はファットガム班に付け、それぞれ別々のルートへ走る、早々に構成員を制圧して、すぐに本体の元へ向かわなければ
立ち止まっている時間は無い
みなさんどうも猫耳の人です
今回は執筆に少し時間がかかってしまいました、誠に申し訳ない...
八斎會編ですが、おそらく五話以内に終わってしまうのでは考えています、この八斎會編、とある事がおきますので次回以降もお楽しみに...
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