無敵のヒーロー(自称)   作:猫耳の人

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覚醒はヒーローの醍醐味ってやつよ






第五十二話 涙の剣と涙の盾

 

治崎との攻防の末、エリちゃんの奪還に成功し、デクやナイトアイ、イレイザーヘッドと合流することが出来た、戦力は集まった、ここで一気に畳み掛ける!

 

「デク!!エリちゃん頼む!!」

「わかった!!」

 

エリちゃんを俺をよりパワーのある緑谷に預け、分身二体と共に治崎に追撃を仕掛ける、ルミリオンもナイトアイも居る、加えてイレイザーの抹消、個性っつー武器が無い以上何も出来ない、王手って所か

 

「「シフトチェンジ・チェイス」」

 

能力を攻撃寄りにシフトチェンジ、ホークアイで弱点は見えてる、血操での牽制も出来る、隙はない、だが油断はしない!

 

「サポートお願いします!」

 

ここで決め切る、俺は分身と別々の方向から攻撃を仕掛け、的を絞らせないよう立ち回る、三方向からの波状攻撃だ

 

「「チェイスバラージ」!」

「がっ...!!」

 

アクセル、血操、ホークアイの三つの能力からなる高速波状攻撃、攻撃の後隙を分身の攻撃が潰し、そのあと隙を別の分身が潰し、その後隙を本体が潰し...それが繰り返される、相手に何は何もさせない、決めるなら個性が消えてる今!!

 

「鬱陶...しい...!!」

「させないよね!!」

 

俺に向けて拳を振るう治崎、だが合間を縫ってルミリオンが治崎の腕を弾き、その腕をイレイザーが拘束、完全に無防備な治崎に拳を叩き込む、行ける、このまま意識飛ばして━━━━

 

 

 

 

「起きろクロノォ!!」

 

 

 

「!?」

 

突如怒号を上げる治崎、その次の瞬間、俺の右側から矢印のように尖った毛髪が迫ってきているのに気が付いた、右側からのせいで反応が遅れた、回避は間に合わない....

と、その時

 

「ジョーカー!!」

「!!」

 

イレイザーヘッドに突き飛ばされ、なんとか回避に成功、だが、矢印がイレイザーヘッドに掠ってしまった、その瞬間、イレイザーヘッドの動きがスローになる

 

「長針が刺したモノは動きが遅くなる、串刺しにしたつもりでしたが...さすがヒーローだ」

「イレイザーヘッド!!」

 

マズイ...このままじゃ抹消が...!!イレイザーヘッドも危ない!!

分身でイレイザーヘッドを安全な場所に運ぼうとする、が、一歩遅かった

 

 

 

 

「全て無駄だ!!」

 

 

 

 

治崎が地面に荒々しく手を置き、抹消が切れたその瞬間、地面から大小様々なトゲが大量に発生した

 

「っ...!!」

 

俺は回避に集中するが...とんでもない物量だ...回避が...間に合わない...!!

 

「っ...!!」

「がふっ...!!」

「ぎっ....!」

 

二体の分身が右腕と太ももをそれぞれ貫かれ消滅、そのダメージが俺に跳ね返ってきた、腕と太ももに傷が現れる、その時に走った激痛が動きを鈍らせた

 

「あがっ...!!」

 

発生した大きなトゲに左の脇腹を抉られ血が溢れ出る、この一手でここまで...!!いてぇ...!!

それだけじゃない...他の皆とも分断された...!!治崎の目の前にいるのは俺一人...!!どうにかこの状況を切り抜けなきゃ...!!

 

「こんな奴らに俺の計画を台無しにされてたまるか....!」

 

俺の目の前で、顔を押さえながらヨロヨロと立ち上がる治崎、そのまま何処かへ歩いて行く、向かった先には...倒れた音本...

 

「なァ音本...!嫌だよなァ...!?俺がこんなところで終わるのは....!!」

 

音本の元へ辿り着いた治崎は自分の顔と音本の顔に手を置き、個性を発動させた

何を....!

 

「音本...本当によくやってくれたよ...お前なら俺の為に...死ねるだろう!?」

 

次の瞬間、バツンッ...と音を立てて弾ける治崎の体と音本、直後、すぐさま修復され...一人の人間...いや...人間と言って良いのかすらわからない者...治崎が立っていた、それも、ただの治崎ではない

 

「ジョーカー...ルミリオン...お前達は確かに俺より強かった...だがやはり...全て無に帰した...」

 

腕は四本に増え、体からトゲのような物まで生えている、まさに化け物...最早人間と呼べるかすら怪しい風貌になった治崎が、そこに居た

自分と...殺した仲間の体を融合させた...

 

「さァ、エリを返して貰おうか」

「仲間を...殺したのか...!」

「あぁ...最低の気分だが...さっきよりはいくらかマシだな」

 

頭イカれてんのか....自分の理想の為に....簡単に...仲間の...家族の命を....!!

 

「てめぇ...!」

「潔癖の気があってなァ...触られるとつい頭に血が上ってしまう....ここまでされたのは初めてだ」

 

そう呟きながら、個性破壊弾を拾い上げる

 

「...てめぇの自語りなんか聞きたくねえんだよ...」

 

ボロボロの体に発破をかけ、ゆっくりと立ち上がる、まだ終わっちゃいない...立つんだ、立って...目の前の敵を倒せ!!回能彩目!!

 

「まだ立ち上がるか...だが...それだけ頑張って、尚立ち上がって...そしてその結果が...増援(なかま)を巻き込み、全員死ぬだけなんてな」

 

四本の腕を地面に押し当てて個性を発動させる治崎、俺めがけてトゲが迫り来る、回避...否、ここで逃げに出れば負ける、なら....

俺は脚に力を込め治崎に向かって走り出す、発生したトゲを足場に、「セカンドギア・フルスロットル」で一気に距離を詰め...

 

加速墜蹴(アクセルフォール)!!」

 

ミルコ直伝の蹴りを放つ、が...脚を怪我していたと言うこともあり、十分な踏み込みと威力が出せず、受け止められてしまう、ルミリオンも一緒に攻撃をするが、ダメージはない

一撃じゃ十分なダメージは与えられない...なら...

俺は一旦距離を取り、攻撃を回避、再び治崎に迫る

 

「急所に!!何発も!!ブチ込む!!」

「鬱陶しい...!!」

 

死に体でどこまで持つかもわからない、先に俺の方がくたばるかもしれない、だが...それでも怒りが収まらねえ!!!コイツは...コイツだけは...!!

 

「テメェは!!俺が!!ブッ潰す!!」

 

蹴りの反動を利用し、蹴ってからすぐに空中に跳ぶ、思い出せ、ミルコの動きを、身体中に激痛が走る、だが関係ない、痛くてもやるんだよ!!

 

加速乱舞(アクセルラッシュ)!!」

 

腕を弾きながら治崎にダメージを与えていく、血が流れるのも気にせず、ひたすら攻撃を続ける、少しずつで良い、確実に....!!

しかし...

 

増援(おまえら)が来て事態が悪化してる事、気付いているだろう、諦めろ、俺の言った通りになるだけだ...全員、死ぬ」

「っ...!?」

 

治崎に踵落としをお見舞いした直後、俺の右側からトゲが発生、咄嗟にガードするとのの、そのトゲは俺の右腕を貫いた

 

「がっ...!!」

「ジョーカー!!」

 

俺が怯むと、追撃とばかりに治崎の拳が俺の右腕に突き刺さり、そのまま吹き飛ばされてしまった、、右腕からトゲが抜け、そこから血がダラダラと流れてくる

折れてはいないが...なんつーパワー...!腕が痛え...!!

 

「っ....ぐっ....!!」

「ったく...修復といっても分解(バラ)す瞬間はしっかり痛いんだ...もう止めだ」

 

せっかく与えたダメージも修復された、体はボロボロ、体力も残りわずか...加えてアクセルのギアを短時間で切り替えすぎた...疲労感が...

 

「いや...まだ...!!」

「諦めない人間の底力は侮れない...だが、死にかけだからこそ餌になる...」

 

俺が立ちあがろうとした瞬間、腕の一本を壁...エリちゃんの居る方向に向けると...

 

 

 

『お前のせいでまた死ぬぞ!!コレが望みなのか!?エリ!!』

 

 

 

治崎の声が、治崎の掌から聞こえた、一体何を...!!

そう考えた次の瞬間

 

「望んでない...!!」

「エリちゃん...!!」

「なんで...!!」

 

緑谷が出て行った穴から、エリちゃんが戻ってきた、緑谷も慌てて戻ってくる

 

「エリ...こいつら二人でこの状況、なんとかなると思うか?」

「.....思わない」

 

ボロボロの俺と、異様な風貌の治崎を見て判断したのだろう、その顔には「誰にも傷ついて欲しくない」という感情が感じ取れた

 

「なら、お前はどうするべきだ?」

「戻る...その代わり...!!皆を...元通りにして...!!」

 

自分以外の誰かが傷つくくらいなら、自分が傷つき周りを守りたい、言外にそうエリちゃんは呟いた

また...自分が傷つく事を...苦痛に自ら...!!

 

 

ドクンッ...

 

 

「そうだよな...自分のせいで他人が傷つくより、自分が傷つく方が楽だもんな...まだルミリオン一人の方が望みはあった、奴で芽生えかけた淡い期待が砕かれた、気付いてるか?エリにとって最も残酷な仕打ちをしてる事に....

 

 

 

 

お前は求められてない」

 

 

 

 

 

...治崎が、俺に向かってそう言い放った

求められてない?だからなんだ

 

 

ドクンッ

 

 

 

「....お前は...そうやって、今までも、これからも、人の命を、自分の理想のために弄ぶのか」

 

我慢の限界だ、心の底から、グズグズに煮えたぎった怒りがとめどなく溢れ出てくる、人を...命を、自分の理想のために弄び、不要になったら壊し、捨てる...

 

 

ドクンッッ

 

 

「....求められて無いからなんだ...俺は無敵のヒーローだ、苦しんでいる女の子が居るのなら手を差し伸べるし、悪が命を弄ぶというのなら、この身を賭してブッ潰す」

 

 

ドクンッッッ!!

 

 

不思議と、身体中から力が湧いて出てくる、心臓の鼓動がよく聞こえる、何か、何かが、俺の体に起きていた、不思議な何かが、だが、それが悪い物ではないと言うことだけ、それだけは、直感的に感じ取る事が出来た

 

 

「なぁ...治崎....!!」

(なんだ...雰囲気が...)

 

立ち上がった俺を見据える治崎、俺も治崎を見据える、睨み合う俺達の間には静寂が流れ、ヒリついた空気が立ち込めている

 

(嫌な予感がする...!!)

 

治崎が個性を使い、俺に攻撃を仕掛ける、トゲが俺の眼前まで迫ってくるのが見えた、だが、そんな事はどうでも良い、今はこの怒りを吐き出さないと気が収まらねぇ!!

 

「テメェだけは....!!

 

 

 

 

 

 

 

 

絶対に許さねえ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が息を吸うと同時に、体から力が溢れるのを感じる、俺は、そのまま言葉を吐き出す

 

その刹那、俺に迫っていたトゲが一瞬で()()()にされ、治崎の身体に無数の斬り傷が付けられた

 

「っ!?」

 

何が起きたのかわからず混乱する治崎、目の前には俺の分身...だが、普通の分身ではなかった、容姿は俺と瓜二つだが、圧倒的に違う点がいくつかある、深い青色の髪の毛に、青いロングコート、レイピアのような剣と盾...そして、頬には「♠︎」のシンボルが浮き出ている

 

「これは...」

 

今までの分身とは何かが違う、情報を収集するため、分身からの情報も受け取ると、本体の頬にも「J」のシンボルが現れていることがわかった

 

分身からの情報によると、俺の個性「道化師」の覚醒が起きたらしい、個性の覚醒、何かのキッカケを得て、個性が一段階先へ進む現象...キッカケ自体は無数にある、気付き、鍛錬、才能...未だ解明されていない未知の現象だ...がしかし、この土壇場でまさか覚醒するなんて...

 

「まるで主人公だな...」

 

思わずそう呟いてしまう俺、危機的状況に陥った時、都合よく力が開花する、そういう展開はテンプレで見飽きてたところだが...まさか現実で起こるなんてな..ほんっと都合のいい個性だ、今だけは感謝しよう

 

「...もう大丈夫だ」

「っ...」

「俺が居る、もう悲しい思いはさせない」

 

エリちゃんの頭を軽く撫で、分身とともに治崎に向き合い、構える、大丈夫だ、まだ戦える、傷は残ってるが死にはしない、死ぬならこいつをぶっ倒してからだ

 

「病人が....!」

 

再び治崎が俺に向けてトゲを生成する、しかし、それは分身によって再び細切れにされた、ここだ、刹那、「セカンドギア・フルスロットル」で治崎に肉薄、勢いと体重を乗せた拳を全力でブチ込む

 

「ガハッ...!!」

 

腕を振るい、俺から距離を取ろうとする、逃すわきゃねーだろ、今のボロボロの俺一人(本体)じゃ決定打に欠ける、だからもう一人の俺(分身)を使う!!

 

「「鋭利な涙の剣」」

 

分身の剣撃が治崎の腕を斬り裂き、本体がさらに距離を詰め、拳を振るう、拳と剣、人数はさっきより少ないにも関わらず、さっきよりもずっと大きなダメージが治崎を襲う

鬱陶しいだろ...!!死にかけだと思ってた相手にこんなに追い詰められてどんな気分なんだぁ!?アァ!?ザマーミロってんだ!!

 

「こいつも喰らっとけ!!」

 

本体と分身が踏み込み、治崎の腹部めがけて全力のボディブローとシールドチャージをお見舞いしてやる、綺麗に鳩尾に入った、どうだオラ!!痛えだろオラ!!このままブッ潰して━━━━━やりたかったが...

ダメージ覚悟で地面を分解していたらしく、足元から無数のトゲが俺達を襲った、分身がトゲを破壊しつつ治崎から距離を取る、おそらく俺達から距離を取りたかったのだろう、トゲは治崎の周りにしかない

 

「うざってえな...」

 

思わずそう呟いてしまった、地下っていう閉鎖空間である以上、壁も床も天井も...全てが治崎の武器だ、アイツが触れば部屋中がトゲだらけになる...どうにかしてコイツをリューキュウ達の居る地上まで連れて行きたいが...天井を破壊してもすぐ修復されちまう、俺が時間を稼いで緑谷が破壊...いや、それだと時間が掛かりすぎる、優位に立ったとは言え、この状況をどうにかしないとジリ貧だ...何か手は...

 

そう思われたその時

 

 

 

 

 

 

THOOOOM!!!!

 

 

 

 

 

 

 

「ドンピシャ!!」

「リューキュウ!?」

 

凄まじい音と共に、リューキュウ、ウラビティ、フロッピー、そして竜化した俺の分身が、巨大化した活瓶力也と共に天井をブチ破って入ってきた、一体地上で何が起きていたのか、遡ること数分前...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よしっ!ちょっと出遅れたけど私達も行くよ!!」

 

活瓶力也を拘束した俺達

出てきた時のインパクトにしちゃあ大したことなかったな、まぁコイツの個性なら納得か

個性「活力」...人に触れて吸息する事で活力を吸い取って巨大化する個性...

ここに置いといて警察の活力を吸われても面倒だ、隔離しておいて貰おう

 

「中も荒れてるよ、急いだ方がいいよ」

 

建物の中から悲鳴や怒号が聞こえてくる、本体も治崎と交戦を始めた、ねじれちゃんの言う通り急がなきゃまずそうだ、リューキュウの指示も待たずに中に入ろうとする三人、だがその時、突如体から力が抜けていく

 

「なんだ...!?力が...!」

 

これは...奴の個性....!?

気怠い体で振り返ると、活瓶の体が少しずつ大きくなっていることに気がついた、コイツ...ブースト薬を使ってやがったのか...!!呼吸してるだけで吸ってやがる...!!

 

「いてっ」

「気絶させたハズ!!」

 

活力を吸った事で意識を取り戻す活瓶、拘束具を破壊して立ち上がった

 

「入中から貰ったブースト薬がやっと効いてきた...すごく元気が湧いてきたァ!!!」

 

 

巨大化した拳で門の前にいる俺たちに殴りかかる、凄まじいパワーだ、あの一撃で門が木っ端微塵になった...

リューキュウと協力し、咄嗟に皆を避難させるが...皆立つ事もままならない状態だ...かろうじて動けるのは俺たちヒーローだけ、ねじれちゃんが時間を稼ぐために活瓶と交戦している

 

「ハッハッハッ、薬が切れた、触らせろカワイ子ちゃん」

「むぅー、嫌っ!!」

 

ねじれちゃんの波動が活瓶を襲う、が...やはりあまり効いている様子はない、先輩の波動も活力をエネルギーとしている、活力を吸われたことで火力が下がったのだろう

 

「ムンッ!!」

「っ!!」

 

巨大化した拳が先輩に向けて放たれた、このままじゃ回避が間に合わない、先輩がやられる、そう思った瞬間、咄嗟に体が動いた

背中から竜の翼が現れ、腕が硬質化、その姿のまま、今出せる最高速度で拳とねじれちゃんの間に割り込み、ねじれちゃんを庇う

 

「ジョーカー...!」

「大丈夫ですか先輩!!」

 

拳を受け止め、すぐに蹴り飛ばす、活力を吸い取らせない為だ、活力が吸われているとは言え竜の膂力だ、この程度の大男程度吹き飛ばすことなど造作もない

そして地下の状況も本体を通して確認した、やるなら今だ

 

「リューキュウ!!あっちの十字路へ!!目標はあそこです!!」

「!!」

 

それだけ聞いたリューキュウは俺を信じて動いてくれた、体に力が入らないだろうに、それでも動いてくれた、さすがヒーローだ

 

「ウラビティ!!浮かす!!フロッピー!移動を手伝って!!」

 

ウラビティが活瓶を浮かし、フロッピーが俺の指示した十字路まで運ぶ、そしてそのまま...

 

「ネジレ!!ありったけを私事!!」

「っ...出力が足りない!!」

 

ねじれちゃんの波動で地面ごとブチ破るつもりなのだが、肝心の先輩の波動の出力が足りない、このままでは目的の場所に辿り着けない、だから...

 

「撃ってください先輩!!」

 

俺が居る、俺が飛び出し、リューキュウの背中に立ち、能力を発動させる

 

「「クロスオーバー・ドラゴン・グローリィ」!!」

 

俺がそう叫ぶと、体が翡翠色に輝き出し、光の中で徐々に体が変化していく、歯は牙に、腕は翼に、身体も大きくなり、その姿は、まるで竜へと変化しているようだった

 

さて、ここでようやく俺が引いた能力を教えよう

今回引いている能力は「竜」、文字通り竜の力を手に入れる能力だ、体の一部や全身を竜化したり、ブレスを吐いたり、翼を生やしたりと、割と色々できる能力だ、使える竜の力も様々で、多くの場面に対応できる能力と言える

体も頑丈な鱗で覆われ、多少の事では傷つかない、故に

 

「背中押しますよ!リューキュウ!!」

「ありがとうジョーカー!!タイミングを合わせて!!」

 

多少の無茶なら、怪我なく可能だ

俺の背中めがけて先輩が波動を放つ、先輩の波動、俺とリューキュウのパワーと勢い、それらが合わさり、コンクリを砕く程度訳ない程の力を発揮する

 

「なんで動けるんだこの女共ォ!!!」

 

活瓶がそう叫ぶ

何故動けるか?愚問だな、俺たちは雄英生だぞ?毎日耳にタコが出来るくらい言われてんだよ!!更に向こうへ...Puls ultraってなァ!!

 

そのままの勢いで地面に激突、活瓶を下敷きにし、俺たちは本体と治崎が居る地下に、天井をブチ破りながら突入した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「成る程な、そう言うことか」

 

ことの顛末を分身からの情報共有で知り、リューキュウ達が降ってきた事に納得する、ともあれコレで天井は破壊できた、あとは治崎を地上にぶっ飛ばして...!!

そう考え、治崎を蹴り飛ばしに掛かるが...治崎の姿が見えない、一体どこに...!!

 

「...!!リューキュウ!先輩!!」

 

治崎を探るべく辺りを見渡すと、ねじれちゃんとリューキュウの背後から二人に迫るトゲを発見した、分身が咄嗟に二人とトゲの間に割り込み、翼で二人を包み込む

 

「が...はっ...」

「ジョーカー...!!」

 

トゲは翼の膜を破り、俺の背中を引き裂く、幸い致命傷にはならなかったが...それでもかなりのダメージだったようで、分身が消失し、俺にダメージが返ってきた

腕と背中が熱い、血が流れているのを感じる、だがこの程度なら問題はない、今の問題は治崎の方だ、姿を隠していた治崎が活瓶の上に現れた

 

「どいつもこいつも...俺の邪魔ばかりする...ふざけるな...!!」

 

怨嗟の言葉を吐きながら、立っている場所...活瓶と、自分の顔に手を置いた、次の瞬間...

 

バツンッ

 

 

と、弾けるような音がした後、弾けた肉片と血が集まっていき、巨大な生物を形成していく

 

「八斎會はもう終わった...だが...俺が居ればまだ復権できる...その邪魔をする奴らは...」

 

まるで巨大な獣、いや、獣と言うには余りにもグロテクスな見た目をしている、骨は剥き出しに、岩のようなゴツゴツとした腕が体のあちこちから生えている、そして、鳥の口のように広がった頭...その中に、治崎が居た

 

 

 

 

 

 

 

「皆殺しだ」

 

 

 

 

 

 

くぐもった声が響いたその瞬間、無数のトゲが俺たちに襲い掛かる、凄まじい密度、もはや逃げ道は無い

万事きゅうすかと思われたその時....

 

三つの光が空を駆けた

 

「!?」

 

三つの光はトゲを粉砕、切断し、治崎を地上まで吹き飛ばした、いきなりの衝撃に驚く治崎、かろうじて着地し、衝撃の正体を探る、その正体は、目の前にいる三人の男と、一人の少女の物であると理解した、理解させられた...

 

「何が皆殺しだ、散々人の命を弄んで来て...この期に及んでまだ人の命を弄ぶつもりか、ふざけてんじゃねえよ」

「笑えねえな、治崎、俺の言葉覚えてるか?テメェは許さねえってやつ...覚悟しやがれ、テメェはこのジョーカーが、直々にブチのめす」

「....ありがとう、エリちゃん、体感した感じでわかった...頭より早く折れる前に戻してくれたんだね...とっても優しい個性じゃないか」

「っ...お前らは...!まだ俺の邪魔を...!!」

 

治崎の目の前に立つのは、俺と、俺の分身、そして、エリちゃんを背負った緑谷だ、その風貌はいつもの物とは違う

 

一人は金色に揺らめく髪を持ち、目の前の敵を打ち倒さんと睨みつけている

 

一人は、藍色に輝く髪を持ち、盾と剣を構え、敵を倒すと意気込み、剣の切先を治崎に向けている

 

一人は、翠玉色の稲妻を走らせ、大気を震わせる程の力をその身に宿している

 

三つの光が見据えるのは、目の前に佇む凶悪なヴィラン、その敵を撃ち倒す力の名は...

 

 

 

 

 

回能彩目 ジャックポット

 

 

 

 

 

緑谷出久 ワン・フォー・オール・フルカウル 100%

 

 

 

「さて、やるか」

「エリちゃん...力を貸してくれるかい」

 

一人の少女を賭けた戦いが、今始まる




待たせたな

いやほんと、更新が遅れてすみませんでした
猫耳の人です、予定に予定が重なり書く時間が取れず...ようやく完成したので投稿しますがしばらくは更新が遅れてしまうかもしれません
ですが書くのをやめるわけでは無いのでご安心ください
次回もお楽しみに
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回能彩目は

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