無敵のヒーロー(自称)   作:猫耳の人

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あ...兄貴ィィィ!!!


第五十三話 「ブッ飛ばす」と心の中で決めた時、すでにその行動は終わっている!!

 

なんの変哲もない住宅街、数秒前まではそんな光景が目の前に広がっていた

だが、そんな光景は一人の男によって破壊される、その男の前に立つのは俺たち四人、目の前の男、治崎は、俺たち四人を敵としてでなく、脅威として認識したようだ

 

俺たちに向けて、あたりの住宅街を分解し、その破片で生成したトゲが迫る、だが...今更その程度通用するわけねぇだろ

 

「「飛爪」」

「「鋭利な涙の剣」」

「SMASH!!」

 

三者三様の攻撃でトゲを粉砕、俺と俺の分身の攻撃に至っては、トゲすら貫き、治崎の体を切り裂き、分身の刺突攻撃が空間ごと抉るかのように円形に腕を弾けさせた

 

「っ...病人共め...!!」

「それしか言えねえのかボキャ貧が」

 

さっきから俺たちを病人病人と罵っている治崎、何が病人だ、テメェの方がよっぽど病人だっての

そんなことを考え、いざ治崎に攻撃を仕掛けようとしたその時

 

「!」

「どうしたデク!?」

「体が...!内側から引っ張られてるみたいな...!!」

「何だって...?」

「力を制御出来ていないんだ...拍子で発動出来たものの...止め方がわからないんだろう!!エリ!!」

 

自身の体を修復し、三たびトゲの攻撃が俺達に向かってくる、先程よりも多い、もし撃ち漏らしたらエリちゃんと緑谷に当たっちまう、ここは...

 

「ガード!!」

「「溢れる涙の盾」!!」

 

分身が盾を構えると、攻撃はそこに集中された、収束して向かってくるトゲを分身と共に捌く

 

「人間を巻き戻す、それがエリの だ、使いようによっては人を猿にまで戻すことすら可能だろう...そのまま抱えていては消滅するぞ」

 

巻き戻す個性...成る程な、だから緑谷の怪我が治ってるわけか...

触れる者全てが無へと巻き戻させる呪われた個性、治崎はエリちゃんに向けてそう言い放った

 

「俺に渡せ、分解するしか止める術はない!」

「絶対、やだ」

「バーカ、渡すわきゃねえだろ」

 

緑谷が治崎を睨みながら、俺はわざとらしく舌を出しながらそう言ってやった、ピキってるピキってる、頭沸いてる奴にはコレがよーく効く

 

「...個性で成り立つこの世界を...理を壊す程の力がエリだ!!価値もわからんガキ共に利用できる代物じゃない!!」

 

性懲りも無く辺りの住宅街を分解し、俺たちに向けてトゲを放つ治崎、学ばねえなコイツも、もう当たるわけねえだろ

刹那、俺たち三人が治崎の懐に一瞬で潜り込み、次の瞬間、治崎の巨体が空中に吹き飛ばされた

 

「...これより制限時間一分以内に片を付ける!!」

「「この心が風化しようとも、我が誇りにかけて、貴様を討たん」!」

「行こう!ジョーカー!!」

 

空をかける三つの光、治崎を取り巻くその光は、外側から徐々に体を破壊していく

 

斬って壊す

 

貫いて壊す

 

殴って壊す

 

蹴って壊す

 

ただ壊す

 

怒りのままに壊す

 

殴る、蹴る、斬る、貫く、殴る、蹴る、殴る、斬る、貫く、斬る、殴る、殴る、斬る、殴る、斬る、斬る、殴る、斬る、殴る、斬る、殴る、斬る、殴る、斬る

 

殴る斬る殴る斬る殴る斬る殴る斬る殴る斬る殴る斬る殴る斬る殴る斬る殴る斬る殴る斬る殴る斬る殴る斬る

 

「この...クソガキどもが....!!」

 

修復が間に合わない程の速度で体を破壊され続け、もはや怨嗟の声を漏らすことしかできない治崎、緑谷の100%は、己の体を破壊する程の超パワー、それを何度も使っている、それでも尚立っていられるのは、エリちゃんの個性が、緑谷の体を即座に破壊される前に巻き戻しているのだろう

 

そして、そんな緑谷の100%に、オールマイトの力にすら迫る程の力を秘めたこの力、「ジャックポット」、林間合宿の個性圧縮を経て、上昇する身体能力は爆発的に上がっている、それが二人、有象無象の力を掛け合わせただけの治崎は、どう足掻いても届かない

 

「俺が崩すのはこの世界!!その構造そのものだ!!目の前の小さな正義だけの...感情論だけのヒーロー気取りが....!!

 

 

 

 

 

 

 

俺の邪魔をするなァァァァァァ!!!!」

 

 

 

 

 

 

それでも尚、己の執念で体を修復し、緑谷にその巨大な拳を振るう、だが、目の前のヒーローはその程度でくたばるような、ヤワな育てられ方はしていない

ヒュンッ、という風切り音と共に、一瞬にして治崎の背後に跳ぶ緑谷、その圧倒的なパワーが、緑谷の異常な速度の空中軌道を可能にさせていた、突然目の前から消えた緑谷を一瞬探す治崎、その一瞬が、この勝負の勝敗を分けた

 

 

 

 

 

 

ドドドドドドドドドドッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

大気が、空間が揺れている、そう錯覚させるほどの衝撃と音が辺りに響き渡った、神速とも呼べる程の速度で放たれる緑谷の拳、オールマイト以上の可能性を秘めたその拳の連撃は、治崎の肉体を打ち砕いていく

 

「目の前の...小さな女の子一人救えないで━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆を救けるヒーローになれるかよ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

空中に打ち付けられた治崎の頬を、緑谷の全身全霊、全力の拳が穿つ、治崎のマスクが千切れ、空中に打ち捨てられた、これにて一件落着...

 

 

そう思われたが

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだだァァァァァァァァ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

その身に宿る執念だけで、常人であれば意識を飛ばすほどの攻撃を受けたにも関わらず意識を繋ぎ止めた、半狂乱の状態とも呼べる治崎が、エリちゃんを奪おうと緑谷に腕を伸ばす、全力を出し過ぎたのか、空中で動けなくなっている緑谷、もはやなす術はない

 

 

とか思ってんだろ

 

 

 

「俺を忘れるな!!」

 

ここにはまだ、無敵のヒーローが居る

 

分身が治崎目掛けて、その手にある「鋭利な涙の剣」を投げ、その勢いを利用して横に回転し、盾を構える、その盾に着地し、脚に力を込める本体である俺、そのまま踏み込み、盾を足場に、遠心力とパワーを利用して治崎に向かって跳び出す

 

「行くぞォォォォォ!!!」

 

勢いを殺さず空中で回転し、ドロップキックの体制を取る、そして、先に投げられていた鋭利な涙の剣を足の間に挟み、空気を引き裂きながら凄まじい速度で治崎に迫る

それに気が付いた治崎が、俺の方を向き怨嗟の怒号をあげた

 

 

 

 

 

 

「ジョォォォォォォォカァァァァァァァァァァ!!!!」

 

 

 

 

遅えっての!!

 

「治崎廻!!命を弄び!!自分のために他者を殺してきた報いを受ける時だ!!悔い改めてどうぞ!!」

 

治崎に蹴りが命中するその瞬間、能力をジェットに切り替え、背中からスラスターを最大出力で放出、推進力と勢い、そして俺のパワー、その全てが掛け合わされ、尋常ならざる力を生み出している

 

テメェの自業自得だ!!

 

 

 

 

 

 

「ブッ貫けェェェェェェ!!!」

 

 

 

「がぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!!」

 

 

 

一瞬の拮抗の末、俺のドロップキックが治崎を捉え、その巨大な肉体を貫いた

 

俺の、俺達の勝ちだ

 

「はぁ...はぁ...」

 

ちょうどジャックポットの制限時間も終わった、ギリッギリだった....あとコンマ数秒遅れてたら負けてたな...やっぱり今日はツイてるらしい、朝の星座占い一位だったからな...

ズズン...というくぐもった音と共に、大穴の近くに落下する巨躯の治崎、振り返って見てみれば白目を剥いて気絶している、その音と様相が、この戦いの終わりを告げていた

 

「ふぅ....」

 

俺は安堵の息を漏らし、その場にへたり込む、分身も役割を終えて消失した、これでようやく一息つける...帰ったら何をしようか、八百万と耳郎のダブル膝枕で癒してもらおうか、今から帰るのが楽しみだ

 

そんな考えは、次に俺の目に映った光景によって掻き消されてしまう

 

「っ!!」

「デク...!?」

 

振り返った俺の目に映ったのは、角から尋常じゃない程のエネルギーを吹き出し、暴走しているかのようなエリちゃんと、そのエリちゃんを背負い、苦しむデクの姿だった

 

「...!!エリちゃんの個性が勢いを増してるのか...!!」

 

先程の治崎の言葉を思い出す、巻き戻す個性、使いようによっては人を猿まで戻せる、ならそれ以上戻ったら?無だ、何も残らない、このままではデクが消えてしまう

 

「まずいな...!!」

 

俺は咄嗟に立ち上がり、デクとエリちゃんの元へ走った、何か出来るわけでもないが、自然に体が動いてしまった、助けなければ、あと数歩で二人の元へ辿り着く所まで来たその時、治崎が動き出した、その大きな手を、俺諸共二人に振り下ろそうとする

 

「オイオイマジかよ...!!」

 

このまま振り下ろされれば二人は潰される、俺は受け止めようと腕を伸ばすが...治崎の指がエリちゃんに触れたその瞬間、治崎の体が巻き戻り始めた、数は消え、体から音本と活瓶が吐き出された、彼らと自分を合体させる前まで巻き戻されたのだろう

今度こそ動かなくなった治崎を放っておき、俺はエリちゃんに上着を被せて抱きしめた

 

「っ...大ッ...丈夫だ...!!落ち着けエリちゃん...!!」

「ぐっ...うううう!!」

 

出力がどんどん上がってやがる...!!これじゃ緑谷や俺だけじゃなくエリちゃんまで...!!力の制御が出来てない...!!ダメだ...!!止まらない...!!

 

「回...能くん...!!離れて...!!君まで...!!」

「黙ってろデク...!!こんな状態の奴置いて離れられる訳ねえだろ...!!」

 

どうする、どうする!?どうすればこの状況を解決できる!?見たところ角がエネルギーの放出口になってる...!!であればエネルギーには限界がある!!完全に出し切るまで耐えるか!?いやだめだ!!待ってたら消えちまうし、何よりこの状態のエリちゃんを放ってはおけない...!!どうすれば...どうすれば止められる!

 

頭の中をぐるぐると思考が回る、数秒して、一つの解決策が頭をよぎった

個性を止める...止める...個性因子...抹消...!!イレイザーヘッド!!

体の内側から引っ張られるような感覚に耐えながら辺りを見渡すと、フロッピーがイレイザーヘッドを介抱しているのが目に映った、よし!!これなら解決できる...!!

 

「フロッピー!!イレイザーヘッドを起こせ!!今すぐに!!」

「ケロッ...!!」

 

俺の声を聞いたフロッピーが一瞬の間を開けて反応し、イレイザーヘッドを起こした、瞬間、イレイザーヘッドが個性を発動し、エリちゃんの個性を抹消、暴走が収まり、エリちゃんは気を失い、倒れてしまう、咄嗟に受け止め、俺はその場に座り込んでしまった

 

「っ....はぁ〜〜〜....」

 

エリちゃんを抱え、暴走が止まったことに安堵の息を漏らす、周りのプロヒーロー達が救急車や警察を呼び始め、再び辺りが騒がしくなった、何はともあれ、八斎會の制圧も、エリちゃんの保護も終わった

 

現在の時刻はAM9:15、時間にして45分間の作戦、負傷者は三名のヒーローを含め少数、民間人もヒーローも死者はゼロ

考えうる最良、最善、最高の結果を残し、今回の作戦は幕を閉じた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦終了から一時間後、活瓶力也の個性で半数以上のヒーローや警察がダウンしている中、動ける者は地元ヒーローらと合流し、被害の確認にあたっていた

 

「治崎の分解による家屋倒壊四棟、しかし怪我人はゼロ...平日朝の住宅街ってのもあるが奇跡的だな...」

 

治崎があれだけ大暴れしていたと言うのに民間人の怪我人はゼロ、確かに、平日朝という事で人が少なかったとはいえ、この結果はハッキリ言って異常だ、だが、そうなったのには確実に理由がある

 

「ねぇねぇあのね、半分はデクくんとジョーカーのおかげだよ、ヘロヘロで倒れながら見てたの」

 

波動先輩曰く、巨大化した治崎を空中に吹き飛ばし、大穴近くに叩きつけ、被害が広がらないように戦っていたとの事だ、常に大穴の近くで戦う事で、被害が出る区域を縛り、そして狙いを空中の自分たちに向ける事で、攻撃が民家に行くことを防いでいたのだ

 

「でっかいのは難しいんだよ」

 

確かになぁ、ヴィランがデカいとそれだけ周りへの被害が大きくなるし...

それはさておき、ここにいないヒーローや俺達はどこで何をしているのかと言うと、最寄の大学病院へ搬送され、診察や治療を受けている

 

「いやぁ...身体中傷だらけだったのにまさか完治してるなんてなぁ..,」

 

とは言ったものの、俺はあれだけ治崎に滅多刺しにされたのにも関わらず、傷が完治しているどころか、流れた血すらも元に戻っていた、おそらく最後にエリちゃんに触れていたからだろう

そんなふうに呟きながら病院を歩いていると、相澤先生と緑谷に出会った

 

「回能くん!!無事でよかった...」

「おお、緑谷、それに相澤先生も、先生のお怪我は?」

「十針縫った、丁度いい、お前も来い」

 

相澤先生の後を着いていく、途中怪我人の事を話された、切島は全身打撲に裂傷、天喰先輩は顔面にヒビ、ファットガムは骨折が数箇所.....いずれも後遺症が残ったり、命に関わるような傷では無いとのこと

そして、俺たちが今どこに向かっているのかと言うと...

 

「それで、エリちゃんは?」

 

エリちゃんの元だ、意識を失ったあと、エリちゃんは高熱を出し、ここに搬送された、あの後どうなったのか...それを確かめるために俺達はエリちゃんの元へ向かっている

 

「...まだ熱も引かず眠ったままだ、今は隔離されてる」

 

らしい、面会も禁止されているようだ、俺と緑谷が得た情報を考慮しての措置らしい...

 

人を巻き戻す個性、そんな個性を持っているにも関わらず、個性が発言してから今日まで、個性に関する学習やカウンセリングを受けられていなかったエリちゃん、それゆえに、個性をコントロールできていない...

また何かの弾みで発動して仕舞えば、止められるのは相澤先生しか居ない、幸い個性は「生物」にしか作用しないらしく、今は発動の吉兆もないらしい、ひとまず安心か...

 

「...生物にしか作用しない個性...てことは気軽に個性の訓練も出来ませんね...」

「そう言う事だ、下手をすれば人が消える」

 

そう話しているうちに、エリちゃんの病室に到着、ガラス越しにエリちゃんを見る、熱にうなされてとても苦しそうだ、なんとかしてやりたいが...今の能力は個性や相手の肉体に作用出来るような物じゃないからどうにも出来ない

 

「エリちゃんの方も命に関わるような容体じゃない、熱も自然に引いていくらしい」

「...そうですか」

 

その言葉を聞けて一安心だ、命に関わるような物じゃないのなら、今すぐどうこうなるって事は無いだろうし

 

そんなこんなで退院....出来るはずもなく、経過観察という事で一日だけ入院する事になり、俺は自分の病室に戻ってスマホゲームで遊び、一日の経過を待った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夜明け

俺は制服に着替え、コスチュームを入れたカバンを持って相澤先生が待つロビーに歩く、帰ったら何しようかな〜、なんて考えながらロビーに辿り着くと、緑谷がロビーのテレビを見て固まっているのが見えた

 

「?」

 

一体何事かと俺もテレビを見ると、そこには衝撃的なニュースが流れているのが見えた

治崎を護送していた護送車がヴィラン連合の襲撃を受けた、被害は甚大、プロヒーロースナッチが死亡、運転手、警察の数名が重軽傷...

そして、治崎廻、ヴィラン名オーバーホールが、両腕を失い重症、個性消失弾とその血清が盗まれたらしい

 

「...マジかよ」

 

思わずそう言葉が漏れた、ここまでやるのかヴィラン連合...狙いは個性消失弾か...?いずれにせよ何か理由があって護送車を襲った事は明らかだろう...俺達にはどうにも出来ない問題だ

取り敢えず、俺たち生徒を学校に戻すらしいが、俺はまだリューキュウ事務所での仕事が残っている、リューキュウらが迎えに来てくれるらしいので、俺はリューキュウ達と一緒に一度リューキュウ事務所に戻ることになる

 

「それじゃあ、また後ほど」

 

そう挨拶を済ませ、病院の外に出てリューキュウ達が待つ車に乗り込んだ

 

 

━━━━━━━━━━━━

 

 

「救けられてばかりだった私が言うのもなんだけど...お手柄だったわね、ジョーカー」

「ね、守られてばっかりだった、救けてくれてありがとう回能君」

「いえ、仕事ですから」

「素直じゃないわね、回能ちゃん」

「耳真っ赤や」

「うるさいぞ」

 

車の中でそう話す俺達、現在は高速道路を降りて事務所に向かって車を走らせている所だ

 

「期待以上の働きだったって事よ」

「回能くんもドラゴンになれたんだね、不思議、リューキュウとお揃いだ」

「まぁ...リューキュウリスペクトの能力ですし」

 

俺の言葉にすごい暖かい目を向けてくる麗日と梅雨ちゃん、やめろ、そんな目で俺を見るな

そんなやりとりをしていると、リューキュウ事務所に到着した、俺は皆の視線から逃げるように先に降りた

 

「ふぅ...」

 

俺が車から降り、一息吐いていると、後ろからリューキュウが近づいてきた、おれはふりかえらず、リューキュウが隣に来るのを待った

 

「...今回は色々とありがとう」

「お礼を言うのはこっちですよ、貴女が呼んでくれたからインターンが出来た、私はそれに見合う仕事をしただけですよ」

「またそうやって謙遜するんだから...車でも言ったでしょう?期待以上だったって」

 

世辞だと思ってたが...本心からの言葉だったのか、だとしてもだ、俺はやるべき仕事をこなしただけだ、自分の仕事を自分でこなした、ただそれだけ

 

「雇ってもらった身ですし、それくらいは当然ですよ」

「ふふ、そうね...改めてありがとう、彩目くん」

「こちらこそ、改めてありが━━━」

 

...ん?今リューキュウ俺の事なんて呼んだ?気のせいじゃなきゃ名前呼びされた気がするんだが...

一度言葉を遮り、リューキュウになんて呼んだのか聞こうと振り返ったその時

 

 

 

chu...

 

 

 

.....え?

 

「これはほんのお礼よ、また機会があればよろしくね、ジョーカー?」

「.....」

 

唇に何か柔らかい物が当たった、なんだ、何が起きた、いや、何をされた?唇に?柔らかい?まさかとは思うが....

 

「....」

「どうしたの回能ちゃん、行くわよ」

「...ああ」

 

梅雨ちゃんに呼ばれてようやく現実に引き戻される俺、流石に本人に聞くのはかなり気まずい、これで違ったら俺の人生が終わっちまう

頭の中をそんな思考がぐるぐる回る、それから数時間は悶々としながら過ごした俺なのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

〈リューキュウside〉

 

「....攻めすぎた...」

 

回能くんたちインターン生が帰ったあと、私は羞恥心に苛まれていた、何故ならあの子...回能くんに思いっきりキスをしてしまったから、それも唇に、セクハラにならないわよね...No.9ヒーローがセクハラで捕まったなんてニュースになったらヒーロー社会全体が揺らいでしまう...

 

自分でも何故あんなことをしまったのかわからない、でもしなきゃ後悔する、そう思ってしまった、私のファンで...かっこいいって言ってくれて...守ってくれた...プロヒーローであることに加え、私の個性は「ドラゴン」、どちらかと言うと私は守る側の人間だ、守られた経験なんてない

 

「...我ながらチョロいわね...」

 

誰もいない事務所で呟く

良い匂いだったし、唇も柔らかかった...何よりあれは私のファーストキス...彼女が二人居るって話だし...私も....

 

「いやいや...何考えてるの私は...」

 

相手は学生、私みたいな歳上相手にされるはずない、そんなことはわかっているんだけど...自覚すると心にくる

26歳での遅めの初恋、これで回能くんに嫌われたら私生きて行けないかも....

 

そんなことを考えながら今日も一日が過ぎ去っていく、今ここでうだうだやってても仕方ない、切り替えて行こう

 




皆さんどうも猫耳の人です
はい、と言うわけでね、リューキュウさんにもフラグがたちました
そろそろ折り返し地点という事で、ここから閑話やオリジナルのストーリーも間にぶち込んで行こうかなと思っております
てなわけで次回もお楽しみに
感想、評価、お気に入り登録などなど、していただけるとモチベーションに繋がります

そして、ここからは質問なのですが
実は新しい小説の構想が二つ程ありまふ

そこで皆さんにお聞きしたく存じます、この小説と同時進行で書いてもいいか、それともこの小説が完結してから書いた方が良いのか、あるいは先に構想だけ知りたいのか、それらを感想でお聞きしたいです

ですので、よろしければ読者の皆様には感想でどうしたら良いか書いていただけると嬉しいです、アンケート機能はなるべくその小説の事で使いたいのでここで質問させていただきます

お手数をお掛けしますが、よろしければどうかお願いいたします

回能彩目は

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