無敵のヒーロー(自称)   作:猫耳の人

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ウチに手ェ出すな


第五十八話 ハプニング・エンカウント

 

前回、芦戸達によって無慈悲なクビ宣告をされた緑谷。

あまりのショックに絶望顔で固まって動かない。まぁいきなりクビって言われたらそうなるよな。

 

「クビっていうか、厳密には演出隊からの引き抜きです!人手が足らんのだと!」

「何故...?僕に...エリちゃんに...踊るって...言っちゃったよ...」

「そこは俺が説明するよ」

 

芦戸の後ろから演出隊の俺が登場し、説明を始めた。因みに、俺は分身体からの情報共有で何を説明されるかは知っている。

 

「フロア全体に青山君が行き渡るようにしたいんだけど...」

「青山君が行き渡るってなに!?」

「そんな大掛かりな装置もないし、人力で動かせるパワーが欲しいんだって。俺の人数を増やしても良かったんだけど...そうなると一人じゃパワーが足りないから人数が必要なるんだ。鉄筋を使う以上それは避けたい」

 

俺がそう説明すると、緑谷は絶望顔から納得したような表情になる

 

「僕、序盤でダンサーからミラーボールに変身するんだ☆新技☆ネビルビュッフェは飛距離も抑えられるんだ、僕の為にある職☆だから同じタイミングで離脱して協力して欲しい」

「つまりクビとは出番が削れるって事ね...」

 

人員に関してはなるべく俺が対応してやりたいが...増やすとスペックが落ちる。そうなると、どうしても必要以上の人数を出す事になる。場所を取ってしまう以上、それは避けたい。

今回のは苦渋の決断というわけだ。

 

「ワリィ!!おめーの練習を無駄にしちまうが...どうか頼まれてくれねェか...!?更に良いもんにしてェんだ...!」

「...んん...!出番あるなら...エリちゃんに嘘吐いたことにはならないし...良いものにする為なら...わかった!」

「メルスィ☆」

「ありがとう!!漢だオメェは!!」

「緑谷最近青山と仲良いしきっと良いよ!!」

 

なんて、なんやかんや悶着はありつつも、無事役職も完全決定。

あとは全体で合わせつつ完成度を上げるだけ。なんだが...

 

「それじゃあ今日からは全部隊で合わせつつの練習も同時進行でって事か、また練習メニュー見直さないとな、芦戸」

「ウン、ソウダネ」

 

同じダンス部隊の指導者である芦戸が、一週間前から目を合わせてくれないし、それに返事も素っ気ないし、今までより距離が遠くなったような気もする。

....一週間前と言えば、転びそうになった芦戸を抱き止めたな...やっぱりアレで嫌われてしまったのだろうか....

 

「...どうしたもんかねぇ...」

 

俺は頬を掻き、顔だけそっぽを向いて一向に目を合わせようとしない芦戸を見ながら思わずそう呟いてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いっ...!?あちゃぁ...」

 

自室にて、ギターの自主練をしていた俺、少し考え事をしながらギターを弾いていたら弦で指を切ってしまった。

俺は血が出ている指を咥えながら、絆創膏を取り出すべく机の引き出しを開けた。

 

「...あ」

 

引き出しの中から絆創膏を取り出して自分の指に貼り、元あった場所に戻そうとした時、引き出しの奥に押し込んでいた青い手のひらサイズの箱が出てきているのを見つけた。

 

「....」

 

俺は箱にそっと手を添え、右目があった場所を撫でる。今はもう見えなくなり、個性としての仕事を果たすだけの右目。

この箱を見ると、右目を失った時の事を思い出す。その度に、何か得体の知れない焦燥感のような物に駆られる。何か大切なものを失ってしまうのでは無いか...この失った右目は、俺の将来の暗示なのでは無いか、と...

 

「...まさかな」

 

俺は箱を引き出しの奥に戻し、再び自主練に戻る。

所詮は「気がする」ってだけ、本当に起こるなんてあるはずがない。あったとしても、今の俺ならどうにでも出来るはずだ。

そんなことを考えながら、全体練習の時間までひたすらギターの練習を続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

各々の部隊の練習、そして全体での合わせの練習を終え、俺達は寮の一階談話スペースで休んでいた。

俺は軽い雑談をしながら、何か良さそうな音楽が無いかとスマホで動画を漁っていると...

 

「あ、やべっ」

 

スライドしようとした拍子に、とある動画のサムネイルを誤タップしてしまった。とりあえず戻ろうとホームボタンに指を伸ばすが、流れ始めた動画に乗った声を聞き、思わずその指を貯めてしまった。

 

リスナー(諸君)はいつ、どんな紅茶を飲む?』

(...この声...)

「紅茶の動画?タイムリーだね。はい、回能のぶん」

「ん、ありがとう。見ようと思って見てるもんじゃ無いけどな」

 

スマホに映っているのは、最近になってよく見るようになった迷惑系の動画投稿者。確か名前は...ジェントル、とか言ってたかな。

 

『私は必ず仕事前と後、仕事の大きさによってブランドを選ぶ...そしてこのお茶はロイヤルフラッシュ。つまりどういう事かおわかりか?』

 

そんなもん知るか、とツッコミを入れたくなるのを我慢し、俺は耳郎から受け取った紅茶に口をつけながら動画を眺める。

 

『次に出す動画、リスナー(諸君)だけでなく、社会全体に警鐘を鳴らす事になる。心して待っていただきたい!』

 

その言葉を最後に動画は終了。次の動画が流れ始めた。えらく短い動画だな...

 

「なんか有名な人なの?」

「最近出てきた迷惑系動画投稿者...自称義賊のヴィランなんだと」

「へー、捕まってないんだ」

「ん、何がしたいのか、何を伝えたいのかわからないが...これだけ大々的にやってるにも関わらず捕まってないみたいだし...逃げ足だけは速いらしい」

 

スマホの画面を消し、耳郎が座る分の隙間を開けつつ再び紅茶を飲む。

口の中にふわっと優しい甘味が広がり、鼻の奥を濃厚だが全くしつこくない香りが抜けていく。コンビニの安物の紅茶とは全く違う高級そうな味だ。

 

「...良い紅茶だな。これ八百万が?」

「うん、ヤオモモが持ってきてくれたやつだよ。なんて言ってたっけ...ゴールド...ゴールドチップス...?」

「ゴールドディップスインペリアルですわ、耳郎さん」

「あ、ヤオモモ」

 

紅茶を飲みながら話していると、後ろから八百万が現れた。ティーカップを持った八百万は耳郎とは逆サイドに移動し、俺を挟むように座る。いつもより距離が近い気がする。

 

「ゴールドディップスインペリアル?」

「ええ、お母様から仕送りで戴きましたの」

 

何そのジョ◯ョのス◯ンドみたいな名前の紅茶、なんて思いながら八百万の方を見ると、僅かに微笑み、リラックスしながら紅茶を口にする八百万の姿が目に写った、俺は思わず見惚れてしまう。

それにしてもゴールドティップスインペリアルか...ちょっと調べてみるか。

 

俺は好奇心の赴くまま、俺はインターネットでゴールドディップスインペリアルについて調べる。すると、「市販では入手困難」だったり、「茶葉30g約2000円」と言う記事を見つけた。その記事が目に入った途端、思わず乾いた笑いが出てしまった。

超高級なお茶じゃないか...これクラス全員に飲ませてるって...

 

「?」

 

乾いた笑みを浮かべる俺をみて頭にハテナマークを浮かべる八百万。耳郎も俺のスマホを見たのか、隣で苦笑いしている。この箱入りお嬢様には後で俺たち一般市民の価値観を教えなければ...そう思った俺と耳郎なのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

それから日にちは流れ、とうとう明日が文化祭本番!

 

「もう閉まっちまうから最終確認通しで行くぞ!!」

 

俺の合図と共に、ダンス部隊がステージ上に並び動き始める。序盤は順調、動きも申し分無し。

そして中盤

 

「ツートントン、ツートントン、からのパッ」

「で、青山中央、緑谷ハケる!」

「ウィ☆」

 

芦戸の指示通りに動き、ステージ上から緑谷が居なくなり、青山が最も目立つ中央へ。

ここまで澱みなく動いて行くダンス部隊。一緒に踊っている分身体も問題なく動いている。どうやら危惧していた事態にはならなそうだ。

 

「緑谷!!動きまだヌルいからグッ!!グッ!!意識ッ!!」

「ラジャ!!」

「バンド隊もダンス隊も素人以上のモンになっちまったなァ。芦戸も意外と鬼コーチだったもんな」

「好きだからこそガチでやれるんだろうな...!「音で()る宣言」で昂ったんはバンド隊だけじゃねー」

 

ダンス部隊は上々、全体合わせでも曲に問題なく着いて来れている。演出部隊もやりたい事ややる事は固まっているし、それが実現可能かどうかも確認済みだ。あとは本番で上手くできるかどうか...とは言っても、それは俺達バンド部隊に掛かっていると言っても過言ではない。

 

「緊張して参りました」

「本番で変なアドリブしないでね?」

「あ?」

「大丈夫、余程のものじゃなきゃ対応してみせる。な?常闇」

「うむ、俺も成長したのだからな」

 

爆豪のアドリブは相変わらず。しかし、それに俺と常闇が喰らい付いているため大事にはなっていない。

が、本番で急にやったことの無い事をされるとこちらも対応に困る。出来ることなら楽譜通りに演奏してほしいが...まぁ、それなりに対応はしてみせよう。

さて終盤、緑谷が体育館上部の鉄骨から青山を吊り下げて縦横無尽に移動させる。本番にはここに煌びやかなレーザーや演出部隊の華やかな演出が加わる。今からどんな物になるのか楽しみだ。なんて考えていたら...

 

「モウ9時ダロ!?ガルルルル!!生徒はァア゛ア゛ア゛!!九時まデダロォ!!!」

「やっべ!帰りまーす!!」

 

時報を告げるハウンドドッグの怒声が体育館中に響き渡った。

慌てて片付けと掃除を済ませ、俺達は体育館を後にした。これであとはもう、寝て起きたら朝の九時から文化祭が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

PM:11時35分

 

「「寝れねー!!!」

「静かに!寝てる人もいるんだから!!」

 

最後の合わせ練習を終え、寮で休息している俺達。

休息とは言っても、文化祭と言う大イベントを前に大人しく眠れるハズもなく、興奮で眠れないといった様子のクラスメイト達半数以上が、未だ談話室でくつろいでいるという状態だが...

 

「みんな盛り上がってくれるだろうか」

「そういうのはもう考えない方がいいよ、恥ずかしがったりおっかなびっくりやんのが一番良くない。舞台に上がったらもう後は楽しむ!」

 

飯田の疑問に耳郎がそう答えた。良い心構えだ。

俺は耳郎に近寄り、後ろから覆い被さるようにハグをする。

 

「そ、決めた以上今更考えてもアレだしな」

「ちょっ!?///いきなり何すんのバカ!!」

「痛い」

 

耳郎の耳元でそう話すと、イヤホンジャックで額を叩かれた。地味に痛い。でもハグ自体を拒否しない辺り嬉しいんだろう。愛い奴め。

 

「耳郎さんの話、色んな事に通じるね」

「ウィ☆誰が為を考えると、結局己が為に行き着くのさ」

 

ソファで話している俺たちの話が聞こえたのか、備品チェック中の緑谷と青山がそう話した。なるほどな、言い得て妙だ。耳郎の頭を撫でながら二人の話を書いていると、緑谷が「あっ」と声を上げた。耳郎の頭に顎を乗せながら何事かとそちらを見ると...

 

「ロープほつれてる」

「ワォ☆ずっと練習で酷使してたもんね。僕らの友情の証じゃないか☆」

「うん...いや危ない、ごめん気付かなくて...」

 

どうやら青山を吊り下げる為のロープがボロボロになってしまっている様だ。所々ほつれており、今すぐに切れる...という事は無いだろうが、これを本番で使えばあらぬ事故が起こる可能性がある。が、替えのロープは手元に無い。

 

「八百万に作って貰えば?」

「もう寝てるよ。俺の八百万を便利道具扱いしないでくれたまえ」

「俺のことは充電器扱いするじゃん!」

「これが男性蔑視」

 

スケベ二人組が何か言ってるが聞こえない。

が、とりあえず明日までにロープをなんとかしなきゃいけないな。どうしようか。なんて考えていると...

 

「僕明日朝イチで買ってくるよ。朝練もあるし、ついでに買いたいものもあるし」

 

気が付かなかった責任を取るためか、緑谷がそう言い出した。が...

 

「いやいや、俺ら十時からだぞ?店って大体九時からじゃん」

 

上鳴の言う通りだ。基本的にどの店も開店は九時から、往復と準備の時間を考えると間に合わない。

 

「雄英から十五分くらいのとこにあるホームセンター、あそこなら朝八時からやってるんだよ」

 

かなりギリギリではあるが、それなら間に合うか...なら

 

「じゃあ俺も行こう。ちょうど買いたいものもあるしな」

「それじゃあ明日の朝一緒に行こう」

 

緑谷とそう会話し、最後に明日の流れを確認する。チラリと時計を見れば時刻はもうすぐ十二時を回ろうとしていた。

 

「そろそろガチで寝なきゃ」

「だな、明日の為にも今日はもう寝よう」

「そんじゃ...!また明日やると思うけど...夜更かし組!!一足お先に...絶対成功させるぞ!!」

 

 

 

 

『オーーーッ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

翌朝 AM7:50

 

「お、やーっと来た。遅いぞ緑谷」

「ごめん回能君!!慣れるのに手間取ってギリギリまで練習しちゃった!!」

「いや良い、学生証は持ったな?」

「うん!」

「うし、じゃあ行くか」

 

校門前で緑谷と待ち合わせをし、ロープを買いに行こうと約束をしたのだが...八時目前というところでようやく緑谷が登場。時間も押しているので、説教は後に回してホームセンターへ向かった

 

AM8:30

ホームセンターで目当ての物を購入した俺たちは、現在荷物を持って学校へ走っている

 

「意外と置いてないところもあるんだな」

「うん...時間くっちゃった。ロープも買えたし急ごう」

 

軽く目当ての物についての会話をしながら走っていると、ふと、目の前にトレンチコートを着た長身の男性が現れた。

 

「おっと!」

「うおっ!?」

 

互いに驚いたような声を上げる俺たち。男性の方に目を向けると、後方にどこか寂れたような建物を見つけた。おそらくそこから出てきたのだろう。

ブロック塀があるから気付かなかったな...もう少し気を付けないと...

 

「すみません!」

「急いでいたもので...申し訳ない」

「気を付けたまえよ、ゴールドディップスインペリアルの余韻が損なわれるところだったじゃァないか」

「....!!(この声...もしかして...)

 

目の前のトレンチコートを着た男の声を聞き、どこかで聞いたことがある声だと感じた俺は、自分の記憶の中を探り、どこで聞いたかを思い出す。

聞いたのは八百万から紅茶を貰った時だ。間違いない、コイツは...

 

(ジェントル・クリミナル...件の迷惑系動画投稿者...)

 

紅茶の余韻とも言っていたし、確定で良いだろう。自称義賊のヴィラン...まさかこんな場所で会うなんてな....

だがどうする、捕まえるにしても確実に抵抗されるだろう。そうなれば戦闘は必須。俺らの出番までは約一時間半...ジェントルの実力を考慮すれば、恐らくギリギリか、あるいは時間が過ぎてしまう。

 

緑谷と二人で掛かれば時間は短縮できるだろう。だがもし、相手の実力を見誤っていたら?二人で戦っても逃げられてしまったら?飛んだ無駄骨になるだろう。

....緑谷は相手が誰だか気付いていない。なら...大変心苦しいが、ここはジェントルに「憤怒の従者」でマーキングしておき、ここは見逃そう。

 

「最近物騒ですし、お二人もお気を付けて。行こう緑谷」

「あ、うん!」

「ご忠告感謝するよ、さァ行こうラ...ハニー」

「ハニー!?ええ!私はハニー!!」

 

半ば強制的に会話を切り上げ、緑谷と共に雄英へ向かおうとする。が、そこで俺は、目の前にいるジェントル・クリミナルと進行方向が同じである事に気が付いた。それだけなら何も気に留めなかっただろう。

しかし、数日前に見た例の動画...「社会全体に警鐘を鳴らす」と、「仕事の大きさによってブランドを選ぶ」という発言が頭をよぎった。

 

進行方向は同じ雄英方向、警鐘、高級ブランド...

 

これだけ条件が揃えば嫌でも理解する。

コイツらは...雄英への侵入を企てている。

 

「....」

 

雄英を狙っているというのなら話は別だ。ここで見逃す訳にはいかない。

ここで見逃して仕舞えば、文化祭が中止になってしまう。

...しかし、先ほど言った不安要素があるのも事実、ならどうするか...

 

「...あ、やっべ」

「?どうしたの回能くん」

「いやなに、ロープとかを探すのに夢中で俺が買いたいものを買うのを忘れてな。ホームセンターまで距離近いし、買いに戻って良いかと思って」

「えぇ!?じゃあ急いで戻らないと!!」

「いや、緑谷は先に帰っててくれ。こんなとこで時間食うより、青山と一緒に最終確認しておいてくれ」

「え...でも...」

「いいからいいから!ほら!行った行った!!」

「うわぁ!?」

 

俺は持っていた荷物を緑谷に渡し、背中を押してやる。一瞬驚いたような反応を見せる緑谷だが、俺が何を言っても意見を変える気がないと理解したのか、少し微笑んでからその場を後にした。

これでよし、万が一という可能性もある。代えの効かない緑谷をここで負傷させる訳にはいかない。

 

故に、分身で代えの効く俺がこの場に残り、コイツ(ジェントル)を捕まえることを選んだ。

俺は緑谷の姿が見えなくなったことを確認してから振り返り、こちらに歩いてくる二人組...ジェントルとラブラバに視線を向けた。

 

「....ゴールドティップスインペリアル...随分と良い紅茶を飲んでいるな」

「「!?」」

 

急に話しかけられたことに驚いたのか、はたまた俺が正体を察した事を理解したのか、二人に動揺が走る。

しらばっくれようと口を開こうとするのが見えた所で、俺は更に詰めて行く。

 

「ルーティーン、ってヤツか?なぁ?ジェントル・クリミナル」

「......」

 

空気が変わった。辺りの空気がヒリつくのを感じる。

目の前の二人も警戒...いや、臨戦体制に入ったのだろう。先ほどまでの動揺はもう無く、どこか落ち着いた雰囲気を纏っていた。

 

「...なんのことかな?」

「しらばっくれなくて良い。動画は見た」

 

...警報が鳴れば、それが例え誤作動であっても即中止。

そうなれば、この一ヶ月間、皆で必死に練習してきた物が全て水の泡と化す。それは許せないし、何より、この文化祭はエリちゃんも楽しみにしてくれている。

笑い方を知らないあの子を、過去に囚われた彼女を救うための....

中止になんてさせるものか

 

「ラブラバ、カメラを回せ」

 

身につけていたサングラスを外し、鋭い目を俺に向けるジェントル。相手もやる気の様だ。それに合わせて、俺も姿勢を落とし、拳を握りしめる。

...今回の文化祭は、色々な人が関わっている。無理を通して開催してくれた校長先生、俺達に不満を持っている他の科の生徒、そして、俺たちヒーロー科...

彼等のためにも、コイツはここで止めなきゃならない。

 

「ウチに...手ェ出すな...!」

 

雄英と、一人の少女の未来を賭けた戦いが、今始まる。




みなさんどうも猫耳の人です
今回は今後の動きとして考えている物を少しご報告をば
まず、この小説および、「ワケアリ少女の進む道」を執筆中は、この二つの小説を交互に投稿していきます。
そしてどちらかが完結し次第、次の小説の作成に取り掛かります。
小説の案がねえ、今三つくらいあるの。アイディアだけはいっぱいあるのね!!

そして、この文化祭編が終了し次第、お待ちかねのR18版の作成も行っていきますのでお楽しみに

それでは、次は「ワケアリ少女の進む道」で会いましょう。
次回もお楽しみに

回能彩目は

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