見えない悪意は、すぐそこに
「今日のヒーロー基礎学だが...俺とオールマイト、それともう一人の三人体制で見ることになった」
委員決め翌日の午後、ヒーロー基礎学にて、相澤先生がそう話した、見ることに「なった」...って事は元々は別の体制で見るつもりだったのか?
「はーい!!何するんですかー!?」
「災害水難なんでもござれ、
相澤先生が「rescue」と書かれたカードを取り出した、アレどっから出してんだ?
とまあそんな疑問は置いておき、レスキュー...人命救助か...俺の個性「スロット」はその性質上、能力には救助に向くものと向かないものがある、まぁこれは戦闘にも言える事だが...出来るか出来ないかは文字通り「運次第」、幸い「道化師」の方はある程度救助に使えるが...万能って訳じゃない
「今回、コスチュームの着用は各自の判断で構わない」
中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからとの事、俺のコスはスーツだが...動きやすい素材が使用されている、活動には問題ないだろう、と、いう事で早速更衣室でコスチュームに着替え、相澤先生に指示された場所でバスを待つ
「アンタそのスーツで行くんだ」
「これ割と動きやすいのよ」
耳郎とそう話していると、飯田が委員長らしく皆に声をかける、フルスロットルじゃん、張り切ってんな〜...
「バスの席順をスムーズにいくよう番号順に二列で並ぼう!!」
飯田の指示通りバスに乗る、が、飯田が想定していたバスではなく、席が対面しているバス...所謂市民バスというやつだった、さっそく空回りしてら、意味なかったな〜、取り敢えず俺は耳郎の隣に座る
「私思ったことを何でも言っちゃうの緑谷ちゃん」
「あ!?ハイ!?蛙吹さん!」
「梅雨ちゃんと呼んで、━━━あなたの個性、オールマイトに似てる」
梅雨ちゃんがそう緑谷に話しかけた、確かに梅雨ちゃんの言う通り、一振りでビルを半壊させるほどの超パワー、アレはオールマイトを彷彿とさせる物だった、だが...
「待てよ梅雨ちゃん、オールマイトは怪我しねえぞ」
切島の言う通り、オールマイトは攻撃をする度に腕をバッキバキに折ったりしない、似て非なるアレとはよく言ったものだ、とはいえ、上手く制御が出来るようになる、或いはあのパワーを怪我なく扱えるようになれれば...第二のオールマイトになれるかもしれない
「しっかし増強型のシンプルな個性はいいな!派手で出来ることが多い!俺の硬化は対人じゃ強えけどいかんせん地味なんだよなー...」
切島の言う通り、シンプルな個性は良い、できる事がわかりやすいし、出来ることも多い、逆に複雑な個性なほど扱いは難しいし、持て余す事の方が多い
俺の個性もそうだ、「スロット」、能力が多く、それに加えて使える能力はランダム、良い所だけ言えば汎用性が高く、状況に左右されずらい、悪い所も踏まえて言うのなら、汎用性が高いか、左右されずらいかは全て運次第
(全部運ゲー、救えるか救えないか、全部全部運次第)
己が運で他人の生死が決まってしまう個性、ホント、難儀な個性だよ
俺がそう考えている中、話は転換してヒーローとしての人気の話になる
「派手で強えっつったらやっぱり轟と爆豪だな」
「ケッ」
「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそう」
「んだとコラ出すわ!!」
「ホラ」
「フッ...」
「何鼻で笑っとんだ殺すぞ片目ヤロー!!」
確かに、すぐキレるから人気になってもすぐ順位落としそう、怖いねー
「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されるってすげぇよ」
「てめぇのボキャブラリーは何だコラ殺すぞ!!」
凄いボキャブラリー、よくこの短時間でそんな言葉出てきたね
「人気なら回能も出そうだよな!」
「んー?」
「確かにー!!ビジュアルでも人気でそー!」
切島と葉隠が俺に話を振る
「悔しいけどツラは良いもんなぁ」
「確かに」
「自分で同意するのかよ...すげぇ自信だな...」
ツラが良い自覚はある、じゃなきゃ女装なんてしないし、こんな魅せるデザインのコスにしない
「もう着くぞ、いい加減にしとけよ...」
「「「「はい!!」」」」
相澤先生からの鶴の一声、その一声にて皆が静かになる、バスのフロントガラスから見える大きなドーム、今からあそこで訓練が始まるのだ
◇
「「「「すっげー!!!USJかよ!!?」」」」
施設に入った途端、皆がそう叫ぶ、山岳、炎上した街、水難etc...いやほんと、施設がいっぱいありすぎる、マジでUSJかよ
「あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です、その名も....」
なんて、頭の中で目の前の宇宙服のようなヒーロースーツを身に纏ったヒーロー、13号にツッコミを入れる
スペースヒーロー13号、災害現場からの救助で幅広く活躍しているヒーローだ、非戦闘系のヒーローと言えば?と聞かれれば名前が上がるヒーローのツートップだ*1
「13号、オールマイトは?ここで待ち合わせるはずだが」
「先輩、それが...」
何やら相澤先生と13号が話している、なんか指三本立ててる、なにか意味が?
「仕方ない、始めるか」
おろ?オールマイトが居ないのに始めるのか、三本指...教師の数か?なんて事を考えていると、授業が始まる
前に...
「えー始める前にお小言を一つ二つ...三つ...四つ...」
おーおー増える増える、あんまり増えるとお小言だけで授業終わっちまうよ、まぁそんな事はなく、13号のお小言が始まる
「皆さんご存知だと思いますが、僕の個性はブラックホール、どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」
その個性でどんな災害からも人を救い上げる、それが13号の個性、ブラックホール、しかし同時に...
「しかし、簡単に人を殺せる個性です、みんなの中にも、そういう個性がいるでしょう」
そう、簡単に人を「殺せる」個性、どんなものでも吸い込んでチリにしてしまう、どんなものでも、つまり、人すらも...
今の超常社会は、個性の使用を資格制にし、厳しく規制している、しかし、それはそう見えているだけ...一歩間違えれば、簡単に人を殺せる個性が、この社会にゴロゴロ転がっている、このクラスにも居る、切島、麗日、芦戸...使い方によっては峰田や瀬呂も、簡単に人を殺せる個性を持っている
個性把握テスト、アレは自分が持つ可能性を知る為のテスト、そして、先日の対人戦闘訓練にて、その力を人に向ける危うさを知った
それ故に
「この授業では...心機一転!!人命の為に個性をどう活用するかを学んでいきましょう!!」
俺たちの力は、人を傷つける為にあるのではない、人を救け、笑顔にする為にあるのだと、そう理解してほしいとのことだ
「以上!!ご清聴ありがとうございました!!」
13号のその言葉を最後に話が終わる、いよいよ救助訓練の開始だ
と、思われたその時
ズズ....ズ....
「.....?」
不穏な空気が、あたりに充満する、真っ先に気がついたのは相澤先生、気配は広場の方、視線を向けると、そこには黒いモヤが...
「一塊になって動くな!!」
「え?」
相澤先生が俺たちに叫ぶ、その間も闇は広がり続ける
「13号!!生徒を守れ!!」
「なんだアリャ!?また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」
「動くな!!あれは...
気を抜くな、常に警戒しろ、いつ何処から襲われるかわからない、能力の抽選...ダメだ、戦闘には向かない、どうする
「13号に...イレイザーヘッドですか...先日
頂いた...成る程な、合点がいった、この前のマスコミ騒動はコイツらが手を引いてた訳だ...それでマスコミのゴタゴタに乗じてカリキュラムを盗んだって事か...馬鹿だろコイツら...
「どこだよ...せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ...オールマイト...平和の象徴が居ないなんて...」
現れたヴィランのリーダー格らしき、身体中に手を付けたヴィランが俺らに視線を向けた、指の隙間から覗くその瞳は、俺たちに得体の知れない恐怖を与える、身体中を這い回るような、ゾワゾワとした恐怖
「子供を殺せば来るのかな?」
恐怖の正体は、未だかつて感じたことの無い死の恐怖、自分の命に手が掛けられているかのような、そんな恐怖
気張れ、進め、皆を...仲間を守るために
どうもみなさん猫耳の人です
今回はちょっと短くなってしまいました
繋げたら文章がおかしくなっちゃったので...
てなわけで、次回いよいよ対ヴィラン連合
次回もお楽しみに
日常回、IF、ギャグ全振り回、恋愛回、その他のオリジナル回、これらを書いて欲しいですか
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大人しく書けやこのやろう
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本編に集中しろこのやろう