はい、どうもカカイリです。転スラにビルサイファー入れたらどうなるかなーって思って書いた作品です。
楽しんでってね!
01話 夢の悪魔、世界を見つける
——ある精神世界の中。
無限に広がる虚空。時間も、空間も、意味すら曖昧な場所。
『やれやれ...退屈だな』
黄金の三角形が虚空に浮いていた。
大きな単眼。黒いシルクハット。蝶ネクタイ。手足を持つ、しかし生物とは到底呼べない存在。
夢の悪魔、ビル・サイファー。
かつて
『...派手に遊びすぎたツケかな?』
『まぁいい、どうせまたやり直せばいいさ』
指を軽く鳴らす。
パチン。
その瞬間、虚空に“何か”が映る。
どこかの世界。どこかの人間。
——次の瞬間、その像は内側から捻じ曲がり、意味の分からない形へと崩壊した。
『おっと、見すぎたかな?』
何事もなかったかのように、像は消える。
『...退屈だ』
ビルはしばし沈黙する。
そして、ふと思い出したように呟いた。
『そういえば、この状態でも「外」に出られるのか?』
試す価値はある。
バチっ。弾かれたような音が鳴る。
『...ダメか』
だが、その瞬間。
突如、空間に歪みが走った。
別の世界。
日本という国で、一人の男が命を落とす。
そして——異世界へ転生しようとした、その刹那。
空間に、亀裂が生まれる。
『...見つけた』
単眼が細く歪む。
『穴だ。しかも...向こう側は、ずいぶん面白そうじゃないか』
パチン、と指を鳴らす。
すると、亀裂が強引にこじ開けられる。
『さて、少し遊びに行くとするか』
そして—
森の上空。
ジュラの大森林。
空が裂け、何かが落ちてくる。
『おっとっと』
地面に激突する直前、ふわりと停止する。
その下では、ちょうど一匹のスライムが声を発したところだった。
「ワレワレハ、ウチュウジンデアル!」
『...』
「...」
数秒の沈黙。
「...え?」
スライムが先に言った。
『ほう』
三角形の単眼が、ゆっくりとスライムを捉える。
『スライムが喋る世界か。いいね、退屈しなさそうだ』
「いやいやいや!お前はなんだよ⁈」
三角形は笑った。
『HAHAHAHA!いい反応だ』
『私はビル・サイファー。そうだな、この世界風に言うと——悪魔、かな?』
「絶対ヤバい奴じゃん...」
『安心してくれ、スライム君。今のところこの世界を壊すつもりはないさ。久々の外だしな』
「今のところって...てか世界壊すって言った...?」
『HAHA!細かいところは気にするな!』
単眼が、じっとスライムを見つめる。
『それよりスライム君、随分と面白いじゃないか』
「は?」
『弱い見た目、強い中身。そして...この世界の魂じゃないな?』
一瞬だけ。
ビルの影が歪む。
スライムの背後に、巨大な目が無数に現れ——次の瞬間、消えた。
「...今、なんかしたか?」
『何も?』
『気のせいじゃないか?』
明らかに嘘だった。
『それよりスライム君、名前は?』
「三上...いや、リムル=テンペストだ」
『リムルか』
ビルはにやり、と笑う。
『気に入った、しばらく遊ばせてもらおう』
「よ、よろしく...」
この瞬間。
明らかな異物が、この世界に混ざった。
しばらくリムルの横に浮きながら、森の中を進んでいると、30体ほどの人型の魔物——おそらくゴブリンだろう——が現れた。
「グガッ、強キ者ヨ…。コノ先ニ、何カ用事ガ、オアリデスヵ?」
どうやら群れのリーダーであるゴブリンがリムルへと話しかける。リムルとしては襲われても問題ないだろう、という考えで話そうとしているようだ。
「初めまして、でいいのかな?俺はスライムの、リムルという。」
リムルが話しかけると、ゴブリン達がざわめき出す。おそらく...
「グガッ、強キ者ヨ!アナタ様ノお力ハ十分ニワカリマシタ!!! 声ヲ沈メテ下サィ!!!」
さっきも思ったが、やはり声が大きいようだ。まだ調整が慣れていないんだろう。スライムが喋るということ自体、大概おかしいからな。
「すまんな。まだ調整が上手く出来なくて。ビル、大きかったならそう言ってくれよ」
『すまないすまない、だがこれも経験の一つだ。そう思ってくれ』
「オソレオオイ。我々ニ謝罪ナド、不要デス!」
「で、俺に何か用か? この先には別に用事なんかないよ?」
「左様デシタカ。コノ先ニ、我々ノ村ガ在ルノデス。強力ナ魔物ノ気配ガシタノデ、警戒ニ来タ次第デス」
「強い魔物の気配?そんなもの俺には感じられないけど・・・?」
「グガッ、グガガッ。ゴ冗談ヲ!ソノヨウナお姿ヲサレテイテモ、我々ハ騙サレマセンゾ!」
「トコロデ、ソコノオ方ハ...?」
『ん?ああ、私か。まぁ、このスライムの連れだ。気にしないでくれて構わない』
その後、リムルがゴブリン達と話していると話の流れで彼等の村へ行くことになった。そのまま私もついて行く。
彼等の村へ着くと、村長の家へと案内された。あまり良いとは言えない家、というかテントが多かった。村長の家はまだマシだった。
「お待たせ致しました。お客人」
そう言いながらヨボヨボのゴブリンが先程のゴブリンリーダーを付き添いとして出てくる。
「ああ、いやいや。それ程待っていません。お気遣いなく!」
スマイルで対応しているリムル。スマイルスライムだな。
「大したもてなしも出来ませんで、申し訳ない。私は、この村の村長をさせて頂いております。」
そして話は進んでゆく。話をまとめると、牙狼族と呼ばれるオオカミ型の魔物から守って欲しいということらしい。
「村長、一つ確認したい。俺がこの村を助けるなら、その見返りはなんだ?お前達は、俺に何を差し出せる?」
「我々の忠誠を捧げます!我らに守護をお与え下さい。さすれば、我らは貴方様に忠誠を誓いましょう!!!」
「いいだろう!その願い、聞き届けよう!」
『良い判断だ、リムル』
『いいじゃないか、弱者が強者に忠誠を誓う...実にこの世界らしい構図だ』
こうして、リムルはゴブリン達の主、守護者となった。
リムルがゴブリンの村で対策を練っている間、私は少し森の中を探索することにした。
『なるほど...これが魔素か』
空間に満ちているエネルギーに、少し触れてみる。
『中々に凝っている作りをしてるじゃないか』
『生物の感情、生命力...そして世界の循環...すべてこのエネルギーで廻っているらしい』
『HAHA!よくできた箱庭だ』
《確認しました。魔力感知を獲得・・・エラー》
《エラー》
《エラー》
《対象はこの世界に属していません》
《世界外存在》
《スキル付与不可》
む...。なんだ、スキルと言ったのか?ゲームのようなシステムをしているな。
...エラーと言われるということは、この世界からすれば、私は完全なイレギュラーというわけか?
だが、面白い。
『HAHAHAHA!そうか、この世界に縛られないというわけだ』
『最高だ!』
魔素を軽く握り潰す。
それは一瞬で、意味を失って霧散した。
『壊せる、か』
段々と、この世界の遊び方に慣れてきた。
...そろそろ、村に戻るか。
—遠い未来。
戦争。
魔王。
天使。
それらを、この悪魔だけが見通していた。
『HAHAHA!壊すには惜しい世界だ』
『しばらくは——遊ばせてもらうとしよう』
リムルはまだ知らない。この悪魔が、世界を簡単に滅ぼせることを。
だが同時に——
その悪魔は今、リムルをとても気に入っていた。
コメントよろしく!
間違ってたところあったら教えてください。
すみません、リアルが忙しく中々更新ができていませんでした。改めて見返して、色々不自然な点が多かったので大幅に修正をさせてもらいました。ご容赦のほどお願いします。以前の物語とは全くの別物になってしまいすみません。
これからは毎日とはいきませんが、以前より高頻度で投稿していくつもりです。楽しみにしてくれると嬉しいです。
どちらで進めるのがいいですか?
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