夢の悪魔は異世界を嗤う   作:カカイリ

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少し、ビルの介入を増やしてみました。
ビルの性格というか、行動が掴みにくい...まだまだ未熟者ですが、よろしくお願いします。

『もっと精進するべきだね!この作品の「作者」さん』

『読者諸君も、これからの私の活躍を楽しみにしてくれたまえ』

...それでは、どうぞ!


04話 スライムの旅路を台無しにする方法(ビル・サイファー著)

「...で、ビルも行ってもらおうと思うんだが、どうだ?」

 

『ああ、勿論だ。まぁ、最初から参加するつもりだったがな!』

 

「ですよねー」

 

 

HAHAHA!こんなに面白そうな旅、行かない選択肢などあるわけないだろう?

 

さて、諸君。元気かな?私は最高に気分がいいぞ。

何しろ、あの退屈な二次元の世界から、こんなにも興味深いスライムのいる世界に飛び出せたからね。

 

今はちょうどこの村から出て、ドワーフ王国とやらに行くところだ。

リムルは糸を使って、例の犬っころの背中に乗るようだ。

私はというと、まあ—いつも通り、横に浮いてるだけさ。

 

 

『なあ、リムルよ。この犬っころの背中、もっと乗り心地よくしてやろうか?』

 

「ん?」

 

「例えば、背骨をマシュマロに変えるとか!」

 

「やめろ!ランガがマトモに動けなくなるだろ!」

 

『HAHAHA!ジョークさ!』

 

 

マシュマロじゃ強度が足りない、せめて生きた蛇の束にでもするべきだったかな?

 

しかし、この犬っころ...ランガと言ったか。

3時間は走っているのに、全く速度が衰える様子がないな。しかも時速80kmほどの速度で!

足に車輪でもつけてみるのも、悪くないかもしれないな。HAHAHA!

 

 

移動している間暇だったので、少し面白いことをリムル達に見せてやることにした。

 

 

「...おい、ビル」

 

『ん?どうした?』

 

「通り過ぎる木に目が生えてお辞儀をしてくるんだが」

 

『HAHA!いいだろう?ずっと同じ光景だと飽きると思ってね』

 

「怖いわ!」

 

 

おっと、リムルの脳内に住んでいる、お堅い計算機が私を覗いているね。少し相手してあげよう。

 

《解析不能...告、対象は規格外の存在です》

 

『やあ、ミス電卓!私のことを解析しようとしたって、無駄だよ』

 

《再試行...エラー》

 

『君の演算能力じゃ、私のジョークの1文字目も理解できないだろうからね!』

 

《エラー...エラー...》

 

《対象の解析に失敗しました》

 

「なんか、俺の中で闘いが起きてる気がする...」

 

 

 

 

さて——

 

道中の細かい話は省略しよう。

 

どうせ君たち、

原作は見ているんだろう?

 

同じ展開をなぞるだけじゃ退屈だ。

 

 

だから——

 

面白いところまで飛ばしてやる。

 

 

感謝するといい。

 

 

 

 

 

—そして。

 

私たちはドワーフの国の門の前に到着した。

入国のため、リムル達と一緒に並んでいると...

 

「おいおい!魔物がこんなところにいるぜ!まだ中じゃないし、ここなら殺してもいいんじゃね?」

 

「なあ、何並んでるんだよ!生意気だな、お前ら。殺されたくなければ、その場所譲れ!あと、荷物全部置いていけ。それで今回は見逃してやる!!!」

 

明らかに、弱い魔物であるスライムとゴブリンを狙って絡んできた...と思われる冒険者達が来た。

...私のことには気づいていないのか?

 

すると、リムルとゴブタとやらが茶番を始めた。

 

「おいおい、ゴブタ君、何か聞こえないかね?」

 

「はい、聞こえるっすね...」

 

「前来た時も、絡まれたりしたのかね?」

 

「当然っす!ここでボコボコにされて、コボルトの商人さん達に拾われたっす!あそこで、拾われなかったら、俺、死んでたかもしれないっすね〜」

 

『HAHA!運が良いな、ゴブタ君』

 

「いや〜、マジで死ぬかと思ったすよ」

 

「...絡まれたんだ、じゃあ、しょうがないか?」

 

「弱い魔物の宿命みたいなもんなんすよ...」

 

『可哀想にねえ』

 

そんなことを話していると、彼等が話しかけてくる。

 

 

「おい!雑魚い魔物のくせに、こっち無視してんなよ!」

 

「ってゆ〜か、喋るスライムって、レアじゃね? 見世物として売れるんじゃね?」

 

「こっちも珍しい...黄色い看板か?喋る看板なんて高く売れそうだ!」

 

HAHA!私の価値を理解しているとは、なかなか見込みがあるじゃないか!

 

「ゴブタ君...。前に、俺が言ったルール覚えているかね?」

 

「はい! 勿論っす!」

 

「そうか。では、少し、目を瞑り、耳をふさいでおくんだ!決してこっちを見てはいけない!」

 

「?なんか良くわかんないっすが、了解です!」

 

この二人組の他に、目でコンタクトをとっている三人組がいるな。恐らく、私たちを二人組が追いやってから、三人組に始末させる手順だったんだろう。

リムルも何かやろうとしているし、私も遊んであげようか!

 

『やあ、諸君。私の値段を知りたいのか?』

 

「ああ?」

 

 

『勿論、教えてあげよう!』

 

単眼が、不気味に発光する。

 

『代償は——君たちの「視覚」か「記憶」、どちらにしようか?』

 

「...は?」

 

彼らの表情が、一瞬で好奇心から恐怖に変わる。

ああ、この匂い!たまらない。最高の調味料だ。

 

 

『HAHA!冗談さ』

 

 

だが、少しだけ触れてやろう。

 

 

『..君たちの未来をチラッと見てあげたよ』

 

『30秒後——』

 

『「自分達の名前を忘れて、語尾がピヨになる呪い」にかかるようだ』

 

 

「は?」

 

『あ、今かかった!』

 

パチン。

 

 

彼らの言語中枢に、ちょいと「コード」を上書きしてやった。

これで彼らは、語尾が全て「ピヨ」になる。面白いだろう?

 

 

「な、何を言って...ピヨ。ピヨ?!」

 

「あれ...俺の名前は...ピヨ?」

 

『それじゃ、リムル。続きのショーは君に任せるよ』

 

「お前、ほんと何でもありだな...」

 

御膳立てはしてあげたからね。いいショーになるのを期待するよ。

 

 

「おいおい!順番は守れよ! 俺は寛大だから、今なら許してやる。さっさと後ろに並びな!」

 

そう言われると、彼らは混乱しながらも顔を真っ赤にした。怒ることは忘れないようだ。

 

「クソ雑魚の魔物のくせしやがって…舐めてんじゃねーぞ!ピヨ!」

 

「おいおい、お前、死んだぞ!ピヨ!身包み置いていくなら殺さずにいてやろうと思っていたんだがな!ピヨ!」

 

HAHAHA!こんな威勢のいいことを言いながら、語尾がピヨなんだぞ?面白いな!

リムルも笑いを堪えてるようだ。

 

「クソ雑魚の魔物?それは俺の事か?」

 

「てめーに決まってるだろうが!ピヨ!スライムなんざ、雑魚中の雑魚だろうよ!ピヨ!」

 

「さっさと、こっちに来いピヨ。しゃべれるようだし、殺さずに魔物の奴隷にしてやるよ!ピヨ!」

 

この二人組も、よくそのまま話せるな。

 

「いいだろう。見せてやろう、この俺の真の姿を!!!」

 

 

そんなことを言いながら、リムルは少し妖気オーラを解放する。

コイツらは...気付いてないようだ。

愚鈍な奴らだ。

 

そして、リムルは大きな黒い狼の姿へと変身する。あの犬っころの進化先らしい。

コイツらはと言うと...

 

「は!ピヨ!見た目だけ厳つくしても、テメーがスライムなのは変わらないんだよ!ピヨ!」

 

「おいおい、それで俺らがビビッて逃げる!とでも思ったか!ピヨ!」

 

頭がめでたい奴らだな!

 

「やれやれ…、もういいや。面倒くさいから、かかって来い!」

 

「へっ、死にやがれ!ピヨ!」

 

「うぉぉぉ!!風破斬!!!ピヨ!」

 

1人はタガーの投擲、もう1人は剣を緑に発光させてリムルに斬り込む。

だが...

 

 

カララーーーン!

ポキィーーーン!!!

 

 

というような具合で、リムルには効いてないようだ。しかも剣が折れている。可哀想に!

 

 

「今、何かしたのか?」

 

『HAHA!まるで悪役だな!』

 

「ば、バカな!ピヨ!なんて硬い剛毛なんだ…ピヨ…」

 

「ありえん…こんな、こんな事、有り得ない!!ピヨ!俺の剣は白銀製だぞ!ピヨ!魔物への威力増大効果があるんだぞ!!ピヨ!」

 

語尾とも相まって、何とも滑稽だな!

 

「おい!お前らも手伝え!!ピヨ!」

 

「ヘッ! お前はもう終わりだ!ピヨ!」

 

「やれやれ…、まさか、俺達に出番が来る、とはな!」

 

「スライムの変身魔法? 興味あるな。死んだら解剖するとしよう!」

 

「さっきからソイツ、動いてない。動くと魔法が解けるんだろ。どうだ?図星か!?」

 

「てか、お前ら喋り方どうした?」

 

彼等にも例の呪いをかけてあげようかな?

そんなことを考えていると...

 

 

ウォーーーーーーーーン!!!

 

 

と、リムルが威圧を放った。

ただ、その範囲でやると周りの人間達も被害を喰らうぞ?

 

案の定、見物人達も気絶したり漏らしていたり...酷い光景だな!

 

五人組は、あの威圧を至近距離で喰らっていたからな。色々大惨事さ。

 

『...おやおや』

 

私は目を細める。

 

『これはこれは。まだ力の加減も分からないとは』

 

『危なっかしいねえ?リムル君』

 

「やりすぎたかぁ...」

 

ドワーフ警備隊がこちらに向かってくるのが見れる。片付けは大変だろうねぇ。

 

...さて。

 

私は、地面に転がる彼等を見下ろす。

 

 

『そういえば、言い忘れていたな』

 

 

ビクリ、と1人が反応する。

 

 

『その呪い——』

 

ニヤリ、と歪む単眼。

 

『今後1年間、続くようにしておいたよ』

 

「...ピヨ...?」

 

『HAHA!これで君たちも、有名な「道化」になれるに違いない!』

 

誰も笑わない。

 

ただ1人を除いて。

 

 

 

 

その日。

 

 

「語尾がピヨになる呪われた冒険者」

 

 

という噂が、

 

静かに——

 

そして確実に広まり始めるのだった。

 

 

 

《告。個体名、ビル・サイファーの危険度を再評価……》

 

《危険度——》

 

 

 

《測定不能》




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