色々と忙しくて、投稿がなかなかできずに申し訳ないです……。
これからの投稿頻度は、週一くらいになっちゃうのかな、って感じですね。
なるべく、週二になるように努力します!
それと、転スラのアニメ第4期始まりましたね。いやー、楽しみ楽しみ。
では、どうぞ!
さて。
当たり前の話だが、大臣を殴ってしまったのは色々とマズかったらしい。
だが、あのスッキリする打撃音と言ったら!カイジンはいい拳を持ってるようだ。
「兄貴……、何をやってるんだよ?」
私たちと「天才美少女魔法使い」の設定を考えたカイドウのセリフである。
そりゃあ、彼がいない間に大臣を殴る、なんていう大事を起こしているなんて知ったら当然だ。
「フン!そこのバカが、俺の客であり恩人のリムルの旦那に失礼な事をしやがるから、ちょいとお灸を据えただけの事よ!!」
「おいおい…、ちょいとお灸って、大臣相手にそれは不味いだろ…」
あの大臣の鼻血を垂らしている、呆れた顔は芸術的だったね!
私たちが拘束されて、連行される前にリムルはここの
『おやおや、賄賂でも渡したのかい?』
「迷惑料込みだからな、これぐらい払わないともう来れないだろ?」
『いくらか金を使っても楽園への再入国許可を確保しておくその執念、素晴らしいね』
さて、王宮へ向かう前に一つ。
私たちは「お仕置き」と称して、ゴブタを粘糸でぐるぐる巻きにして部屋に放置してきた。
「バカめ!貴様の日頃の行い、目に余るわ!悔しかったら、
とかなんとか、リムルが無理難題を押し付けてたわけだが。
『あの緑色、一週間くらい放置したらどんな面白い形に変態するか楽しみだったんだがね……。ま、今は王様との面会が先かな』
牢屋での二日間は、実に退屈で贅沢な時間だった。
一日目はカイジンの謝罪から始まり、ドワーフ三兄弟も一緒に村に行くことに。捕まってるうちから釈放後のことを考えるとは、中々に図太い精神をしてる。
二日目の夜、カイジンがベスターとの関係を話してくれた。
庶民の出ながら、王宮騎士団の工作部隊団長になることができたカイジン。
その時の副官がベスターだったと。
三次元生物の特有のプライドのせいか、それとも嫉妬だったのか、庶民の元で命令を受けるのはあまりよく思ってなかったらしい。
そんな時に立ち上がった、「魔装兵計画」。
成果を上げようと焦ったベスターの独走により、失敗。精霊魔導核、とやらが暴走してしまったと。
「あいつはその責任をすべて俺に押し付け、軍の幹部を買収して証言を捏造しやがった。俺は軍を去り、あいつは大臣の椅子に座りやがったわけだ」
「絵に描いたような悪人だな」
『これだから三次元の政治劇っていうのは、いつでも汚い。...カイジン、今からでも遅くない。彼の記憶を全部美味しいジャムに書き換えて、パンに塗って食べてみないかい?過去なんて、ただのデータの集積に過ぎないんだからさ!』
「……はは、相変わらず物騒なことを言う三角形だ。だが、不思議だな。旦那たちと会ってから、今まで気にしてた過去が、どうでもよくなってきたんだ」
カイジンは、ソファの上で不器用に跳ねるリムルを見て、小さく笑った。
「軍の栄光も、ベスターへの恨みもな。……今は、この得体の知れないスライムと、ふざけた三角形が作る『未来』ってやつを見てみたい。そう思っちまったんだよ」
『……いいね』
ほんの一瞬、ビルの視線がリムルへ向く。
『退屈な物語を選ばなかった。その選択は、高く評価しようじゃないか』
「でもさ、貴族相手に殴ったりして無事に釈放されるのかね?」
「大丈夫だろ、一応。俺は退役したとはいえ団長にまでなったおかげで、準男爵の地位を戴いている。庶民が貴族に対して!ってのなら、裁判待たずに死刑もありえたけどな!」
そう言って大笑いするカイジン。
『HAHA!物事なんていうのは、割と都合よく行くものさ。そんなに心配しない方がいい!』
ほんとかよ、なんて顔をしてるスライムがいたのは気のせいに違いない。
そして裁判の日。
私たちはドワーフの英雄王、ガゼル・ドワルゴの前へと連行された。
王の威圧感は、もはや物理的な質量を持っていたね。
リムルの中の生存本能が、最大音量で警報を鳴らしているのが私にも伝わってきたよ。
「裁判を始める!皆、静粛にせよ!!!」
そして、裁判が始まる。
この場で自由に発言できるのは、伯爵位以上の貴族だけらしい。なので、私たちは当然発言は不可能。
なので、代理人に任せるしかないのだが...
「と、このように、店で寛いでお酒を嗜んでおられたベスター殿に対し、複数で店に押し入り暴行を加えたのです!これは、断じて許されるべき行為ではありません!」
「それは事実であるか?」
「はい!私も、カイジン殿からの聞き取りだけではなく、店側からも調書を取って御座います!先の言い分に相違ない事は、間違い御座いませぬ!」
ベスターに買収された代理人が、平然と裏切りを演じる。
せっかくの裁判が、ただの茶番劇に成り下がってしまったようだ。
「王よ!お聞き届け頂けましたでしょうか?この者達への厳罰を申し渡しください!」
ベスターも便乗する。
そして私たちに、勝ち誇ったかのような笑みを向けてくる。...やっぱり、あの時に指を鳴らすべきだったかな?
「静粛に!これより、判決を申し渡す!
主犯、カイジン!この者は、20年の鉱山での強制労働に処す。
その他、共犯者!この者共は、10年の鉱山での強制労働に処す。
それでは、この裁判を閉廷…」
「待て」
王の言葉が閉廷の言葉を遮る。
「久しいな、カイジン!息災か?」
「…は!王におかれましても、ご健勝そうで、何よりで御座います!」
どうやら、王からの問いかけには答えていいらしい。
「よい。余と、そちの仲である。本題である!戻って来る気はあるか?」
ざわめく周囲。
ベスターと、裏切った代理人の顔色は一気に青色へと変わっていく。
なんとも面白い光景だ。
「恐れながら、王よ!某は、すでに主を得ました!この契りは、某の宝であります。この宝、王の命令であれど、手放す気はありませぬ!!」
HAHAHA!王様の誘いを蹴って、変なスライムと浮いてる三角形を選ぶとは!
そして、判決は「国外追放」。
大音量での判決は、中々に見応えがあったよ。
しかし、何故だろうか。
王者の覇気を放つ王は、少し寂しそうに見えた。
荷造りのために店に戻ると、物理法則を嘲笑うような光景が待っていた。
「あ!お帰りっす!今まで楽しんでたっすか?今度は自分も連れて行って欲しいっす!」
なんと、『粘糸』でがんじがらめにしたはずのゴブタが脱出しているじゃないか!
「お、おい、ゴブタ君。君、狼の召喚に成功したのかね?」
「あ!そうっす!来てくれ!って念じたら、来てくれたっすよ!」
『まさかの召喚成功!? 努力も訓練もなしに、ただ念じただけで嵐牙狼を呼び出すなんて!リムル、この緑色、君が思っているよりも才能があるかもしれないよ?』
「えへへ、そうっすかね?もっと褒めてくれてもいいんすよ!」
『ということで、少しだけ...君の脳みその中を覗かせてもらってもいいかな?』
「ひえぇ!やめてくださいっす!」
ドワーフ三兄弟が狼を見て腰を抜かしている間に、リムルは家の中の資材から酒から、何から何まで飲み込んでしまった。
『引っ越し作業が3秒で終わるなんて、全宇宙の運送業者が首を吊るレベルのチートだね』
私たちが今後何度も関わることになる国、武装国家ドワルゴン。
そんなことを知る由もなく、私たちは森の入り口へと向かうのだった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
私たちが去った後の、血の気が引いた玉座。
ガゼル王は、震えるベスターを冷徹な視線で見下ろしていた。
そして、王とベスターの話は進む。
「ベスターよ!お前は、勘違いをしておる。カイジンの奴は、元より、余の元を去っておった…。余が失う忠実な臣、それは、お前の事だ」
現実に気づき、恐怖に頭が支配される。
「お、おそれ、恐れながら…」
「余は、お前に期待していたのだ。ずっと待っていた。魔装兵事件の際も、お前が真実を話してくれるのを待っていたのだ。そして、今回も」
絶望に打ちひしがれ、二度と王宮へ入れぬ身となったベスター。
自らが犯した愚かしさを償うため、彼はその場を去って行くのだった。
王は、リムルが残した「
(スライムだけではない……あの浮遊していた黄金の三角形……あれは何だ?)
王は震える拳を膝の上で固く握りしめた。
裁判の間、その魔物は一言も発さなかった。笑いもせず、野次も飛ばさず、ただスライムの傍らで、重力を無視して浮遊していた。
当たり前である。王の前なのだから。
だが、それが異常だった。
王の『魔力感知』には、はっきりとその存在が捉えられていた。
捉えていたのだが...何かが、決定的に狂っていた。
その魔素の波長は、この世界のあらゆる属性のどれにも該当しない。
それどころか、それらすべてを無秩序に混ぜ合わせたような、あるいは「全く別の法則」で編み上げられたような、解析不能なノイズを放っていた。
例えるなら、緻密な数式の中に、突如として「記号ですらない何か」が混入したような。
理を重んじ、技術の粋を極めたドワーフの王にとって、それは恐怖というよりは、世界の根源的なルールが書き換えられていくような、底知れぬ静かな戦慄だった。
「暗部よ……あの横にいた、三角形の怪物。ビル・サイファーと言ったか。あれをどう見る?」
「……恐れながら。我々の感知では、あれがそこに居るだけで、周囲の空間が薄くなっているように感じられました。……あれを観測し続けること自体、危険であると本能が告げております」
「……余もだ」
ガゼルは、先ほどまでビルが浮遊していた空間に視線を走らせた。
そこには、物理的な痕跡は何一つ残っていない。だが、ガゼルの網膜には、あの黄金の三角形が放っていた「理外の輝き」が、いまだに強烈な違和感として焼き付いていた。
「……あれは魔物ではない。精霊でも、魔王でもない。この世界の理とは異なる、『混沌』そのものだ。カイジンめ、あんな不吉な神とすら呼べる存在を、どこから拾い上げてきた……」
王は立ち上がり、リムルたちが向かったはずのジュラの森がある「方角」をじっと見つめた。
「暗部よ。命ずる。あの二柱を監視せよ」
「はっ!」
「だが、絶対に、絶対に深入りはするな! もし、あの三角形がこちらを一瞥したのなら——」
ガゼルの言葉が、一瞬だけ詰まる。
「その瞬間に感知を切り、退避しろ」
「退避...でよろしいので?」
わずかに戸惑いの混じる声。
それも無理はない。監視任務において退避優先は異例だ。
「構わぬ」
ガゼルは即答した。
「ドワルゴンに、あの『混沌』の視線を招き入れるわけにはいかぬのだ」
王の、悲鳴にも似た厳命。
ガゼル・ドワルゴは、自分が必死に積み上げてきた秩序が、あの「青い異端」と「黄金の三角形」によって、音もなく消し去られていく予感に、ただ独り、冷や汗を拭っていた。
(……あのスライムも化け物だ。しかし、まだ理解の範疇にある)
(だが、あの三角形は違う)
拳を、強く握りしめる。
(あれは——この世界の理の外側だ)
(……せめて)
ガゼルは目を閉じる。
(あれが、こちらを面白いと認識しないことを祈るしかあるまい)
(……いや)
(平和な時代は、すでに終わろうとしているのかもしれぬ)
「……あの瞳が、今夜の夢に出てこないことを祈るばかりだ」
読んでいただきありがとうございました!
というわけで、少し長くなってしまいましたがどうでしたかね?
私自体、あまりビルの性格が把握できてないので若干キャラ崩壊気味かもしれませんが...そこは見逃してくれるとありがたいです。もしくはアドバイスください!
それでは〜
どちらで進めるのがいいですか?
-
書籍版の展開で!
-
web版の展開で!