モンスターの言葉が分かれば楽出来ると思った僕の考えは甘かったかもしれない(修正版)   作:ラン乱

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相棒は黒き刃

~ハンター訓練所~

グラン「教官、小型モンスター5体、討伐してきました!」

 

気合の入った声と共に、グランは腰のポーチから丁寧に取り出した袋を差し出した。

 

教官「ほう……ではその成果、しかと見せよ。」

 

ごつごつとした手で袋を開き、中身をじっくりと確認する教官。その目が真剣に細められた後、満足げに見開かれる。

 

教官「ふむ……確かに、これは小型モンスターのジャギィとジャギィノスの鱗だな。

よし、文句無し!」

 

教官「これより、貴様は“見習いハンター”を卒業とする!

明日からは“正式なハンター”としての活動を許可する!!」

 

グラン「よっしゃああああ!!ありがとうございます、教官!!」

 

(グラン:……長かった。この世界に来てから15年。

ようやく明日からは、自分の力で未知の世界を歩ける……!)

 

嬉しさを噛み締めるように、グランは拳を握り締め、わずかに滲む涙をこらえた。

 

教官「では、吾輩はギルドに報告してくる。

貴様は体を休めておけ、いいな? 以上だ!」

 

グラン「はいっ!」

 

嬉しさを背中に背負って、グランは村道を駆け足で帰っていった。

 

~グランの家~

グラン「ただいま~!」

 

玄関を勢いよく開けると、暖かい香りと共に母・ミストルの声が出迎えた。

 

ミストル「お帰りなさい、今日は早かったのね?」

 

グラン「母さん、聞いて! 僕、ついにハンター見習いを卒業したんだ!」

 

ミストル「あらまぁ……! それは本当におめでとう!」

 

母は驚きと喜びに満ちた顔で、思わずグランをぎゅっと抱きしめた。

 

グラン「うぐっ……ちょ、ちょっと母さん! 強いってば!」

 

ミストル「あんなに小さかった子が、こんなに逞しくなるなんて……

貴方は、私の自慢の息子よ。」

 

グラン「……やめてよ、そんなこと言われると照れるじゃん。」

 

母の腕をそっと解きながら、笑顔で頭を掻くグラン。

 

ミストル「あ、それとさっき手紙が届いたのよ。お父さんから。」

 

グラン「え!? 父さんから?!」

 

ミストル「貴方のテーブルに置いてあるから、読んでちょうだいね。」

 

急いでテーブルに駆け寄り、一通の丁寧に封をされた手紙を開いた。

 

――我が家族へ――

ガオルー(父):

今日も元気にしているか?

実は今回の遠征、少し長引きそうだから手紙を書くことにした。

グラン、お母さんに迷惑をかけてないか? ま、俺の息子だから問題ないと思ってるぞ。

 

遊んでやれなくてすまん。

でも、お前もそろそろ“ハンター”として生きていく時期だろう。

父さんから一つだけアドバイスだ。

 

――モンスターに襲われている人がいたら、必ず助けろ。

そして、モンスターは討伐しろ。

モンスターは俺達にとって脅威の存在。決して油断するな。

 

お前の成長を、心から楽しみにしてるぞ。

 

――ガオルー

 

グラン(独白)「……油断はするな、か。

よし……明日には新しい村へ行って、ちゃんと役立てるように頑張るぞ!」

 

夜はまだ深まっていなかったが、彼は布団に入り、明日への準備に備えた。

 

~翌朝・家の前~

グラン(独白)「財布よし、防具よし、武器よし、ポーチの中身よし。……鏡に向かって、ファイティングポーズ!」

 

グラン「……って、何やってんだ俺。でも、よし……僕は今、旅立つ!」

 

そう言って勢いよく家を飛び出し、村の門を抜けて新たな狩猟生活へと踏み出した。

 

~密林~

村から出ておよそ10分。鬱蒼とした木々と草が辺りを包む道なき道。

 

グラン(独白)「……ハンターになったのはいいけど、なんか物足りないよなあ。」

 

足元に咲く小さな花を見ながら考える。

 

グラン(独白)「あ、そうだ! オトモ! 忘れてた! アイルーっていうネコの仲間を探さなきゃ!」

 

そう思っていると、視線の先に小さな川が現れた。

 

グラン「ちょっと水でも汲んでおこうかな。」

 

しゃがんで水面に手を伸ばした――その瞬間。

 

???(ナルガクルガ)「ギャオオオオ!!!」

 

グラン「この声……まさか!」

 

振り返ると、すぐそこに黒い影。翼を広げ、鋭い尾を揺らしながら、獲物を狙う猛禽のごとき影――ナルガクルガだった。

 

グラン「って、お前かよ!? 小型モンスターの肉でも欲しいわけ?」

 

ナルガクルガ『違う違う、それとは別だ。今日はな……お前に会いに来た。』

 

ぐい、と距離を詰める。もう目の前、1メートルも離れていない。

 

グラン「な、なに……近いってば!」

 

ナルガクルガ『お前に、ついて行く。』

 

グラン「は……? えええっ!?」

 

ナルガクルガ『最近、退屈で仕方なかったんだよな~。

でもこの間、お前が俺の言葉を理解するって知って、閃いたわけ。

“こいつについて行ったら面白い”ってな。』

 

グラン「いやいやいや、何が面白いの!?

僕はハンターなんだぞ! これから困ってる人を助ける旅に出るんだ!」

 

ナルガクルガ『……で、オトモってのを探してるんだろ?』

 

グラン「そ、そうだけど……アイルーを探すって言ったんだよ。 お前みたいな大型モンスターがオトモって聞いたことないし!」

 

ナルガクルガ『アイルーなんて、俺に比べたら猫のヒヨコみたいなもんだろ。

力だって、知恵だって、速さだって俺の方が上。適任じゃん?』

 

グラン「そ、そういう問題じゃなくてだな……」

 

ナルガクルガ『よし、決まりだな! 今日からよろしく、相棒!』

 

グラン「ちょ、ちょっとぉおお! 勝手に決めるなーーーっ!!!」

 

~その後~

グラン(独白)「こうして、僕のハンター生活は始まった。

が……まさかの、大型モンスター・ナルガクルガがオトモになるとは……。」

 

足元を軽く跳ねながら、嬉々として歩くナルガの姿が、なんだか妙に楽しそうに見える。

 

グラン「……僕のハンターライフ、どこいった……?」

 

空を見上げてため息をついたグランだったが、胸の内には少しだけ、新たな冒険への期待が芽生えていた――。

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